『マッドサイエンティストの手帳』788

●マッドサイエンティスト日記(2022年9月後半)


主な事件
 ・KLL例会(16日)
 ・森山威男 JAZZ NIGHT 2022(17日)
 ・播州龍野いたりきたり


9月16日(金) KLL例会
 秋晴れ。
 昼前に出て、阪急で三宮へ。
 午後、中央区の区民センター会議室で神戸文芸ラボ(KLL)例会。
  *
 新しい会議室は格安でなかなか快適。梅田では考えられない立地だ。
 本日の参加者6名。
 妙な流れて、神戸から大阪、堺にかけての「人工島」の先端エリアが話題になる。
 要するに「野鳥園」とか「海釣り公園」という名の廃墟が増えているわけだが、妙な撮影スポットが発生したり、外来生物の動物園になる可能性があったり、案外面白いらしい。
 交通だけが不便で……というより、交通が不便だからそうなるわけか。
 大阪の舞洲・夢洲・咲州も早晩そうなるだろう。咲州はもうなってるか。
 夢洲の廃墟が楽しみだが、これだけは見られそうにない。左岸線開通が8年延びたしなあ。
 夕刻帰館。
 本日は6800歩。
・宮本浩志の裁判やっと始まった。検察では緘黙を貫いたのか? 宮本は「死刑をお願いします」「判決に従い、控訴することはありません」、弁護側は「犯人性を争う」だと。どうせ控訴審まで行くんだろうが。

9月17日(土) 森山威男 JAZZ NIGHT 2022
 曇。風あり、風雲急を告げる雰囲気。
 14時過ぎに出て、可児市に向かう。
 名古屋を通過するから、3年前までなら途中下車して会いたい人もいるのだが、コロナが気になり、最短コースをとる。
 新大阪からこだまで名古屋、ここから名鉄で犬山経由、日本ライン今渡へ。
 ここから徒歩15分で可児市文化創造センターalaに着く。
 連絡がよく、玄関を出てから2時間50分で到着した。
  *
 森山威男 JAZZ NIGHT 2022、今年は(色々と用心しながらだが無事)9月に開催された。
 森山威男(ds) 渡辺ファイアー(as/ss) 川嶋哲郎(ts) 中山拓海(as/ss) 中路英明(tb) 魚返明未(p) 冨樫マコト(b) 相川瞳(per)
 ずいぶんメンバーが若返った。ベースの冨樫マコトは21歳というから、このジャズナイトとほぼ同年である。
 第1部。
 なんと50分の組曲。ボーカルあり、語りあり、叫び声あり、管楽器の咆哮ありの大作。
 演奏前に森山さんが「アリとキリギリス」の話をしたから、これは「キリギリス」の曲かと思った。
 休憩時間にロビーで塩谷さんに聞いたらこちらのラブリー・レポートにあるという。
 川嶋哲郎作曲の組曲「Song of the Soul」であった。
 ――生まれてきてBirth、そして広がって行くExtention,Conviction決意を新たに、『俺はこうやって生きて行くんだぜ』みたいな感じのやつを3個目にやります。そしてFulfillment,生まれてきてよかったな、そして最後にぱたっと逝く。生まれてきて、なんでこんな風になってるんだろ……
 これは人間の一生、青春・朱夏・白秋・玄冬に重なるな。冒頭で森山さんがミュージシャンをキリギリスにたとえたから、キリギリスの一生と思ったわが聴き方もそう的外れてなかったわけだ。「魂の叫び」をキリギリスの鳴き声と勘違いしたのはいかんが。
 ともかく、ぜんぜん予告なし、曲名の紹介もなしで1時間近い組曲だから驚く。
 第2部。
 「渡良瀬」から始まったから、2部はいつもの雰囲気かと思ったら、次の「サンライズ」はまたも若手の「音楽人生」の語りを組み込んで、40分近い大作となった。「音楽人生とどう向き合うか」が今年のテーマだったようだ。
 最後にアンコール曲「グッドバイ」。
 21時の終演後、今渡へ歩き、犬山経由、名古屋まで特急に乗れ、名古屋ではちょうどのぞみが来たので、少し眠ったら新大阪、地下鉄で自宅に戻ると23時20分であった。2時間20分はたぶん最短記録だろう。
 本当はPAPA'Zにも寄りたかったのだが。
 来年までがんばって生きることにしよう。

9月18日(日) 穴蔵
 昨夜夜更かししたので、だいぶ寝坊して、6時に起床。
 気分はよろしい。
 快晴で、テレビ報道とちがうではないか……と思ったら、7時頃から急に曇ってきた。
 終日穴蔵。本を読んで過ごす。
 読みたい本が溜まっているが、視力が低下して、スピード低下、すぐ眠くなる(目を閉じたくなる)のがつらい。
 夕刻、散歩を兼ねて飲料系重量物の買い物に出る。
 2日ほど台風で出られぬかもしれないからである。
 A先生の研究所前を通過。
  *
 西隣の駐車場がフェンスで囲われている。
 工事が始まるのか。できればA先生設計の建造物であってほしい。

9月19日(月) 穴蔵/zoom2件
 曇天。「これまでに経験したことのないような大雨」をもたらす台風14号、昨夜鹿児島に上陸したのが、未明に柳川に再上陸、朝8時には関門海峡あたりらしい。
 大阪は穏やかなもの。
 世間は休日。老いぼれの日である。今日だけは外出自粛しなくてもいいよな、吉村はんよ。
 昼前に出て鶏の唐揚げを買ってくる。
 昼は横浜のボンクラ息子その1ファミリー(犬も勘定にいれます)とzoomランチ
 横浜は激しい雨らしい。
  *
 こちらは唐揚げと焼きそば、向うはヤキトリなどで、ビール飲みつつ1時間ばかりらちもない話。
 柿泥棒対策を話し合う。
 しばらく昼寝。
 たちまち夕刻となる。小雨が降り始めた。
 夜はzoom会議
 某企画の編集会議で、予想以上にスムースに進行してきた。
 近いうち(どこかから)発表される……かもしれない。
 21時、台風14号は鳥取沖、関西は暴風圏に入っているらしいが、外は普通の雨が降っている。
 早寝させていただく。

9月20日(火) 穴蔵
 台風14号は大阪には少し降雨をもたらした程度で、4時には新潟あたり。
 曇天。肌寒い朝になった。
 プラゴミ出し、ついでにネコの戦場を視察。さすがに昨夜はエサは運ばれなかったらしい。野良にもつらい季節が近づいている。
 終日穴蔵。
・三遊亭円窓の訃報。15日に心不全で。81歳。こういう人であった。
 談志は死んだし、志ん朝も円楽(先代)もおらず、円丈も先に逝った。これで『御乱心』の真相を知る人間は誰もいなくなった。

9月21日(水) 穴蔵/ウロウロ
 台風一過、肌寒い日である。
 午前、梅田の某デンタルへ。
 本日で終わりかと思っていたら、あと1ヶ所、直しておいた方がいいといわれる。
 あと2年ほどだからこのままでいい……と迷うが、強く拒否もしにくく、困ったことだ。
 どうも代替わりして「小刻み治療」に方向が変わったか。
 また数回通わねばならぬ。嗚呼。
 とぼとぼ帰館。
 午後は穴蔵。
 またイライラする時間が続く。
 9月13日からのasahi-netのメール問題、どうやってもThunderbirdとうまく連動しない。
 いったん削除して新規にアカウント設定するか迷うが、過去のアドレス帖の移し替えなどが面倒で、すぐには出来ない。
 色々重要なメール待ち状態なのである。
 使い勝手の悪いasahi-netのWebメールを使うしかないのだが、きちんと送受信しているのか不安である。
 そこに、
≪メールボックスから送信された 4 通の電子メール**********が、サーバーエラーのため配信できませんでした。上記の4つの電子メールのレポート。何もアクションが取られない場合、サーバーは電子メールを削除します……≫
 といったメールが入った。
 指定の作業をしても反応がおかしい。
 不安になり、スマホのショートメールで数件、当方からのメールが届いているか、確認のメールを送る。
 だいたい無事に届いているような。
 と、3時間ほどしてasahi-netのWebメールを見たら、10数件の迷惑メール(全部英文)が届いている。
 asahi-netのWebメールのスパムブロックがうまく働いていないのである。ふだんならこんなものに引っ掛からないのだが。
 数時間切断。
 どうやら特別な被害はなく、迷惑メールも途絶えたが……ったくイライラするぜ。

9月22日(木) 穴蔵
 穴蔵にて雑事。
 ほとんど待機状態。いつかイライラする日々……。
 あまり遠くへは行けず、午後、近所を30分ほど散歩。
 おっ、ネコの戦場に新しい貼紙。
  *  *
 前に建てられた看板(剥がしたら器物破損になるぞの警告付)の前に「ねこにエサを与えている方へ」の警告書である。
 赤字で(常習)と書かれている。
 ただし「エサをやるな」ではなく、「置き水」に赤マークがつけてあるだけ(ちなみに黒っぽい表記は左から「置きエサ」「置き水」「ねこハウス」)。
 嫌猫派がうるさくいってきて、公園事務所としては「これが限界」ということなんだろう。
 エサが置かれるのは、この貼紙前の公道で、公園ではないからな。
 明日からどうなるか。刮目して見守りたい。

9月23日(金) 穴蔵
 秋分の日。世間は3連休の初日らしい。
 未明から雨。
 朝9時頃にとつぜん台風15号が発生、今夜関西に最接近するが、潮岬あたりで東にカーブして関東方面に去るらしい。
 たいしたことはあるまい。旅行者はたいへんだろうが。
 終日穴蔵。
 イライラしていてもしかたがない。
 Thunderbirdの入れ替え準備など、雑事色々。

9月24日(土) 穴蔵
 連休2日目。関東は大雨のようだが、こちら大阪は秋晴れ。
 人出が多そうで、本日も穴蔵にこもる。
 生産的なことは何もできず。
 たちまち夕刻。
 好物並べてもらって盛大にビール、酎ハイ。
  *
 そろそろ湯割りに切り替える季節か……などと考えるのはこんなレベルのことばかり。
 こんな生活でいいのであろうか。ま、連休中はいいであろう。

9月25日(日) 穴蔵
 秋晴れ。世間の3連休、最終日である。
 人出が多いであろふ。
 終日穴蔵。
 野良猫戦線に異変あり、「貼紙」の翌朝からエサの配達がなくなった。今日で3日目である。
 愛猫派の撤退か? 今しばし戦況を見守りたい。
 明日から始動することにする。

9月26日(月) 大阪←→播州龍野
 やっと世間の3連休が明けた。
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 2ヶ月ぶりである。
 実家もタイムマシン格納庫周辺も、今年は雑草が凄まじい。
 とても老いぼれひとりで処理できるものではなく、シルバーセンターと交渉。混み合っていて予定は定まらず、待つしかあるまい。
 揖保川河畔、堀家住宅……ここだけはほっとする。
  *
 もっとも、庭は雑草でたいへんではないか。
 その他「負の遺産」の相談など、結論の出ぬ積み残し案件多し。
 夕刻帰阪。
・昼間、BSで『遠い空の向こうに』をやっていた。残念ながら見られなかったが。
 原題は「October Sky」(Rocket Boysのアナグラム)。22年前に見た作品である。炭鉱の町で、父を継いで炭鉱夫になる生まれの少年、スプートニクが打ち上げた人工衛星を見て宇宙に憧れる……。NASAの技術者の自伝の映画化だが、坑道へ降りるエレベーターから少年が宇宙を眺めるシーンでは涙腺が緩んだ。明日にでもDVDを探すことにしよう。

9月27日(火) 穴蔵
 午前3時に目が覚め、プラゴミを出しに出る。
 ついでにネコの戦場も見る。本日もエサは出ていない。
 そばの自転車置き場に仔猫が1匹いた。8月28日に見かけたやつだ。
  *
 まだ(一応)元気でいたのだ。
 野良猫戦線、どうなるのか、まだ先が不透明。「世界」が読めなくなってきた。
 薄曇り。静かな日である。
 終日穴蔵。
 午後は昼寝。
 夕刻目覚めれば、雷雨があったような。
 専属料理人に数皿並べてもらって晩酌。
 早寝させていただく。
・佐野眞一の訃報。肺ガンで。75歳。『カリスマ』や『てっぺん野郎』が面白かったが、本領は『乱心の曠野』みたいな近現代史にあったと思う。10年前のハシシタについては、もういうまい。

9月28日(水) 穴蔵/ウロウロ
 1時過ぎに目が覚め、朝まで眠れず。また睡眠時間が不規則になってき。生活パターンを正常化しなければ。
 午前、新御堂を歩いて某デジタルクリニックへ。
 12時過ぎに戻り、口内が少し気持ち悪いが、普通に昼食。
 13時からBSで『斬る』。DVDも持っているのだが「4Kデジタル修復版」というので見る。
 やはり『座頭市物語』(第1作)と並ぶ三隅研次の傑作である。1時間11分と意外に短かったのだな。最後の「真っ二つ」もきれいに?確認できた。

9月29日(木) 穴蔵
 秋の曇天。
 断腸亭のおっさんなら「曇りて風なく静かなる秋の日となりぬ」かな。
 終日穴蔵にあり。
 ややこしい事情で(要するに自転車で転んだ)専属料理人がベッドに寝たまま。
 食事はそれぞれ勝手に……ということになる。
 ややこしいことに、本日Amazonから荷物が到着の予定である。
 9時過ぎに「配達中」のメールが来た。
「置き配」だからかまわんのだが、集合住宅の場合、エントランスに放置とはいかず、オートドアの玄関からチャイムが鳴らされることになる。ベッドから受話器までがたいへんだから、(配達予定の)昼前後、わたくしが待機しなければならぬ。面倒なことよ。
 昼には配達はなかった。
 ……と、13時にドアの前に荷物が置いてあった。他の荷物といっしょに「入館」したらしい。
 ネットで確認したら「配達が完了しました」というメールが届いていて、ウチのドアの前に箱が置かれた「写真」が添付してある。
 ここまでやるのか(やらされるのか)。某くん(某運輸の配達員で近所に住んでいるのだが)たいへんだなあ。この方式、たぶん置き引きが多いのであろう。被害の実態はどうなのか、気になるところだ。
 午後、タカセ市場まで買い物に出かける。自分用。
 夜は穴蔵にて楽しき独酌。
 タカセ+コンビニ・メニューを並べてビール、酎ハイ。
 ちょっと楽しい日であった。

9月30日(金) 穴蔵/ウロウロ
 快晴。
 穴蔵にて(非SF系の)雑事あれこれ。月末だからなあ。
 昼前に、近所の梅田貨物線地下化工事現場へ。
 豊崎第6架道橋が本日で閉鎖される。
 東から下ってきた新線路が西側のトンネル側から延びてきた線路といよいよ結合される。
  *  *
 この架道橋の位置がちょうど「地面」になる。
 旧高架は140年ほどの歴史に幕が降ろされる(取り壊しはまだ先だろうが/もうこの道はくぐれない)。
 少し西側の架道橋も明日から閉鎖。
 この貨物線を支えるH型鋼にはCARGO FLEET ENGLANDの刻印が残っていたが(こちら)どこかに保存されているのだろうか。
 新線路への切替は12月の予定。3メートル以上の防水壁で仕切られるから、眺めもいいばずはなし。
 浜中津橋の撤去といい、目立たない産業遺跡が壊され、わが散歩道が次々と閉ざされていく。
 午後も穴蔵。
 専属料理人はほぼ回復しているが、本日も料理は見合わせ。
 夜は穴蔵にて楽しき独酌。
 早寝させていただく。


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