『マッドサイエンティストの手帳』840

●マッドサイエンティスト日記(2024年11月前半)


主な事件
 ・長男の帰還
 ・播州龍野いたりきたり
 ・千鳥橋/酉島伝法(9日)
 ・KLL例会(15日)


11月1日(金) 穴蔵
 目覚めれば11月であった。
 早朝晴、やがて曇、午後は雨になり、だんだん雨足が強くなる。
 終日穴蔵。
 年賀はがきの売出しなど、正月が近い。
 来年度の日程表やタイムマシン業の帳簿類の整備する。カレンダーを買ってこなければ。
 ヒガシマルの「龍野乃刻」が届いた。
  *
 夜は刺身でちょいと一杯。
 テレビで『ゴジラ-1.0』を見る……
 最初の『ゴジラ』を見たのは1954年11月、ちょうど70年前、小学4年の時だった。
 わたくしあたりが、初代ゴジラを封切で見た最後の世代になるだろう。
 70年でどう変わったのか期待してたが、30分ほどで眠ってしまった。
 酔っぱらったせいか、テンポが鈍いせいか、判定不能。
 老化で怪獣に興奮しなくなっているのだろう。

11月2日(土) 穴蔵
 世間は3連休の初日。
 早朝は晴間もあったが、曇、昼前には小雨になる。
 大雨警報が出る。結構なことである。
 終日穴蔵。
 雨雲が高速で西から接近、午後、かなり強い雨を降らせたが、1時間ほどで東へ移動していく。
 午後には静岡、夕刻には東京に大雨を降らせて東へ去った。
 明日は全国的に晴らしい。
 東海道の移動に問題ないようである。

11月3日(日) 穴蔵/長男帰省
 連休2日目。文化の日。快晴である。
 朝、横浜の長男(以前は「ボンクラ息子その1」と呼んでいた人物)から出発のメールあり、昼前に軽ワゴンで到着した。
 東名・名神ともに空いていて、吹田から新御堂に入る一般道だけが混んでいたとか。
 ということで、夜はちょっと豪華なメニュー(でもないか)が並ぶ。
  *
 あれこれしゃべりながら、盛大にビール、ワイン。
 明日があるので早寝。

11月4日(月) 大阪←→播州龍野
 世間の3連休最終日。快晴である。
 朝7時に長男のワゴンに専任料理人とともに乗り込み、3人で播州龍野へ向かう。
 海老江から阪神高速〜第2神明〜加古川バイパス〜姫路バイパスのコースで、9時30分に龍野の実家に到着。
 3人とも作業着同然の姿で来たので、直ちに裏庭、塀の外の雑草処理を開始。急に伸びた木の伐採。塀に絡まった蔦の処理。それらを袋詰め、全部で15袋。腰をかがめる作業が多くて、老骨には堪える。先日持ち越しの室内の片づけもあり。
 さすがに全員ぐったり。午後に終わり、引き上げることにする。
 専任料理人の希望で商店街の吾妻堂へ。
  *
 売り切れのことが多い醤油饅頭があったと専任料理人は喜ぶ。土産に練羊羹も(ともにわたくしの好物ではないのだが)。
 引き続き、横田製麺の直販所へ行ったが、本日は休みであった。残念。
 山陽道姫路西〜淡河〜池田〜千里中央〜新御堂のコースで夕刻に帰館。
 シャワーの後、昨夜につづき、色々並べてもらって(専任料理人、ご苦労様としかいいようがない)盛大にビール、冷酒。
 疲れた。早寝。

11月5日(火) ウロウロ/長男帰浜
 晴。秋晴れ。世間は連休明けである。
 働きバチ諸君の通勤ラッシュが終わってから、長男(世間と1日ずらして休みをとっている)と散歩に出る。
 梅田貨物線(おおさか東線)の工事現場沿いに、阪急中津〜うめきた西側〜スカイビルの里山、渓谷を歩く。
  *
 里山は稲刈りが終わり、播州龍野よりも秋の深まりを感じさせる。
 グラグリの公園を抜け、JR西駅から大阪駅、グラフロを北へ抜けて、昼前に帰館。
 近辺の変貌に、素直に感心しているようであった(このへんがわたくしのヒネクレと違うところ)。
 夕刻、長男が横浜に向かって出発。
 5、6時間で帰れるはずだが、休憩を挟みつつ、深夜0時に東名の港北PAで待機、0:03に「横浜青葉」を出るETC作戦らしい(住居は青葉から10分ほど)。
 安全運転を祈る。
 こちらは4皿ばかり並べてビール、ワイン。
 やっと騒がしい米大統領選活動が終わった。
 明日の夜から、また開票で騒がしいことである。わが予想は書かないが、「騒ぎ」は必至だろうな。

11月6日(水) 穴蔵
 晴、雲多く、移動急である。
 終日穴蔵。意外に雑事多し。
米大統領選。16:30(現地午前2:30)頃にトランプが勝利宣言。こんなに早いとは、ちょっと驚き。
 そんなニュースよりも……
・加古川で2007年に小学女児を刺殺したのは、別の女児刺殺事件で無期懲役中の男(45)と判明。さらにこの男は前年(2006年)たつの市での小学女児傷害事件への関与も認めているという……というニュースが気になる。
 この事件については2006年10月1日の日記に書いている。
 老母の世話で播州龍野へ通っていた時期。事件は9月28日に新宮町であった。
 犯人の逃走経路が気になっていたが、姫新線で姫路経由、加古川ということか。
 わたくしはこの犯人と同じキハ系列車で移動したのではないかと気になっていたのである。
 18年経って……これから明らかになるだろう。続報を待つ。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで早寝。

11月7日(木) 穴蔵
 立冬である。寒いのであった。出歩く気分にならず。
 近畿に木枯らし1号が吹いたらしい。
 終日穴蔵。
・昨日判明した、18年前の「たつの市の女児刺傷事件」の容疑者逮捕……のニュースを見る。
 勝田州彦(くにひこ)というのか。その犯歴に驚く。
 加古川に住み、女児殺人傷害を明石・加古川・姫路・たつの(新宮)・津山で繰り返している。
 姫新線〜山陽本線を乗り継いでいたとしか思えない。
 犯行を繰り返した2000〜2015年は、わたくしが頻繁に播州龍野を往復した時期である。一度は電車に乗り合わせた気がしてならない。
(クルマを使用していたという報道もあるが、それだとなぜ現場がJR沿線ばかりなのか理解できない。)
 勝田州彦もわが「生活圏の殺人者」のひとりだろう。注目して見守りたい。
・外出は、クリックポスト投函に公園横のポストまで往復。
 おっ、疾風勁草がどうやらオープンようである。
  *
 中はよく見えない。うどん屋というより、夜の酒場か。
 一応、健闘を祈る。

11月8日(金) 穴蔵
 晴。外は寒そうな。
 終日穴蔵。少しは仕事もするのであった。
・専任料理人が「今年は柿のカメムシ被害が多いらしい」という。
 ネット検索してみると、出てくる出てくる。
「猛暑で全国的にカメムシが大量発生、柿が全滅。果汁を吸われて黒ずみ、表面がボコボコになる」
 播州龍野の実家の柿全滅はカメムシのせいであったか。
 確かに、10個ほど残っていた実は、いずれも小さく、ネットの画像と同じ。黒ずんでボコボコだった。
 年末に植木の剪定がある。今後、カメムシが減るとは思えない。この際、柿は伐採してしまうか。迷うところだ。

11月9日(土) 千鳥橋/伝法
 秋晴れというより、冬の快晴。
 昼、現地を確認したいことがあって、酉島伝法を見に行くことにする。
 大阪駅から酉島車庫前行きの市バスに乗り、千鳥橋で下車。
 此花区民ホールの図書館で「酉島伝法の世界」を見る。
  *
 此花を代表する作家であり日本SFを代表する作家のガジェット展示(12月半ばまで)。
「皆勤の徒」の外回りや百々似、「宿借の星」の肉舞、それに「ゆきあってしあさって」に登場した数々の小道具など、酉島さんの造形家としての才能が確認できる。
 並びの書架には「酉島伝法さんが押す本」の展示コーナーもあり、酉島ワールドの広さと奥行きを感じさせる。
 此花だけの展示ではもったいない気がする(中央図書館の4階でやってもいいような)。
 あと、正連寺川沿いに歩き、鴉宮、鴻池組旧本社、澪標住吉神社、西光寺を巡って伝法公園へ。
 このあたりは2019年に歩いて以来、もう5年になる。
 いちばん気になるのが伝法公園の変貌である。
 阪神なんば線の淀川鉄橋が高架に架け替えられることになり、伝法駅も西側(伝法公園側)に移動する。
  *
 長年勤務した会社の「創業の地」が消滅するのではないかと気になっていた。
 現場を見れば、削られるのはせいぜい20メートルくらいらしい。
 ここから淀川左岸を伝法水門の少し先まで歩けば、伝法さんが「川で書いて」はるかもしれないが、仕事のジャマをしてもいけない。
 ここで引き返すことに。
 伝法から市バスで、淀川右岸、福〜姫島〜塚本〜十三経由、40分ほどで大阪駅に戻る。
 いい旅であった。

新庄長柄線
 急に伝法の工事現場を見たくなったのは、新庄長柄線という道路計画を知ったからである。
 東淀川区の「菅原工区」(大阪高槻京都線の淀川右岸)と北区の長柄付近(天満橋筋の北端)を直線状につなぐ構想らしい。
 これが実現すれば、菅原工区から延びた「橋」が淀川を斜めに渡り、左図の「蕪村の碑」あたりを通過し、毛馬閘門と毛馬橋の間で大川を渡って、毛馬橋西側で天満橋筋につながることになる。
 毛馬あたりの景観は一変する(台なしになる)。
 これはまだ構想段階で、10年以内に動き出す可能性はないというから、わたくしが生きているうちに工事が始まることはないだろう。
 毛馬閘門あたりと淀川下流の伝法付近は、大阪で最も愛着のある場所である。
 その2箇所が大きく変わろうとしている。
 毛馬は10年は大丈夫として、伝法の現状はどうなのか。
 それが気になって見に行った次第。

11月10日(日) 穴蔵
 曇天の予報だつたが、晴。
 穴蔵にて、くすぶって過ごす。
 昼、1時間ほど近所を散歩。新御堂大橋まで行ってみる。
 11月7日から、新しい歩道を渡れるようになった。
  *
 東側の分岐路(新大阪方面からのクルマが左岸線に降りる道路/万博期間、シャトルバス専用で使われる)がほぼ完成して、新歩道はその東側に作られた。
 淀川の川面を眺めるには、この方がありがたい。
 ほんのわずかなお情けで、淀川左岸の堤は、生きているうちには歩けそうにない。嗚呼。

11月11日(月) 穴蔵/ウロウロ
 晴。終日穴蔵……のつもりだったが、必要あって梅田の金融機関まで出頭。
 ついでに、前回から3ヶ月ほど経過しているので散髪に行く。堂島あたりまで。
 頭髪は少なく、発育も遅いのだが、耳元が鬱陶しくなったため。
 10分で終了。
 あと、近所の堂島北ビル(谷本盛雄が26人を焼殺した現場)を見る。3年経っても閉鎖されたまま。
 国道2号線を歩いて御堂筋まで。
 銀杏が色づきはじめていた。
  *
 よく見ると、幹には大相撲の取的みたいに包帯が巻かれ、枝には蜘蛛の巣のようにLEDのワイヤーが絡みついている。
 年末のライトアップがはじまっているであった。
 毎年思う。冬の間くらい銀杏は休ませてやれよ。
 本町勤務時代、秋には近所で一杯飲んだあと、御堂筋をぶらぶらと梅田まで歩いたものだが。
 色づいた銀杏並木を楽しむことは、もう生涯なさそうだ。
 淀屋橋あたりまで歩く気分が失せ、地下街に潜り、三番街を出て帰館する。

11月12日(火) 穴蔵
 晴。終日穴蔵。
 不調である。体調ではなく、ちと気がかなことがあるため。
 連絡待ちなどで、集中できぬまま1日が過ぎる。
 防犯カメラとかスマホでリモートカメラを見る方法など調べるが、いずれにしても固定費がかかりそうな。
 困ったことである。命にかかわることではないから、気にすることもないか。
(闇バイト強盗でなければ、コソ泥とか置き引きは見逃してもいいか…という気分。)
 夜は専任料理人に居酒屋メニュー5皿並べてもらって一杯。
  *
 赤軸ほうれん草なんて初めての気がする。
 ビールのあと、湯割りがいい季節になった。

11月13日(水) 穴蔵
 晴。終日穴蔵。
 一応机に向かうものの、たいした成果はあがらず。
 晩酌はきちんと行う。

11月14日(木) 穴蔵
 晴。終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。いと少なしを。
 晩酌はしっかり遂行。ともかく早寝。

11月15日(金) KLL例会
 曇天。昼前に出て、阪急で三宮へ。
 東遊園地を散策、去年の秋同様に秋の花が咲いている。
  *
 今年はひと月ほど遅いのかな。
 中央区区民センターへ。
 午後、神戸文芸ラボ(KLL)例会。エッセイ、短篇について合評会形式で行う。
 サイコホラーかと思ったら予想外の「残虐」な結末を迎える短篇とか、ゴミ収集に関する社会学的考察エッセイとか、色々。
 映画「シビル・ウォー」を論じたエッセイについて、色々な意見が飛び交う。先月提出・今月合評で、その間に米大統領選があり結果も判明しているから、どの時点で読んだか(映画を見たか見てないか)で評価の基準が大きく異なる。
 それを支持政党には触れずにやるから(トランプ支持はいない雰囲気だが)さらにややこしい。
 関連してわたくしが兵庫県知事選(明後日投票)に話を振ったから、さらに混乱。
 知事選については、わたくしだけが選挙権のない野次馬(大阪府民)なのであった。
 いずれにせよ、明後日が楽しみな。
 夕刻帰館。
 一杯飲んで早寝させていただく。


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