『マッドサイエンティストの手帳』789
●マッドサイエンティスト日記(2022年10月前半)
主な事件
・石毛先生祝賀会(8日)
・JAZZ@DEAR LORD(9日)
・野良猫戦線異状あり(15日)
10月1日(土) 穴蔵
目覚めれば10月であった。
快晴。October Skyが広がっているのであった。
人出が多いことだろう。終日穴蔵で過ごす。
幸い専属料理人は復調。
こちらの生活パターンも正常に戻る。
・アントニオ猪木の訃報。心不全。79歳。痩せて車椅子状態のを見たから驚きはせず。
やはりいちばん面白かった(というか面白くなかった)のはリングに寝転がってアリにオイデオイデしつづけた「世紀の一戦」だろうな。
10月2日(日) 穴蔵
晴れて風なし。
秋晴れの日曜とあれば、人出多いことであろう。
終日穴蔵。
非SF系の雑事あれこれ。
たちまち夕刻。
*
専属料理人の並べた普通のメニュー(おやサンマもあり)でビール、酎ハイ。
早寝させていただく。
10月3日(月) 穴蔵/ウロウロ
晴れて風なし。
秋晴れの月曜日の朝、天六の某院へ。
2年前の入院以来、年に1度の検査が続ているのである。
X線撮影を行い、写真見て「異常なし」、2分ほどで検査は終わる。また来年の秋(生きてればだが)の予約となる。
まあ、大腿骨も心臓も奥歯も、適当に検査しつつ生きていくしかあるまい。
中崎町の路地をウロウロ歩いて帰館。
午後は穴蔵。
空がしだいに曇ってきたところへ、公園から凄まじい騒音。
作業車が入って、樹木数本を切り倒しているのであった。
*
ネコの戦場の1本(どんな木だったか)も切り倒されている。
猫の隠れ家が減っていくのは確か。嫌猫派の苦情で公園事務所が動いた訳ではあるまいが。
戦況……愛猫派撤退の様相である。
わたくしはどちらに与するものでもありません。
10月4日(火) 穴蔵
陰のち晴。終日穴蔵にあり。
朝、北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射。Jアラート発令、東京あたりも混乱したような。
(10時頃の発表では、7:22に発射、飛行距離4600キロ、最高高度1000キロ、マッハ17、青森上空を通過して、7:44に太平洋に落下)
テレビが騒がしいことだが……何の手もうてず、ほとんど「手遅れ」ということだろう。
コロナ禍を将軍様の指示で「塩水飲むだけ」で、ひとりの死者も出さずに乗り切った、驚異的な国のやることだ。
岸田はんがどうあがいても、勝ち目はあるまい。
何もせんことだ。
10月5日(水) 穴蔵
晴のち陰。終日穴蔵にあり。
寒くなった。昼間ほぼ終日、室温28℃、ベランダは24℃である。
厚地のパジャマのまま、非SF系の雑事をやりつつダラダラ過ごす。
たちまち夕刻。
専属料理人が枝豆、ポテトフライ、刺身、ミニステーキ、サラダなど並べた。
作り過ぎではないかと思ったら、今日は「特別な日」なのであった。
ビールのあと、REIGNAC(レイニャック?) という、昨年末にやまさきで買った最後の1本が出てくる。
*
ブルディガラのクレセントパンなどちぎりつつ、ありがたく頂戴する。
早寝させていただく。
10月6日(木) 穴蔵
陰のち晴。
寒くなった。朝7時、室温24℃、ベランダ20℃。
冬物の部屋着で、終日穴蔵。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したらしいが、動く気にもならない。
生産的な仕事は何もできず。
陰鬱な季節到来である。
10月7日(金) 穴蔵/ウロウロ
目覚めれば雨であった。浅田飴だとはいえず(4時前で未明である)。
穴蔵にて非SF系の雑事あれこれ。
午前、荷物待ちである。
送り状番号で追跡すると、6日夕刻に戸田(←専属料理人が懐かしいという)に持ち込まれた荷物が、関東中継センターに移り、本日(7日)3:06に関西中継センターへ送り出されたらしい。
ここから変化なし。夜通しトラックは西へ走っているのであろう。
正午になっても変化なし。
これでは 関西中継センター?に着いてからも色々あるから、夕刻になるか……と思っていたら、13:40にテニス……じゃなかったピンポーン、荷物到着である(記録を見ると、13:18に淀川営業所から配達に出て20分でウチに来たことになる)。
S急便、たいしたものというべきか、到着・配送の時間表示がどの時点かよくわからんというか。ま、何よりであった。
ということで、久しぶりに専属料理人と集中して肉体労働に励む。
実質1時間ちょっと荷ほどき再荷造りして、借りた台車でY運輸と豊崎郵便局を回って再発送、16時前に帰館。
雨がやんでいて何よりであった。
……ということで、夜は専属料理人の並べた数皿(丹波の黒豆はこれからである! )で盛大にビール、酎ハイ。
やはり体を動かさないといかんなあ。
早寝させていただく。
10月8日(土) 石毛先生祝賀会
薄曇りで晴れ間もあり。
11時前に出て、久々に歩くことにする。
グラフロの西側を抜けて桜橋、さらに南下して渡辺橋を渡り、中之島を西へ、ロイヤルホテルまで。50分、5000歩弱である。
本日は「石毛直道先生 文化功労者顕彰祝賀会」。
昨年の文化の日の顕彰であったのが、コロナ禍で、祝賀会が今にずれ込んだのである。
石毛先生、お元気で何よりであった。
*
盛会でありますが……偉いお年寄りが多く(わたくしも後期高齢者だが、まだ若造である)、テーブル席はすべてお譲りして、こちらはSF系・落語系・花見会系の諸君と後ろの方に立ったまま。
立っているのはいいが、長い挨拶がつらい。乾杯まで50分かかった。
ま、しかし、食文化の研究者だけに、料理は多彩である(ロイヤルの料理長も緊張したことであろう/色々解説があったが忘れた)。
こんなパーティ自体が3年ぶりである。
懐かしい人たちとも久しぶりに挨拶。
来年に花見ができればいいが……色々難しい事情があるようだ。
帰路はバスで大阪駅まで(やっと着座できた)。
帰館して少し昼寝してたら脚が攣った。
立ちっぱなしがいけなかったのか……毎日歩かないといかんな。
10月9日(日) JAZZ@DEAR LORD
陰。昼頃に出て梅田へ歩いてたら小雨が降り出した。北新地から片町線で放出へ。
ディア・ロードで大阪JAZZ同好会の例会である。
・特集はKさんによる「アン・バートン」特集。系統立てて聴くのは初めて。
・Fさんによる新譜紹介。後藤雅広さんの新譜「GOTO BLUES」が入っているのか嬉しい。
・持ち寄り企画。本日は「ライブ・セッションの魅力」で、これはテーマが大きすぎる。
ジャズの本質はアドリブにあり、スタジオ録音よりもライブの方がスリリングで面白い。
わたくしの場合、コンサートよりライブハウス。そこに、メンバーの急死で再現不能という「しばり」を加えると、ライブの名盤は、
「ヴィレッジ・ヴァンガードのビル・エヴァンス」と「ファイブ・スポットのドルフィー&リトル」
が双璧ではないかと思う。
こんな名盤を「持ち寄っ」ても笑われそうなので、わたくしが選んだのは次の1枚。
「ERIC DOLPHY & BOOKER LITTLE REMEMBERED LIVE AT SWEET BASIL」
Mal Waldron(p) Richard Davis(b) Eddie Blakwell(ds)
Donald Harrison(as,bcl) Terence Blanchard(tp)
ファイブ・スポットのリズム陣に若いフロントふたりを入れて25年後に再現を試みたもの。
ハリソンとブランチャードは20代半ば(マルは60歳)で、大健闘と思うが……「改めてドルフィーのユニークさを実感するなあ」といった反応であった。
夕刻帰館。雨が本降りになった。
10月10日(月) 穴蔵
世間は3連休の最終日。
雨のち曇、落ち着いた日である。
世間はあちこちで「お祭り」や運動会が復活らしい。
結構なことだが、わたくしは終日穴蔵にて本を読んで過ごす。
・ちょっと驚いたニュース。宇宙飛行士がロマンス詐欺?!
いわゆる「国際ロマンス詐欺」で女性が440万円だまし取られたというのだが……。
男が演じたのは「宇宙ステーションに勤務する宇宙飛行士」で「地球に戻るロケット費用」が必要と騙した。
騙されたのは「結婚を持ち掛けられた」66歳の女性という。
これで440万円とは、世間はちょろいものだなあ。
昔(半世紀ほど前だが)「電話で田中角栄の声色で詐欺を働いた女」がいた。実際にこんな事件があったのである。
かんべさんが「こんなギャグ書いてもバカにされるだけですがな」と嘆いたものである。
下手なSFは、書くより実行する方が儲かるということか。
わたくしはそんな真似はいたしませんが。
10月11日(火) 穴蔵
朝から激しい炸裂音が響く。
何事かとベランダから覗くと、うちの集合住宅と隣接する市営住宅の境界にあるブロック塀の取り壊し工事であった。
50メートルほどあるブロック塀、午前中でほとんど解体されてしまった。午後は撤去作業。
* *
跡は金属製のフェンスになる予定。
市営住宅にはまだ5,6戸が住んでいる。新しい市営住宅は豊崎7丁目に出来ているから、居座りではなく、入居の順番待ちらしいが。
たぶん年内には無人になるはず。
その後、建物の解体工事が始まるのか?
野々村竜太郎の生家はすでに無人状態。やがては消えていくことになる。
記念碑くらい建ててやる……こともないか。
10月12日(水) 穴蔵
陰。肌寒い日である。
終日穴蔵。
・朝。内之浦。イプシロン6号の打ち上げ失敗。残念かな。
・昼。宮本浩志に無期懲役求刑。判決は20日。最後まで実質黙秘しよった。残念かな。
・夜。NHKの地方ニュースで石井順子さん(83)が登場、そうか神戸ジャズストリートに出演してはったのだ。わたくしは放出であった。ま、ちょっと残念かな。
一杯飲んで早寝させていただく。
10月13日(木) 穴蔵
秋晴れ。
相棒が急に播州龍野往復することになり、こちらの雑事も代行してくれる。助かるなあ。
こちらは終日穴蔵。ボケーーーッと過ごす。
・朝のワイドショーに面白そうな事件があるので見る。
「UFJで人骨発見」というのである。
が……つまらん事件であった。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの北西側にある植え込みで、白骨化した人の頭部などの骨が見つかったというもの。
この現場はよく知っている。天保山から渡船で桜島に渡り、工場街を歩いて桜島駅へ歩く途中の道である。
UFJの外塀に沿った道で、トラックがやたら走るが、人通りはない。死体があっても誰も気づかないだろう。
大げさに取り上げるほどのニュースではない。
それなら……19年前のこの事件はどうなのよ。
梅田でも(東京の渋谷交差点と並ぶ)いちばん人通りの多い横断歩道のすぐ横の植え込みにミイラ化した死体があって、2ヶ月ほど、誰も気づかなかった。
大阪を自慢したくもなるぜ。
10月14日(金) 穴蔵
秋晴れ。終日穴蔵にあり。ボケーーーーッと過ごす。
本当は少しは仕事もしたいのだが、アタマ働かず、結果として無為な1日。
夜、町内の某さんから頂いた丹波の黒豆が並んだ。
*
枝豆は基本的に夏のものだが、紫頭巾、黒豆と季節は移っていくなあ。
ビールがうまい。
早寝させていただく。
10月15日(土) 穴蔵/野良猫戦争継続中
秋晴れ。終日穴蔵にあり。ボケーーーーッと過ごす。
穏やかな日のはずであったが、とつぜん周辺に不穏な動き。
3週間前に終息したと思っていた野良猫戦線、まだ戦闘はつづいているらしい。
正確には、近所にいる野良猫をめぐっての「愛猫派」と「嫌猫派」の戦いである。
・今年6月にトラ猫が4匹の仔猫を産み6月下旬には眼下の庭で遊び始めた。
・猫の遊び場は公園まで拡がり、7月初めから、愛猫派(夜に猫のエサを出す)と嫌猫派(早朝に片づける)の戦いがはじまった。
・愛猫派はオバサン(老嬢)2人で、夜中0時〜1時頃にキャットフードをプラ容器に入れて持ってくる。
嫌猫派(こちらは正体不明)は朝5時頃に片づけるらしい。エサは残っている場合もあるが、半分ほど食べられていることが多い。
この戦いは8月初めに概況をまとめたが、その後1月ほどつづいた。仔猫は1匹だけになった。
・異変があったのは8月25日である。公園事務所がエサやり注意の掲示を貼り出した。
嫌猫派が公園事務所に強く言った(としか思えない)結果である。だが、掲示は翌日には剥がされた。
・嫌猫派はさらに強く陳情し(たとしか思えない)、9月5日には頑丈な掲示板が公園2ヶ所に杭うちされた。
・愛猫派は挫けなかった。エサの置き場は公園ではなく、公道である。こんな状況が1月ほどつづいた。
・嫌猫派はさらに強く公園事務所に抗議した(としか思えない)。9月22日には名指し(に近い表現)で警告書を貼り出した。
これが効いたのか、この日からエサもプラ容器も見かけなくなった(ネコは時々見かけるが)。
ついに嫌猫派は敗退したと思っていたのである。
それから3週間……
昨夜(14日)、専属料理人が「ネコの戦場に何かチラシが置いてある」という。ネコのエサに関するものらしいが、気味が悪いので手にしなかったとか。
気になって見に行くと、エサ場だった所に「野良猫の問題解決を目指して」というチラシが置いてある。
これは大阪市のHPにある「所有者不明猫適正管理推進事業」の要綱からアレンジしたチラシである。イラストもここのを使用している。
見かねた誰かが「地域猫」にすればいいと考えたのであろうか。
* → *
だが、本日(15日)見ると、チラシはまたも「通告書」に変わっている。「えさ入れ物/2時間位で/必ず下げてます」という走り書きである。便箋は「大阪YMCA国際専門学校」のもの。
これから判断するに……
・この3週間、戦いは継続していた。
・夜中(0〜1時)にエサが置かれ、2時間くらい(2〜3時)のうちに容器が片づけられる……が繰り返されていた。
・状況が変わらないので嫌猫派が「地域猫にしなさい」と呼びかけた。
・しかし、それも無視されたので、アタマにきて、「出してもすぐ棄てているぞ」と通告した……ということになる。
うーん。またしばらく戦況を見守るしかないか。
ただし、嫌猫派?の姿が少し見えてきた。
病的なネコ嫌いのオバハンかと思ってたら、案外(YMCAに通う)若いのらしい。市の出す要綱を正義と信じる教条主義的なタイプなのかもしれぬ。通告が本当だとすると、毎晩2〜3時にここに現れることになる。
うちの集合住宅の住人かもしれんなあ。怖っ。
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