『マッドサイエンティストの手帳』579

●マッドサイエンティスト日記(2014年5月前半)


主な事件
 ・3cl Ensemble @ Royal Horse(3日)
 ・Big River Jazz Festival 2014(5日)
 ・創サポ講義(10日)
 ・播州龍野いたりきたり


5月1日(木) 穴蔵
 5月になった。
 爽やかに目覚めるはずが、早寝したものだから、午前0時に目が覚めた。
 3時頃まで雑読。また寝る。
 不規則な生活になりそうな。
 終日穴蔵。
 少しは仕事もする(つもりなの)であった。
 午後は快晴、五月晴れとなる。
 花粉も収束したので、寝具を交換、部屋の掃除を行う。
 たちまち夕刻。
 夜は専属料理人に数皿並べてもらう。
 初夏パスタ(空豆とかイカ入り)で安ワインを少しばかり。
  *
 白石幸司『In The Sweet Bye And Bye』(ワイピーエム・レーベル)が届いたので、これを聴きつつ。
  *
 これは小林真人さんのブログで知ったもの。
 (ミムラさん閉店後、こういう情報が入りにくくて困る)
 古川奈都子(p/vo)佐久間和(g,bj)小林真人(b)とのカルテットで賛美歌18曲。
 クラ、アルト、ソプラノなどを吹き分けて、静かにワイン飲みながら聴くには最高の雰囲気である。
 「Plays Hymns Vol.1」 となっているから、次も楽しみである。

5月2日(金) 穴蔵/厄日
 五月晴れ。
 昨日に引き続き、暖房機器を片づけのなど、穴蔵を夏モードに変更する。
 昼前に自転車で十三へ。
 商店街の一角にある丹波へ「きさらぎ漬」購入のため。連休前ということで半額セール中であった。
 近くの十三公園でしばし休憩、手塚治虫先生表敬訪問でもある。
 十三大橋を渡って帰館。
  *
 国道176号線、昼間、クルマがまったく途絶える時があって、この眺めは好きだ。
 道の中央をとぼとぼ歩きたいが、せいぜい1分間ほどで、無理である。
 昼……自宅で昼食。
 と、4ch(大阪)の昼番組(専属料理人がつけていた)に出ているコメンテーターの女が、首にニシキヘビを巻き付けているので、ギャーーーーッと叫びそうになった。
 
 スカーフか何からしいが、なんと悪趣味な。
 たぶん、半世紀近く前に『魂のジュリエッタ』を見た記憶からであろう。以来、フェリーニはいっさい観ないことにしている。
 その後、西郷輝彦の元女房というのがヘアヌード写真でこれをやった。週刊誌がなにかで見てしまった。以来、西郷輝彦が大嫌いになった(別れなければ、あんなものを見ずに済んだのだからな)。
 女コメンテーターに災厄あれ。
 午後、気分が悪くて仕事にならない。
 夜、きさらぎ漬で冷酒一献。
 やって気分が回復した。

5月3日(土) 3cl Ensemble @ Royal Horse
 五月晴れ、世間は実質的連休初日である。
 終日穴蔵……のつもりであったが、部屋の掃除、中本酒店へ重量物運搬(ビールね)のポーターとして随行したり、ごく日常的なことのみ行う。
 夜、梅田のロイヤルホースへ。
 毎年5月恒例、谷口英治さんが来阪しての3クラ・セッションである。
  *
 鈴木孝紀、谷口英治、滝川雅弘(cl)
 笹井真紀子(p)山本学(b)高阪照雄(ds)
 2ステージ、22時過ぎまで。
 アンコール曲、まったくのアドリブで始まった、クラ3本だけの「鈴懸の径」が絶品というか、これは2度と聴けない名演であろうなあ。たぶん録音もないはず。
 When you hear music, after it's over,it's gone in the air. You can never capture it again.
 そういうものだ。
 歩いて帰館23時。
 ボンクラ息子その1とその配偶者が、最終近い新幹線で来るとか。まだ着いてない。
 かわりに穴蔵の北側の道に巨大レッカー車が来て、交通遮断、なにやらはじめた。
  *
 隣のビルの空調設備入れ替え工事とかで、作業員10数名、連中の声とエンジンの重低音が響いて眠れず、午前4時までつづく。嗚呼。

5月4日(日) 穴蔵
 ややこしい事情で、早朝に寝て、昼前まで5時間ほど眠る。
 終日穴蔵……のつもりだったが、午後、専属料理人が天八のスーパーへ鉢植え用の土を買いに行くというので、ポーターとして随行。
 夏のゴーヤチャンプル用である。
 5,294歩。
 それ以外の時間は机に向かうが、仕事ができたかどうかは別である。

5月5日(月) Big River Jazz Festival 2014
 午前5時頃に起きてニュース見ていたら、関東で地震、東京は震度4(場所によって5弱)である。
 ボンクラ息子その1が帰阪しているが、留守宅は大丈夫か。
 たたき起こすか迷うが、自宅が無茶苦茶になっていても確認のしようなし。
 なるようになる、しかあるまい。
 午前8時頃から雨になった。
 今日に限って……。嗚呼。
 午前10時過ぎに出て、小雨の中を歩いて、中崎町〜扇町公園〜天神橋筋〜OAPに11時に着く。
 ビッグリバー・ジャズフェス2014。
 生憎の雨(珍しいことである)で、いつもよりステージを下げて、聴く方も濡れずに済む。
  *
 バンドを取り囲む感じで密度が高く、熱気があって、これはこれでいいような。
 ニューオリンズ・フォーティズから始まって10バンドが出演。
 昼過ぎに上階の事務局(控室)へ行って弁当をいただく(半スタッフであるから)。
 缶ビール2缶。よろしいなあ。
 ジャズボートは運行、残念ながら小雨のため、船着き場でのウェルカム演奏はなし。
 2便目のジャズボートを見送ったあたりで失礼する。
 造幣局の方へちょっと歩く。
  *
 雨の泉布観には誰もいない。
 南森町から地下鉄で帰館。
 夜は、専属料理人とボンクラ息子その1の配偶者が作った豪華メニュー(カツオタタキ、イカ刺、サラダ、鶏肉のなんとか、温野菜など)で、帰省組と揃って、ビール、ワイン。
 諸々の雑事は明日に送る。
 早寝するのである。
 本日は9,144歩。

5月6日(火) 穴蔵
 五月晴である。昨日がこうならよかったのに。
 朝ののぞみでボンクラ息子その1とその配偶者は東京に帰る。
 終日穴蔵。
 アタマに霞みがかかり、ほとんど仕事にはならないのであった。
 自宅のベランダにバラが咲いた。
  *
 これを眺めつつ、ほうじ茶を飲む。
 いかんなあ、こんな年寄りじみたことをやっていては。
 世間の連休中は仕事と決めていたのに、何もできぬまま連休が終わろうとしている。嗚呼。

5月7日(水) 穴蔵/ウロウロ
 五月晴である。雨だったらよかったのに。
 雨なら出歩く気分にもならず、閉じこもって仕事もしたかもしれんが……。
 天気と関係なく、午前、梅田のMデンタルクリニックへ行かねばの娘。
 昼まで口腔内ウィーンウィーン。
 唇の右半分が麻酔で感覚おかしく、昼飯は1時間ほど置いた方がいいらしい。
 大阪駅西の梅三小路にて散髪。ロフト近くの店が閉店してから、もっぱらこちらである。
 さらに少し西にある某ビル地下の「四国うどん」にて「ひやひや」。久しぶりである。まあまあ。
 JR高架をくぐり、貨物駅跡の塀に沿って大阪駅に戻る。
 某駐車場に入り込み、貨物駅跡を見物するが、北側はほとんど遮蔽されていて、外は覗きにくい。
  *
 ああ貨物駅。
 ヨドバシ経由、9,754歩で、14時過ぎに帰館。
 と、集合住宅の修繕工事関係の雑事が色々と待ちかまえていた。嗚呼。

5月8日(木) 穴蔵/ウロウロ
 五月晴である。
 午前中、集合住宅の構内をデジカメ持ってウロウロ。不審者みたいだが、修繕工事のための準備作業である。
 最上階の非常階段、やはりキンタマが収縮するねえ。
 午後は穴蔵にこもる。
・小保方ニュース。
 朝のニュースでは「理研はSTAP論文に対し再調査を不要と判断。論文に捏造と改竄があったとする最終報告書が確定した」という。
 これに関連して、14時から、三木秀夫弁護士が「路上」で記者会見している中継を見る。
 見たような(波打ったような塀)眺めだなと思ったら、西天満4丁目の、国道2号線に面した歩道だ。
 旧宇治電ビルの西というか、昔のヌルスタジオの北側というか、デイリーヤマザキの前というか、よく自転車で通る場所である。
 今から駆けつけても間に合いそうにないなあ。
 15時過ぎから、理研の調査委員会の会見。
 口頭の説明だけではよくわからん。
 それにしても……理研の調査委員の論文について次々と「インターネット上で疑義が指摘されている」という。
 誰がどこで「疑義を指摘」しているのか、色々と検索しても、オリジナルの「指摘」にたどり着けない。
 よくわからん。おそらく匿名?
 その読解力から、就職先のないオーバードクターを想像してしまうが、ちがうだろうか。
 理研や大学の研究者と、実力からいえばほとんど差はない。むしろ逆の場合もある。ちょっとした運不運、コネ、ボスの政治力などで、まるで身分が違ってしまったという例は色々知っているからなあ。
 理研に限らず、インターネットでの論文の不備指摘はこれからの大きな流れになるのではないか。執筆者のみならず査読者の評価に及ぶかも。ただ、たとえ実名で「告発」しても、それが業績にならないところが気の毒ではあるが。

5月9日(金) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に起きて、4時半からのNHKニュースを見たら「レツゴーじゅんの訃報」が2番目に放映される。
 見識というべきか、大河ドラマの功績でか。
 逢坂じゅんという役者は、まったく知らなかった。
 大河ドラマの1シーン(ヅラ)が映されたが、ドラマを見てもわからなかっただろうな。
 レツゴー三匹の中で、じゅんだけがおれより年下である。
 やすしと同じく、このトリオは同年代感覚で見ていたのである。
 経歴は喜多哲士さんのぼやき日記に詳しい。
 ひとりで出るときは「ピッカリくん」を自称していた。せんだみつおの「偽者」を演じたことがあり(これこそ「役不足」と思うが)、これは見事にうまかった。
 終日穴蔵。
 雑事色々。
 運動不足なので、夕刻に近い午後、散歩に出る。
 梅田貨物線に沿って工事状況を見物。
 阪急中津〜新御堂下あたりまでは低い高架(1.4メートル制限)で、その気になれば簡単に侵入できる区間である。
 2ヶ所に「工程表」が掲示してあり、毎月更新される。
 工事名は「梅田駅(北)土地整備他2工事」。
  *
 時々チェックするが、これ、住民向けとは思えない。
 工事内容が30項目ほどあり、「バラスト撤去」「汚染土搬出」などはわかるが、「トーニチ試料箱撤去」とか「列車見張用お立ち台設置工」(9か所とある)(※)とはどなんものなのか。
 工事の区画の表記も番号だけで、こちらにはよくわからん(JRへの取材はやはり申込みにくい。貨物駅跡に○○○を埋める方法を検討してますのでとはいえないからなあ)。
 某ビルから「塀の中」を見物。
  *
 北側の複線を残して、南側は履行板を敷いた「道路」になっている(なぜか阪急高架下は単線/ここを「くろしお」や「はるか」や貨物列車が通過する)。
 豊崎神社〜淀川鉄橋で東海道線と合流するが、そのあたりは普通に歩いたのでは見えない。
 近くのビルに頼むしかない。別に犯行現場を下見しているわけではないのだが、何か「事故」があった場合に、被疑者にされるのは嫌だからなあ。
 このあたり、やはり福田和代さんの取材力はすごいと思う。
 3,884歩。

※ ↑線路写真の左端、フェンス内側に足場のようなものが見える。
 
 「列車見張用お立ち台」とはこれであろう。「国道以北 道床撤去工」に「9か所」とあり、国道176号線(阪急高架の南側の道)以北、新御堂筋までの700メートルほどのエリア、7、80メートルごとに設置してある。
 鉄道写真の撮影ポイントをいう「お立ち台」の語源もこれなのだろう。
 撮り鉄諸君は立ってみたいだろうな。おれでも入ってみたくなるもの。

5月10日(土) 創サポ講義
 終日穴蔵。
 夕刻に這い出て、天満へ向かう。
 運動不足なので歩くことにする。
 梅田を抜け、宇治電ビル横を通り、水晶橋を渡って中之島へ。
 中之島バラ園を見る。
  *
 人出は多いが、バラは全開まで2週間ほどか。17時、まだ日ざしが強すぎる。
 18時にエルおおさか。
 創作サポートセンターの講義。
 提出作品4編。いずれも秀作である。
・地方都市の旧家、一族が集まる行事のなかで起きた事件。殺人のない家族小説的ミステリー。
・太陽ヨットで太陽系外を旅する、肉体を失った知性体が遭遇する不思議な存在。極めて正統的な形式の宇宙SF。
・雪のクリスマス・イブ、中年探偵の事務所に虐待を受けている少女からの電話。電話のやりとりだけで相手の正体を見破る短編で、「全共闘ハードボイルド」(おっさんのナルシズムに満ちたやつね)への批評になっているのもいい。
・目隠しされた被害者への語りかけだけで記述される誘拐事件。読者を「ストックホルム症候群」に誘い込むような緊迫感がある。このまま小劇場の舞台にかけられそうな異色作。
 レベルの高い作品が揃っていて、こちらも緊張する。

5月11日(日) 穴蔵
 初夏の陽気である。
 終日穴蔵。
 ずっと机に向かうが……うーん、さっぱりである。
 夜は専属料理人に色々並べてもらってワイン。
  *
 「手打ち」のパスタが出てきた。太めでモチモチというが……冷凍の讃岐うどんにチーズを絡めた方がうまいような気がしないでもない。

5月12日(月) 穴蔵/ウロウロ
 終日穴蔵……のつもりであったが、雑事あり、そちらに逃げることにする。
 朝、近所のY医院で定期検診。異常なし。
 保険屋某氏が来訪。集合住宅の理事長として面会するが、個人としてもあれこれ博打(自分の不運に張るギャンブルね)に誘われて、困るねえ。
 気晴らし兼ねて、昼は梅田へ。
 ボンサラ時代の知人と会って、天ざるでビール一杯。
 曇天が小雨になった。
 大阪ステーションシティ「風の広場」に上がり、貨物駅を見物。多少取材も兼ねているのである。
 風の広場のバラ。
 
 やっぱりバラは小雨の方がいい。
 グラフロを抜け、小雨のなか、歩いて帰館。
 と……赤穂の山火事でバーベキュー男が逮捕されている。
 「バーベキューで使った木炭を自宅裏の山林に捨てて燃え移らせたとして、赤穂市木津の会社員河原大剛容疑者(40)を森林法(失火)違反の疑いで逮捕した。」
 火災現場は懐かしきU社坂越工場のちょっと西の方である。
 そのうち播州龍野から見物に行くことにしよう。

5月13日(火) 大阪←→播州龍野
 終日穴蔵……のつもりであったが、雑事あり、そちらに逃げることにする。
 深夜〜未明までの雨がやみ、朝には晴。
 朝の電車で播州龍野へ移動する。
 3週間ぶり。
 今年は白木蓮は見ないまま、もうすでに新緑である。
  *
 雑事あれやこれや。
 龍野公園に行く時間はなし。
 夕刻の電車で帰阪。
 ドタマ朦朧、生産的なことはできぬまま、無為な日々がつづく。嗚呼。

5月14日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 まじめに机に向かう。
 もっとも、集合住宅関係の資料作りなんだけどね。
 夜は集合住宅の修繕委員会。
 専属料理人は地域のなんとかで、夕食は午後9時過ぎとなる。
 とようけのヤッコ、手羽焼きにブロッコリ、オランダ豆の炒めたのなどでビール。
 早寝するのである。

5月15日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 曇天から雨で、気分は落ち着く。
 じっとしていると肌寒いほどである。
 まじめに机に向かう。
 もっとも半分は議事録作成など集合住宅関係のことなんだけどね。
 週末に定期総会があるため、細々した準備が多い。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。


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