『マッドサイエンティストの手帳』384
●マッドサイエンティスト日記(2006年10月前半)
主な事件
・穴蔵の日々(〜2日)
・播州龍野の日常(3〜6日)
・神戸ジャズストリート(7,8日)
・穴蔵の日々(9日〜)
10月1日(日) 穴蔵/通いの通り魔?
10月1日であった。
10日1日では遅すぎるのであった……なんてことは、何度か書いたか。
ホイル先生、私もいつかは間に合うように原稿を書きます。
終日穴蔵。
出かけたい用事もあるのだが、雨になったので中止する。
読みたいもの聴きたいもの色々あり、穴蔵で至福の時間を過ごす。
話は旧聞……でもないが、9月28日夕刻、播州「たつの市」新宮町で少女が通り魔に刺される事件が発生。おれが龍野から大阪へ移動中の事件である。(だから、いうまでもなく、おれは犯人ではない)
この事件、9月29日夜のテレビニュース(東京)で知った。全国区のニュース。しかも、周辺で昨年から怪しげな事件が頻発しているという。
現場はわが実家から7キロほど北。田舎である。
わが実家周辺でも(ここでは何度も書いているけど)「ご近所の監視の目」に辟易しているのだから、もっと田舎の新宮町なら、犯人の目星はついているのだろうと思っていた。
が、朝刊によれば「犯人は列車で逃走の可能性」……ほんまかいな。
女児を刺した後、姫新線・播磨新宮からジーゼルカーに乗って(当然姫路方面へ)逃げた可能性があるという。通学時間の少しあとか? しかし、それなら(いや、通学時間ならなおのこと)目撃証言がないはずがない。
多発しているという事件とのかかわりはどうなのか。
おれには「通いの通り魔」という存在が信じがたいのだか……。
龍野行きは明後日である。
事件の推移を刮目して見守りたい。
10月2日(月) 穴蔵/梅田徘徊
終日穴蔵……といきたいところなれど、先週から持ち越した月次の処理事項などあり、昼過ぎから梅田界隈ウロウロ。
雑事片づけの後、チーハに寄りヒーコ。ケン・ペプロフスキーのデビューLPなど聴いていたら夕方になってしまった。ズーミ割り一杯飲んで帰る。
帰路、ズージャの専門店ラーミムに寄ったらランコーデフのCDがあったのでトッゲ。
夜、ルービ飲みながら聴く。
明日からまたナカイー行きである。
ちょっと悪ノリであった。
どうでもいいけど、やたら「アルコール検知器販売」のトラックバックが張られる。「酒気帯び自転車」なんて書いてない記事へなので、わけがわからん。
10月3日(火) 大阪→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動。
姫新線、けたたましく騒ぐ運動着集団と同車両になり閉口するに、本竜野降りればシャトルバス待機、御一行バスに吸い込まれていく。兵庫国体の関係らしく、龍野でも何かの競技が行われているのであった。
しばらくの田舎生活開始。
買い物のついでに「たつの警察」を見物に行くが、マスコミ関係らしきものの影なく閑散。通り魔捜査本部は新宮署?か。
地元のニュースを見るも、防犯カメラ(田舎にもあるのだ)の映像以外、特になし。目撃情報がないとは信じがたいが。
パソコンがちとややこしい状態になった。
10月4日(水) 播州龍野の日常
通り魔捜査の進展なし……のようである。
わざわざ新宮町まで見物に行くこともなし。
パソコンの不調……リカバリーを覚悟してマニュアルを読んだら、日付指定で過去のシステムを復旧できることが判明。知らなかった。XPもなかなかのもの。
ということで、復調、ブログをアップして寝るのである。
10月5日(木) 播州龍野の日常
曇天なのであった。
彼岸花はほぼ全滅、コスモスの全盛期になった。その間1週間。あっという間に田舎の景色が変わるのでった。
つきはなす貨車コスモスのあたりまで……というのは『江分利満氏』に出てくる名句で、おれは喜八映画での方が印象に残っている。
半日下男(おとこし)仕事、半日はタイムマシン格納庫。
老母にあわせて早い晩酌。
早寝……のつもりであるが、これからちょっとオーディオ関係をいじってみるか。
酒気帯びでLPをいじるのは盤面を傷つけそうでよくないのだが。
某所にある2万枚ほどのLPをあれこれ……これからの10年ほどのサブテーマが発生しそうなので、その準備作業である。
10月6日(金) 播州龍野→大阪
朝6時過ぎにブザーを鳴らされ「回覧板」が届けられるのであった。
郵便箱に入れといてくれよ、ったくもう。……いっとくけど、こんなことやるのはど田舎龍野でも約一名である。こんなのがお隣にいるからたまらない。
パソコン覗いたら、ブログに「冷蔵庫はナショナルで!」というトラックバック……なんだこれは。
おれは昨年2月2日以来、松下製品はいっさい買わないことにしているのに(この訴訟は決着しているけど、やっぱり松下製品を買う気にはならない)、嫌がらせかねえ。
このトラックバックはそのままにしておくけど、「ナショナルの冷蔵庫」なんて買わない方がいいと思うよ、皆さん。
と、朝から喧嘩を売られているような気分だが、昼前に身内到着、見張り番交替するのであった。
午後の電車で帰阪。
昼過ぎの本竜野駅。
「つきはなす貨車コスモスのあたりまで」は、この光景の方が似合っているようである。中学時代までは貨物車の入れ替えもあった。ガッシャーンという連結器の音が懐かしい。
夕刻帰館。
専属料理人が色々並べてくれて晩酌。
早寝するのである。
明日は神戸ジャズストリート。
10月7日(土) 神戸ジャズストリート(1日目)
午前10時頃に出て神戸に向かう。
神戸ジャズストリート1日目。
ジャズクルー(ボランティア)に参加している専属料理人は2時間ほど先に出かけた模様である。CD販売担当かと思っていたら、パレードの先頭あたりを交通整理しながら歩いていた。
直前まで、雲の動きが急で、時々細かい雨が降っていたのが、パレード開始と同時に晴れてきた。これも昨年と同じ展開。……にしても、先頭のおまわり、やたら強権的で、歩道からはみ出た人に戻れ戻れと警笛を吹きっぱなし。うるさいのなんの。ジャズは嫌いなのであろう。
今回はクラリネットを軸に、北村英治、花岡詠二、E・ロウベル、後藤雅広と4会場を移動。
レポートは近日ODJCのHPに書くかも。
最後は例によってバプチスト教会でニューオリンズ・ラスカルズ。
ジャズ友3氏と歩いて三宮へ下る。
「2千円で飲み放題食べ放題」という中華バイキングの店……正確には1500円で食べ放題、プラス500円でアルコール飲み放題となる……で懇親会。食べ放題1500円の方は、まあこんなものだろうが、500円の飲み放題は値打ちであるなあ。大食漢はおらず、4名中2名はあまり飲まないから、店としてはありがたい客だったのではないか。
アフターアワー・セッションの情報もあるが、田舎生活で午後9時就眠がクセになっているので遠慮して、ジャズクルー用ライブの終わった専属料理人と合流、まっすぐ帰館するのであった。
10月8日(日) 神戸ジャズストリート(2日目)
10時前に出て、神戸・三宮へ。
神戸ジャズストリート2日目である。
本日もパレードから参加。秋晴れで、観客も昨日より多いような。
専属料理人、本日も先頭横の歩道境界を歩いている。
おまわりみたいに強権的にでなく、すみませーんと道をあけてもらう役で、マーチング・バンドの演奏を楽しめるものではないらしい。
おれは本日もクラ中心に流す。
まず昨日聴けなかった清水万紀夫さんをソネで。「オータム・セレナーデ」が素晴らしく、つづけて聴きたくなり、終演後、15分の間にオリエンタル・ホテルへ急いで移動。清水さんは(たぶん)クルマ、おれは徒歩。ラスカルズを聴くために長い列ができている「CROSS」横を通って、会場最高位置のオリエンタル・ホテルまで急ぎ足、ギリギリで間に合った。ビール飲みながら松本マリ・トリオとのセッションを堪能。
ふたたび坂を下って北村英治。
神戸ジャズストリートは年一回の脚力診断みたいな気がしてくる。
その後のバプチスト〜「DAY BY DAY」2往復含めて、まあ脚力は衰えていないと安心する。
今年のエンディングはニューオリンズ・レッドビーンズ+TONTON。セントルイス・ブルースで大いに盛り上がった。
夕暮れの路上にて後かたづけ終了した専属料理人と合流、昨年寄った小さな「ジャズ割烹」が残念ながら閉店したので、店に困る。「寿司」か「韓国家庭料理」か迷った揚げ句、串カツ屋へ。ハズレではないが、まあこんなものか。
10月9日(月) 穴蔵
秋晴れである。
終日穴蔵。
市営住宅の建物で複雑に切り取られた青空を眺めつつ雑用を片づけるのであった。
昼前に北朝鮮が核実験のニュース。
午後は断続的にテレビとネットのニュースを見るが、このタイミング、何に合わせたものかよくわからん。
安倍訪韓?
国連事務総長の交替?
日本の新聞休刊日?
歯ぎしりしているのは新聞社だろうな。
10月10日(火) 穴蔵
朝からニュース、ワイドショーなど、北朝鮮の核実験報道を漫然と見る。
「プルトニウム型」「長崎型」と並んで「爆縮型」という表現がよく出てくる。「爆縮」は、implosionの訳語として柴野拓美さんが「原爆は誰でも作れる」(1975)で作ったのだが、30年経って正規の用語として定着しているようだ。「内破」なんて言葉は見かけないからなあ……と思ってたら、同じことを7年前にも書いていた。
終日穴蔵……ともいかず。
午後、銀行その他に行ったついでにヨドバシでレコードプレヤーその他を色々見る。
穴蔵のパソコンをXP機にするか、CDレコーダーを導入するか、迷うところだ。
この3年、穴蔵の稼働率は50%以下なので、設備投資には消極的になってしまう。
ついでに関数電卓も見るが、HP社のは置いてないようだ。
林譲治さんのページで見ておれもほしくなってきた。
おれが使っているのはCASIOのfx-120で、30年前に買ったのではなかったかな。
これで今も不自由してないから、いかに完成度が高いかわかる。
にもかかわらず「梅田地下オデッセイ」の中に、2の20乗が1048580という記述が出てくる。8桁電卓でやったためか、今となっては原因不明。1978年にはfx-120を使っていたのは間違いないのだが。
30年使ってきたのを買い替えても、もうそんなに使わないだろうしなあ……。
10月11日(水) 穴蔵
雨であった。
終日穴蔵……ともいかず、昼過ぎに雨がやんだので自転車ででかける。
西天満方面へ行ったので、南森町に自転車を置いて、地下鉄で恵比寿町へ。
オーディオ関係を色々つもりであったが、喜多商店も共電社も休みであった。
パソコン関係……ビルの看板はOAシステムプラザなのに入ってみるとビデオショップだったり、戸惑うなあ。
メイド姿の娘がチラシをくれた。
あまり似合ってない。メイド喫茶がこちらにも出来ているらしい。
メイドの格好が抜群に似合うといえば、SF大会に出没していた「謎の美少女」アリスさん以上の子はいないだろう。
結婚したのがちょうど9年前で、もう母親だが、絶対に今でもメイド姿が似合うはずである……と、古いSFファンなら同感してくれるでありましょう。
なんてことを思いだしつつ、帰路、チーハでコーヒー。
尾田悟とテディ・ウィルソンの共演盤などを聴かせてもらう。
夜は専属料理人が北海道物産展で買ってきたものなど色々並ぶ。
秋鮭の「チャンチャン焼き」風ホイル焼きとか絶妙のポテトサラダなどでビール、バーボンの水割りを飲みつつ、北の大地を函館に向かって歩いているぶんきちくんに思いを馳せるのであった。
10月12日(木) 穴蔵
ぶんきちくんのブログで北海道の景色を見ているところに、食卓には北海道物産展メニューの続編が並び、さらに北海道へ行きたい事情が発生して……要するに森山威男の2テナー・カルテットの復活だが……格安ツアーを調べてみたら、東京へ行くのととほとんど変わらないことが判明。扱ってるのはウチから200メートルほどのところにある旅行代理店である。
専属料理人と明々後日にでも行ってみるかということになる。
が、訊いてみると、10日前までに申し込まないとだめらしい。
今の生活では2週間先の予定は不透明だからなあ……と、今シーズンの北海道は断念。
しかし、近所にこういう代理店があることはわかったから、再チャレンジを心に誓うのであった。
終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。
10月13日(金) 穴蔵
このところ午前3時過ぎに目が覚める。本日も3:30の起床。
夜明けが遅くなったなあ。
終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。
夕刻、久しぶりにかんべむさし氏来穴蔵。
本日の議題<北朝鮮>。
「三島」「米朝」「キタ」についてはかんべ氏にレクチャーを受けるのがいちばん手っ取り早い。たいていの予想が的中してきたからなあ。正男の来日目的がディズニーランドだとか、高速船の自爆とか。
ただ、本日はまだ情報不足。希望的着地点では一致するが、これはテレビのコメンテーター諸君も口には出しにくいことであろう。
そろそろ早寝するのである。
10月14日(土) 穴蔵
秋晴れである。
土曜なので仕事はしないのであった……のつもりであったが、来週は田舎行きなので、片づけておかねばならぬ雑件がまだあるのであった。
宮崎正弘『中国から日本企業は撤退せよ』(阪急コミュニケーションズ)を途中まで。これはオロモルフ博士の日記で知って買ってきたもの。
わがタイムマシンについても、何度か中国から声がかかり、6年前には現地を見に行ったが、断っている。オーストリアの盟友S氏も同じ判断であった。……判断規準は「トイレ」ではなかったけど。
事情はよくなるどころか、とんでもないところまで進んでいるのだなあ……。
夜は集合住宅の某委員会。
大規模修繕の検討を始めねばならぬが、「気が重い」が本音で、不思議なことに集まったメンバー共通の気分である。高齢化しているのである。
おれは昔からSFにおける「近未来」の定義を「作者の寿命まで」と考えてきた。こう定義すると、近未来というのはだんだん短縮されることになる。確かにそう実感できるようになってきた。住居も自分の体と考えれば、今さら「改造」とか「強化」するのは面倒な気分なのである。まして姉歯のおかげで全国的に神経症的になった「耐震診断」など、「治療法がないのに診断受けてどないしまんねん」が本音である。
午後10時、やっと夕食。
栗入りリゾットでワイン。
10月15日(日) 穴蔵/ショートショート選考
秋晴れがつづくのであった。
某コンテスト……なんていうことないか、創サポが主催しているショートショート大賞の選考、十数編を再読して、わが最終評価を選評メモとしてまとめる。
午後、自転車で青空書房となりの喫茶店へ。
高井信さんとここで会って「選考委員会」。……青空書房は日曜で休みだが、ここが双方のほぼ中間点で便利なのである。
候補作について双方の評価リストを交換。
上位5篇を比較したら4篇が重なっていて、ほとんど意見の違いはなし。
突出した作品もなく、どこが悪いかと減点法で優劣をつけるかたちになる。
選考というのは、異質の秀作が並び評価も分かれて、延々と議論するのが面白いのだが、そうはならず、ちょっと寂しいところだ。
雑談含めて2時間ほどで帰館。
先日の神戸JSのレポートをODJCホームページに書く。
田舎行きまえの用事はほぼ終了……あ、昨夜の会議の議事録が残っているが、後日だ。マメにこなす方だったが、最近こういう事務処理が面倒になってきた。
CD聴きながらビール。
ふだんの就眠時間から始まったN響アワーに菊地成孔氏登場、これを見ていたら、就眠が「深夜」になってしまった。
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