『マッドサイエンティストの手帳』786
●マッドサイエンティスト日記(2022年8月後半)
主な事件
・KLL(19日)
・ダブルリード@フェニックス(24日)
8月16日(火) 穴蔵
早寝したら1時に目が覚めた。
朝まで寝たり読んだり。また睡眠時間が不規則になってきた。
終日穴蔵。
夕刻発表されたコロナ感染者数は意外に少ない(伸び悩みというべきか)。
世間(の半分ほど)はまだ盆休で、検査数が少ないのかも。
盆休の移動や行楽で、今週後半から爆発的に増える……と予想しているのだが、どうなるか。
外出自粛を要請されている立場としては、楽しみは尽きない。
夜は数皿並べてもらってビール、ワイン。
*
メインはポークチャップだが、歩いてないものだから、ちと重い。
半分くらいが適量なのだが……
8月17日(水) 穴蔵/西長堀
早寝したら、またも1時に目が覚めた。
朝まで不規則読書と不規則睡眠。吉村めが。
なぜ大阪の老いぼれだけがこんな酷い目にあわされのか。
曇天。昼頃に雷雨あり。
終日穴蔵……のつもりだったが、急を要する調べごとあり、午後、雨がやんだので、地下鉄で西長堀の市立図書館往復。
播州龍野の実家書庫へ行くよりも便利で安いのである。
吉村、これくらいの「外出」は勘弁してくれよな。
空いた地下鉄(御堂筋線、往路は天王寺行、復路は新大阪行を選ぶ)を利用するが、数か月前に較べると、乗客は増えている。
いつ「正常な大阪市民」に「老いぼれ、出歩くな! 吉村府長がゆうてはるやろ!」と、ぶん殴られるのではないか、ビクビクしながらの移動である。
奇跡的に、無事帰館できた。
たちまち夕刻。一杯飲んで、早寝させていただく。
8月18日(木) 穴蔵
未明から小雨、世間(テレビ内の日本)みたいには降らず、午後には晴れてくる。
涼しく快適である。
終日穴蔵。
一応マジメに机に向かうのであった。
8月19日(金) 穴蔵/KLL
生活パターンがますます不規則になり、昼寝したら夜眠れず、日付が変わってしまった。
午前1時に資源ゴミ出し、ついでに「猫の戦場」を見に行く。
支援物資は出ていて、半分ほどが食べられている。
*
横の公園の門柱?の上で黒が休憩している。満腹なのか。
愛猫派が支援しようとしているのはコイツではないはずだが、ま、干渉はしないでおこう。
3時頃に就眠。
昼前に出て阪急で三宮へ。
神戸文芸ラボ(KLL)の例会である。
面白い作品色々あって、議論(雑談も含むが)は4時間に及ぶ。
問題作は1時間ほどになる戯曲で、恐ろしく「実験的な」作品。
認知症の母を介護する娘の家庭におかしな青年が巧妙に入り込む設定で、実験的と思った点は演出方法などを聞いて理解できたが、事件の顛末をどう解釈していいかわからない。
これは作者が「多様な解釈」ができるように仕組んだ結果とわかるが、一因は、書き上げたあと、類似の事件が発生したため、これをヒントにしたと思われては嫌だから、変更を余儀なくされたとか(介護はからまないが、養子縁組して生命保険の受取人になった男の事件である/神奈川県警諸君の健闘を祈る)。
難しい問題だなあ。この作品の原型が数年前に書かれていたことはメンバーの多くが知っていることだし、作者の時代感覚というか「嗅覚」が鋭いことは間違いないのだが。この場合、非難されるべきは現実の事件の「犯人」になろうか。傑作誕生の機会を事件で台なしにしやがって、と。
ミステリーでもSFでも、時々起きるパターンである。
8月20日(土) 穴蔵
曇天、夕刻から雨になる。
終日穴蔵。
一応マジメに机に向かっていたつもりだが、たいした成果はなし。
早寝させていただく。
8月21日(日) 穴蔵
未明だ。雨が降っている。浅田飴を舐める前に曇天になった。
本日も終日穴蔵。
出歩きたいが……というより、散歩しなければと思うが、着替えるのも面倒な気分になる。急激な足腰の衰えを実感する。
世間は日曜で人出が多く、(大阪に限れば)爺イを見れば殴りかかる青少年が多そうだし。吉村めが。ここまでくれば、期日まで老いぼれ外出禁止令を解除することはあるまい。
思うところあって『新選組始末記』を再読。
数百巻のチャンバラ映画を一気に見る感じで、この筆致(芹沢暗殺にしろ池田屋事変にしろ、数頁で淡々と記述される)がいちばん凄みがある……と、この年齢になると実感できる。そうか「座頭市」もそうだったのだ。
たちまち夕刻。
おっ、今夜はもつ鍋である。
*
長いこと忘れていたが、この時期、こういうものこそ食べたかったのである。
盛大にビール、焼酎。
コロナが明けても、外食の機会は滅多にないだろうし、まして博多春吉の「なかむら」にはもう行けそうにない。
寂しいことである。
8月22日(月) 穴蔵
深夜に目覚め、またも眠り断続的。2時間くらいで眠ったり目覚めたり。
生活パターンがまったく不規則(というか、規則的にうたた寝の繰り返し)になってしまった。
ほとんどベッドから動かず、うたた寝と読書の繰り返し。
午後、少し歩こうかと思ったが、面倒で、とてもその気になれない。
このまま衰弱死するのだろうか。すべては吉村の外出禁止令のおかげである。
たちまち夕刻。
一杯飲んで早寝……つうか、寝たり生活のつづき。
明日は「通院」があるから、がんばって、少しは歩かねばならぬ。
大阪の老人だけが、なぜこんな情けない目にあうのか。嗚呼。
8月23日(火) 穴蔵/某デンタル
相変わらず眠り不規則。
晴れて(わたくしの感覚では)普通に涼しい日。
穴蔵にてぐだらぐだら過ごし、昼前に出て、ビクビクしながら(吉村のいいつけを無視して)路地を歩き、梅田の繁華街にある某デンタルクリニックへ。
40年ほど前に「歯医者のハラダ」はんに治療してもらった部分が欠け落ちたので、その治療である。
たぶん30年ほど後輩にあたるM先生に診てもらい、簡単に修復、あと1回で終わりそうな。
帰路、また人通りのない裏路地を歩いて戻る。
久しぶりに歩くと、梅田までの道が恐ろしく遠い。脚が重く、ともかく吉村への恨みが募るばかり。
中崎町を抜ける。白龍大神と延命地蔵が並んでる路地に大量の提灯。
*
地蔵盆であったか。
ごく少額の賽銭、あと5年ほどの延命を祈願する。
久しぶりに6000歩を超えた。
8月24日(水) ダブルリード@フェニックス
曇天なり。
悪代官吉村にいいつけを守って終日穴蔵で過ごす。
が、夕刻、謀反を起こす。
専属料理人と外出。
人通りの少ない路地を南下して梅新のフェニックスホールへ。
名古屋ダブルリードアンサンブルの「スペシャルコンサート2022」である。
これは2020年に企画されていたのが、コロナで延期され、今年2月にやるはずが、また再延期、大阪ではやっと実現である。
名古屋中心に活動しているダブルリード楽器(オーボエなどが中心)9本で構成されるアンサンブルで、珍しい編成である。
ここに大澤徹訓さんが楽曲を提供していて、招待券を送ってくださった。
2年間待たされたコンサートで、これは不要不急ではないよな、吉村はんよ。
フェニックスは久しぶりだが、9人編成のアンサンブルには音響がすごくいい。
「シェラザード」や「アルメニアン・ダンス」などのあと、後半に新作2曲。
その1曲が大澤徹訓さんの「9本のダブルリードアンサンブルのためのバガテル集(2020)」である。
ダブルリード楽器が絶妙に響き合う。ハーモニーやスタッカートが巧妙に配置された4曲構成で、しかも伊福部昭と黛敏郎へのトリビュート作品になっている……と思う。見事な作曲と演奏。たぶんそのうちCD化されるであろう。
いい気分で、21時過ぎ、人通りの減った梅田を抜けて帰館。
帰路に買った弁当などで遅めの晩酌。
たまにはこんな日がなければ。
8月25日(木) 穴蔵
薄曇りの日である。
早朝、ゴミ出しついでにネコのエサ場を見物する。
野良猫戦線異状あり。
公園隅のエサ場に、野良へのエサやりについて公園事務所の掲示が出ている。
*
要約すると、
・エサを与える場合は、食べ終わるまで見守って、ゴミを残さないように。
・野良は不妊去勢手術をしてほしい。
の2点。
無理だろうな。
エサが置いてあるのは公園前の「公道」だし、野良捕まえて手術というのは素人には無理な話だ。小さくて夜は読めそうにない。
掲示は一昨日(8/23)の午後に出たらしい。
嫌猫派が音をあげて公園事務所に陳情したというところだろう。
効き目はないようで、本日も路上にトレイが散らかっている。
ここから「世界」を見れば、国連が介入した段階か。
またしばらく戦況を見守りたい。
終日穴蔵。
・注目のニュース。
高槻の養子縁組・遺産相続・生命保険受取人変更の井凜、ついに殺人容疑で逮捕。
いよいよこれからである。大阪府警諸君の健闘を祈る。
宮本浩志も忘れておらんよ(こちらは検察だが)。
8月26日(金) 穴蔵
早朝、資源ゴミを出し、ついでにネコのエサ場を見物。
野良猫戦線さらに異状あり。
公園事務所が貼り出した「ネコのエサやりルール」注意事項の掲示が取り払われている。
*
結束バンドで4箇所、柵に固定されていたもの。ペンチでもなければ外せないはず。
愛猫派(エサやり)と同一人物か? 愛猫派はこれまで戦闘的な姿勢は見せなかった。まして公園事務所に反攻を試みる必要はないと思うがなあ。
エサは完食らしく、プラ容器が散らかったまま。
今後も戦況を見守りたい。
あとは終日穴蔵。
特にこれといったことはできず。
・悪代官吉村が大阪府の「高齢者外出自粛令」をやっと解除する。「27日まで」だから、28日午前0時にならないと出歩けない。
あと1日……明日(27日)は淀川花火のはず。わたくしは別に見たくはないが、人混みをうろうろして殴られる老人が出ないことを祈る。
8月27日(土) 穴蔵
曇天。涼しく、エアコンなしで過ごせる。睡眠は相変わらず不規則だが。
終日穴蔵。ほぼ寝たきり状態。
老人外出禁止令は今日までだが、日付のかわる深夜までは出歩けない。吉村めが。
夕刻、前の道を淀川方面へ歩く人が多いらしい。
淀川花火である。3年ぶりだから、淀川左岸の堤防に上がれないことを知らないのではないか。
告知が行き届いているとは思えない。海老江や大淀の路上は密集状態であろう。
そんな群衆を見物に行きたいが……それこそいちばん危険だな。
花火の音を聞きつつビール。こんな楽しみしかない。
8月28日(日) 穴蔵
日曜であった。
大阪の老人外出禁止令は解除されたが、人出が多そうで、出歩く気分にならず。
終日穴蔵。
アタマはさっぱり働かず。生活パターンを普通に戻さねば。
夕刻に近い午後、散歩に出る……が、歩くのがひどく面倒である。ジュンクドーまで行くつもりだったが、南公園で引き返す。
脚の筋力が衰えているのを実感する。吉村めが。
市営住宅の半廃墟に野良の仔猫。だんだん警戒心の強そうな顔つきになってきた。
一生(何年かはわからんが)こんな表情で過ごすのだろうな。
*
4匹いたうちの1匹。何匹生き残っているのか。
公園のエサはこのところ完食のようだが、仔猫にどの程度行き渡っているやら。
ともかく太っているのは牡のクロ(今岡清を連想させる/巨根のような)だけである。
わたくしは猫戦争に介入するつもりはないのだが。
8月29日(月) 穴蔵
晴。終日穴蔵にあり。
相変わらず眠りが不規則で(午前午後の昼寝が断続的に4時間、深夜の睡眠が3時間、合計7時間くらい)、アタマが冴えることなし。
夕刻、無理して散歩に出るが、脚が重く、近所の公園一回りが限界。2000歩に満たず。
何とか5000歩まで復帰させねば。吉村めが。
夜のメインはゴーヤ。今年は自家製はなく、上層階からのいただきもの。
*
これで酎ハイ。季節を感じるなあ。
・注目ニュース。
ネコのエサやりで口論、ハンマーで頭殴られ大けが……という。
8月28日午前3時50分に、西成区萩之茶屋の路地で、猫にエサを与えていた75歳の男性が、歩いてきた男と口論になり、ハンマーで頭を5ヶ所殴られ、鼻の骨を折るなどの大けが。西成区の無職村上俊之(67)が殺人未遂で逮捕された。
さすが西成、やることが早いなあ。いきなり核を使用したような。
ウチの近所は戦況に変化なし。
8月30日(火) 穴蔵
相変わらず睡眠不規則。
曇天。終日穴蔵にあり。
夕刻、散歩に出るが、やはりしんどく、東公園から第六架道橋を回って、やっと2000歩を超える。
明日はもう少しがんばろう。吉村めが。
・最悪のニュース。
淀川左岸線2期区間の完成が、2027年春から最大で8年遅れるという。
万博シャトルバスの運航(堤の上を走る)には影響なしというが、万博なんてどうでもいい。2035年まで豊崎〜十三の左岸堤は歩けないということか。生きてるうちに淀川堤を散歩するのはあきらめるしかないような。
引っ越しを考えるべきか。
8月31日(水) 穴蔵/ウロウロ
相変わらず睡眠不規則。
午前5時に眠り、8時に起き、9時前に出て梅田の某デンタル医院へ。
1時間ほど治療。
中崎町の人通りの少ない路地を辿り、タカセで食材を買って帰館。
5000歩を超えた。なんとかこの調子を維持したいもの。……ったく、吉村めが。全国で大阪府だけに老人外出禁止令を出すから、こんなに苦労することになるのだ。
ちとややこしい事情(専属料理人が昨日4回目のワクチン接種、副反応で38℃の発熱、本日は寝込んでいる)で、本日は穴蔵にて、ひとりで食事することに。たまにはいいものである。
わたくしも料理はできるのだが、自宅のキッチンは調理器や調味料がやたら多く、どれを使えばいいのかさっぱりわからない。
何か作ろうとすると専属料理人が起きてきて、あれこれ指示しはじめることになる。
専属料理人は、自分の分はなんとかするというので、こういうことになった次第。決してわたくしが冷淡ではないのである。
ということで……夜は枝豆・ヤッコ・ヤキトリ・ポテサラなど並べてビール、酎ハイ。
なんとか22時頃に眠って、生活パターンを正常に戻すつもり。
無為に(吉村に軟禁されて)過ごした8月が終る。嗚呼。
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