『マッドサイエンティストの手帳』430

●マッドサイエンティスト日記(2008年6月後半)


主な事件
 ・水田宗親ジャズバンド(22日)
 ・「HEART BEAT DIXIELAND」(24日)


6月16日(月) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時起床。
 午前6時にボンクラ息子その1…じゃなかった、ボンクラ親父の息子その1にモーニングコール。深夜近くにメールで依頼してきていて、おれが早朝起床を前提としている。
 朝7時まで寝ていたらどうするつもりなのか。ま、わがモーニングコールは予備的なものと思うが。
 ということで、おれも見習って、少しは仕事もするのであった。
 午後は諸般の処理事項があって梅田ウロウロ。
 チーハとミムラにも寄る。
 先日、かんべむさしの『水素製造法』に言及したけど、菊池教授の
こういう記事を読むと、時代が「かんべ作品」に追いついてきたのではないかと心配になるねえ。
 いや、国語辞典だけで「発明」したのだとは思わんけどさ。

6月17日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 天気がいいので、久しぶりに大掃除。本とCDを少し整理して、半年ぶりに掃除機をかける。
 綿ぼこりどっさり。
 午後、某誌(某テレビ同様、公開はしない)のライターK氏とカメラマンI氏が来穴蔵。
 取材を受けるのであるが、テーマはまたも「立ち食いうどん」である。
 ハードSFでとはいわないけど、ジャズか上方落語で来てくれないかなあ。
 とはいうものの、立ち食いも40年以上やってると「文化」である。
 ふたりとも面白い人で、立ち食いに限らず、早朝の「天五屋」うな丼とか、話はほとんど脱線状態であった。
 で、文化とは関係ないけど、鳩山邦夫が「粛々と」業務を遂行しているのは、評価最低の福田内閣にあって立派な態度と思う。唯一仕事している大臣ということか。迅速とはいえないけど。
 明日からど田舎行き。
 早寝するのである。

6月18日(水) 大阪→播州龍野
 定刻午前4時起床、6時にボンクラ息子その1改めボンクラ親父の息子その1にモーニングコール。
 あちらは早朝会議らしい。
 おれも早朝の電車で播州龍野へ移動。
 老母の世話は最小限にして、終日タイムマシン格納庫に詰める。
 相棒の某君がマシンをみちのく方面に陸送しているので、おれが見張り番を務めるのである。
 昼は「よこた」にて和定食。
 前の道に沿って、電柱の架け替え工事が続いている。「きんでん」はん、がっばっとるねえ、なあ松尾くん(っても、5人くらいしかわからんだろうけど)。
 
 おれは「電線国家ポンニチ」の景観が嫌で、それゆえに旅行に興味がないのだが、こんな風に電柱が「更新」されていくと、あと20年(つまり、おれが生きているうち)に日本から「蜘蛛の巣」が除去される可能性はゼロであり、もう普通の国内「観光」旅行というのはやらんだろうな。
 ぼやいてもいたしかたなし。
 新電柱を旧電柱のネキに立てて、1メートルほど架線を移動させていく作業……別のシチュエーションに展開できそうで、頭のどこかにあるアイデアの「発酵壺」に入れておくことにする。
 田舎にもアイデアは転がっているではないか。  夕刻までタイムマシン業務。
 今日の仕事はつらかった
 あとは焼酎あおるだけ
 人は田舎というけれど
 ここは天国、本竜野
 ……ということで、老母につきあってビールのあと、キムチドバドバの盛岡冷麺で「神の河」水割りをあおる。
 早寝。

6月19日(木) 播州龍野の日常
 雨なのであった。
 下男仕事の合間、終日タイムマシン格納庫にて見張り番。
 静かなものである。
 久しぶりにMS-DOS機を使うが、config.sysがどうだったかとか、まるで思いだせない。
 いわんやCP/Mにおいておや。
 ドタマが老化しているのである。
 夕刻、食材を買って帰館。
 
 庭先の紫陽花、脱色したような色で、なんともしまらない。
 あじさいの雨に打たれて
 このまま死んでしまいたい
 ……ちょっと違うか。
 センチメンタル・ムードになるが、明るいうちに老母の夕食につきあって晩酌。
 枝豆、国産牛肉の炒めたのとポテトサラダ、トマト、カイワレなど並べてビールを飲んでいたら元気が出てきたが、ど田舎ゆえに繰り出す場所もなし。
 早寝するのである。

6月20日(金) 播州龍野の日常
 定刻午前4時前に起きてパソコン起動。
 昨夜某社の某氏からメールが入っている。急ぎの某書類の送付先についての問い合わせ。
 あと数日は田舎にいるので、播州龍野へ送ってくださいとメールしたら、2分後に「了解しました」と返信。
 この方は「会社勤務」のはず。
 徹夜型なのか早朝型なのか?
 体に気をつけてください。
 ということで、本日も下男仕事以外はタイムマシン格納庫にこもる。
 梅雨というには強い雨が終日断続的に降りつづく。
 午後5時に陋屋に戻る。
 運動不足だが、雨がやまず、散歩に出かける気力もなし。
 庭先の花を眺める。
 これは確か「南天」のはずである。
 
 南天に花が咲くとはこの歳まで知らなかった。庭の花を眺めることなど、2年前までなかったのだから。
 ビール飲んで、そろそろ寝るかどうか迷うところ。
 21時からテレビで『マトリックス・リローデッド』……じつはおれ、まだ観てないのである。
 しかし、終了まで起きてられそうにないし。
 ま、成り行きである。
 ※結局23時過ぎまで見てしまった。が、格闘がヴァーチャル前提とわかっているから、架空の映像が凄いのはわかるがさほど興奮はしないなあ。「エージェント」のヘアスタイルが福田康夫に似ている(これは第1作の時からそう思った)のが気になる。福田め、国民から冷酷に搾取する立場の代表なんだなあ。

6月21日(土) 播州龍野の日常
 世間は休日につき、本日はタイムマシン格納庫にはこもらず、終日下男仕事。
 一段落した8時頃、2階書斎で少しは仕事をと思ったところで、老母が庭から外側へ、おぼつかない足どりで出ていったまま戻ってこない。
 気になって(おれはS字型を警戒して出ていかない畑地へ)行ってみると、塀の外にもアジサイが咲いていて、老母はこれを植木鋏で切ろうとしているのだった。
 
 これもアジサイの一種らしい。花瓶に飾るにはこの方がよさそうな。
 見知らぬ花の多いことよ。
 午後、某ゲラが届いたのでざっと読む。
 チェックは明日に送りとして、午後は寝転がってリヴェル・ネッツ/ウィリアム・ノエル『解読! アルキメデス写本』(光文社)を読む。途中まで。
 写本解析の学芸的ドキュメントと、その結果得られる「ギリシャ数学」の知見が交互に語られる構成。
 うーん。2日ほど仕事になりそうにない。
 土日は「雨読」ということでいいか。

6月22日(日) 播州龍野の日常/水田宗親ジャズバンド
 朝も早よから下男仕事。
 合間に少しは仕事もするのであった。
 昼過ぎにメール送稿したら直ちに返信が届いた。日曜も仕事してはるらしい。
 しばらくしたら、ボンクラ親父の息子その1からメール。明朝のモーニングコール依頼である。アドレス見たら会社からのような。
 世間は仕事してる人ばかりなんかしらん。
 夕食後、川沿いの道を歩いて
ガレリアへ。
 水田宗親ジャズバンドのライブ。
 本日は5年目、50回記念ということで満員である。
 久しぶりにヤナギサワのアルトを使用、柔らかい音色で軽快にボサノバから。
  
 水田さんの「教室」の生徒さんも来ていて、ソプラノからバリトンまで、8人並んでのサックス・セッションも2曲。
 「バクス・グルーブ」で短いソロ回しを聴いていたら、なんと懐かしい「ザ・ウチアゲ」(日比谷野音/1981年だったか)でのソーク・メナーズを思い出した。15秒ならプロに張り合えるという半フリー集団、この時は「モーニン」と「マイルストーン」だったなあ。
 ひとり「譜面が読めない」が吹いているというバリトン……「ダイクさん」と紹介された。
 
 名前なのか職業なのか迷うが(あとで確認すると職業であった)、絵になることではこの人が一番。
 結構いい音を出していた。がんばってほしい。
 21時半まで。
 帰路、川沿いの道は真っ暗。田舎の夜を歩くのは恐ろしいね。

6月23日(月) 播州龍野→大阪
 「朝ミラ」を聴く。
 かんべむさし氏がパーソナリティをつとめている「朝はミラクル」、6月末で終了という。あと1週間。
 3年3ヶ月……おれも朝ラジオ聴取という習慣がちょっと変化することになるけど、まあかんべさんにとっても3年という区切りは活字への切り替えということでは時期的にはいい潮時ではないか。
 おれみたいに早起きが体質になってると別だが、それでも月〜金の拘束はつらいだろうし。
 おれの「朝ミラ」へのゲスト出演は4回だったかな。
 「大阪ジャズ」「立ち食いうどん」「自費出版」「隠れ家」……おれも趣味が偏っているなあ。
 この3年間、むさしくんと飲むのは金曜夕方に限定されていた。
 夜遊び復活とはならんだろうけど、落語系が増えるかも。
 タイムマシン業務、相棒の某くんと引継ぎ、夕刻帰阪する。
 専属料理人に色々並べてもらってビール、ワイン。
 夜はDVDで『徳川セックス禁止令 色情大名』を見る。いやはや。
 これは
鈴木則文『エロ将軍と二十一人の愛妾』の続編……つうか、企画はこちらが先らしい。
 徳川幕府がセックス禁止令を出すのではなく、九州の唐津と鍋島を合わせたみたいな「唐島藩」、30歳過ぎまで童貞だった大名がとつぜん色狂いとなり、下賤のものは今までこんないい目をしていたのかと、自分以外のものにセックス禁止令(法令175条!)を出すという無茶苦茶な話である。家臣の諫死などあって反省もするのだが、カタルシスはいまひとつ。金正日でもここまではやらんだろう。
 関連する『銀河のシンデレラ』は後日の楽しみとする。

6月24日(火) 穴蔵/ロイヤルホース/ワイルドバンチ
 終日穴蔵。
 色々と溜まっている雑事を粛々と片づける。
 夜は専属料理人が「生徒さん」(パッチワークを教えているらしい)からいただいたという北海道でとれたてのアスパラ……これを中心に組まれた数皿でビール、微発泡白ワイン。
 普段ならこのまま寝るところだが、21時前に自転車でロイヤルホースへ。
 クラリネツトの岩田直樹さんが「HEART BEAT DIXIELAND」というデキシーバントにら参加、デキシープリンセスとの共演ライブをやるという。
 
 若手メンバーで久しぶりにデキシー新バンド誕生で楽しみなことである。
 が、岩田直樹さんの実力は、むしろワンホーンで吹きまくってこそ発揮されるのではないか。
 クリスバーバーJBにおけるモンティ・サンシャイン的な存在であってほしい。
 終演後、もう少し飲みたくなって、自転車で天六・ワイルドバンチへ。
 バーボンのロックを飲みながらマスター・庄内さんと1時間ほど雑談。
 いかん、ちょっと飲み過ぎ。
 酩酊自転車でなんとか無事帰館できた。

6月25日(水) 穴蔵
 二日酔いである。
 終日穴蔵。
 Window98機がおかしくなった。
 先月からHDDが妙な音を立てることが多くなったので、データは外付けHDDに移している。
 Window95機から98機に入れ替えたのが2000年8月。8年使ったから、ま、寿命と考えてもいいか。
 ただ、こちら大阪の穴蔵では予備機でネツト接続ができない。
 Vistaにせざるを得ないか。
 明日からど田舎行き。
 来月に検討ということにする。

6月26日(木) 播州龍野→大阪
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 しばらく<下男モード>入りである。
 門柱脇の凌霄花が開花しはじめている。
 
 昨年の咲き始めが
6月28日だったから、いかに開花の日が正確かわかる。
 麦茶の季節になるなあ。
 大阪の「魚秀」なる会社がうなぎの産地偽装。
 社長の名が中谷彰宏……迷惑なことだろうなあ。同情する気にはならんけど。
 ということで、播州龍野のパソコンで、久しぶりにHP更新。

6月27日(金) 播州龍野の日常
 朝日新聞の朝刊に「国宝三重塔」高さ61センチの模型の全面広告!
 限定50点で定価は12万。つうことは全部売れて600万円の「事業」である。広告費を考えるとどうなんだ? 播州版だけの広告とは思えないのだが。
 これがいかに凄いか、たとえば600円の文庫を1万部出して、朝日に全面広告出すか?
 気になって調べてみたら、ネット販売もしている。
これである。こちらには限定50点とは書いてないけど。
 他社でも3万円ほどの「組立キット」も売っている。これだとアルバイトに組立させたら4万くらいでできるかな。
 しかし、さすがに12万円の方が遙かに複雑な構造だ。
 うーん。どうやって利益を出すのか。「さおだけ屋」方式なんだろうか。
 タイムマシン製造業者としては、このビジネスモデルがどうしても理解できないのであった。
 三重塔、欲しくもないしなあ。
 ということで、本日も下男仕事の合間にタイムマシン関係の雑事色々。
 某国からメールあり……直ちに返信……のつもりが、どうも最近、英語力が急速に低下している。定型文書が多いから、過去の文書を検索して修正すればいいはずなのだが、これだけで1時間ほどかかってしまう。
 老化しているなあ。
 が、ともかくありがたいことだ。ゼンジー北京師匠さまさまである。
 その他色々あって疲れた。
 定刻18時に老母の夕食につきあってビール。
 今夜は21時から『マトリックス レボリューション』放映だが、起きてられるかなあ。
 ま、それまでDVDで『銀河のシンデレラ』を見ることにするか。

6月28日(土) 播州龍野の日常
 世間の休日に合わせてタイムマシン業務は休業。
 下男仕事はいつもどおり。
 食材を買いに某スーパーへ。その3階にある家電量販店でパソコンを見る。
 XP機は残り少ないらしく、VISTAに気乗りしないおれとしては、49800円のeMachine XP機のボディを大阪の穴蔵に配達してもらうよう手配する。
 これで大阪と播州龍野のマシンがほぼ同格となる。
 年齢からいって、これが「最終機」になりそうな。
 夜、DVDで『銀河のシンデレラ』を見る。
 シンデレラのパロディで艶笑SFミュージカル仕立て(白雪姫やSF映画のパロディも色々出てきて、その意図はわかるが)というところだが、『徳川セックス禁止令』には及ばず。
 「セックス禁止」という前提がもはや古いのよね。
 70年頃と思うが、何かの添え物で『花ひらく貞操帯』というのを見たけど、これは笑えるギャグが2、3はあったなあ。


6月29日(日) 播州龍野の日常
 天気予報は大雨と喧しかったが、明け方まで少し降った程度で、あとは終日、小雨・晴れ間の繰り返しである。
 休日なので、下男も炊事洗濯以外の時間は書斎にこもって過ごす。
 午後の晴れ間、庭に野良が現れた。
 
 おや懐かしい、昨年
8月25日にわが書斎の窓の外30センチのところに出現した野良ではないか。
 10ヶ月ぶり。元気にしていたのだ。
 大阪の豊崎西公園とちがって、野良密度の低いど田舎で、なんとか食ってるのだなあ。わが家の居間への侵入はないようだ。細々と生き抜いてくれたまえ。
 18時、老母の夕食につきあって、枝豆とイカの一夜干しとヤッコで軽くビール。
 片づけのあと、運動不足なので、30分ほど揖保川沿いに散歩。
 
 久しぶりに夕映え。
 帰館後、シャワー。
 さあ、老母が寝たので、キムチ・カイワレ・ハム・タマゴ入りの盛岡冷麺を作り、「神の河」ロックで本格的にダレヤメ開始である。
 といっても、独酌では1時間も続かず。
 食器を片づけ、早寝するのである。

6月30日(月) 播州龍野の日常/「朝ミラ」終了
 定刻午前4時に起床。
 下男仕事の合間に、6時過ぎからラジオ大阪を聴く。
 山本伸一という主人公の活躍にしばし感動するが、山本伸一くんとも今日でお別れである。それにつづく番組『朝はミラクル』が本日をもって終了するからである。山本伸一くんという素晴らしいキャラクターと巡り会えたのも、朝ミラのおかげである。が、朝ミラが終わると、山本伸一くんだけのために毎朝ラジオ大阪を聴くことはない。そりゃ真打ちが出ないのに前座だけ聴くことがないのと同じ理屈だもの。
 ま、山本伸一くんとも3年3ヶ月つきあってきた。名残惜しいけど、本日でお別れである。さらば伸一くん。
 ラジオだから、どんな容貌の方なのかは知らないままだけど。想像するに、昔の加藤剛みたいな引き締まった感じのハンサムな青年なのだろうなあ。タヌキを連想させる容貌であってはならない。
 ということで、6時15分から「朝ミラ」最終回。
 あ、6時30分にボンクラ親父の息子その1にモーニングコールしなければならぬ。
 あ、老母が起きたので朝食準備をしなければならぬ。
 SONYの
ICF-EX5を台所に持って降りる。ややこしいことである。
 本日の「朝ミラ」ホームルームはテーマ・フリーというので、ゲストで行ったことなどメールしたら7時半頃に紹介してくれた。
 9時の終了前には、なんと、むさしくんの長女・某さんから花束が届いたという報告もある。
 孝行娘なのである。
 それに引き替え、うちのボンクラ息子……も、まあ早朝から仕事しとるのだからいいか。それぞれである。
 ということで、むさしくん、お疲れさまでした。
 9時過ぎからタイムマシン格納庫へ行って、夕方まで雑事色々。
 月末は雑事が多い。
 疲れた。
 夕刻、明るいうち(18時)から老母につきあって軽くビール(ビールを飲むのはおれだけだけど)。
 20時過ぎに老母が寝たので「ダレヤメ第2部」。
 キムチ素麺で「神の河」ロック。
 
 盛岡冷麺より、小ぶりの鉢に揖保の糸一束・キムチ・カイワレ・ぶっかけつゆドバドバ、量的にはこれくらいの方がいい。これでロック2杯。
 明日は出所できる見込み。
 早寝するのである。

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