『マッドサイエンティストの手帳』594

●マッドサイエンティスト日記(2014年12月後半)


主な事件
 ・ハナシをノベル@繁昌亭(19日 
 ・播州龍野いたりきたり
 ・聴き納め@ニューサン(27日)


12月16日(火) 穴蔵/ウロウロ
 午前5時に小雨が降り始め、7時には本降りになった。
 10時頃に出て梅田。散髪など含めて、昨日のやり残し事項。
 梅三小路に「昼酒場」という店がオープンしている。
 夜はやらんのか? 11時前で、営業中なのかどうか不明。外から丸見えで、入る気にはならんけど。
 昼間から一杯なら「大御所」でっせ。
 まっすぐ帰館。
 午後は……なんだか気が重くて仕事にならず。
 夜は集合住宅の理事会。
 30分くらいで終わるはずだったのが、妙なゲスト(乱入者とも申せましょう)があり、延々と独演会を開始、しかも明らかに妄想が混じりはじめて収拾がつかなくなってきた。昼間の気の重さはこの予兆であったか。
 独演40分、(退席後の)論評会10分、予定より50分のオーバー。嗚呼。
 心理学に詳しい理事が「明らかに自己愛性**障害」という。
 普段は寡黙な別の理事が「健さん風対応(ドスは抜かず/ただし寡黙な人だけにドスは効いていた)」をして退席願ったが、これがいちばん正しい対処法らしい。
 結局は遅い時間の晩酌となる。
 鴨肉を煮たなんとかで安ワインを少しばかり、これはいける。

12月17日(水) 穴蔵/ウロウロ
 小金ちゃんが死んで3年、産経の秘録金正日は注目の新連載だ。バカ息子からのバカ電話に激怒して、娘の家でワインがぶ呑み、泡吹いてくたばったのだという。
 面白くなるぞ。
 ということで張り切って雑事。
 昨夜の続きで集合住宅関係の資料作りだけど。
 昼、天五の機械部品商社へタイムマシンの部品を受け取りに行く。
 70年(万博の年)からつき合いのある会社。天五中崎町商店街東端、天神橋筋の北東角にある「中恒」で、青空書房(路地店)のはす向かいにある。
 歩いて行くが、風が強く、恐ろしい寒さ。
 また近日に来るので、青空書房には寄らず、地下鉄で帰る。
 三ツ星ベルトのカレンダーを貰った。
  *
 これにて迎春準備完了である(年賀状は終了にしたからなあ)。
 歴史ある機械商社・中恒に栄光あれ。

12月18日(木) 穴蔵
 定刻午前4時に目覚める。
 室温14℃、外は2℃である。
 穴蔵から野々村竜太郎の生家の上にひろがる青空を眺める。
 雲の動きが急である。
 本日、相棒の某くんがタイムマシン関係で長距離移動中。幸い降雪はないようだが、場合によってはこちらも動かねばならぬ。
 終日穴蔵にて待機しつつ、粛々と雑事。
 夜まで特別の連絡はなし。
 明日が慌ただしくなりそうである。理研のSTAP細胞に関する発表もあるし。

12月19日(金) 青空書房/ハナシをノベル@繁昌亭
 午前中、ちょっとややこしい連絡が錯綜したが、タイムマシン関係の処理は来週となる。
 来週は国民に迷惑な休日もあって、後半に播州龍野行きとなりそうな。
 STAP細胞に関する理研の会見をしばらく見るが、昨日の報道を越える内容は、小保方氏の退職だけであった。
 本日は年末の恒例行事2件。
 昼前に青空書房へ。
 京都からSF友のYさん…などと伏せることもないか…山本孝一さんが来て、年末恒例の物々交換会を執り行う。
 坂本健一さんとしばし雑談会。
  *
 91歳の坂本さん、頭脳明晰で、(行動範囲が狭くなってネタが減ったといいつつ)色々と面白いハナシをノベル。
 たとえば……バス停「天神橋五丁目」(北行きの方)に数ヶ月前に立派な電飾の看板(推定500万)ができたが、とんでもない由来があるとか、銭湯で観察する刺青考とか。
 グルメ情報も詳しく、それを参考に、山本さんと、天五バス停を見学のあと、東側の路地(JR天満北側の立ち飲み通り)の「つる家」へ行って牡蠣の鉄板焼き、お好み焼きでビール一杯。
 さすが坂本情報。しかし、このボリューム、坂本さんひとりで食べきれるのかいな。
 ぷらぶら歩いて帰館。
 夕方に這い出て、天満の繁昌亭へ。
 こちらでは年末恒例「繁昌亭 de ハナシをノベル」。
 月亭文都師匠が語る本日のネタは『スパイのライセンス〜道具屋篇』(田中啓文)、『病の果て』(田中哲弥)、『鏡』(魔人ハンターミツルギ)。
 中之島でやるネタおろしとちがって、よく練れていて、それぞれ面白い。
 会場に関西のSF関係数氏。
 忘年会兼ねて一杯やりたい気もするが、21時過ぎてから外で呑むのは、もう無理である。
 まっすぐ帰館。
 おおっ、木下昌輝さんの『宇喜多の捨て嫁』(文藝春秋)が直木賞にノミネートされているではないか。
 これはすでに読んでいる。
 ある雑誌の「本の紹介」コラムに取り上げたいと候補に上げたのだが、時事ネタで青色LEDの方が採用された。
 ま、おれにも先見の明ありと自慢しておこう。

12月20日(土) 穴蔵/女体渦巻島
 曇天から雨になる。午後は本降り。
 終日穴蔵。
 午後、入手したばかりの『女体渦巻島』を見る。
 中学時代、看板だけちらっと見ていただけの幻の作品(他に『禁男の砂』シリーズもあるけど)である。54年経ってやっと見られるのである。
 女体渦巻島とは「対馬」である。
 韓国との麻薬取引、島の若い女性を売り飛ばす悪の組織があるわ、キャバレーはあるは、60年の対馬はほんまにこうだったのか? まあ、アキラの「渡り鳥シリーズ」でも、全国の観光地、どこでもキャバレーで白木万里が踊ってたからなあ。
 ここに謎の男・吉田輝雄が乗り込んでくるアクションもの。『殺られる』の出来損ないみたいな感じである。
 タイトルに偽りあり。「女体が渦巻いて」いるわけではなかった。新東宝だからなあ。
 悪役(ボス)の天知茂が光る。『東海道四谷怪談』と『地獄』の間のゲスト出演だったのだ。

12月21日(日) 穴蔵/ウロウロ
 午前5時に起きる。この3日、1時間の寝坊がつづいている。どこかおかしいのか。
 穴蔵にて粛々と雑事。
 本日は母親の命日なのだが、身内が墓参に行くというので、こちらは後日とする。
 午後、運動不足なので、電池を買いにヨドバシまで歩く。
 買い物客も多いが、ヨドバシ北側、競馬の連中が多いなあ。
 何か特別なレースがあるのか。天皇誕生日は明後日で、天皇賞はこの日か? よく知らん。
 ということで、電池を買って帰館。
 歩行計の電池を入れ替える。
 2007年3月4日に買って、電池の交換はした記憶がないから、7年もったということか。たいしたものではないか。
 ということで、本日は推定5,000歩。
 夜は専属料理人に色々並べてもらってちょっと一杯。
  *
 ビーンズ系、ハムサラダ、タマゴ系、鯛の昆布しめと、栄養バランスはよろしく、これで白ワイン。
  *
 麦芽入りのパンを焼いたとたんに、眠りかけていたPiPiが飛んできた。
 だんだんわがままになっていくような。
 公園の鳩に較べると、韓国の財閥のバカ二世みたいなものか。

12月22日(月) 穴蔵/マーガレット
 定刻午前4時に起床。体調よろしい。
 冬至である。
 午前6時40分の東の空。
  *
 野々村竜太郎の生家の上にも陽はのぼるのであった。
 終日穴蔵。
 相も変わらず雑事色々。
 夜、専属料理人が出かけてしまった。地域のなんとかの会合で、あと忘年会だという。
 自炊も面倒になり、天六までぶらぶら歩く。
 休日の合間で、忘年会が多いようだ。
 マーガレットへ行く。
 客はおれひとりなので、ニューオリンズの最新盤などを聴きつつビール一杯。
  *
 壱岐のイワシのみりん干しが絶品である。

12月23日(火) 何があったの
 年末の休日である。
 穴蔵にてボケーーーッと過ごすつもりでいたら、早朝から集合住宅関係でややこしい通報がくる。
 ある部屋の前に大量の荷物が散乱していて通行できないというのである。
 行ってみると、パソコン、靴、バック、衣類、椅子、傘立て、ラックなどが散乱。室内から放り出されたとしか思えない。
 靴、衣類はすべて男ものである。
 今岡清ヒモが女に叩き出されたらこんな風になるのであろうか。
 部屋の応答はなし。
 隣室の住人も気づかなかったらしい。
  *
 管理人の出勤を待って関連先に電話するが、連絡もつかず。
 とりあえず通路だけ確保する(↑写真は片づけた後だからね)。
 室内に死体が転がっている可能性も否定できず、大淀署に相談するが、よほどの異臭とか階下への漏水(血液?)でもなければ動けないらしい。「大家」が合い鍵で入るなら、立ち会いは可能という。
 困ったことだ。
 昼前にやっと居住者の男が携帯の伝言を聞いたらしく、連絡がつき、昼に戻ってきて、黙って片づけはじめた。
 被害届は出さないという。
 森永ひさしじゃないけど、何があったの?と訊きたくなるぜ。
 女のヒステリーの気配濃厚だが、住人は黙して語らず。
 迷惑な話だ。半日を無駄にした。
 やれやれと思ってたら、夕方にまた……
 今度は水漏れ事故の通報。
 勘弁してくれよ。

12月24日(水) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 雑事色々。
 タイムマシン格納庫にて点検作業を行う。
 暖房なしのスペースで、5℃だが、体を動かさないから、体感温度は恐ろしく寒い。
 久しぶりにキンタマが波動関数の収縮を起こす。
 夕刻の電車で帰阪。
 相棒の某くんは週末までねばるという。
 夜は鶏の丸焼きでワインを少しばかり。
  *
 専属料理人がオーブンで2時間以上かけたという。
 ホルモン焼きの方がいいとはいいにくいね。

12月25日(木) 穴蔵/竜太郎のヒヨコ頭
 終日穴蔵。
 朝から、またも集合住宅関係で色々。
 無理を承知の願いというのがあり、却下しかないのに、延々と聴かねばの娘。嗚呼。
 政治家に来る陳情というのはこんなのが多いのだろうな。
 まともに対応してたら持たないはずで、政治家は「聞き流し能力」によほど長けてないと務まらんだろうな。
 他にも2件。水漏れと鍵の破損。嗚呼。
 仕事にならん。
 週刊文春に大スクープ。
 小さい記事だが「野々村竜太郎 取調べ中の頭髪は生まれたてのヒヨコ」というもの。
 要するに政務活動費ちょろまかしの動機は「高級カツラのメンテナンス代が馬鹿にならないくらい高くて、そっちに回すためだった」というもの。
 へえっ。気づかなかったなあ。
 姉歯の時(8年ほど前になるのかな)には「頭も偽装か」なんて、一目でわかるカツラだったが。
 で「野々村竜太郎 かつら」で検索したら、なな、なんと、今年7月には昔のハゲ頭写真が公開されているではないか。
 知らなかった。
 週刊文春、スクープではなかったのだ。
 「生まれたてのヒヨコ」頭がどんなものかだけが気になる。

12月26日(金) 大阪←→播州龍野
 あわただしいのであった。
 朝、集合住宅関係のややこしい事案について管理人と打ち合わせ。
 急用が生じて、通勤ラッシュが終わってから播州龍野へ移動する。
 タイムマシン格納庫にて点検作業。
 またもキンタマが波動関数の収縮を起こす。
 なんとは目処はついたが、諸々の処理は年明けになりそうな。
 実家に寄り、掃除なども行う。
 川沿いの道を本竜野駅まで歩く。
    *
 鶏籠山の眺めは変わらないが、白壁の醤油醸造蔵は近代設備に変わっていく。
 この混在がいいのであろう。
 夕刻に近い電車で帰阪。
 午後6時を過ぎているが、管理人が集合住宅のトラブル処理に立ち会っている。
 他にも1件、ややこしい事案があり、こちらはおれが対応。
 両方に解決の目処がたったのは午後9時近くである。本格的な工事は明日だけど。
 ああしんど。
 遅い晩酌となる。

12月27日(土) 聴き納め@ニューサン
 ややこしいのであった。
 穴蔵に閉じこもっていたいのだが、朝から集合住宅の修理工事があって、何度も呼び出される。
 さらにXP機の調子がおかしくなった。
 しばらくWindows7のノートPCを使うが、やはりキーボードが使いづらい。
 XP機のリカバリーを行う。寿命が近いのでデータは外付けHDDに移していて被害はないが、メールアドレスの大半が失われてしまった。
 集合住宅もXP機も復旧に夕方までかかる。こちらの体も含めて、すべて老朽化しているのである。嗚呼。
 夜は専属料理人と歩いてニューサントリー5へ。
 今年の聴き納めは昨年同様ニューオリンズ・ラスカルズのライブである。
 正面テーブル、河合さんのクラと福田さんのトロンボーンの中間点という最高の席に座れた。
  *
 クラとトロンボーンによるバーガンディ・ストリート・ブルース(めったに演奏されない)、今年亡くなったピンカラや佐々木さん、グイド・カイロ(10月に来日したが、その後亡くなった)たちへの追悼の賛美歌など、涙なしには聴けないね。
 ラストはオーバー・ザ・ウェーブスであった。

12月28日(日) 穴蔵/ウロウロ
 夜遊びしたから、午前7時に目が覚める。よく寝たものである。
 体調よろしく、たまには夜に出歩くべきだな。
 日曜で、集合住宅関係のややこしいこともなし。
 昼前に出て、地下鉄で西長堀の中央図書館へ。
 本日が年内最終の開館日である。資料の返却。科学書関係を3冊借り出し。
 あと、ミナミのぶらぶら歩き。
  *
 千日前通の西端近く。
 対向8車線からクルマがほとんど消える光景……大阪で好きな場所のひとつだ。
 大正橋を渡って、「いちゃりば」へ。
  *
 沖縄そば定食でオリオン一杯。APS-Cのデジ1で撮る。
 この前よりも遙かにうまそうに写る。たいしたものだ。
  *
 隣接の沖縄食材などの販売店。SPAMも置いてある。これは沖縄文化というより基地文化だろうな。嫌いではないけど(「いちゃりば」にはスパムおにぎりがあって、結構いける)。
 島らっきょうを買って帰館。泡盛も見送り。
 夜はこれで「神の河」湯割り。あ、他に専属料理人の作った数皿も。
 今年も暮れゆく。

12月29日(月) 穴蔵/ウロウロ
 午前5時、昨夜からの雨が降り続いているが、7時には曇天、昼前から晴れ間も。
 穴蔵にて本を読んで過ごす。
 午後は晴れて、暖かく(といっても12℃)、散歩に出ることにする。
 西回りコース。
 中津経由、小松師匠の史跡(プラザ跡)にて年末の挨拶、スカイビル方向へ。
  *
 北側の里山、田辺大根が育っている。
 うまそうだが、むろん引き抜いたりはしまへん。
 7,704歩で帰館。
 お、夜はぶり大根が出てきた。
 しかし、うまいのはキズシ。
  *
 歌やんが作るのが絶品だった。宮崎のライフタイムもなかなかのものらしいが。
 これで龍力一献。あとはキムチ焼きそばで「神の河」湯割りという、不思議なメニューとなった。
 早寝するのである。

12月30日(火) 穴蔵/ウロウロ
 少し朝寝して午前5時に起床する。
 年末の雑事色々。主に諸々の表計算ファイルの2015年版への移行作業。
 3日前にXP機をリカバリー、動作が不安定であったが、OpenOfficeをインストールしたり、ブラウザーをChromeに変えたり、あれこれやってたら、不思議なもので、だんだん調子がよくなってきた。
 XP機(e-machineのタワー)は、できればあと5年は使いたい。
 午後、歩いて梅田へ。
 年末の買い物。専属料理人の専属ポーターとして随行する。
 グラフロ西側を歩いて、ハービス地下へ。黒猫ビルの地下である。
  *
 BURUDIGALAでパンを色々と購入。靫公園のタケウチが移転してからは、ここで買うことが多いという。
 駅前ビル地下の花屋でへ行って、正月用の花を購入。
 パンと花を両手に(おれには似合わんなあ)、おれだけ先に帰る。
  *
 ということで、夜はホタテのなんとかやローストビーフで、BURUDIGALAのパン、安ワインを少しばかり。
 早寝するのである。

12月31日(水) 大晦日
 定刻午前4時に目が覚めるが、起きるのが面倒で、そのまま本を読んで過ごす。
 7時に起きて、ニュース。
 大韓航空前副社長・趙顕娥は「逮捕」という。正月を留置所で過ごすことになるのか。韓国、盛り上がってるだろうなあ。
 晴れて暖かい。夕方から雨とは信じがたい天気である。
 ATMなどに用事あって、昼前に梅田うろうろ。
 地下街もヨドバシも人出は少ない。
 大阪駅西の某スポットから貨物駅跡を眺める。
  *
 来年はがんばって、ここを戦場にしたいものである。
 昼前に帰館。
 昼は信州そばを茹でてもらって龍力熱燗。
 午後、穴蔵の本やCDを少し整理しようかと思ったが、面倒になり、本を読んで過ごす。
 夜は湯豆腐、鯛の昆布しめ、すぐき、オセチの作りかけなどで龍力一献。
 午後7時のニュースは短く、早々と国民的学芸会が始まったのでテレビは切り、デフランコ師匠、トミフラ師匠、清水万紀夫師匠など聴きつつチビチビ。
 いつしか外は小雨である。
 本日は神様ジョージ・ルイスの命日である。
 最後に「Plays Hymn」を聴いて寝ることにする。
 無為に過ごした2014年が終わる。嗚呼。


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