『マッドサイエンティストの手帳』266
●マッドサイエンティスト日記(2003年2月後半)
主な事件
・岡本喜八とデフランコ(18日)
・ニューオリンズ・ラスカルズ、加藤平祐さん来演(22日)
2003年
2月16日(日)
終日穴蔵。
休日は集合住宅でも不思議にもめ事がない。
静かでありがたいが、何かとトラブルを起こすのは、業務としてやっとるのかなと思えてくる。
(ここでトラブルというのは、苦情を訴えてくるレベルのことを含めてだけど)
要するに「うるさ型」住民も日曜はおとなしくしているということである。
毎日が日曜日であってほしい。
2月17日(月)
確定申告の受付開始なのであった。約2時間で書類作成。日頃からパソコンにデータ入力しているので1時間もかからない。手間取るのは専属料理人が保険関係のエビデンスを探す時間が加算されるからで、例によってわからないわからないの連発。
昼前に徒歩5分の大淀税務署往復。
帰ってくると、集合住宅入り口でゴタゴタ。
先日のトラブル、○呆に起因することで「対処療法」でなく「構造的対応」が必要なのではないかとの「声」があって、管理人・ヘルパー・「身内の人」が揃ってガヤガヤやっている。そこにおれ(理事長)が戻ってきたものだから……嗚呼。
この件、おれなりに事例を調べているのだが、まったく難問中の難問。
早くボケてしまうのが気楽なのかもね。
タイムマシンの機内トイレの電球で困っていたが、某社がサンプルを届けてくれる。
人工衛星の部品もそうだが、古くても試験データの確実な方が信頼できるのである。
2月18日(火)
タイムマシンの部品関係で市内ウロウロ。
昼間、天五を通りかかって、ふと気になって天神橋筋商店街にある中古CDの店に入ったら、『鈴木章治〜北村英治』のバトル、それに岡本喜八の集成2枚組『Four Beats Artisan』がある。不思議なものだなあ。……岡本喜八のは、新聞で紹介記事を見て、大きなCDショップを探したのに見つからなかったのである。わが第六感は鈍っていないのか。
これは岡本喜八のデビュー作『結婚のすべて』から最新作『助太刀屋助六』までのサウンドトラックから全64曲をCD2枚に収録した「全集」である。
ジャケットの「独立愚連隊」監督時の写真もいい。
佐藤勝の曲がメインになるが、初期に伊福部昭、最近の山下洋輔まで、楽しめますなあ。
タイトルバックが主で、「暗黒街の対決」の「月を消しちゃえ」や「愚連隊西へ」の主題歌が入ってないのは寂しいが。
午後、昨日の続きで、「ケアマネージャー」という人が訪ねてきた。
いかにも職業婦人(キャリアウーマンといわなきゃいかんのか)という雰囲気の人で、言葉遣いは極めて慎重。守秘義務というより言質をとられたくないという雰囲気。
たぶん、どこへ行ってもややこしい話が多いからだろう。
しばらく話していたら、こちらが無理な要求を押しつけるタイプではないと理解してくれたらしく、だんだん本音も。が、詳しく聞くとかえって気が重くなる。
気分直しに、夜は谷九のSUBへ。
滝川雅弘カルテットの月例ライブ。
この日のベースは福呂一也さん。初めて聴くが、うまい。
ベースの山口裕之さんが都合で替わったらしく、当分はレギュラー・メンバーを固定しないでやるらしい。
2セット目では、前回うろ覚えだったのでと、正調「マンハッタン」も。やっぱりいいなあ。
この日、ファン数人いっしょに申し込んでいたデフランコの伝記『A Life in the Golden Age of Jazz / A Biography of Buddy DeFranco』by Fabrice Zammarchi and Sylvie Mas (Parkside Publications,Inc. Seattle)が届く。
滝川さんが持ってきてくれたが、 なんと2キロ以上ある大著である。
US$64.95! しかし、カラーによるジャケットをはじめ、写真は豊富、ディスコグラフィー・フィルモグラフィも充実している上、記述は詳細を究めている。まだ拾い読みだが、大阪のニューサントリー5でのライブで滝川さんとの演奏にも触れてある(曲目まで!「Just Friends」であったのだ)徹底ぶり。
日本での記録と音源に関しては平井常哉氏の協力があちこちの記述からうかがえる。ともかく欧米伝記文学の奥行きの深さを改めて実感させる。お買い得であるなあ。
夜中帰宅。
昼前に大邱で起きた地下鉄放火事件、死者は100人を越えるようである。ガソリンによる放火で2本全車両全焼というから、テロリストにすごいヒントを与えてしまった感があるなあ。
2月19日(水)
韓国の地下鉄火災……どうも人為的なミスも重なって被害が拡大したらしい。
地下鉄は不気味なので、自転車で出かける。
昼過ぎ、第三水曜で紀伊国屋は休み、北側のBOOK-1stに寄ったら、なんと機本伸司さんの『神様のパズル』が置いてあった。年末から、旭屋でも紀伊国屋でも見あたらなかったのが、こんな所に。
午後、『神様のパズル』を読む。傑作である。これも近日別項にて。
2月20日
早朝の電車で播州龍野のタイムマシン格納庫へ。
タイムマシンの機内トイレの電球、サンプル品をつけてテストする。
寿命のテストに時間がかかりそうだが、問題はなさそうである。
午後、実家に帰る。
事情あって老母の確定申告書類作成。
ノートパソコンを持ってきてないので、廃棄する予定で片づけていたPC−9821をセット、ロータス123を起動。
こちらは夜までかかる。
龍野の実家泊。
こちらは花粉が舞い始めているらしく、たちまちクシャミ連発鼻水ズルズルである。
憂鬱な季節のはじまりだなあ。
2月21日(金)
快晴である。風もほとんどなく、花粉は昨日ほどではないようだ。
昼前に税務署へ。
午後、某国へ送るタイムマシンをクルマに積んで、某君と大阪の梱包会社へ移送。
城東貨物線の高架近くにある梱包屋、これだけではやってけまへんねんと、自動車部品やタイヤの輸入もやっている。店の表の壁も内部も、アメリカのいろんな看板が装飾代わりに飾ってあってなかなか面白い。
赤いネオン管の時計なんてほしくなるなあ。
ひいきにするからね。
帰路、梅田ロフトの北、毎日放送と茶屋町アプローズの間を抜けようとしたら、人体が降ってきたのでびっくり。
無骨な鉄枠の建造物、消防署裏にある消防士の訓練用設備で、人体模型を引き上げたり、張り渡したロープを渡ったり、なかなか面白い。近所にこんな設備があるとは知らなかった。
韓国の地下鉄火災に連動しての訓練なのだろうか。
わが集合住宅とは三百メートルくらい。頼もしいことである。立場上、ボ○老人の失火というのも想定しなきゃならんからなあ。
2月22日(土)
西長堀の図書館まで出かけたい用件があるものの、昼前から雨。
地下鉄は怖い。大邱で起きた地下鉄放火事件のもあるが、むしろ先日読んだ小川一水『群青神殿』の影響が大きく、閉所恐怖が続いているのである。……映画でも、中学時代に『眼下の敵』は見たが、Uボートなどリアルな潜水艦ものはとてもダメなのである。
小説しかり。『群青神殿』が潜水艦ものとしてもいかに凄いかという証明でもある。
終日穴蔵。
夜、専属料理人とニューサントリー・ファイブへ。
世間は給料前で、しかも雨。ニューオリンズ・ラスカルズの出演日だが、今日はすいているだろうという予想である。
満員ではなかったが、並びの席にチェーンスモーカー、気流の関係で「直撃」、これはたまらん。専属料理人ともども、明日はセーターはじめ衣類一式の洗濯、頭もシャンプーの必要あり。吸い込んだ副流煙はもう取り返しがつかないけど。
最終まで3ステージ聴く。後半は煙害なくなってホッ。
早稲田ニューオリンズ出身の若手、加藤平祐さんが来ていて、河合さんとの2クラも数曲。
2001年年末以来である。
「あと何十年かは楽しめます」と河合さんが紹介。まだ20代後半である。
最後は川合純一さんのボーカルで「アラビアの酋長」。
小雨の中、歩いて帰宅。
2月23日(日)
終日穴蔵……というわけにもいかず。
集合住宅の「管理組合」と、地域の「自治会」との関連について、色々調べる。
老人問題全般についてもネットで色々調べる。
町内会、民生委員、福祉活動の組織など、聞けば聞くほど気が重くなる。
夜。「日曜美術館」という番組で、ヒエロイスム・ボスの特集をやっている。
途中から見たら、梅津かずおと新井素子さんがゲストでびっくり……と思ったら、新井素子似は平岡洋子という美術評論家だった。ドアップになったら別人とわかるが雰囲気そっくり。
2月24日(月)
朝、小雨の中を、大淀税務署へ所得税と別の用事があって行くが、3階の税務署員、態度悪いぞ。
5分近く受付に立っているのに、誰も応対しない。
「すんまへん」と言ったら5、6人が立ち上がる。
言われなければ一切動きたくないという態度が見え見え。
おれは税務署員に対してこの30年間、悪印象は持っていなかったのだが、今日から認識を改めるぞ、大淀税務署3階不動産関係の小役人ども!
こちらは納税に出向いたんだぜ。
と、今後の嫌がらせ覚悟で、いいたいことは言っておく。
昼前に雨があがったので、自転車で市内ウロウロ。
やっぱり「民」の「お客様」への対応は気持ちがいい。
本町まで行ったついでに、かんべむさし氏の仕事場で雑談。別冊宝島『まれに見るバカ女』という本を借りる。面白いけど、鋭いのと甘いのと混在。
帰路、梅田のツタヤを覗く。ちょっと面白い話を小耳に挟んだので『サイン』を借りようと思ったのだが、30本以上並んでいるビデオ・DVD、全部貸し出し中である。
すごい人気なんだなあ。
2月25日(火)
終日穴蔵。
午後、某社の某さんがとつぜんタイムマシンの部品を届けに来たのでびっくりする。
2月26日(水)
ほぼ終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。
徒歩2分の郵便ポストまで行く途中で「介護関係」の方とばったり会う。
しばらく立ち話。ちょっと怖い話を聞く。
ああ、集合住宅関係、気の重いことばかり増える。
気晴らしというわけではなく、本日は山下洋輔さんの誕生日+Xという記念日なので、夜はワイン。
2月27日
早朝の電車で播州龍野のタイムマシン格納庫へ移動。先日届いた部品のテスト。
快調ではあるが、こちらに来ると、花粉が多くて、たちまちクシャミ鼻水。
夕方帰阪、クシャミとまらず。
2月28日(金)
わ、もう月末だ。
4時起床、4時半からNNN24のニュースを見るが、「堺の病院での発砲事件」くらいで静かな日である。
本日、快晴であるが、花粉が多いという予報。終日穴蔵である。
神戸の広告代理店社長(実態は風俗界の帝王)が「秘書」のマンションで刺された事件、やっぱり「秘書」の手引きによるものであったらしい。サンケイの報道によれば、この社長、幾つかの名前を使い分けていて、そのひとつが「田中文啓」であったという。どきんとするねえ。
といいつつテレビで『JSA』を見る。韓国で作ったというところがミソかな。2時間は長い。
さあ、明日は多治見市の「地球村」行きである。
天文台のある場所で、どうやら雨天らしい。が、まあ、天気は関係なしである。
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