『マッドサイエンティストの手帳』684
●マッドサイエンティスト日記(2018年7月後半)
主な事件
・名著復刻!
・播州龍野いたりきたり
・小松左京展(18日)
・神戸新聞文化センター(20日)
・シンギュラリティサロン(21日)
・滝川雅弘4@ニューサン(26日)
・創サポ講義(28日)
・台風12号(29日)
7月16日(月) 穴蔵
3連休の3日目。本日も炎天なり。そう苦にもならず、穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
だんだん出歩くのが面倒になってきた。
昼は御徳家(ウチからいちばん近い店)の牛丼にするかと迷って、やめる。
荷風のおっさんが正午に大黒屋で「カツ丼で一杯」というのは最後の2ヶ月ほどで、それまでは毎日「正午浅草」である。
大黒屋のカツ丼が好きだったわけではない。長年素通りしていたのだから。体調悪化で、いちばん近い店にしか行けず、最後に通っただけのこと。大黒屋(もうなくなったが)を見に行った時にそれを感じて、食べなかった。
おれも御徳家の牛丼で済ませてはいかんのである。
ということで、昼は自転車で天六の玉一まで行って焼肉定食を食す。
阪急オアシスで買い物して帰館。
たちまち夕刻。
夜は枝豆、ヤッコでビール。あと素麺。これ、45年前(独身時代)の夏の定番メニューである。
楽しきかな独酌。
名著復刻!
石原藤夫氏の『卑彌呼と日本書紀』がハードSF研究所のページに復刻掲載されました。
2002年に発行された、石原博士の歴史研究書第一作。絶版になっていましたが、ネットで読めるようになりました。
この研究書がいかに凄いが……参考までに、2002年4月に新聞のコラムに書いた記事をアップしておきます。
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また、小生の感想はこちらに。
7月17日(火) 大阪←→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
慌ただしい日であり、暑苦しい日である。
実家にて雑事。室温32℃。来客もあり、30分ほどで逃げ帰る。
極端な表現すれば、百畳にひとりでエアコンなし。8年前まで老母が長年住んでいて、おれも「最後の5年間」は半分くらいいたが、よく生活できたものと思う。
たぶん絶えず換気し、時々シャワーも浴びていたからだろうな。
おれは暑さには強いが、この澱んだ温気は耐え難い。
タイムマシン格納庫にも行く(こちらは事務所にのみエアコンあり)。倉庫は40℃。
相棒の某くんと久しぶりに会い、そろそろ引き払う時期が迫ったなあと話し合う。
夕刻に近い午後の電車で帰阪。
ともかく疲れた。
7月18日(水) 小松左京展/その他
本日も炎天なり。相変わらずの独居老人生活。洗濯を行うのであった。
昼前に出て、地下鉄で天王寺へ。
ハルカス24階の大阪芸大スカイキャンパスで開催中の小松左京展(22日まで)を見る。
広くて贅沢なフロアがあるんだなあ。
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芸大らしく、モリ・ミノル時代のマンガ、小松左京時代に関わった映画、アニメなど、絵画映像関係が中心だが、万博資料や手書きの原稿、古めかしい電卓など色々。
おれも関わった「幻の人形アニメ」の絵コンテも展示されている。
天王寺公園をくだって新世界のジャンジャン横丁へ。
やまと屋2号店で昼飯がわり、水分補給も怠りなし。
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ここは2杯目に小ジョッキがついてくるのである。
(※ビールが水分補給にならないことは十分承知しております。ここは言葉のアヤで。あとでお茶も飲むのであります。)
動物園前に出て、ちょっと迷う。
さらに南下して、わが敬愛するロザーナさんの徘徊(「しょうよう」の漢字が出てこない)のあとを辿りたいのだが、この熱気は危険である。西成の路上は梅田より2℃ほど高い気がする。
この熱気の中、新今宮南あたりの雰囲気が気になるが、西成うろうろは後日にして、地下鉄で帰館する。
たちまち夕刻。
枝豆を茹で、ヤッコその他を並べて独酌開始。
20時前に芥川賞・直木賞の結果を知る。
期待していたおふたりは残念ながら……しかし、これを機に、さらに意欲を燃やしていただきたいと思う。
7月19日(木) 穴蔵
本日も炎天なり。穴蔵にこもって過ごす。
明日の講座のためのメモ作成。
途中、本を読み出したら目が疲れ、仮眠。また起きる。これを4回ほど繰り返す。
外出は、夕刻に近い午後、近所の食品スーパーへ買い物に行っただけ。
おや、先日の地震で立入禁止だったヨレヨレのおっさんの居宅が修理中である。
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作業員の位置から、どうやら外壁の崩れた部分にトタン板を張りつけるだけのようだが、まあよかったではないか。
7月20日(金) 神戸新聞文化センター
本日も炎天なり。
昼前に出て、阪急で三宮へ。
第3金曜の午後は神戸新聞文化センターで、眉村さんから引き継いだ講座である。
4篇のエッセイ・小説を題材にあれやこれや。
先月の続きのテーマもあって、本日は脱線の方が多いかたちになってしまったような。
15時過ぎまで。
あと、せっかくだから近所の喫茶室へ行き、17時過ぎまで雑談。
外に出ると意外に風が涼しい。
神戸だからかと思ったら、梅田も涼しい。32℃である。昼間の37℃に較べると涼しいはずだ。
一杯呑むか迷うが、外で呑むと帰り道がつらいので、近所の食品スーパーで食材を買って帰る。
土用で、弱小スーパーにも食欲そそらぬ「うなぎ弁当」がいっぱい並んでいる。
今夜、日本全国でどれくらいのウナギが廃棄されるのであろうか。
暗澹たる気分になる。
ということで、やつがれは、シャワー後、枝豆・ヤッコ・色々ぶち込み素麺の定番メニューでダラダラ独酌。
早寝するのである。
7月21日(土) シンギュラリティサロン
本日も炎天なり。
昼過ぎに出てグラフロまで13分ほど歩く。日陰を選んで歩くが、きびしいね。
ナレッジキャピタルでシンギュラリティサロン。7月7日の予定が西日本豪雨でずれ込んだのである。
本日の講師は渡辺正峰氏。東京大学大学院工学系研究科准教授である。
「脳の意識 機械の意識」
「人工意識の脳接続主観テスト」が切り拓く意識の科学のこれから……がメインテーマ。
この数回続く「意識」シリーズのエース級登場である。
人間の意識は機械に移植できるか。
このサロン(つまり今の最先端)でも、はっきり二分されている。いや、前野隆司先生の「受動意識仮説」まである。
SFでは、まだ、どう書いてもいいらしいところがうれしい。
渡辺先生は移植できる派である。急先鋒というべきか。
詳しい説明は略。下の写真でSFファンならだいたいわかると思う(詳しくはネット検索を)。
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↑左の実験(脳の切り分け)をやりたいが、むろんまだ許可されず、現実には右のマウス実験の準備中とか。
ともかく哲学的命題が実験段階に来ているあたり、わくわくしてくる。
質疑も多くて、最後は時間切れになった。
16時過ぎに帰路につく。
おや、風が涼しくなっている。
昨日と同じく32℃くらいのようだが、だんだん慣れてくる。
秋は近いのである。
7月22日(日) 穴蔵
本日も炎天なり。
独居生活継続中。洗濯をするのであった。
あと、穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
11時35分、えげつなくも凄まじいバイクの轟音が響く。
ウチは新御堂筋から100メートルほど離れていて、クルマの音はそう気にならないが、轟音は2、3分続いても終わらず。
ベランダから見ると、ビルの隙間から見える新御堂筋をヘルメットが列をなして南へ流れていく。時々クルマが挟まれているような。5分ほど続く。その数、数百台? 5、600台かな。
暴走族ではなさそうだが、どんなグループだったのか。
夕刻に近い午後、サボイへ買い物に行く。
ヨレヨレのおっさんの居宅、修理が完了している。
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2階の外壁が崩れた部分にトタンを張っただけで、かわりばえしないなあ。
まあ、おっさんには似合いの住居である(ちなみに、右端は、信じられないかもしれんが「フラメンコスタジオ」である)。
本日も、枝豆、ヤッコから始まる楽しき独酌。
早寝。
7月23日(月) ウロウロ/穴蔵
早寝したら午前2時前に目覚め、眠れなくなった。
4時半、29℃。少し明るくなったので、「徘徊老人」となる。
自転車で梅田〜扇町〜天満あたりをうろうろ。運動不足解消のため。
5年前だと未明の中央市場まで行けたが、もう元気なし。
*
5時に毛馬閘門まで。
天六の十八番で朝飯。6時に帰館。「耄碌老人」生活に戻る。
本日も「命に関わる危険な暑さ」。
ボケーーーッとしてたら、たちまち夕刻。
夜は集合住宅の理事会。
議題多く、特に地震の後始末に関しては、火事場泥棒としか思えない見積書ばかり出てくる。
来月送り事項をだいぶ残して、21時半に終了。
晩酌の準備をしてたら普段の就眠時刻を過ぎてしまった。嗚呼。
7月24日(火) 穴蔵
定刻午前4時に目が覚める。
4時30分の東空。「吸血鬼ゴケミドロ」を思わせるではないか。
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ゾーーーーッとするような一日になるかと思ったら、本日も「命に関わる危険な暑さ」。
終日穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
ちとややこしい連絡が錯綜。
明日は少し動くことにする。
7月25日(水) 大阪←→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
空いてるなと思ったら、そうか夏休みで通学生がいないのであった。
9時前に着く。
実家書斎、32℃。エアコンなしだが、涼しく感じる。37℃に慣れているのだろう。
N社のNさん来宅。15年ほど前から考えていたプロジェクトが急に進み出したような。
なんとか2、3年で終わりにしたいところだ。
あと、タイムマシン格納庫へ。
必要あってちょっと機械加工を行うが、こちらはスレート屋根に直射で、さすがに暑い。
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乾球43℃、湿球35℃。湿度は……乾球40℃までの表しかない。たぶん60%くらい。
これは「命に関わる危険な暑さ」であろう。
午後はもう少し上昇しそうで、午前中で切り上げる。
午後、姫路に出て、石挽蕎麦・御座候で重ねせいろ。うまっ。水分補給も怠りなし。
夕刻に近い午後に帰阪。
本日は天神祭で、楽しき独酌を始めた頃に、花火の音が遠雷のように響きはじめた。とても出て行く気分になれない。
と、今度は専属料理人からメール。「帰ろうと静岡駅にいるが、大雨で新幹線がストップ」とか。
全国的に天気がややこしいような。今、大阪に大雨だと面白いのだがなあ。
適当に早寝するのである。
7月26日(木) 滝川雅弘4@ニューサン
昨夜遅くに専属料理人が帰宅して、楽しき独居生活は終わる。
食生活がちょっと変わる程度だけど。
本日は薄曇りに近い晴で、午前の直射光がなく、ずいぶん過ごしやすくなった。
そう仕事がはかどるわけではないが。
夜、久しぶりにニューサントリー5へ出かける。
滝川雅弘カルテットの出演。
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滝川雅弘(cl) 笹井真紀子(p) 山本学(b) 佐藤英宜(ds)
滝川カルテットの「正規メンバー」だが、この編成での演奏は最近は少ない。
ニューサンへの出演は初めてというが、滝川さんは、実は29年前にここで演奏している。
1989年10月、バディ・デフランコの来日の時、ここで「競演」しているのである。
これはデフランコの評伝「A Life in the Golden Age of Jazz」にも記載されている。
その時に演奏した「Just Friends」も。
「あの時にこれくらい吹けたらよかったのだが……」
まあ、緊張感が桁違いだっただろうなあ。
7月27日(金) 穴蔵
午前中曇天。直射光が射さないと助かるなあ。エアコンなしで過ごせる。
終日穴蔵。少しは仕事もするのであった。
ジャーン。
昼はうな丼である。これで1/2尾。
*
柔らかくうまい。浜松湖養魚漁業協同組合直販店の蒲焼。専属料理人が実家からみやげに貰ってきたもの。
土用の丑の日に大量廃棄されたウナギを悼みつついただく(冷凍できる蒲焼で売ればいいんだよ)。
ええっと、ついでに水分補給も。
楽しきかな非独居老人生活。
7月28日(土) 創サポ講義/台風接近
曇天なり。涼しく(室温30℃)扇風機だけで快適である。
原稿読みメモとり。
夕刻、地下鉄で天満橋、エルおおさかへ。
創作サポートセンターの講義。
台風12号接近で少人数。2篇だけだが、議論が細部に及んで、密度は高かったのではないか。
・戦国の世を放浪する3兄弟の運命。4連作の最終回で、回を追うごとに書き慣れてくる変化が面白い。
・「アンチトーナメント」を目指して書かれた格闘技戦のラノベ長篇。現実の格闘家モデルもあるらしいが、巨大生物や巨大ロボも登場して、あの手この手で闘いが繰り広げられる。1000人のバトルロイヤル(あっという間に100人に絞られるのだが)からスタートするのが凄まじい。
台風が気になり、10分ほど早めの終了となる。
まっすぐ帰館。
21時過ぎから雨になった。滑り込みセーフか。
雨の北梅田を眺めつつ晩酌。
台風12号は明朝に襲来らしく、実家行きを予定している専属料理人がどうなるか、微妙なところ。
楽しき独居生活に戻れますように(半分ウソ)。
7月29日(日) 台風12号/HITの営業に告ぐ
眠り断続的。なんとなく緊張しているのであろう。
何しろ「東から」台風が来るのである。大阪に住んで55年になるが、初めてである。
いや、播州龍野時代も含めて70年以上、記憶にない。
昨夜から東海沖をじわじわと西に進んできた台風12号。
午前1時頃、伊勢市付近に上陸、紀伊半島を東側から横断中。
午前3時半頃に激しい雨が降り、大阪を通過中らしい。風はそう強くない(東向きの部屋)。
午前5時、明石大橋あたりを西へ。大阪、雨は本降りがだ、風は弱い。ベランダは26℃。
午前7時前に雨はやみ、東の方に青空が見える。昼前には晴れてきた。
いつもの台風とそう変わらなかった。
終日穴蔵。
睡眠不足で、居眠りしつつ過ごす。
専属料理人は事情あって実家行きを延期。
楽しき独居老人生活はおあずけである。
ところで……
机に向かっていて、ちょっと左(東側)を見ると、新御堂に面したビル屋上のLED表示板が目に入る。
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これは4月25日に点灯した広告表示板である。
以来3月経つのに表示は「お問い合わせは*******へ HIT」ばっかりで、広告はまったく入っていない。
おいHIT株式会社の営業くん、ちゃんとやっとるのか?
それともHITが作って、施主に「放っとっても広告依頼が殺到しまっせ」とやったのか。
他人事ながら心配になってくるぜ。
7月30日(月) 穴蔵
晴時々曇。体感温度は涼しく、一応「台風一過」ではないかと思う、北区豊崎(のわが穴蔵)に関しては。
終日穴蔵。
少しは仕事もする……つもりなのだが、悩む。呻吟以前。ドタマが働かないのである。
ポンコツ寸前を自覚する。
たちまち夕刻。
専属料理人が並べた数皿(枝豆、ヤッコ、豚肉、サラダなど、ありふれたメニュー)で晩酌。
早寝するのである。
7月31日(火) 穴蔵/ウロウロ
朝6時に直射光、遮光カーテン引きエアコン稼働させる。9時半に停止。あとは扇風機。
ま、普通の夏である。
少しは仕事もする……つもりが、ドタマさっぱり。
昼は播州龍野の揖保乃糸を食す。
午後、月末の処理事項あり、梅田うろうろ。
外気は35℃というが、普通に歩いている限り、汗もかかず。
1時間半ほどで帰館。
歩行停止すると、どっと汗が噴き出る。あわてて水分補給。
たちまち夕刻。
ビール飲みつつテレビ見てたら、本日は火星大接近だとか。
ちょっと外を見るが、南西方向はタワーマンションが増えて、さっぱり。
*
火星大接近は2003年の方が近かったはず。
さらに思い出すのは、1971年8月13日。高斎正さんの結婚式である。
火星大接近に加えて、仏滅、三隣亡、盆の入り、13日の金曜日であった。
今さら驚くほどのことではない。
ということで寝る。
無為に過ごした7月が終わる。嗚呼。
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