『マッドサイエンティストの手帳』810

●マッドサイエンティスト日記(2023年8月前半)


主な事件
 ・山下洋輔×福盛進也@ハチ(6日)
 ・ zoomランチ/大阪JAZZ@放出(13日)
 ・台風7号通過(15日)


8月1日(火) 穴蔵
 目覚めれば8月であった。
 直射光受け、7時頃から室温上昇、エアコンを稼働させる。
 終日穴蔵。
 コロナ以降、8月は、だいたい30℃弱の穴蔵でボケーーーッとしているのが習慣になった気がする。
 残りもこの調子なのであろう。
 奥村彪生氏の訃報。85歳。
 石毛先生の花見会の最強メンバーであった。新梅田食道街の某店でも何度かいっしょになったことがある。
 またそのうち飲めるだろう。

8月2日(水) 穴蔵
 晴。沖縄は台風、その他は炎暑報道だが、大阪市(北区)は風あり、爽やかな朝である。
 午前、梅田のビル高層階にある某保険プラザへ。
 年1回?ある「契約内容確認」である。「ご都合のいい時にお伺いしますが」といわれるが、部屋に上がりこまれるのは苦手なので「出頭」することにしている。
 保険会社としては被保険者の生活ぶりを時々チェックしておく必要があるのだろうか。
 契約内容の確認とありがたい「新商品」の紹介。40分ほどで終る。
 ついでに最上階のロビーから大阪駅方面を眺める。
  *
 東側から眺めると、駅西エリア(新ビルはイノゲート?)やうめきた2期地区はもう完成しているようにしか見えない。
 梅田一帯、どこともつまらん景観になってしまったなあ。
 午後は穴蔵にこもる。
 夜、近所の某会館での「下水道工事・地元説明会」に出向く。
 すぐ近所の公園の地下に巨大な「雨水貯留施設」が作られることになり、公園の半分が数年間(3年で済むのか?)鋼板塀で囲われることになる……らしい。
 この種の説明会はJR支線地下化事業工事説明会以来である。
 この時感じたのは、質疑に登場する人物には@糾弾型A個人的要望陳情型B演説大好き型の3パターンがあることだった。
 本日登場したのは、この3点を「統合」した超難物ひとり。
 長い長い。質問というより「演説」が30分ほど続く。嫌になって途中で退席する。
 左岸線(淀川堤)工事、支線地下化工事の高架残骸、東側の市営廃墟、今度は南側に「下水管渠築工事」の塀……死ぬまで工事現場に囲まれて生活することになりそうな。嗚呼。

8月3日(木) 穴蔵
 晴。猛暑らしいが、わが体感では爽やかな日である。
 昼前に出る。
 近所の公園に作業車が入っている。
 早くも「雨水貯留施設」工事開始か……と思ったら、清掃作業であった。
  *
 しかし、8月21日から工事開始の予定。
 ↑写真(公園の西半分)は塀で囲われ、樹木のほとんどは伐採されるはずである。
 桜も惜しいが、写真左側にあるニャロメの木も消滅するばず。
 寂しい限りだ。
 ヨドバシまで歩き、サプライ品購入、紀伊国屋、ジュンクドーを回って帰館。
 午後は穴蔵にこもる。
 たいして生産的なことは出来ず。不調である。

8月4日(金) 穴蔵
 晴。北海道は大雨、沖縄は台風、列島は炎天という、相変わらずの天気。これがしばらく続きそうな。
 大阪市(北区)は爽やかなもの。
 終日穴蔵。
 東の空の雲の往き来を眺めつつ、扇風機の風に吹かれて、ボケーーーッと過ごす。
 体調はいいが、アタマが「熱中症」なのだろうか。
 午後、30分ほど「冷える帽子」かぶって近所を散歩。
  *
 ここ数日、毎日のように、午後は生駒方面(東)に積乱雲が沸く。
 奈良方面は毎日夕立ちがあるのか。こちらはまったく降らない。
 たちまち夕刻。
 専任料理人に5皿ばかり並べてもらってビール、冷酒。
 早寝させていただく。

8月5日(土) 穴蔵/淀川花火
 晴。相変わらず「危険な暑さ」らしいが、わたくしはそうも感じず。
 雲の多い日で、積雲から層積雲に変化していき、秋の気配さえ覚える。
 終日穴蔵。
 夕刻に近所を散歩。
 弥七のとなりに「77 bake house」というベーカリーがオープンしている。
  *
 喫茶店だったところ。翁豆腐の向かい側。本日は完売のようである。
 トンカツ屋よりベーカリー歓迎である。行列店になるといいが。
 城北公園通りを北(淀川方面)へ歩く浴衣姿の人が多い。
 本日は「なにわ淀川花火大会」なのだった。
 専任料理人がいうには、大阪駅や阪急あたりから浴衣姿が多く、飲料や唐揚げなどの特売もやってるという。
 しかし、淀川左岸、淀川大橋〜長柄橋の間は「立入禁止」で、堤防には出られない。どこで見るつもりなのか。
 告知が不徹底なのではないか。
 左岸線工事が土壌の問題で8年!延期され、淀川左岸の堤防や河川敷も2034年まで閉鎖の可能性が高い。
 堤防の斜面はほとんど工事済みだし、河川敷(大淀野草地区あたり)も以前のままだから、こんな日くらいは開放してもいいように思うが。
 夜、ビール飲みつつ、BSで久しぶりに『ランボー』を見る。
 遠雷のような花火の音。
  *
 8時20〜30分だけ画面を花火中継に切り替える。
 まあこんなものであろう。
 特に騒ぎはなく終ったような。
 わたくしはひそかに、イラついた「群衆」が日ペ北側あたりのフェンスを倒して河川敷になだれ込むのではないかと期待心配していたのだが……

8月6日(日) 山下洋輔×福盛進也@ハチ
 晴。大阪の気温は13時に35℃で、たいしたことなし。
 今年の夏はピークを過ぎたようだ。
 終日穴蔵。
 夕刻に出て、新御堂を南下、「いんたーぷれい8」へ。
 半世紀以上つづく夏の行事、山下洋輔さんのハチ・ライブである。
 ハチママの誕生日(8/8)に合わせて始まったライブ、2019年8月からは、ハチ出身の気鋭・福盛進也(ds)さんを加えての演奏になっている。もう5年目か。
 ライブが決まって即日に予約したから、最前列中央、左にピアノ、右1メートルにドラムという、とんでもない席。
 山下さんのソロで、
 「Communication」
 「Thought of Beatrice」
 「ピロリー」(←これは愛猫にちなんだ曲)
 福盛進也(ds)さんが加わって、
 「For 2 Akis」
 「Birth」
 「Lonely Woman」(←これは初めて聴いたが、ピアノでアルトの「ゆらぎ」感を出すのが凄い)
 「Hachi」
 アンコールで「ブルース」
 本日は久しぶりに残って、ビールを飲みつつ、しばらく雑談。
 不死身の男・大ちゃん、今は肋骨が一部なくなってヨレヨレに近いとか。
  *  *
 福盛さん、まだ明かせないが楽しみな企画が進行中のような。
 また来年もここで聴けますよう。

8月7日(月) 穴蔵
 いい音を聴いた夜はわりとよく眠れた。
 定刻4時に目覚める。
 曇空。
 6時、室温29℃、ベランダ28℃、アメダス27.2℃。直射光なく、爽やかな朝である。
 終日穴蔵。
 ベランダは32℃がピークで推移。扇風機だけで快適なり。
 色々読んで過ごす。
 ニュース雑感。
・大阪万博のパビリオン建設が危機的とか。
 半年間のことだから、テントでいいのではないか。取り壊しの費用もかからないし。
 何事も「中身」で勝負だろうが。
 わたくしは見に行くことはないけど。
・日大アメフト部員を大麻所持で逮捕。明日、林真理子理事長が記者会見。
 大麻やってる大学生は、あくまでもわたくしの想像だが、日本には数千人……ひょっとしたらもう一桁多いかも。
 所持してる大学生は全国にいっぱいいるはず。警視庁県警府警諸君の健闘を祈る。
 大学対抗総長学長理事長の会見合戦がぜひとも見たい。
 たちまち夕刻。
 近所のベーカリーが正規オープン(一昨日・昨日はプレオープン)。
 さっそく出向いた専任料理人がいうに、焼いている人は、地下鉄の駅近くにあるベーカリーで見たことがあるという。
 品ぞろえも似ているとか。「焼き人」の正体については、しばらく見守りたい。
 夜、そこの明太子パンでワインを少しばかり。
 専任料理人は「味も同じ」というが、わたくしにはよくわからん。普通の(決してまずくはない)パンである。
 以前、靭公園横にあったタケウチみたいな、味覚音痴のわたくしが食べてもうまいと思う店は、もう望めないのだろうな。

8月8日(火) 穴蔵
 立秋である。
 早朝は曇っていたが、7時頃から晴れて直射光。エアコン2時間ほど稼働。
 終日穴蔵。
 扇風機だけで涼しく、やはり立秋なのであろう。
 午前、色々溜まった雑件処理。
 午後、日大の記者会見を30分ほど見るが……うーん、何とも。
 気になるのは、逮捕された北畠成文(21)が「日大アメフト部」としか報道されないことである。
 アメフト部は「クラブ活動」だろ? まさかアメフトばかりで卒業できるはずもなし。
 副学長は調査・報告の遅れを学生の「学業(学位?)を優先させた」から……そんなことを言った。
 北畠成文は3年生……確かに、同級生らも、そろそろ卒論に集中させてやらなければいけない。
 寮に集めてクラブ活動ばかりやらせてる時ではないだろう。
 日大の問題は大麻とは別のところにあるように思う。
 ……などと余計な心配をしているうちに夕刻。
 色々並べてもらってビール、冷酒。
 早寝させていただく。
 野良猫戦線の動きがおかしく、深夜に偵察の予定。北畑より野良が気になる。

8月9日(水) ウロウロ/穴蔵
 曇。快適な朝である。
 通勤ラッシュの終った頃に出て、地下鉄で荒本の府立図書館へ。10時着。
 いつ来てもしんとしていて、休館ではないかと不安になってしまう。
  *
 2時間ばかり色々。いちばん再読したかった1968年の某中間小説誌は(事前検索で1986年と勘違いしていた)書庫にないことが判明。
 国立国会図書館へ行くほどのことではないか……悩むところだ。
 雑誌の保管は重要だ。実家書庫も整理の時期だが、SF誌だけは残しておこう。
 昼過ぎに出てみると炎天なり。
 曇っておれば他に歩きたい場所もあったのだが、本日は「冷える帽子」なしで来ている。
 諦めて、まっすぐ帰館。
 午後は穴蔵にこもる。

8月10日(木) 穴蔵
 晴。朝から直射光あり、2時間ほどエアコン稼働。あとは扇風機。
 外は猛暑日らしいが、風あり、ベランダは涼しい。
 終日穴蔵。
野良猫戦線異状あり
 ややこしい事態になり、昨夜23時から本日夕刻まで、断続的に上階からエサ場を観察する。
 嫌猫派の反撃。公団による警告? エサやり方式の変化。いちばんの問題はネコがまた増加?
 この数日、変化が急で、まだ実態がつかめない。
 しばらく観察を継続したい。
・ネコ観察以外は本を読んで過ごす。
 面白い作品が多いのだが、しばらく本のことを書いてないな。
 近日再開したい。
 たちまち夕刻。
 専任料理人が数皿並べた。
 枝豆、ヤッコでビール。
  *
 あとスペアリブを齧りつつ酎ハイ。パキートのキューバン・サウンドを流しながら。
 お楽しみはこれだけだ。

8月11日(金) 穴蔵
 朝、晴れて直射光。2時間ほどエアコン稼働。あとは扇風機。
 終日穴蔵。
 午後、BSで『OK牧場の決斗』を見る。
 40年ぶりか。最初に見たのが中学時代。カーク・ダグラス(ドク・ホリディ)の演技に感激したが、(順序が逆で)その後『荒野の決闘』を見て、評価が根本的に覆った。
 ヴィクター・マチュアの演技といい、ウォルター・ブレナンの存在感といい、そもそも映画の「格」が本質的に違ったていたのである。
 それを別にすれば、『OK牧場の決斗』は、やはり面白い作品であった。
 30分ほど近所を散歩。
 予報では「危険な暑さ」というが、爽やかなもの。
 セミの死骸を幾つか見かける。
  *
 もう秋なのである。

8月12日(土) 穴蔵/ニューサン
 晴。朝、直射光。2時間ほどエアコン稼働。あとは扇風機。
 終日穴蔵。
 たいして生産的な作業はできず。なぜか気分沈みがち。
 夜、久しぶりにニューサンへ。
 LIVEスケジュールの表記が、8月から、土曜「ニューオリンズジャズナイト」に変わったのが気になって。
 本日のラスカルズ・メンバーは福田さん、川合さん、尾崎さんの3人。
  *
 珍しくも吉川裕之さんがソプラノで参加していた。
 全体にアップテンポの曲が多く、これは景気づけなんだろうけど。
 本日は3ステージまであるらしいが、2ステージ聴いて帰る。
 梅田の喧騒を抜けて帰館。
 賑やかな曲を聴いて気分が晴れないというのも不思議だが……

8月13日(日) zoomランチ/大阪JAZZ@放出
・午前。
 地下鉄で新大阪へ。
 コーナンでサプライ品を購入、ついでに新大阪駅の駅弁売り場でまねき食品の「兵庫五国酒肴弁当」を購入。
 新幹線の客多し。行きか帰りかはよくわからんけど、台風7号接近の影響だろう。
・昼。
 横浜の長男ファミリー(犬の勘定に入れます)がオンライン帰省したのでzoomランチ。
  *
 こちらは五国酒肴弁当でビール、向こうは寿司系らしい。
 向うの犬は灼けたアスファルト上の散歩を嫌がり、こちらの猫は広大な無人の雑草地(市営廃墟)を占拠しているがエサが少ない……など、ラチもない話を1時間ばかり。
・午後。
 放出のディア・ロードへ。
 大阪JAZZ同好会の例会に出る。
 特集はHさん担当で「トリオ解散以降の山下洋輔をNYトリオ中心に」という企画で、1時間で9曲、見事な選曲である。
 セシル・マクビーは「まだ88歳」のはず。つぎはNYトリオの新譜を聴きたいところだ。
 Fさんの新譜紹介。飯田さつきのヴォーカル。いつもながら珍しいCD紹介。
 持ち寄り企画は「ビッグバンドの歌姫たち」……これはわたくしの守備範囲外で、聴く方に専念だが……
 コーズマリー・クルーガーの子供と父親の数とか、ヘレン・ウォードはベニー・グッドマンを振ったとか、歌以外のウンチクの方が面白かったりする。
・夕刻。
 せっかく放出まで来たのだから、放出中古車センター(今はビッグモーター)の没落ぶりを見物に行こうか迷う。
 ただ、放出といっても深江橋に近いところ。荒本の図書館ついでの方が便利か。
 本日はまっすぐ帰館。

8月14日(月) 穴蔵
 曇。朝の直射光はなく、快適な日である。
 テレビは台風7号の報道ばかり。
 予想進路がだんだん西にずれてきて、大阪直撃コースである。もう少し西に寄れば、2018年の台風21号と同じではないか。あの時の風は凄かった。
 嵐の前の静けさか。
 終日穴蔵。
 時々、廊下から眼下の野良猫戦線の様子を観察して過ごす。

 野良猫戦線、数日前から奇妙な状況に陥っている。
・先週(8月8日か9日)に市営廃墟のフェンスに「猫など動物に餌付け禁止」の表示が貼り出された。
 (これはおそらく嫌猫派の住宅管理センターへの苦情によるものだろう)
・夜中にエサやりオバサンが来て、待っているネコ数匹にエサをやり、フェンスの下(市営住宅と道路の境界)にエサを入れた容器を2個置いて立ち去る。
 明け方までに他のネコも食べるらしく、5時頃にはカラになっていることが多かった。
  *  *
・この容器を嫌猫派が蹴り飛ばしてエサが散乱したり、風で飛ばされたりして、「敷地内」にカラ容器が散乱することになる。
・貼紙から2日ほど後の深夜、エサやりオバサンともうひとり(愛護団体?)が来て、何か相談してはった。
  * →  *
・熊手でゴミを片づけようとしたが届かない。が、(どういう方法か不明だが)朝には、カラ容器や、残されていたバケツなど、きれいに片づけられた。
 これが8月11日の朝のこと。
・以後、エサやりオバサンは深夜に現れ、待っているネコ(3,4匹)にエサをやり、容器1個をフェンス隅の目立たぬ一角に置いて立ち去る。これが数日続いた。

 昨夜、エサやりオバサンは出現しなかった。
 3時頃にゴミ出しに出たが、エサ場には何もなく、野良が2匹、エサを待っていた。
 今夜は台風接近。
 20時頃から大阪市内も雨になった。
 明日のゴミ収集も未定。エサやりは無理であろう。
 嫌猫派(党派を組んでいるのではなく、ネコ嫌いが個別にいるだけかもしれんが)の勝利か。
 飢えた野良はどう行動するのか……
 開戦から1年半、眼下の戦場の様相は複雑怪奇で、ここから「世界」を見るのは到底無理だとわかってきた。

8月15日(火) 穴蔵/台風7号通過
 昨夜は雨が断続、フェンス下に仔猫が待機していたが、日付が変わってもエサやりオバサンは来なかった。
  *
 雨が強くなり、屋根のある自転車置き場移って待機するも、エサにはありつけず。
 時々観察していたわたくしも、朝まであまり眠れず。
 オバサンのかわりに台風7号が来た。
 5時、潮岬に上陸。紀伊半島を自転車で北西に進む。10時には和歌山市あたり。
 終日穴蔵。
 仕事手つかず、テレビで台風情報を見て過ごす。
 近畿圏の電車はほとんど運休。雨は普通、風はほとんど吹かず(大阪市北区)。
 岡山鳥取に線状降雨帯、静岡で竜巻と、遠方のニュースばかり。
 12時、どうやら関空沖を北上中、淡路島をかすめて、13時に明石に再上陸。
 涼しい1日(ベランダは終日26〜27℃/アメダスは25〜26℃)で、午後は昼寝。たちまち夕刻。
 雨のあがった北梅田を眺めつつ、コーン玉葱の掻き揚げなどでビール、酎ハイ。
  *
 ラスカルズのライブ盤を流しつつ。
 静かな台風であった。
 が……今夜オバサンが来なければ、市営廃墟に住む推定10匹の野良たちは、3泊4日、90時間ほどエサにありつけないことになる。
 嫌猫派の高笑いが聞こえてくるような。


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