『マッドサイエンティストの手帳』355
●第6回小松左京賞授賞式
9月30日 キャピタル東京ホテル。
「角川春樹事務所創立9周年祝賀会/第6回小松左京賞授賞式」である。
受賞作は『神の血脈』(応募時のタイトルは『ルーツ』)。
作者の伊藤致雄(むねお)氏はなんと1942年生まれの63歳である。昨年の有村とおる氏の記録をあっさり更新。伊藤典夫さんと同年のはず。
乙部さんに紹介してもらった。
なんでも「純文学系に投稿を続けて」いたが、読み返して「これはSFというものではないか」と「豁然と気がつき」、それなら小松左京だろうと応募されたという。
どんな作品なのだ?
小松さんのコメントでは、紀元前3千年に不時着した地球外超知性体が、日本史の節目節目で大きな働きを見せていたという「歴史伝奇小説的」作品という。
「石の血脈」と「産霊山秘録」の混合か……と思ったら、某下読み委員の話では、もっと正統的な歴史小説に近いという。
「歴史もの」というのも小松賞のアナだった気がするなあ。
次は「笑い」か。
伊藤致雄さんの経歴を見るに、丸山健二の1、2年「先輩」に当たるはず。
面識はあったのだろうか。これは確認し忘れた。
このパーティ、メインは角川春樹事務所創立9周年祝賀会であって、のっけの春樹氏の挨拶、
「今夜はここのスイートルームに泊まるが、去年は3畳の個室だった。この両方を知ってるのは私だけだろう」
年末封切りの『男たち大和』の紹介もあり。
「個人的に来られたので、撮影厳禁」というアナウンスがあって、長渕剛が登場、主題歌を披露。
つづいて、なんとかいうラッパー(お名前失念/歳だ…)が出てきて『おれたちの大和』というラップも。これはなかなか面白い。
会場、歴代の小松賞受賞者が歓談中。年齢も作風も、広がりが大きいなあ。
田中光二さん。会うなりおれに、
「来てたのか。道頓堀で裸になって捕まっているのかと思ったよ」
昨夜、下半身裸になったアホがいたらしい。
田中さんとは初めて話したのが熱海の大浴場であったから、よほど裸の印象が強いらしい。洗い場で「一本刀土俵入り」なんてことをやったおれがアホだったのだが。
最後の、森村誠一さんの挨拶、今年はもう「主」が「3畳個室」から出ておられることもあり、大和にからむエピソードをからめた格調高いものであった。
残念ながら、もう以前の「爆笑スピーチ」は望めそうにない。
今野敏さんが来ていたので、いっしょに記念撮影。
ミーハーだね、おれも。
最後に例によって「感動のフィナーレ」
春樹氏2曲。
去年出てきた「バツグンにうまい社員2名」は?と思ったら、やっぱり最後に登場、日の丸を振りながら森山直太朗という派手な演出であった。
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