『マッドサイエンティストの手帳』837
●マッドサイエンティスト日記(2024年9月後半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・KLL例会(20日)
9月16日(月) 穴蔵
世間は3連休の3日目。本日は老耄(おいぼれ)の日。耄碌の日とも申せましょう。
日曜と重なると翌日に移動する「軽い祝日」である。やめりゃいいのに。
後期高齢者としては、敬ってほしいとも思わないし、敬われることなど何にもしてないものなあ。
本日も出歩く気になれず。終日穴蔵。
生産的なことは何ひとつできぬまま、たちまち夕刻。
枝豆、冷しゃぶサラダでビール。
*
あとガーリックシュリンプと明太パスタで格安ワイン。うまっ。
毎日こんな生活でいいのだろうか。よくありません。
3連休は終わり。明日から少しは動く予定。
9月17日(火) 大阪←→播州龍野
朝だ。雨が降っている。かなり本降り。
予定変更しようか迷う。が、どうやら雨は大阪市付近だけらしい。
6時半にはやんだので、7時前に出て、播州龍野へ向かう。神戸を過ぎると普通の夏日になった。
播州龍野へ来るのは3ヶ月ぶりである。
故郷は緑なりき。
夏の間まったく来なかった(墓参にも来なかった)罰であろう、雑草がひどい。
門扉から玄関までの通路も雑草で覆われている。掻きわけて玄関までたどり着くと、ズボンに細かい葉がびっしり貼りついた。
*
とりあえず通路周辺の雑草を刈って通行可能にする。1時間足らずの作業で、汗が吹き出し、倒れそうになる。
熱中症に注意という報道が実感できるなあ。持参の麦茶がぶ飲み、エアコンのないリビングでしばらく横になる。
給湯器は廃止したからシャワーは使えず。下着類を置いてたのは正解であった。
本の整理なんてやる気力なし。
まして「肝心の用件」は見送りである。
……その用件とは、斎藤元彦のこと。前回龍野へ来た時(6月17日)に同級生2人と会い、知事の「おねだり癖」のことは聞いていた。ただ、県庁や市役所の役人体質で、トップの悪口が広まっているのだろうと、適当に聞き流していたのである。ところがその後、県民局長が自殺(7月7日)、こんな大騒ぎになるとは思わなかった。同級生の住まいは姫路と上郡。まさに局長の地元である。それぞれの周辺で、話はどう拡大しているのか。その「本音部分」を聞きたかったのだが、本日は時間がとれそうにない。
午後、シルバー人材センターに出向く。毎年の雑草作業を少し早めてもらえないかの相談だが、これも難しそうな。シルバー諸氏は稲刈りなど農作業優先で、その合間にシルバー作業だから、なかなかメンバーば揃わないらしい。
門柱脇に凌霄花が咲いているのに気づいた。
*
亡母の好きだった花で、短歌にも読んでいたが、この3年ほど咲かなかった。前の雑草処理で切ってしまったらしいのである。再生していたのだ。
今後は注意。せめてもの罪滅ぼしである。
ともかく1日で片づく作業ではない。少し涼しくなってからまた来ることにする。
夕刻に帰阪。
シャワー後、ビールがぶ飲み。早寝。
9月18日(水) 穴蔵
秋晴れである。
終日穴蔵。
昨日の疲れが出て、出歩く気分になれない。
・万博の目玉として「火星の石」が展示されると聞いて驚く。
70年万博の「月の石」につづいて、今回は「火星の石」……しかし、火星の資料は現在発掘中(マーズ・サンプル・リターン計画)で、地球への持ち帰りは、サンプル回収機と帰還周回機がうまくいったとしても10年先ではないのか?
よく読めば、南極で発見された「火星から来た隕石」を「初めて一般公開」だという。ほんまかいな。火星隕石、見た人を知っとるよ。
だいたい火星由来の隕石は40年ほど前から世界中で話題になってきた。南極で発見された隕石数千個のうち、火星からと特定されたのは数十個と思うけど。
こんなの見に海外から客が来るのか? 大阪市立科学館に展示するのならわかるが。
『遊星よりの物体X』(1951)でも上映した方が受けるのではないか。
吉村もヤキがまわったものよ(そんな歳だったかなあ)。今からでも遅くない。万博は中止すべきだ(むろんIRも)。
維新の崩壊は急速に進んでいるなあ。
たちまち夕刻。
数皿並べてもらってビール、酎ハイ。
・20時からBS260「松竹東急」(こんな無料チャンネルがあるとは知らなかった)でジャズ映画特集を見る。4夜連続で、
9月16日「ジャズ大名」(1986/岡本喜八)
17日「バード」(1989年/クリント・イーストウッド)
18日「ラウンド・ミッドナイト」(1986/ベルトラン・タヴェルニエ)
19日「上海バンスキング」(1984/深作欣二)
の4本。これはなかなかの組み合わせ。年代が接近し過ぎだが。
本日は『ラウンド・ミッドナイト』。わたくしが「真夏の夜のジャズ」と並んでジャズ映画の最高峰と評価している傑作。
感想はこちらに書いているとおり。
今見ると、ドラマとしての切れが弱いな。モデルになったパウエルがそうだったといわれればそれまでだけど。
ただ、ジャズクラブのジャズメンの扱い方はリアルなんだろうし、出演ジャズメンはハンコックはじめ、信じがたい顔ぶれだ。
何よりもデクスター・ゴードンがいい。ジャズメンがそのまま役者という例は他にあるか? フランキー堺みたいにジャズメンから役者に転じた例は他にもあるけど。日本でやれるとしたら坂田明だけだろうな。
9月19日(木) 穴蔵
曇のち晴。朝の直射光がなく、快適な1日であった。
終日穴蔵。読んだり昼寝したり。
午後、テレビは兵庫県知事への不信任決議案の中継ばっかり。議決までで、本日はそれ以上何の動きもないだろうに。
晩酌時にニュース見たら、全会一致で可決。知事の態度表明はなし。ほれ見ろ。熟慮する時間はまだ10日もある。
ここまで来れば、ギリギリのところで「解散」を選択してほしい。
このまま「続投」はおかしい県議が数個いることだし。
誰もやったことのない決断をしてこそ革新的知事だろう……と声援を送りたくなるぜ。
と、大阪府民の野次馬的感想である。
9月20日(金) KLL例会
秋晴れ。
朝、近所の某医院で定期健診。数値は極めて正常であった。ほっ。
身体には問題ないようだが、アタマの方は……恐ろしくて測れない。
昼前に出て阪急で兵庫県(三宮)へ越境する。
斎藤元彦の地元だが、静かなもの。あ、三宮は県庁ではなく市役所だったか。
午後、区民センターで神戸文芸ラボ(KLL)の例会。
7人出席。議論いろいろ……例によって脱線部分の方が長くなる。
ガムランとミニマルミュージック。実用書に効用はあるか。黒板消しに関する時代の変化。マンガ・アニメ原作は文学か。宮本亜門の演出とSF。窒素固定法。AI依存と電気代……など、メモばかり増える。
夕刻帰館。
ゴーヤチャンプルなどでビール、酎ハイ。
ニュースは大谷の「偉業達成」(50-50)ばかり。
おい元彦、目立つことやらんと忘れられるぞ。辞職・解散は50-50か。
9月21日(土) 穴蔵
世間は3連休の初日である。人出が多そうで、また閉じこもって過ごすことにする。
終日穴蔵。
曇天である。天気もアタマも。
9月22日(日) 穴蔵
3連休の2日目。
終日穴蔵。
9時40分から強い雨が断続的に降る。
午後は曇。ベランダは26℃で、肌寒いほど(アメダスの最高気温は29.7℃)。冬が近い。気が滅入ることである。
・福田和也の訃報。63歳。へぇ。10年以上忘れていた。どんな「晩年」だったのか。
・佐久市のアニソン・イベント会場で男性が刺されて重傷。吉田司を殺人未遂で逮捕。やりそうなことだな……と思ったら、同姓同名の別人であった。こちらも10年以上見かけない。能登の「実態」など書くのではないか心配になる。
9月23日(月) 穴蔵
やっと3連休最終日。秋分の日……の振替休日であった。日の出は5:47のはず。
5:30、東の空が明るくなりはじめた。
*
二十四節気のうち、春分・夏至・秋分・冬至の前後に、日没を淀川堤の定位置(河口から8キロ)で撮影して来た。日没の位置確認である(10年ほど前ならこんな風に)。
それが左岸工事で3年前からできなくなった。
日の出の位置はビルの隙間でよくわからない。早朝に淀川右岸まではしんどいし。
地球の自転の変化を体感したかったのである。できなくなって初めてわかった。
国際宇宙ステーションの窓をふさがれたら、宇宙飛行士はこんな気分になるだろう。
吉村めが。わたくしは左岸堤を散歩したいだけなのに。今からでも遅くない。万博を中止しろ。
晴。終日穴蔵。
涼しく過ごしやすい日だが、気分はイライラ。
日の入りは17:53。18時を過ぎると急速に暗くなる。秋である。
一杯飲んで早寝。明日は動くことにする。
9月24日(火) 穴蔵/ウロウロ
やっと連休明け。歩くことにする。
昼前に出て、急ぎのクリックポストあり、梅田北郵便局へ。
あとスカイビルの里山(彼岸花が咲いている)を抜け、プラザ跡(旧小松事務所)を参拝、梅田西ランプ(踏切は跡形もない)から東へ、うめきた2期地区(グラグリ)の南側を歩く。
塀に囲われているのが気になって、某観測所からうめきたを眺める。
*
気がかりだった南西角の1500体の人骨発掘現場には、墓石は跡形もなく、埋め戻された人骨の上でブルドーサーが作業中であった。タワマン?建設はだいぶ先(地下の人骨が忘れられた頃)だろう。
イノゲートとJPタワーは1階を素通りし、梅地下に潜り、ATMで雑件処理後、駅前第1ビル地下「たかはた」でうどん定食。
地下を東へ歩いて地上に出、梅田新道から少し東に歩いて、宇治電ビル(眉村さんの勤務先)とヌルスタジオ跡(本日は筒井さんの90歳の誕生日)に参拝、少し東にある桂米朝事務所の方向に黙礼してから、新御堂筋を北上、ジュンク堂に寄って、13時過ぎに帰館。
12000歩ほど。さすがに疲れた。
午後は穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
ベニー・ゴルソンの訃報。21日。95歳。
ゴルソンには、中学時代、「サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ」で夢中になった。が、60年にメッセンジャーズが来日した時のテナーはウェイン・ショーターだった(結果としてはこちらの方が凄かったのだが)。
その後(10年ほどしてだが)ゴルソンが名曲「アイ・リメンバー・クリフォード」の作曲者と知ってまた好きになった。これをリー・モーガンが吹いて、ふたり揃ってメッセンジャーズに加入したことを知る。順序がややこしい。
先日映画「ラウンド・ミッドナイト」で見たデクスター・ゴードンは6歳年上かな。60年代、ジャズは若かったんだなあ。
たちまち夕刻。
専任料理人に紫頭巾、明石蛸、牛串カツなど並べてもらってビール、ワイン。
*
モーガン、キース・ジャレットの「アイ・リメンバー・クリフォード」を聴きながら。
泣けてくるなあ。
9月25日(水) 穴蔵
薄い雲がかかっているが秋晴れ。
終日穴蔵。
無為に1日を過ごす……先日来、何もしいないのではなく、書架の整理が進まず、つい再読してしまうからで、週2段くらいのペース。しかたあるまい。
午後、BSで『地下室のメロディ』を見る。テンポが鈍くて(パソコンに向かっての)ながら見になってしまう。
特にラストはもっとドラマチックだった気がするのに、まるで冴えない。キューブリック(現金に体を張れ)とえらい違いだ。
9月26日(木) 穴蔵
秋晴れ。過ごしやすい日である。
終日穴蔵。
・久しぶりに集合住宅の上層階から公園の工事現場を見る。6月30日以来。
*
中央のロック(黄色い突起)の沈下を期待していたのだが、位置は変わらず。
バケットは土砂を汲み出しているから、ケーソン(円盤)とパイプが地下40メートルまで沈下していくらしい。
外部から「深い穴」は見えないようだ。ちょっと残念。
・昼は牛筋カレー。これはなかなか。
*
・午後、種子島からのH2A 49号の打ち上げ中継をyoutubeで見る。
無事、雲の中へ消えて行った。あと1機か。
・引き続き斎藤元彦の記者会見。
「失職」「出直し選に立候補」という。賢明な決断であろう。
わたくしは「悪魔の代弁者」ではないが(そして斎藤の代弁者では絶対にないが)、今回は「全会一致の審判は無効」と考えるべきだろう。斎藤の発言にはまったくブレがない。議員側(特に百条委員会に出た数個)は矛盾だらけ。その議員が「触れまわったファイルの内容」は謎のまま。同じメンバーで百条委員会を継続する方がいい。
たちまち夕刻。
5,6皿並べてもらってビール、冷酒。早寝するのである。
9月27日(金) 穴蔵
秋晴れ。過ごしやすい日である。
終日穴蔵。
例によって本の拾い読みで時間が過ぎる。
・午後、自民総裁選をながら見。13時から投開票だらだら。14時過ぎに、高市と石破の決選投票となった。
また1時間ほどかかるらしい。
・専任料理人が「2階の桜の木に毛虫がわいて、廊下にウジャウジャいる」といういうので見に行く。
自転車置き場への通路で、わたくしはあまり利用しない通路。
廊下に黒っぽい毛虫が数匹這っていたいるが、屋上ガーデンには見かけず、桜の葉にも確認できず。
わたくしのS字型と同様、過剰に怯えているのか。
*
桜の根元に彼岸花が咲いていた。
・15時頃に穴蔵に戻る。まだ開票中。
外からネコが威嚇し合う声が聞こえてくる。市営廃墟のどこからいしが、見えない。30分ほどつづく。
性格の悪いクロと成長したトラの縄張り争いか。
15時半頃に開票結果出る。石破が選出された。
ほぼ同時に、外からネコのギャーッという叫び声が響き、こちらも決着がついたような。勝者の確認ができないのが残念。
・「波」10月号。
巻頭、筒井さんのシリーズ再開。何よりである。
9月28日(土) 穴蔵/ウロウロ
曇。運動不足なので、本日は歩くことにする。
午前、バスで城北公園通の毛馬2丁目まで。
昔の勤務先があったリバーサイド城北の中を歩き、北側に出て、淀川左岸堤へ。
55年前の散歩道である。下流へ歩き、毛馬閘門へ。
蕪村の句碑の前から淀川大堰閘門の工事現場を眺める。
*
門扉の支柱は出来上がりつつあるが、門扉も水路もこれから。半年で間に合うのかねえ。
導入水路?がずいぶん上流まで延びた(手前が大川側/向う側が淀川)。
ここはわが「散骨位置」(某短篇に書いている)だが、これだと全部大川側へ流れてしまう。半分は淀川を伝法方面に流れてもらわねば困る。
もう少し上流……菅原城北大橋からの散骨にするしかないか。家族に面倒をかけるが。
毛馬閘門から天八〜天六〜天五と歩き、久しぶりに某酒蔵で昼ビール。
天五界隈、大阪駅前ビルみたいな派手な安酒場が増えて、天満らしい店が減った。
半世紀前からの愛好店、300円の鰻丼(天五屋)とか早朝絶品メシ屋(十八番/町中華としても秀逸)とかケツネうどんの名店(天六うどん)とか旧「与太呂」など……つぎつぎに閉店した。
ひとりでぶらっと行く愛好店は(今まで明かしていないが、天五愛好者ならわかるはず)商店街の某酒蔵と東の路地にある立飲みの某田だけになってしまった。
扇町公園を抜け、中崎界隈を歩き、A先生の事務所前(本日もお仕事のようである/反省)を通って14時頃に帰館。
あとは穴蔵にこもる。
9月29日(日) 穴蔵
曇。終日穴蔵。何もせず(できず)。
不調である。本を5,6冊拾い読みしただけで1日が過ぎる。
横になって本を読み出すと、すぐ眠くなり、小刻みな昼寝の繰り返しになるのがいかんのだろう。
反省しつつ、一杯飲んで早寝。
また不規則睡眠となる。
9月30日(月) 穴蔵
曇のち晴。月末の平日である。
・昼前、処理事項あり、郵便局、ATMなど回り、ついでに近所を散歩。
地下鉄中津の出口にあるパチンコ屋「DiVA」が閉店して、改装中。マツモトキヨシになるらしい。
*
このパチンコ屋、転居してきた時にはあったから、半世紀以上の歴史あるP屋だ(むろん入ったことはない)。
まことに喜ばしい。ついでにIRも中止になればいいのだが。
ただ、あとがマツモトキヨシだと、少し北側の路地にあるM薬局はどうなるのやら。こちらが心配することではないか。
・午後は穴蔵にこもる。
たちまち夕刻。
・ビール飲みながら、BSで「アナザーストーリー/『バリケードの中のジャズ』」を見る。
1969年、バリケード封鎖された早稲田で山下洋輔トリオがライブを行った。その内幕。
このライブは知っていたが行けなかった(富山の工場で実習中)。初めてライブを聴いたのは翌年(1970年)で大阪のハチである。
半世紀経過して、2022年7月12日に村上春樹企画で再乱入ライブがあった。これは、もう後期高齢者なので、東京までは行けなかった。
ただし半年前の2022年1月20日に、可児市alaで二代目トリオのライブがあり(放送大学の録画/内輪で見学させていただいた)、大阪から始発のひかりで名古屋経由、名鉄で午前9時に可児市へ駈け参じ、昼前に同じコースを戻り、昼過ぎに帰館という離れ業を演じたのだった。
この時、もう当時のメンバーによるライブはあるまいと思っていたのだが、半年後に再乱入があるとは。
生きてなきゃいかんなあ。
SF HomePage