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『マッドサイエンティストの手帳』352

●マッドサイエンティスト日記(2005年9月後半)


主な事件
 ・穴蔵の日々(15日〜)
 ・MORIYAMA JAZZ NIGHT 2005(17日)
 ・守口・門真ジャズフェスティバル2005(19日)
 ・「朝ミラ」に行く(20日)
 ・4クラ・セッションat845(20日)
 ・播州龍野の日常(21日〜)
 ・小松左京賞(30日)



9月16日(金) 穴蔵
 定刻より少し前に起きたのだが、ネットの一角が騒がしいので、そちらに「参戦」していたら5時を過ぎてしまった。
 慌てて朝刊朝食。
 終日穴蔵。
 明日は可児市ALAで「MORIYAMA JAZZ NIGHT 2005」だし、敬老の日にも予定があるし、週明けには「朝ミラ」見学に行くことになってるしで、本日は準備やら雑用やら色々……。
 朝、ネットニュースをチェックしたら、注目すべき事件。
「羽曳野の路上を歩いていた若い女性が、前から走ってきた車の中から『ふん尿を掛けられた。車はそのまま逃走』」という。羽曳野署管内では、7月以降8件起きているという。
 「糞尿撒き」事件は久しぶりだなあ。
 20年近く起きてないのではないか。
 バキュームカーで乗りつけて、ドドドーーーーーッと大量の糞尿をぶちまける。
 たいていは風俗店への営業妨害である。……車両の特定は困難ではないはずが、なかなか逮捕されない。
 おれの知ってるところでは、27年ほど前に、近所の「某マンションのモデルルーム」に対してこれがやられた。
 見に行けなかったけどね。ニュースを知ったときにはもう現場は片づけられていたのである。残臭だけ嗅ぎに行くのもなあ。
 この種の事件が減ったのは、材料の入手が難しくなったからではないか。
 ただ、今回の事件、バキュームカーではなく、どうも普通の乗用車のようだ。
 となると……色々知りたいことが出てくる。
 「材料」はどこから手配したのか。
 どんなかたちでクルマに積んでいたのか。
 「量」はどれくらいだったのか。
 単独犯なのか複数犯なのか。
 わが汚物嗜好を刺激されて、ニュースを気にしつつ、夕方になってしまった。
 と、夜になって、やっとネットにニュース。
 「『ふん尿飛ばし』で、シャープの品質保証部副参事栗本一正・39歳(羽曳野市南恵我之荘)が逮捕された」という。「若い女性に掛けるのが楽しく、面白半分でやった」というから、痴漢の一種か。
 だが、肝心の疑問には何も答えていない。
 こんなニュースこそテレビが頑張らねば。
 「高田馬場で逃げて浦和で見つかった動物」なんか映さずに、このニュースこそ詳しく映像で見せるべき。
 ただ、昔に較べて、スケールが小さく動機もいじましくなったなあ。
 これも時代か。
 火野葦平も遙か昔になりにけり。

9月17日(土) MORIYAMA JAZZ NIGHT 2005
 昼前に穴蔵を出て名古屋に向かう。
 森山威男ファンにとっての最大年間行事、可児市での「MORIYAMA JAZZ NIGHT」をめざす。
 本日は近鉄利用、野尻抱介氏のいる(らしい)津近くを通過(昔、某ガラス繊維会社によく来たあたりである)、空を見上げるに、とくに怪しげな飛行物体はなかった。
 名古屋駅はすごい人混みである。
 夕方からのコンサートに備えて、例によってスエカ「浜松」で浜松定食。
 名古屋駅、多治見方面行きのホームは万博会場行きと向かい合わせで、混雑している。
 瑞浪行き快速に乗ったら、隣りに見たような人物。なんと、同じalaをめざす大阪の藤井くんではないか! この混み合った名古屋でなんたる偶然。
 多治見のホテルにチェックイン。……いつもならala直行なのだが、今年は万博でどことも混んでいる。夜遅くのチェックインではキャンセルされてしまうのが心配だからなあ。
 ロビーで九州の「森山威男保存会」諸君と合流。だんだいそれらしい雰囲気になってきた。
 ということで、18時、可児市の文化創造センター「ala」に到着する。
 「MORIYAMA JAZZ NIGHT 2005」開幕。
 終演後、多治見「パパス」でウチアゲ。
  1時過ぎ……入浴もせず爆眠である。

20059月18日(日) 多治見→大阪
 6時半に気分良く目が覚めたのであった。
 7時過ぎに食堂に降りる。……きちんと身なりを整えて食事中なのは井上淑彦さんと佐藤芳明さんだけであった。
 8時前にチェックアウト。
 9時過ぎに名古屋に着く。向かい側の「万博会場行き直通」、朝のラッシュ並の詰め込み状態である。会場についても、ゲートでも、会場に入っても、たぶん同じだろうに……などと思いつつ帰阪。ニュースでは入場制限となったらしい。
 パニックにならなかったのかなあ。
 穴蔵で雑件色々。
 
 中秋の名月であるが、穴蔵からの月は風情なし。凝った写真を撮る気にならない。
 昨日、多治見の夜景と月を撮っておけばよかった。

9月19日(月) 守口・門真ジャズフェスティバル2005
 穴蔵にて雑用処理。
 午後、専属料理人と出かける。
 京阪・古川橋。
 昨日今日と守口周辺と古川橋周辺が、いわゆるジャズストリート。たくさんの(主にアマチュア)バンドが特設会場や協賛店でライブをやっている。
 守口・門真ジャズフェスティバル2005、フィナーレ・コンサートはルミエールホールで、
 『北村英治&伊藤君子 Swing Jazz Night』
 17時開演。
 1st stageは、唐口一之(tp)宮哲之(ts)生田幸子(p)竹田一彦(g)西山満(b)トミー・キャンベル(ds)のグループで「Four」から。
 トミー・キャンベルも面白いのだが、つい先日、森山威男を聴いたばかりの耳には……。
 唐口一之のペットが冴え渡る感じだ。……しかし、唐口さん、優しそうな顔になってきたなあ。10年前だと青龍刀が似合う凄みがあった。
 伊藤君子さんが登場して4曲。
 2nd stage、こちらが目当てで来たのだ。
 北村英治・谷口英治・滝川雅弘の3クラリネットに、竹下清志(p)西川悟史(b)竹田達彦(ds)のグループ。
 「バーニーズ・チューン」「ムーングロウ」「シング・シング・シング」……北村英治さん、衰えを知らぬという雰囲気だ。
 前重英美(vo)が登場して2曲。
 で、ここで「天才ドラマー?」鬼束大我(ds)くんの登場。「サテンドール」。
 7歳だという以外、何の紹介もなし。
 帰館してからネットでHPを見たのだが、まったく知らなかった。テレビでも何度か紹介されているらしい。
 ちょっと驚くが……ドラムよりも、ブログの日記が本人の文章だとしたら、恐るべき神童だ。(大人が書いているのだとしたら、これはあざといことである。やめるべきだ。)
 3クラの最後は「世界は日の出を待っている」
 フィナーレは全員で「All Of Me」
 終演20時半頃。
 コビーで3clのCDサイン会。谷口さん、滝川さんにちょっと挨拶。
 
 北野勇作さんが来ていた。
 唐口さんの「弟子」だから当然か。
 いっしょに京橋で降りて居酒屋へ。
 北野さんとぼくだけならモツ屋か串カツ屋なのだが、専属料理人もいるので、ちょっと良さそうな「さかな」の店へ。と、2秒の遅れで満席になってしまった。
 釣り逃がしたサカナはうまそうに見える。
 で、斜め向かいの「鮮度一番 なんとか店」(店名忘れた)へ。
 ほとんどの席で鍋を食べている。「あれ何や」「てっちりです」……こういう場合は、それに合わせるのが鉄則。正解であった。
 他にも合鴨ローストとかサラダも食べたかったので、2人前にしたが、十分な量。激戦区の京橋、あなどれんぞ。
 
 北野さんの『空獏』は桃谷あたりがモデルかと思っていたら、ごちゃまぜだが、主には京橋だという。そういえばここらのアーケイドなど、そんな感じだ。
 ということで、午後10時過ぎに帰宅。ちょうど就眠時刻である。

9月20日(火) 朝ミラ/4クラ・セッションat「845」
 定刻4時に起きたのであった。
 朝7時に環状線・弁天町のOBCへ行ったのであった。  『朝はミラクル』に出たのであった。
 その記事はこちらに書いたのであった。
 朝8時過ぎに失礼する。
 今度は「立ち食いうどん研究家」となり、弁天町ホームの「弁天うどん」で朝食かねた調査。うーん、空腹であるわりには……。残念ながらランク入りするレベルではない。
 チェックリストに評点を記入する。
 いったん帰館。
 また雑用の続き。
 夕刻、穴蔵を這い出て、専属料理人とナンバへ。
 19時半、ナンバ・ウォーク西の方にある「845」へ。初めて来るライブハウスである。
 谷口英治さんが大阪に残っていて、昨日のフェスに引き続き、関西のメンバーとの4クラ・セッション。
 谷口英治・滝川雅弘・坂井原正光・鈴木孝紀の4人のクラリネットに、八木隆幸(p)中村尚美(b)佐藤英宜(ds)のリズム・セクション。
 旧・滝川カルテットで気心しれたメンバーである。
 客は20数人。
 「バーニーズ・チューン」「ムーン・グロウ」「ディープ・パープル」の3曲以外はすべてこのセッションのために新たに編曲された曲ばかりではないか(少なくともぼくは初めて聴くアレンジであった)。八木さんアレンジが「I Remeber April」他1曲、クラシックの樫木さん提供の曲とか、多彩。
 
 写真は左から、坂井原、滝川、谷口、鈴木の各氏。
 小さなライブハウスでの演奏にもかからわず、ずいぶん贅沢な内容であった。
 谷口・滝川のうまさはいうまでもないが、久しぶりに聴いた坂井原さんと鈴木さんの進境が著しい。坂井原さんはバスクラとの持ち替え。それに、アドリブに独創性が出てきた感じ。鈴木さんは(クラ歴は長いが)本格的にジャズに取り組んで3年くらいかな。音色もアドリブの豊かさも素晴らしい。
 ということで、2ステージ、22時過ぎまで。
 先日来、ちょっと遊びすぎのような気もする。こんな生活でいいのであろうか。いいのである。明日からしばらくは田舎生活だものなあ。

9月21日(水) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 雑務の合間に『食品交換表』なるものを読み、色々な組み合わせを作表する。
 面倒なことである。
 表計算ソフトでメニューを試作してみるが、いまひとつ使いづらい。
 「単位」なる単位があるのを初めて知った。
 ややこしいことである。
 栄養成分表示を確認しながら進める必要があり、1週間ほどかけてモデルを作る必要がありそうな。
 ……と、これはおれが必要だからではないのだが。
 なんとなくビールの量が減ってしまいそうな。

9月22日(木) 播州龍野の日常
 彼岸というのにまだ暑い……という報道が多いが、おれには快適だなあ。
 『朝はミラクル』を断続的に聴きつつ朝の雑役を執り行い、番組終了後、タイムマシン格納庫に移動。9時からはこちらの見張り番である。
 姫新線の線路を隔てたところが小学校。
 スピーカーの音がうるさい。
 運動会の練習らしく、「マツケンサンバ」が繰り返し流れる。かなわんね。
 騒音のなか、アタマを使う仕事はあきらめて、「食品交換表」の勉強を少し。
 「単位」(80kcal)というのは食品一品の標準的な量をベースにしているらしいが、どうも実用的ではないなあ。メニュー組み立てには「メニュー積木」を作って、そのメニュー1人前が145kcalなら145gにする。主材料で6色に色分けしておく。これを秤の上に積み上げて1日の総重量を決めれば便利なのではないか。
 調べてみたが、今のところ、そんな積木とかチップは見あたらない。ぼちぼち試作してみることにしよう。
 午後は墓掃除に行く。
 家の門扉横には、まだ凌霄花(のうぜんかづら)が咲いている。6月28日に咲いたのを見て「麦茶」モードに入ったのである。3ヶ月近く、まだ咲き続け。意外に息の長い花だ。
  
 一方、墓の周辺には毒々しい彼岸花が満開である。不気味なり。
 このふたつが同時に咲くとは知らなかった。
 まあ、昨年まで、花鳥風月に目を向けるなんてことはほとんどなかったからなあ。
 ということで、夕食時、母には、麦茶も用意しつつ熱い玄米茶も用意する。
 おれは2単位のミニ鍋をつつきつつビール4.5単位。仕上げにバーボンの水割り2単位ほど。

9月23日(金) 播州龍野の日常
 秋分の日である。
 特別のことはないのであった。
 半日、タイムマシン格納庫にこもる。世間は休みだが、海外からは時々連絡があったりするからなあ。
 本日、小学校の運動会なのであった。
 騒がしくてアタマが働かん。
 龍野に関する限り「少子化どこ吹く風」という印象を受けるが、実態はどうなのだろう。
 「食品交換表」をベースにopen-calcでメニューの組み立て表を色々試作。
 結局、サンプルでついている「献立表」に近い形式になってしまった。それなりによく出来ているのだ。
 日頃使う食材50種類くらいのデータを入れたらほとんど間に合う。増えても、おそらく100〜150だろう。買い物のついでに売り場で調べていけば、2、3日でデータはほぼ埋まるだろう。
 参考までに、おれ自身の食生活に当てはめてみると、ビール平均「5単位」を除けば、それなりに健康な食生活を営んでいることがわかる。間食をしないこと、特に甘いものが体質的に苦手なことが大きいようだ。
 午後、運動会が終わってしばらくしたら夕立。
 ま、結構なことであった。
 夕刻のニュース。
 阪神優勝に備えて、道頓堀に3メートルの飛び込み防止柵設置という。
 アホかいな……というか、アホは飛び込ましたれよ。
 85年(だったかな?)みたいに、クルマに火をつけるアホが出てきたらどないすんねん。
 飛び込みで死者が出てもアホが減るだけで誰も迷惑せんが(特別手当貰える人たちもおるわけだし、河口のカマスも大喜び)、暴徒が街にあふれ出るのはかなわん。
 まあ、たぶん龍野からテレビで大騒ぎ見物になりそうだけど。
 期待しとるよ。

9月24日(土) 播州龍野の日常
 げ、3時過ぎに目が覚める。
 夜明けが遅いから困るねえ。
 今はそのまま起きられるからいいが、2ヶ月もしないうちに、寒くて布団から出られない季節になる。嗚呼。
 終日、効率の悪い雑役。
 午後、北風が少し強く、これは台風のせいであろう。
 馴染みの庭師が庭木を剪定をして去った。
 百日紅なんて、まるで枯れ木である。
  
 松にまとわりついていた凌霄花は切り取られ、今期の寿命は終わった。
 表には葉鶏頭が揺れ、コスモスが咲き始めている。
 秋であるなあ。
 しかし、おれはこんなに手間のかかる人工的植生は嫌いである。剪定の費用だけでも……ぶらっとニューオリンズへ行けるくらいかかっている。
 将来どうなるやら。そのまま放置、雑木林になればいいと思うのだが。
 母は19時30分に就眠。
 おれはビール5単位、バーボン3単位。BGMはジム・ホールのアランフェスと宮沢明のいわな。
 そろそろ早寝である。

9月25日(日) 播州龍野の日常/疑問符だらけ
 秋である。秋冷という言葉を思い出す。
 なぜか頭上に疑問符が浮かび上がることの多い日である。
 朝刊に「山口組16年ぶりに組長交代」というニュース。六代目は「篠田建市」とある(それ以外の表記はなし)。ん? 「司忍」ではないのか? 電撃的に別のが襲名したのか? その種の記事を読んでいるわけではないが、中吊り広告でだいたいのことはわかっている。ネットで見たら司忍は「通称」らしい。極道らしからぬ名前だと思っていたが、「司忍こと篠田建市」ということらしい。
 念のため、書店で「極道ジャーナリズム3誌(アサ芸、大衆、実話)」を立ち読み……ちと恥ずかしいね。これらはすべて「司忍」の表記のみ。
●こういうのは「極名」とでもいうのか??
 夕刻からベルリン・マラソンの中継。
 老母はスポーツ中継をよく見る。わしゃ途中で「結果」がわかってしまったから白けるが、老母に幸いこのニュースは聞こえなかったらしい。
 ペースメーカーに最後まで囲まれて走る不思議なレース。老母は野口が男子ランナーを少しずつ振り切っていると思っているらしい。
 ペースメーカーの意味がわかって、こういう。
 「男子マラソンにもペースメーカーがつくんかいな?」
 うーん、よくわからん。
 男子マラソンで記録を作るために最後まで前を走るペースメーカーはいないのではないか。ペースメーカーとして出場して優勝してしまうという例はあるかもしれないけど。
 途中から交代するペースメーカーはいるのかな。
 ペースメーカー・ロボットはそのうちに登場するだろうが。
●どうでもいいけど、フェミニストはこんなレースに文句をつけないのか??
 愛知万博終了。
 総入場者数2200万人で、おれの聞き違いでなければ「4割がリピーター」(NHK)という。これはどうカウントしたのだ?
 フリーパス券もあって、数十回来場というのも多いらしい。
 ゲートを通過した客の総数が2200万というのはわかる。
 チケットの種類とそれぞれの販売枚数も集計されているはず。
 だが、ここから「4割がリピーター」という結論はおれには導けない。
 他に何か集計データがあるのか?
●リピーターをどうカウントしたのだ??
 わけのわからん1日である。

※ちょっと書き足すと、「リピーターが4割」というのは、
@愛知万博に行った人=1回だけ行った人+複数回行った人(リピーター)で、
 1回だけ行った人:複数回行った人=6:4
 という意味なのか、
Aリピーター数=2200万×0.4=880万
 という意味なのか?
 たぶん@の意味なんだろうけど、わかりにくいなあ。
 毎日通ったリピーターもいるとなれば、たぶん正しい表現は、行った人を回数別に集計して(会期が180とすれば)、
 2200万=1*n1+2*n2+3*n3+……180*n180
 で、
 n1:(n2+n3+……+n180)=6:4
 という意味のはず。
 いずれにしても、行った人の実数は不明のまま。

※その後の情報では、会期中フリーパスのカードでは200回を越す「猛者」があたというから、上記の式はn200以上になる。
 また、週刊朝日の記事では、パスは44万枚売れており、平均10回入場、したがって2200万人中440万がリピーターと報じている。

9月26日(月) 播州龍野の日常
 朝の室温23℃。昨夜、布団を厚いのに変え、今朝は長袖のシャツにベスト着用。
 急峻な寒冷化の斜面を滑落する感覚、待ち受るはキンタマが波動関数の収縮を起こす酷寒地獄、嗚呼……。
 老母が夏物を整理して秋冬衣料などを出すなどゴソゴソやっている。
 と、しばらく使わなかったポーチから5万円出てきたという。
 たぶん……米寿祝いの時に、会席の費用を支払うつもりで用意して忘れていたらしい。
 せっかくだからと1万円くれた。
 この歳になって親からおこづかいを貰うとは……と表向きはいいつつも、やっぱり幾つになってもうれしいものである。

9月27日(火) 播州龍野の日常
 買い物に行くのにいつもとは別の道を走る。
 まだ稲田が残っている細道、とつぜん煙か雲のような「気配」がわき出てきて、その中を自転車で走り抜けてしまった。
 ブヨの集団である。まだいるのだなあ。
 眼鏡をかけてなかったら目に入ったかもしれない。
 筒井嘉隆氏の文章に、虻(あぶ)の煙幕の中を走り抜けて、振り向いたら「人型が残っていた」というのがあった。あのお方のご父君であるから、本当の話かどうか怪しいけど。
 ……といったことを老母に報告すると、それは「まくなぎ」だという。
 へえっ。
 そういえば、ボチボチ編集している老母の短歌に、「稲田より立ち昇り散りゆくまくなぎ」というフレーズがあって、何のことかよくわからなかった。
 糠蚊の一種とかいうが、小さい羽虫の名称もいろいろあるなあ。
 見分けろというのが無理なのである。

9月28日(水) 播州龍野の日常
「田舎ストレス」が極限状態である。
 ほとんど眠れず、イライラしているのが自分でもわかる。
 田舎……5日を越えるとだいたいこうなる。
 昼間1時間ほど姫路に出ればガス抜きになるのだろうか。
 姫路も、田舎とはいわないが、地方都市だしなあ。
 たぶん、明日にはなんとかなりそうだが……

9月29日(木) 播州龍野→大阪
 道頓堀ダイブ……「3メートルの柵」がどんなものか見てないけど、よじ登って飛び込むやつは出るだろう。
 ダイブ位置が3メートル高くなるわけで、これは危ない。
 その分、楽しみともいえるけど。
 だいたい延べ数千人飛び込んで1人しか死んでない(しかもこれは自分の意志で飛び込んだのではなかったはず)のだからなあ。
 今夜帰阪だが、見物に行くのはやめとこ。
 ……思いつつ、午後、助っ人が到着したので、帰阪。
 姫路から梅田へ、山電〜阪神の特急で移動。
 シートにもたれてボケーッと須磨の海を眺めていると「田舎ストレス」から解放されていくのが実感できる。
 田舎ストレスとは、監視社会がもたらすもので、斎藤貴男氏が警告するような監視カメラのシステムによるものではなく、住民の視線であり、それが「善意」(おれにいわせればおせっかい)で自然に形成されているからより恐ろしい。
 現に国勢調査の用紙を持ってきた「調査員」の説明なんて……ま、ややこしくなるからやめとこ。善意でチェックしてくれるというのだから。
 「のんびりした田舎で余生を」なんて考えている「団塊の世代のリタイア組」、逃げ帰る場所だけは確保しておかないと、取り返しのつかないことになるぞ。
 などと考えていたら、電車がすごく混んできた。
 甲子園に午後6時……そうか、リーグ優勝に王手の試合開始時刻であったのだ。
 ということで、帰宅、ビール飲みながら久しぶりに野球中継を観る。
 阪神、あっけなく優勝。
 しばらくニュースを見るが、道頓堀は期待したような騒ぎにはならないようである。
 明日からしばらく上京。

9月30日(金) 上京/小松左京賞
 穴蔵の雑用が片づかないなあ。
 開封していない郵便物が20通以上溜まっているが……だいたい内容はわかるので(多くは料金その他の通知)そのまま処分しようかと迷うが、ひょっとしたら重要書類も混じっているかもしれず(重要と書かれている郵便物が重要であったことはないものなあ)、そのまま放置。まあ3月ほど溜めておいて、何もなければ処分していいのであろう。
 雑用片づかぬまま上京。
 阪神優勝記念で「スポーツ紙5紙・保存用袋付きセット」のスタンドが目立つが、だいぶ売れ残りの印象である。
 夕刻、キャピタル東急ホテルへ。
 「角川春樹事務所創立9周年祝賀会/第6回小松左京賞授賞式」
 終了後、東京の「隠れ家」へ。
 ワイン、食材など買って行く。
 ボンクラ息子その1、23時頃に帰館。
 ダラダラと飲んでいたら午前1時になってしまった。


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