『マッドサイエンティストの手帳』604
●マッドサイエンティスト日記(2015年5月前半)
主な事件
・グリーン・オーケストラ(3日)
・PMACの謎(3日)
・Big River Jazz Festival 2015(5日)
・不発弾処理(9日)
・播州龍野いたりきたり
5月1日(金) 穴蔵/青空書房
5月。五月晴れなり。本来は「さみだれの晴れ間」なんだけどね。ややこしいことである。
ほんの少し仕事。
昼、天五の機械部品商社(三ツ星ベルト特約店である)へ行って部品の受け取り。
あと、久しぶりに、はす向かいの路地にある青空書房に寄る。
*
坂本さん、昨日が誕生日で92歳になったという。
相変わらずお元気で頭脳明晰である。
グルメ情報、筒井さんの新作、上田早夕里さんの「薫香のカナピウム」をきちんと読んではる、新選組論議、某放送作家の一連のベストセラーは「人間の二面性がまったく描けていない」とか、あれやこれや。
戦争文学の評価のポイントは「食」の描写にあるとか、勉強になる指摘が多い。
ただ、某田某樹の永遠の某を評価するのに、五味川純平や大岡昇平と比較するのは、気の毒な気がしないではない。
その他色々しゃべっていたら1時間半が経過。
中崎町商店街をぶらぶら歩き、タカセ市場でプレミアムビールを買って持ち帰る。
明日からボンクラ息子その1とその配偶者が来ると連絡があったためである。
5月2日(土) ボンクラ息子の帰還
ちょっと朝寝して、午前5時に起床。
少しは仕事もするのであった。
昼「自宅」でざる蕎麦をたぐってたら、ボンクラ息子その1から専属料理人に電話あり「これから帰る」とか。
混雑のピークではないのか。
午後、穴蔵にて、本を読んだりネットで調べごとしてたら、ボンクラ息子その1とその配偶者が夕刻に来たとメールあり。
東京駅で1本ずらして20分ほど待ったら自由席のDE席に座れたとか。まあよかった。
ということで、本日は、放蕩息子の帰還ボンクラ息子(※)の帰館を祝して早めの晩酌となる。
*
空豆、生しらす、ナマ生姜のなんとか、刺身色々、ローストビーフ・サラダ、野菜スティックなどでビール、ブルディガラのパンで安ワインを少々。
おれのみ早寝する。
※ とはいうものの、上京して12年になるから、それなりのおっさんにはなっているのである。
5月3日(日) 不眠/グリーン・オーケストラ/PMACの謎
昨夜、早寝したら、深夜に騒音で起こされ、朝までほとんど眠れず。
穴蔵の北側の「商業ビル」空調設備工事で、大型レッカー車とトラックなど7、8台が来て、道路通行止め、朝までエンジンなどの重低音が響いてくる。
これ、前にもあったなと調べたらちょうど1年前ではないか。
ボンクラ息子その1の帰省とも一致している。1年ごとに入れ替えが必要な空調設備なんて聞いたことがない。何か重大な欠陥でもあったのだろうか。……これが偶然の一致でなければ、明日には関東で震度4の地震があるはずだ。
工事は5時までの予告が6時前まで。
ビルの表に大量の室外機が並べてある。
*
メーカーを調べてみたいが、ガーやんが見張りしていて行きにくい。
後日、裏ルートで調べてみることにしよう。(※)
朝ビール1缶。
午前11時頃まで眠る。
昼過ぎに出て、阪急・西宮北口へ。
芸術文化センター大ホールでグリーン交響楽団のスプリングコンサートである。
おや、珍しくも江坂遊さんと隣り合わせとなった。
開演まで、クラシックにふさわしからぬバカ話を20分ほど。いかんなあ。
演奏が始まると、むろん礼儀正しく聴く。
「舞踏会の美女」
歌劇「カルメン」より
交響組曲「シェヘラザード」
16時頃まで。
音響よろしく、新緑の季節にふさわしいコンサートであった。
まっすぐ帰館。
本日、ボンクラ息子その1どもは友人宅出かけており、夜は粗食にてビール、「球磨の泉」水割り。
早寝するのである。
※ビルのエントランスに大量(40台くらい)に並べられているのはPMAC(ピーマック製造株式会社)のヒートポンプのユニットである。
この空調システムがどんなものかは知らない。ただ、何か欠陥があるのか、定期的なメンテにこんな大がかりな作業が必要なのか、気になるところだ。元に戻すのにまたレッカー車が来るとなると大迷惑だからな。連休中の作業を見物するとともに、専門家に尋ねてみることにしよう。
5月4日(月) 穴蔵/ウロウロ
朝から小雨。昼前には曇天となった。
「自宅」へ行って見ると、寄生虫じゃなかった帰省中のボンクラ息子その1と配偶者は、中崎町あたりをうろうろしたいと出かけたという。
それなら合流するかと、昼に専属料理人と出かけ、天満駅前で合流。
焼肉(玉一)かお好み焼き(つる家)か迷うが、駅のそばにある○○水産の海鮮がうまそうなので、発作的に入店。
*
魚介類の浜焼きでビール。九十九里浜の海の家を思い出すね。
海鮮丼はちと重くなり、握り数カンにて仕上げとする。
梅田へ買い物に行く諸君とわかれ、ぶらぶら歩いて帰館。
隣のビル、本日も作業員のクルマが5,6台来て、ヒートポンプユニットを何かやってる。洗浄? ご苦労なことである。
ピーマックの謎は解明されぬまま。
ということで、穴蔵にてボケーーーーッとしてたら、たちまち夕刻。
ふだんより早い時間の晩酌。
ボンクラ息子その1たちは20時代ののぞみで帰京というので、20時前の解散となる。
さ、穴蔵にて、本日は米朝師匠「ほんまにとっておき」から「茶漬間男」「猫の茶碗」あたりといくか。
5月5日(火) Big River Jazz Festival 2015
快晴。初夏の日差しである。
久しぶりに自転車で走ることにする。
豊崎神社〜本庄公園〜淀川堤へ。
上淀川橋梁の東側に撮り鉄らしいのが数名。何か特別な列車が走るのか。
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11時過ぎ、いっせいにカメラを構えたのでおれもつき合うが、これは「くろしお」である。
単に天気がいいから来た人たちらしい。(※)
※あ、トワイライトエクスプレスが狙いだったのか(5月6日)。
堤を上流へ、毛馬閘門を渡り、大川沿い(東側)桜宮の桜並木を南下する。
対岸からデキシーの響き。
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OAPを東側から見る。
銀橋を渡ってOAPへ。
Big River Jazz Festival 2015開催中。去年は雨だったが、今年は「新緑と爽やかな川風」という、ビッグリバーらしい雰囲気になった。
おなじみのODJCバンドにHIRASHIMAホットキャッツ、WAKYIジャズバンドなど。
ゲストはジェフ・ブルと早稲田ニューオリンズジャズクラブの面々。
*
↑写真はニューオリンズ・レッドビーンズ。
専属料理人は部屋の片づけ、大量の洗濯物があるというので来なかったが、この天気なら、お弁当を作ってもらって、リバーサイドでビールを飲めばよかった。
泉布観あたりまで散歩。これも毎年のパターンだな。
と、まあ気分のいい休日であるが、世間の連休はまだあと1日あるのか。
うんざりしてくるなあ。
おれとしては、普通の日に普通の場所をぶらっと歩きたい。
5月6日(水) 穴蔵/続・PMACの謎
世間の連休最後の日。
穴蔵でボケーーーッと過ごすつもりが、またも重機の騒音が響きはじめた。
*
北側のビルで、PMACのユニットをレッカー車が来て積み込み中である。
作業員10人以上。全部廃棄するらしい。調べてみると、1年前、さらにその半年前にも深夜工事をやっていることが判明。1年半に3回の大工事、森永ひさしじゃないけど「何があったの」と訊きたくなるぜ。
PMACの謎はさらに深まる。
仕事する気分にならず、散歩に出る。
人が少ない西側コース。
貨物駅跡南側の某スポットからの眺め。
*
緑色の疑似緑地?が南端まで達して、工事車両は見あたらず。どうやら整地は完了したらしい。
あと10年はこのままの景観か。しかし、これでは「舞台」としてはまったく面白くないなあ。
不発弾でも見つかってたら面白かったのだが。
(あっ、難波の不発弾処理は5月9日だ。忘れないようにしなければ。)
ということで、夜は和風ハンバーグ・キャベツ、トマトサラダなどでビール、安ワインを少しばかり。
午後9時、北側のビル、工事音はしないものの、上層階の窓は明々。
屋内は徹夜の工事なのであろうか。
PMACの夜は更けゆく。
5月7日(木) 穴蔵/ウロウロ
ちと朝寝、午前5時に起床。
ゴミ出し。ついでに北側のビルを見るに、PMAC関係の工事は終わったらしく、エントランスの工具類もきれいに片づいている。
たいしたものではないか、複数のビルメンテ会社(←工事車の表記から推測)。
PMACの謎は残ったままである。
ほんの少し仕事。
昼前、部品関係の用事あり、地下鉄で動物園前へ。新世界側から日本橋へ行くことにする。
しばらくこないうちに色々と変化している。
・通天閣の下層が建て増し? 構造が変わっていて、一瞬、20メートルほど移動したのかと思った。
・恵比須町。なんと喜多商店が閉店している(ビルの看板のみ残っている)。
・空き地だったところに東横イン建設中。中国人でいっぱいになるのだろうな。
・幸いシリコンハウスは健在であった。ありがたいことである。
・昼メシ。「まる榮」でざる2段。さすがにカツカレー丼は年齢的にも無理である。
……と恵比須町界隈うろうろ。
5月9日の「爆心地」(予定)を見に行く。ここに不発弾。
*
NTTの南西。この前までは駐車場だったはず。
ガーやんがひとりで見張りしているのであった。
難波から地下鉄で帰館。
市内は閑散としている。
5月8日(金) 穴蔵/ウロウロ
朝から集合住宅関係でつまらん用件。急ぐことではないので来月回しにしてもらう。
あと1週間でお役御免。もう一生関係ないからね。
午前、梅田へ歩く。某デンタルクリニック。うまくいけばあと1回。きちんと歯磨きすれば、もう一生関係ないからね。
昼、梅田ぶらぶら。
曾根崎署南側の旧旭屋書店が新ビル「清和梅田ビル」としてオープンしている。地下ばかりあるいていて気づかなかった。
つまらん直方体である。
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地下店舗と1階のコンビニは営業しているが、旭屋書店が入らないのは確か。
この一角での待ち合わせ場所がこれで消滅。
旭屋閉店以来、曾根崎署の南東エリアに飲みに行くことはなくなったなあ。
唯一、ニューサンだけが残った。
13時過ぎに、たかはたで遅めのランチ。きつね。うどんは夏でも熱い出汁に限る。
5月9日(土) 不発弾/穴蔵
曇天、未明に少し雨も降ったような。
8時半頃に出て、地下鉄で難波へ。
不発弾処理の現場見物である。
1トン爆弾を中心に半径300mの範囲が避難範囲で、円周に沿って歩けば1.9キロほど。道路は直角ギザギザだから、この円に外接する正方形の四辺、1周2.4キロ……少し広くとって、だいたい3キロくらいか。散歩にはいい距離である。
南海は運休。
難波中から東へ。堺筋は日本橋3丁目以南が通行止め。
自転車で侵入しようとして止められるおっさんのほとんどは場外馬券場(なんばパークスにあるらしい)を目指しているらしく、本日休業と説明を受けて、不平をいいつつ、入れそうな路地を探して横方向へ移動していく。
東側の裏道を南下、ディスクピア南で堺筋に戻る。
*
「鋼鉄の音」や「収穫」以来、人の消えた街の眺めはいいものである。
規制区域の南側、南海のガードをくぐって西へ行くと木津市場。
「木津の朝市」というのをやっている。
せっかくなので川上商店に寄ってウナギの朝食。
店から出たら、9時50分頃、不発弾処理が終わり交通規制解除のアナウンスが聞こえてきた。
予想外の早さ。西側を北上する予定を変更、大国町から地下鉄で帰館する。
部屋を出てから5,416歩(4.06キロ)、こんなものであろう。長柄の時の方が面白かったなあ。
午後は穴蔵にて雑事。
自宅のベランダにバラが咲いた。
*
これを眺めつつアフターヌーン・ティ。
おれもたまにはこんな時間の過ごし方をするのである。
5月10日(日) 穴蔵/夏モード
快晴である。
朝から専属料理人専属洗濯婦が穴蔵に来て、冬物など洗濯するという。
確かに花粉の季節は終わったからなあ。
大物はコタツの布団(まだそのままであった)や毛布など。2回に分けて「自宅」へ運ぶ。
ついでに穴蔵を夏モードに模様替え。本とCD類の整理も行う。
途中、色々読んだり聴いたりするから捗らないが、まあまあすっきりした。
夕刻シャワー。
すっきりしたところで、トミフラ師匠の晩年トリオ、ゲッツとバロンとの最後のデュオなど聴きつつ、ナス浅漬け、いかリング揚げ、ほうれん草、スペアリブ、トマトサラダなどでビール、ブルディガラのクレッセント・パンでワイン少々……母の日でボンクラ息子その1の配偶者からワインが届いたのだとか。
ありがたいことである。
ということで、米朝師匠のDVD(本日は「鴻池の犬」といくか)を見て早寝することに。
このところ、米朝師匠のDVDを見る日々だが、マクラであの優しげな笑顔を見るたびに「堀さん、早よこっちへ来なはれ」と呼んではるような気がしてならない。(※)
※ いつだったか、かんべさんといる時に米朝師匠から声をかけられたことがある。
米朝師「かんべさん、堀さん、また近いうち、飲みましょうな」
かんべ「あ、そんなら小松さんが中国から帰りはったら……(関テレのロケ中だったのである)」
米朝師「(皆までいわさず遮って)帰って来はる前に」 ちと間をおいてこう付け加えられた「話が長い……」
確かに、小松さん、米朝師匠の横に座って延々とクダを巻くことが時々あったなあ。
米朝事務所30周年の席だったと思う。
米朝師と小松さんが並んではる席に挨拶にいったら、
米朝師「(小松さんを指して)堀さん、なんとかしてくんなはれ。さっきから同じことばっかりいうてまんのや」
その口調が「地獄八景」で、笑わされた青鬼のセリフ「こいつ来年の話ばっかりしよりますのや」とそっくりなので、おれは感激してしまった。
ああ、おれもそろそろあちらへ行きたい。米朝師から声がかかると、もうたまらない気分だ。
が、まだ心残りなことが2,3あるしなあ。
いましばしここに。Just A Little While To Stay Here
5月11日(月) 穴蔵
快晴である。
終日穴蔵。
集合住宅関係の雑務。
今週末でお役御免なのだが、引継ぎ資料が意外に多いことが判明する。
本来「永久保存」すべき竣工当時の、おれは保存しているのに、管理組合としては欠落している資料が多いのである。
原本を渡すとまた散逸しかねず、PDF化して残すことにする。
冊子をバラしてドキュメント・スキャナーで自炊というわけにもいかず、1頁ずつスキャナーにかける。
夕刻までかかってしまった。
夜は粗食(洋風おでん、トマトサラダなど)でビール、「球磨の泉」湯割り。
早寝するのである。
播州龍野へ行かねばの用事があるのだが、明日は「台風6号」で荒天の予報。
1日ずらすことになるか……
5月12日(火) 穴蔵
曇天、朝9時頃から雨になる。
台風6号接近ということで播州龍野行きは中止する。
終日穴蔵。
集合住宅関係資料のデジタル化完了。
週末に次期理事長に引き継げば、やっとストレスの多い役職から解放される。
午後は時刻表や地図を調べて過ごす。
夕刻、台風は四国沖で温低となったらしい。
粗食にてビール。
早寝。
5月13日(水) 大阪←→播州龍野/竹田農場
温低一過、快晴である。
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
ひと月ぶり。
桜の季節が新緑に一変している。
実家の書斎と居間を夏モードに変更。空気も入れ換え。
タイムマシン格納庫にて相棒の某くんと打ち合わせあれこれ。
金融機関うろうろ。鬱陶しい税金関係である。
合間に龍野公園を30分ほど散策する。
*
聚遠亭の庭は新緑に覆われているのであった。
ついでに揖保川町へ。
トマトのハウス栽培がさかんで、いちばん大きいのが竹田農場。
*
直販所にて濃厚そうなのを1袋。
と、ミニトマトも勧められて、こちらも購入する。
夕刻の電車で帰阪。
ということで、夜は、枝豆、手羽焼き、オニオンサラダなどでビール、「球磨の泉」焼酎水割り。
竹田のトマトをスライスして、塩もなにもなし、そのまま食すが、これはなかなか。
本格的トマト料理は明日となる。シンプルなのがいいんだけどね。
5月14日(木) 穴蔵
いかん、不調である。
理由はある程度わかっているのだが、ともかく、何もする気力がわかず、体もだるい。
朝は晴れ。直射光で室温28℃。これはおれには適温で、ずっと寝そべったまま。本を拾い読みしてすごす。
集合住宅関係のことでつまらん呼び出し1件。マナーの悪い住人の不始末。任期はあと3日。もうないと思ってたのに。嗚呼。
昼は散歩を兼ねて外出、近所の信州そばでザル。
と、店から出たとたんに雨が降り出した。
まっすぐ穴蔵に戻る。
午後、某資料を読むが、目が疲れてたちまち眠くなる。
夜はあまり好みでないメニューでビール。
年に何度かある「ついてない日」であろう。
こんな日は米朝師匠のDVDに限る。今夜は「宿屋仇」といくか。
5月15日(金) 穴蔵
朝、梅田の某デンタルへ。あと一回で、たぶん通院御免となりそう。
帰路、近所の某内科医院で定期検診。正常である。
午後は明日の講義のための資料読み、メモ取り。
まあいい一日となった。
と思ってたら「キャッチ22」が待ち受けていた。
明日の総会で集合住宅関係のことは一切お役御免の予定が、とつぜん葬送に伴う儀式発生する。
ここに住んで35年間のご近所、しかも理事長という立場もあり、あれやこれや。
明日はわが身。
最後まで、色々あるなあ。
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