『マッドサイエンティストの手帳』842

●マッドサイエンティスト日記(2024年12月前半)


主な事件
 ・大阪JAZZ@放出(8日)
 ・忘年会@池田(11日)
 ・創サポ講義/ニューサン(14日)


12月1日(日) 穴蔵
 晴。静かな日曜日である。
 終日穴蔵。独居生活を満喫する。
 運動不足になってはいかんので、昼、1時間ほど豊崎〜本庄〜中崎の路地を散歩する。
  *
 A先生の豊崎の長屋3年近く前に較べると、ずいぶん蔦が這いあがってきた。
 背後にはA研究所設計の集合住宅が建ち、不思議に一体感がある。
住吉の長屋」とはまったく別の建築になってきたような。
 全館が蔦で覆われるまで、あと5年ほどか。がんばって生きておらねば。
 5000歩ほど歩いて穴蔵に戻る。
 夕刻まで仕事。
 お、本日もご馳走である。一杯飲んで早寝。

12月2日(月) 穴蔵
 晴。静かな月曜日。独居生活4日目である。
 終日穴蔵。少しは仕事もするのであった。
 昼、現場確認したいこともあり、市バスで大東町まで行く。
 半世紀前の職場跡を散策、淀川堤に出て、毛馬閘門へ歩く。
  *
 淀川洗堰の左岸寄りに淀川大堰閘門の支柱が組み上がりつつあるが、まだこの上に水門の開閉装置が乗せられるはず。
 あと4ヶ月で間に合うのかなあ。
 いずれにしても、淀川堤を歩くと気分が休まる。
 天八のスーパーに寄り、2リットルの液体重量物を買い、城北公園通りを歩いて帰館。7000歩ほどになった。
 たちまち夕刻。
 おや、本日もご馳走が出てきた。

12月3日(火) 穴蔵/西長堀
 午前9時に出て、地下鉄で西長堀の中央図書館へ。
 ちょっと記憶に自信のないことが生じたため(60年前の雑誌のコラムの記述)。
 こんな場合、播州龍野の書庫へ行くより西長堀が便利である。往復100円で済むし。
 記憶に間違いなかったのでホッ。ついでに4階で当時の市内地図を調べる。こちらの方が面白くなって、昼までかかってしまった。
 あと木津川沿いの河岸を歩いて大正まで。
 昼は久しぶりに「いちゃりば」で沖縄そば。
 帰館して午後は穴蔵にこもる。
 たちまち夕刻。おっ、本日はシチューとサラダが出てきた。
 これらでビール、ワイン。
 BSで61年版東映『赤穂浪士』を眺めつつ(何度も見たオールスターの顔見世だから、名場面だけ見ればいい)。
 いいのは東下り、千恵蔵の大石と伝次郎の立花の対決場面だけだな。
 東千代之介の堀部安兵衛はミスキャスト。他に適当な役がなかったのだろう。
 あと春日太一『忠臣蔵入門』で復習しつつ就眠。

12月4日(水) 穴蔵
 朝のニュースにびっくり。
 昨夜遅く、韓国で戒厳令(尹錫悦大統領が「非常戒厳」を宣言)! が、未明に国会が「解除を求める決議案」を可決し、尹が宣言解除したという。
 ソウルからの中継では、国会周辺では騒いでるものの、普通の日常に戻っているらしい。
 すべてこちらが寝てる間に起きた事件で、目覚めれば終結していた。現地の市民も多くはそうではないか。
 しばらくニュースを見るが、こりゃ御乱心としかいいようがない。
 ゴタゴタするのはこれからだろう。年末から年始にかけて、日米韓で首脳が交替、兵庫県も加えて、面白くなりそうな。
 机に向かうが、たいした成果はあがらぬまま夕刻となる。
 一杯飲んで早寝。

12月5日(木) 穴蔵
 午前3時に起床。12月になってから、なぜか3時が定刻になったような。
 エアコン稼働、朝まで机に向かうが、たいした成果あがらず。40年前とは違うなあ。
 独居生活7日目。終日穴蔵。洗濯をする。
 午後、豊崎郵便局まで往復、豊崎東公園の紅葉を眺める。
  *
 播州龍野の紅葉が気になるが、再来週くらいになるか。
 雑事片づけているうちに夕刻。
 おや、本日もご馳走が出てきた。
 一杯飲んで早寝。

12月6日(金) 穴蔵
 晴。静かな小春日和である。
・一昨日の「尹錫悦の御乱心」、6時間で収束したのかと思ってたら、意外に大騒ぎになっている。
 軍が市民に銃口を向けたり、窓を破って議事堂に侵入する映像を見ると、さすがに凄い。しかも尹が与党議員の逮捕まで命じていたという。ホンマかいな。
 わからないのが3日深夜の議員たちの動きだ。深夜の議会に190人が集まったらしいが、軍より早く集結したのか、もともと国会議事堂にいたのか。この190人の具体的な行動がまったく報道されない。
 わが調べ方が悪いのか。そう時間もかけられず。来週あたりの「活字報道」を待つしかないか。
 終日穴蔵。
 独居生活を満喫のつもりでいたら、昼前に専任料理人から「これから帰ります」とメールあり。
 独居は1週間で終る。嗚呼。
 ということで、今夕から専任料理人の料理が並ぶ。
  *
 静岡メニューは黒ハンとわさび漬けだけだが、これはこれで結構な。
 NHKかんさい熱視線「30年後を生きるあなたへ 〜小松左京と大震災〜」を見ながら。
『大震災'95』をチェックしたいこと(高速道路の倒壊)が出てくるが、こちら(穴蔵)にあるのか播州龍野書庫なのかが不明。困ったことだ。
 明日以降に送ることにして、本日は早寝。

12月7日(土) 穴蔵
 晴。少し寒そうな日である。
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。いと少なしを。
 たちまち夕刻。
 おでんで一杯やりつつ、楽しみだった韓国の「弾劾投票」を見るが、与党がほぼ全員退席。変化のない映像が映されるだけ。
 深夜まで待てず、早寝。

12月8日(日) 大阪JAZZ@放出
 3時に目覚める。
 韓国の弾劾投票、与党がほぼ全員退席で不成立になったらしい。
 まだ当分騒がしいことだな。
 こちらは普通の日常生活。
 昼頃に出て放出へ。ディアロードでの大阪JAZZ同好会例会に出席する。
・本日の「特集」はY木さんによる『ウェイン・ショーターの音楽を振り返る』
 デビュー録音の「Ruby and the Pears」(1960)から始まって、メッセンジャーズ、マイルス時代、ウェーザー・リポート時代、晩年(2018)の意欲作まで、1時間で見事なまとめ方。好き嫌いと音楽的評価は違うというY木さんの意見ももっともである。
 ショーターはマイルスと離れても、それぞれ別に「同じ道」を進んでいたのだなあ。
・持ち寄り企画は「秋に寄せて」。
 秋の曲といえば数曲に集中してしまうだろう……と予想してたら、その通り。ただし、アルバムは珍しいのばかり。さすがというか。
 わたくしはデフランコの「枯葉」持参。枯葉を持ってきたのは、わたくしひとりであった。
・映像で『Stan Getz The Final Concert 1990』……うーん。意外。晩年といえば、ケニー・バロンとのデュオの印象が大きいからなあ。
 何といってもジャズ談義は楽しい。
 SFでは、こんな議論の機会が少なくなってしまったから、寂しい限りだ。
 17時まで。おおさか東線で帰館。
 寒い。入浴。専任料理人に数皿並べてもらって晩酌。早寝させていただく。

12月9日(月) 穴蔵/ウロウロ
 生活パターンが正常化して、4時起床、普通に朝の儀式を行う。
 関わっている講座の資料読み。
 色々考えること多し。
 講義内容に関わるから詳しくは書かないが、SFのジャンル別け問題とでもいうか。
「○○SF」といったアンソロジーがあるが、たとえば○○が「百合」か「AI」かでは、カテゴリーはまったく別物のはず。
 前者は既成の作品の別解釈で押し込めるし、後者は昔のロボットSFの最新版のはず……といえるのではないか。書き出すと長くなるからやめるけど。
 近年のこういった傾向について、正直なところ、よくわからない。思うところは色々あるが、こちらは後期高齢者なので自信が持てないのである。あれやこれや「仲間内」で議論したい気分なのだが。
 昼前後、運動不足なので出歩くことに。
 必要あって地下鉄で淀屋橋の某ATMまで。
 あと本町の旧勤務先界隈あたりまでと思ったが、寒いので、御堂筋を歩いて引き返す。
  *
 銀杏が落葉寸前であった。
 北新地〜駅前ビル〜三番街〜茶屋町と歩いて帰館。
 また穴蔵にこもる。たちまち夕刻。専任料理人に数皿並べてもらって一杯。早寝させていただく。

12月10日(火) 穴蔵
・深夜1時に目が覚め、プラゴミ出し。エサやりオバサン作業中で、クロが1匹、食事中であった。
 他のトラたちは最近見ないが、どうしているのか。ノラたちには辛い季節になる。
・午前、タイムマシン業の仮決算。形式的には「会社」は継続中で、明日が株主総会である。
・午後、色々資料を読む。
・夜、一杯飲りながら、BSで『赤穂浪士 天の巻・地の巻』(1956)を見る。
 市川右太衛門が大石で、一連の東映のシリーズではいちばんつまらないやつ。大友柳太朗がちょっと面白い程度か。

12月11日(水) 忘年会@池田
 ほぼ終日穴蔵。
 夕刻に近い午後に出て、阪急で池田へ向かう。
 北摂方面は曇。急に寒くなる。
 早目に出て、伏尾の旧勤務先(近くは紅葉の名所である)まで行ってみたかったが、寒いのと、バスの便が極端に悪くなっているので断念する。去年もそうだった気がするな。
 池田駅前のサカエマチ商店街は閑散としている。
  *
 この通りの入口付近の寿司屋で、年末の恒例行事・タイムマシン製造業の株主総会兼忘年会を開催する。
 実質的には事業は終了していて、忘年会のために継続しているようなもの。
 水面下で「独立」したのが1993年末(この近所の飲み屋で「決起集会」を開いた)、正式に会社登記したのが2001年11月(司法書士に頼まず全部自分でやったが、これは勉強になった)だから、ずいぶん長く続いたものである。
 2時間ほどグダラグダラと飲んで解散。
 帰路……夜道が寒い。

12月12日(木) 穴蔵/ウロウロ
 晴た冬の日。
 穴蔵にこもる。
 運動不足なので、近所を30分ほど散歩。
 中津郵便局へのついでに西南方向。済生会の紅葉がなかなかいい。
  *
 近所に住みながら、初めてここに来たのは去年9月であった。
 あの時は百日紅が鮮やかだった。
 ここも依然として「最後の場所」候補である。
 ニュース雑感。
・紀州のドンファン殺人事件に無罪判決。これはやはり予想通り。たぶん控訴で、控訴審も無罪だろう。
 検察もやるだけはやらないと非難されるだろうし。がんばっていると思う。
 しかし、男女の事件で、これほど双方が誰からも同情されない事件も珍しい。
・トップの開き直り。いったんは罪を認めたはずが居直った。韓国の大統領? いや、大阪の検察。
 こちらは紀州とは別展開になりそうな。
 結末を見届けるためには、長生きしないといかんなあ。

12月13日(金) 穴蔵
 定刻4時起床して普通の生活パターン。
 寒そうなので外出はせず。机に向かって過ごす。
 一応ひと区切りついたので、昼は煮込みうどんで一杯。
  *
 昼間からこんなことやってていいのであろうか。いいのである。
 本日は「事始め」。米朝師匠がお元気な頃は、一門で盛大に行われていた。これがうらやましくてしかたなかった。
 伝統は継承しなければならぬ。むろん「ひとり事始め」だけど。
 報道されないが、山口組はどうしているのだろう。井上流だけ報道というのは片手落ちではないか。
 本日は13日の金曜日なので、厄祓いも兼ねる。
 午後は昼寝。

※山口組の事始めは浜松の国領屋一家の組事務所で行われたらしい。(YouTube)

12月14日(土) 創サポ講義/ニューサン
 真冬並みの寒さというが、穴蔵に閉じこもっておれば、どうってことなし。
 夕刻に這い出たら、少し寒いようだが、すぐ地下鉄で、寒さを実感することもなし。
 谷三のCANVAS谷町へ。創作サポートセンターの講義。
 提出作品3編。参加者4名。寒いこともあってリモート参加が多い。
・夜道で奇妙なおっさんにからまれる体験型ショートホラー。
・「百合SF」を意識した短篇SF。ひとりは再生手術?を自分の体で試みた女性科学者、もうひとりは女性造形家。その再会はどうなるのか。秀作である。
・子供のような有機型探査体?を宇宙にばらまいて、惑星の生態系に取り込まれてうまく成長したら、その体がデータとして回収される。その調査記録が一種の成長小説?のスタイルで報告されるが……なんとも奇妙な意欲作。
 それぞれ何かのかたちになればいいが。
 帰路、地下鉄で東梅田へ。
 久しぶりにニューサントリー5に寄る。
 本日は東京から、加藤平祐(cl) 早房長隆(tb) 寺島邦夫(bj)の3氏がゲスト出演。
  *
 フロントにフォーティーズの田村浩一(tp)が加わっての演奏。2ステージ途中から聴く。
 河合さん亡きあと、加藤さんかが時々来てくれるのはまことにありがたい。早房さんを聴くのは10年ぶりだと思う。
 22時に終演。
 オモテに出ると、確かに寒い。徒歩はやめて地下鉄で帰館。

12月15日(日) ファミリーライブ
 晴。寒い日である。
 午後、専任料理人と地下鉄で市内へ。
 ホームパーティみたいな会にお招きを受けた。
 昨夜につづき、加藤平祐さん、早房長隆さん、寺島邦夫さんらを中心にミニライブ。
 夕刻の新幹線で帰京される前に、内輪で演奏してくださった雰囲気。
  *
 ほとんどが昨夜聴けなかった讃美歌なのに感激する。
 早房さんが20年以上前のわが書き込みを覚えていて、向うから声をかけていただいたのにも感激した。
 わたくしにできるのは、聴き続ける(Keep listening)であるなあ。


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