『マッドサイエンティストの手帳』836
●マッドサイエンティスト日記(2024年9月前半)
主な事件
・穴蔵の日々
9月1日(日) 穴蔵
目覚めれば9月であった。曇天。
終日穴蔵。
・台風10号は昼に東海洋上で熱帯低気圧となったらしい。やれやれ。
迷走台風のせいで、1週間「自宅待機」、予定が狂ってしまった。
明日から少しは体を動かすことにしよう(アタマがまるで働かないからなあ)。
本日は関東大震災から101年というのに、報道は大雨洪水ばかり。
べつに震災報道をやれというわけではない。むしろ(日向灘の地震同様)さっさと忘れて……忘れた頃にやってくるのが本来の姿と思う。
たちまち夕刻。雨になった。
専任料理人の並べた数皿(メインはトンカツかと思ったら、ハムやチーズを詰めたイタリアン風のなんたら)でビール、中本酒店のラベル汚れ格安馬鹿旨ワイン。
*
雨に煙る北梅田を眺めながら、この20年以上9月1日恒例、ジョージ・シアリング『九月の雨』を聴く。
あと何回聴けることやら。
9月2日(月) 穴蔵
秋晴れである。
台風一過、1週間の遅れを取り戻すために始動……と思ったところに、相棒の某君からメール。今週、播州龍野の事業所に行くから、代行業務があれば引き受けてくれるという。
ありがたや、かたじけなや。色々連絡。
これで今週も大阪でゴロゴロ生活とあいなった。
終日穴蔵。
・相変わらずの斎藤元彦報道。テレビは本質的な部分にはまったく触れない。
自殺した西播磨県民局長は姫路出身のエリートであった。勤務先は上郡というが「光都」(スプリング8の近所)にある。通勤には上郡・相生・龍野・姫路からクルマで1時間ほどかかる僻地である。そこへ「怪文書」発送後数日で副知事がクルマで乗りつけ「公用パソコン」を押収した。中には「プライバシー情報」が入っていた。
最大の謎はここである。公用パソコンを私用に使っていたのは論外だが、百条委員会の開催が決まったのに、なぜ「死をもって抗議」したのか。ここに誰も触れようとしない。
副知事が何というか。9月5,6日の楽しみはこれだけである。
・それに関連するが、これは維新崩壊の始まりだな。
箕面市長選がきっかけだが、斎藤問題への対応が不信感を拡大、もともと万博強行という背景があるから、崩壊はカオテックに進むだろう。弱り目にたたり目、泣き面に蜂、貧すりゃ貪する、藁打ゃ手を打つ、便所へ行ったら人が入っとる……という展開になる。万博まで持たないのではないか。
・米国の大統領選。
民主の副大統領候補ウォルズが「トランプはウィアード(Weird)だ」といい、これにトランプがムキなって反論しているという。
へぇ、なんで? ウィアード(テイルズ)は1920年代創刊、ラヴクラフト、ブラッドベリ、ブロックなど幾多の名手を誕生させている。同年代の日本に置き換えれば「新青年!」と呼ばれるようなものではないか。双方ともアメリカ文化の偉大さを知らんのか。
などと愚考しているうちに、たちまち夕刻。
専任料理人に6皿ばかり並べてもらって、ビール、冷酒。
早寝させていただく。
9月3日(火) 穴蔵
秋晴れである。
終日穴蔵。
愚痴は書かないつもりだが……このところ「不調」である。
アタマが働かず(アタマを働かせるのが面倒というか)、体を動かすのも面倒で、終日ゴロゴロしている。
歳のせいであり、後期高齢者なのだから、しかたあるまいと思っていた。
筒井康隆『アホの壁』を再読して、年齢のせいだけでない気がしてきた。
ここ数年、「アホな話」をする機会が滅多になくなったことが大きい。コロナの影響大である。
閉じこもって、テレビに出てくるアホを眺めているだけではいけない。「アホ」は実行しなければいかんのである。
明日からもう少し元気なアホになろう。
9月4日(水) 穴蔵
秋晴れ。猛暑復活とかいっとるが、爽やかな朝である。
終日穴蔵……のつもりだったが、午前、重量物(液体飲料系)を買いに外出。
公園の入口(工事塀で囲われた狭い通路)に、路上喫煙者が集まっている。
昼は路上喫煙、夜はノラネコのエサ場になる場所。
11時前でこれ。昼休みはもっと増える。副流煙が立ち込め、マスクをしていても息苦しい。
*
お前らの会社に「煙所」はないんかい、と怒鳴りつけたくなるが、マスクの中で聞こえない程度に怒鳴って通り過ぎる。
「アホな喧嘩」はしない方がいいからな。
来年1月から大阪市内全域で路上喫煙禁止(万博がらみで唯一の善政)になることだから。あと4ヶ月の辛抱。
午後は穴蔵。たちまち夕刻。
数皿並べてもらって、「アホな癖」で裸眼なのに時々メガネを直しつつ(白内障術後の癖)ビール、酎ハイ。
もう少しストレス発散できるアホをやらんといかんなあ。
9月5日(木) 穴蔵
秋晴れ。全国的に猛暑日のところが多いようだが、わが住居周辺は爽やか。
終日穴蔵。
播州龍野の連絡など雑事をやってたら昼になる。
午後、Yuotubeで兵庫県の「百条委員会」中継を見ていたら、他のことに手がつかない。
散漫な進行(くどい質問とはぐらかし答弁)でこれだから、明日はどうなることやら。
明日はいよいよ「号泣副知事」と斎藤元彦本人の登場。
「おねだり疑惑」などでなく、元西播磨県民局長が「死をもって抗議」した問題の本質がどこまで明らかになるか。
楽しみは尽きない。
9月6日(金) 穴蔵/百条委員会
秋晴れ。終日穴蔵。
・午前。10時前にYuotubeで「百条委員会」中継を見たら、もう始まっている。
牛タン倶楽部のひとり、原田剛治の尋問(昨日のつづき)らしい。
10時30分から、同じく牛タン倶楽部の片山安孝が登場。号泣再現かと思ったら、むしろ柔和な表情で答弁。
で、肝心の押収したパソコンにあった「個人情報」については(プリントされて配布されたにもかかわらず)「倫理的な問題」があるからと、まったく触れず(これをプリントしたファイルを県議に見せ歩いた牛タン倶楽部の井ノ本知明は仮病?で欠席)。質問する側もいっさい問わない。事前に申し合わせがあったような。
したがって、2時間、退屈極まりない。
・午後。15時に斎藤元彦登場。こちらは徹底して無表情。恐ろしいばかりだ。
午前と同じく、こちらが知りたいことにはまったく触れず。
嫌になって、1時間ほどで切る。
正義感からの通報が「倫理的な問題」で失敗したということなのか?
『運命の人』のモデルになった事件を思い出すが、そんな展開は期待できそうにない。
1日を無駄にしてしまった……ということもないか。無駄な毎日を送っているのだから。
9月7日(土) 穴蔵
秋晴れ。
昼、サプライ品が必要になり、運動兼てヨドバシまで歩くが、えげつない人出である。
売り場はそれほどでもないが、三番街から大阪駅への地下通路がひどい。インバウンドも多し。
うめきた方面はさらに混んでいそうな。
紀伊国屋、ジュンク堂を覗いて、早々に引き返す。約3000歩。
あとは穴蔵にこもる。
群像10月号、巻頭の宮内悠介『宇宙日本煉瓦小史』がたいへん興味深いのだが、短すぎる。長篇の序章と読めばいいのだろうか。
9月8日(日) 穴蔵
秋晴れ。日曜。人出が多そうだから、出歩く気分にならず。
終日穴蔵。
これといったことしない(できない)まま、たちまち夕刻。
とつぜん驟雨あり、打ち水効果で急に涼しくなった。
小皿小鉢を並べてもらってビール。
メインは和風スペアリブで、中本酒店の格安馬鹿旨ワイン。
*
ラベルがちょっと歪んでいるだけで*00円(裏の某グリルでは数倍になる)。これが当たり。だいぶ飲んでしまった。
こんなことしか楽しみがない。
9月9日(月) 穴蔵
秋晴れ。月曜日であった。
どうも不調である。終日穴蔵。
時々テレビを見るが、斎藤元彦ばっかり。各党が辞職勧告(様子を見て 維新までが)。当人は誠実に「県政を進めていく」と続投表明。
誰に問題があったのか、さっぱり判定できない。
わたくしが知事の「おねだり体質」の噂を聞いたのは6月17日で、中高の同級生(姫路と上郡在住だからアンチ斎藤のような)からだった。
その時は、厳しい首長の悪口をいうのはどこの役人も同じだなという印象だった(今もそう変わらないが/牛タン倶楽部の存在は別)。7月7日に「怪文書配布」の張本人が「死をもって抗議」、しばらくしてそれが報じられたが、たいした騒ぎにはならなかった。この頃、政治問題といえば、都知事選とトランプ銃撃ばかりだったからなあ。
斎藤も牛タン倶楽部も、まさかここまでの騒ぎになるとは想像していなかっただろう。
まして維新は「カオテックな崩壊」が始まっているのにまだ気づいてないような。
当分楽しめそうな。
9月10日(火) 穴蔵
秋晴れ。大阪は「猛暑日」が続いているらしいが、部屋にこもってたら(朝の直射光以外)過ごしやすい季節である。
終日穴蔵。
昼、南から急速に雲が沸き出してきた。
*
これを見ると、まだ夏なのかなあ。
しだいに雲に覆われ、遠雷が聞こえるが、雨は降らず。
夕刻、ビールを飲み出した頃に、やっと打ち水が少しあった。
・宇能鴻一郎氏の訃報。心不全で。90歳。
「光りの飢え」「鯨神」を読み、その後も『痺楽』や『逸楽』などの官能小説はよく読んだ。鯨に銛を打ち込む場面の描写が、そのまま官能描写に変わるのは自然に思えたし、日常離れした状況設定は官能ホラーだった。タイトルは忘れたが、核シェルターを舞台にした短篇はほとんどSFだったと思う。70年代以降の職人的ポルノになってからは離れたが、初期作品については隠れ愛読者?であった。
9月11日(水) 穴蔵/ウロウロ
秋晴れである。世間は猛暑日らしい。
10時からテレビでハリスとトランプの「舌戦」を見るが、女性の同時通訳(うまいんだろうけど)では口調(特にトランプの)がぜんぜん伝わってこない。京唄子と鳳啓助を手話通訳で見るようなもか。芸がまったく楽しめず、30分ほどで切る。
昼間、ちょっと外出。茶屋町の郵便局まで。
このところ明らかに運動不足なので、ついでに散歩と思ったが、炎天下、恐ろしい暑さである。
coolbitを被っていても、保冷剤がたちまち常温化。猛暑日は本当であった。
ジュンク堂を覗いてから引き返す。
午後は穴蔵。
たちまち夕刻。
色々並べてもらって軽くビール。
*
あと、某方面からいただいた限定醸造のマスカットワインを開ける。フルーティだが辛口系。絶品である。
久しぶりにトミフラ師匠を流しつつ。至福の時間という他ない。
9月12日(木) 穴蔵
秋晴れ……だが、やはり猛暑日である。
午後に徒歩圏の某院へ。念のための術後検査で、異状なく、無事放免。
ついでなので散歩しようかと思うが、本日も猛暑日。寄り道せず引き返す。
近所で新店が開店準備中である。
気になるのは、これがラーメン店「麦と麺助」と「弥七」の中間にあることだ(両店間は50mくらい)。
*
店名を見ると「疾風勁草」で、「誰も見たことのない新しいうどん屋、始動します」とある。
へえ。すぐ北には、うどんの「たけうち」があるし、流行ってないラーメン屋もチラホラ。この麺類激戦地に殴り込むのだから、相当な自信なのだろう。(※)
10月オープン。注目して待ちたい。……もっとも、食べには行かないけどね。「麺助」は6年前までうどんの「讃州」で、ここのカレーうどんは絶品だった。店主の久保くんは同じ集合住宅の住人だったし。「讃州」は肥後橋に移って、今は割烹。久保青年はうどんだけに留まる料理人ではなかったのだ。
左隣には和食の「楽人(たびと)」があり、時々行く。ランチに出る蕎麦がなかなかいい。
もっともコロナ以降、あまり外食はしない。継続している愛好店は「信州そば」だけで、ここは文句なしにうまい。生涯通うのは「信州」だけになるだろう。
と、近所の麺類案内でありました。
※「疾風勁草」をネットで調べたら、内装施工の会社がオープンするうどん屋で、店長候補を募集中である。「うどんに対する経験や知識は問いません」という。……内装は「誰も見たことのないうどん屋」なのだろうが、どんなうどんが出てくるのか。「味わったこともない」うどんなのか。楽しみといえば楽しみ。(9/13)
9月13日(金) 穴蔵/ウロウロ
秋晴れ…9月8日から続いた猛暑日は5日間で終わった(本日の最高は33.8℃)が、真夏日だから、世間はまだ夏か。
相変わらず不調。睡眠が不規則なのがいかん。
午後、近所を散歩。久しぶりに梅田貨物線側を歩く。
豊崎第6架道橋が取り壊されて、さらに東側の高架が解体されていたが、どうやら架道橋東30メートルほどで止まったような。
*
おおさか東線が地下に潜り込む途中。ここから新大阪までは96年前からの高架はそのまま残ることになる。
つまり、ここが「うめきた再開発」影響の北端と見ていいようだ。
歩行者には不便になった。
豊崎神社あたりまで貨物線沿いに歩き、方向転換、東海道線線に沿って南下、タカセ市場で液体系重量物を仕入れて自宅まで運搬。
運動がこれだけではいかんなあ。
9月14日(土) 穴蔵
晴。終日穴蔵。
不調である。本日から世間は3連休。ますます気が重くなる。
9月15日(日) 穴蔵
世間は3連休の2日目。出歩く気分になれず。
午前は曇で、直射光が入らないので助かる。
終日穴蔵。
相変わらずの不規則睡眠で24時間が経過してしまった。
明日こそ少しは体を動かすつもり。
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