『マッドサイエンティストの手帳』808

●マッドサイエンティスト日記(2023年7月前半)


主な事件
 ・ニューオリンズ・ジャズ・カーニバル2023@京橋
 ・播州龍野いたりきたり


7月1日(土) 穴蔵
 目覚めれば7月であった。
 未明、天カメの中継映像を眺める。山口に線状降水帯が発生らしい。
 大阪市内は終日小雨。梅雨空である。
 室温29℃、ベランダ25〜26℃、アメダス24〜25℃、湿度75%前後。快適…というより肌寒い。
 野良猫戦線異状あり。
 朝、市営廃墟の西側フェンスが修理されているのに気づく。昨夕に修理作業があったのか。
  *
 ここは5月7日に何者かに破壊された場所である。
 エサやりオバサンが破れ目から出入りして、自転車置き場にエサを並べていた。それができなくなる。
 エサの容器が3個、フェンス下から差し込まれたらしく(手が届く位置)、完食、雨水が溜まっている。
 雨の日にネコが困る程度で済むのか。「嫌猫派」によるエサ撤去作戦が再開されるのか。
 しばらく戦況を見守りたい。
 世界は……ますます読めなくなる。

7月2日(日) ニューオリンズ・ジャズ・カーニバル2023@京橋
 午後、某会議。
 某歴史文化館……などと伏せる必要はないか……備前市日生「加子浦歴史文化館」の学芸員の某さんが来阪。
(年間スケジュールが決まって)秋に『眉村卓と日生 〜没後5年、作家デビュー60年記念〜』という企画展が開催されることになり、展示品などについて村上知子さんとの打ち合わせ、ついでに「異世界通信」関係者の意見も聞きたいということで、数名参集。
 眉村さんは「日生」ゆかりの作家のひとりなのである。
 俳句関係のイベントや「聖地巡礼」企画もあるらしい。
 詳しくは後日紹介させていただく予定。
 夕刻、京橋のホテル・モントレへ。
 4年ぶりのニューオリンズ・ジャズのイベント開催である。
 ニューオリンズ・ジャズ・カーニバル2023
 ケージャン料理、クレオール料理を並べて一杯飲みながらトラッド・ジャズを楽しもうという企画。
  *
 出演は、マホガニーホール・ストンパーズ、ニューオリンズ・レッドビーンズ、それにヴォーカルでTonTon、木村陽一さん。
 フォーティーズなど数バンドからのピックアップ・メンバーによる特別編成「京橋クレセントバンド」も。(ラスカルズ・メンバーが少ないのがちょっと寂しいが……)
 周辺のテーブルにはジャンバラヤ、ガンボ、ポーボーイなどが並ぶ。
 中華麺を使ったクレオール料理?という不思議なメニューも。
  *
 これらで盛大にビール、ワインを飲みつつ、3時間半ほど生演奏を楽しむ。
 4年ぶりのジャズ・ストレス発散である。
 22時頃に無事帰館。

7月3日(月) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 急に雑事が重なったため。
 タイムマシン格納庫で雑件片づけ(こちらはエアコンなし、朝から39℃で、長居はできない)、実家へ。
 こちらはポストに不思議な「ご挨拶」の品があり。同じ「隣保」になりましたので、とある。
 田舎だから、まだ「ご近所組織」が残っていて、ウチは不在だから当番は勘弁していただき、自治会費だけ払っている。
 引っ越してきた人がいるのか?と、隣家に訊ねたら、どうもややこしい事情で「区画」が変更になったらしい。
 よくわからん話で、深入りしないのが賢明だろう。
  *
 庭の雑草は処理したが、庭木はうっそうとしてきて、今さら手入れしても無駄手間。季節の変化するままにしておくのがいいだろう。
 こちらの維持管理も大変である。
 インボイス制で負のスパイラルに落ち込む可能性があるし……10月までに解決しなければならぬ課題多し。
 夕刻の電車で帰阪。

7月4日(火) 穴蔵
 関東は豪雨、こちら(関西)は猛暑……というが実感なし。
 ベランダは朝26℃、昼34℃、夕32℃と変化するが、穴蔵は29〜31℃で、扇風機を回しておけば快適である。。
 妙な興味で、暑さピークの午後2時から散歩を試みる。
 炎天下を30分ほど歩いたが、保冷剤を入れた「冷える帽子」の効果抜群で、汗もかかず。
 たちまち夕刻。
 専任料理人が5皿ばかり並べた。
  *
 これが、どうぞ盛大に飲んでくださいといわんばかりの、わが愛好する居酒屋メニュー。
 お言葉に甘えてビール、冷酒をしこたま。
 こんな健康な日がつづきますように。

7月5日(水) 穴蔵
 曇天。午前6時、室温29℃、ベランダ26℃、アメダス25.4℃……この気温が終日ほとんど変わらず。
 机に向かってじっとしていると、肌寒いほど。
  *
 ベランダから時々「市営廃墟」を眺める。涼しいのであちこち(3ヶ所)で仔猫がバラバラに休憩している。そろそろ親離れの時期なのであろう。
 午後は雨になる。終日穴蔵。たちまち夕刻。
 専任料理人の並べた5皿ばかりでビール、酎ハイ。
 早寝することに。

7月6日(水) 穴蔵
 晴。各地で猛暑日らしいが、穴蔵は30℃。扇風機の風で涼しい。
 天六の「カラオケパプ殺人」から2年。
 昼のニュースでは、一審で懲役20年の宮本浩志が拘置所から遺族に手紙を出した。完全に「しらばっくれ」の内容という。
 夕刻のニュースでは、遺族と面会し、「犯行を認めて詫びた」という。
 どうなっておるのだ。弁護士に恥をかかせたかったのか。控訴審の判決は月曜日(10日)。
 たちまち夕刻。
 野菜のテリーヌが出てきた。
  *
 映え重視で作ったという。
 まあまあ結構な。先に枝豆とヤッコでビール。あと白ワイン飲みつつオムレツにつづく。
 お楽しみはこれだけだ。

7月7日(金) 穴蔵
 2時半に目が覚める。最近はこの頃が定刻になってきた。
 5時頃に穴蔵にて朝食。
 朝から「JAZZ」。
  *
 梅田のデパ地下で1個100円だったという。ニュージーランド産だから、フレッシュなはず。
 この季節、当分、朝食事の果実はJAZZだな。
 6時過ぎから直射光が差し、7時半には室温31℃。
 今シーズンはじめてエアコンを稼働させる。
 終日穴蔵。
 コロナ感染者の集計方式が5月8日に「全数把握」から「定点把握」に変わった。本日で2ヶ月。
 大阪の感染者は5月19日の発表が1.85人(1医療機関の平均値)。本日(7月7日)は5.93人。3倍以上の増加。
 8波ピーク時の推定値が29人くらいだから、まだ1/5くらいだともいえるが、8波ピーク時12000人前後(1月上旬/大阪)とすれば、毎日2千人以上が感染しているのではないか。
 7月5日に日本医師会・釜萢理事が「現状は第9波になっている」と意見表明。
 本日(7日)後藤経済再生相が記者会見でこれを否定。
 わたくしは政治家より医者を信じる
 たちまち夕刻。
 本日はテリーヌにつづいてパエリアが出てきた。
  *
 これでビール、白ワインを盛大に飲む。
 毎日こんなことやってていいのだろうか。いいのである。出歩けないのだから、楽しみはこれだけだ。

7月8日(土) 穴蔵
 曇天。
 6時、室温30℃、ベランダ30℃、アメダス29.0℃。湿度70%……終日こんな感じ。
 終日穴蔵。
 扇風機の風に吹かれながら、本を読んで過ごす。
 たちまち夕刻。一杯飲んで、ベッドで本を読みつつ、適当に寝るつもり。

7月9日(日) 穴蔵
 未明から強い雨。終日、断続的に降る。
 本日も穴蔵にこもる。
 どうも(気分的に)不調である。
 生存確認のみ。

7月10日(月) 穴蔵/生活圏の殺人者
 曇天。
 不調につき終日穴蔵。生産的なことは何もできず。
・昼のニュース。
 宮本浩志は控訴棄却で懲役20年。まさか上告はしないだろう。
 これで残るは松尾留与だけとなった。
 2021年後半に「生活圏の殺人者」が4個出現した。
 天六のカラオケパブ殺人の宮本浩志(6月)、尼崎の元妻刺殺の森本恭平(10月)、稲美町の甥っ子放火殺人の松尾留与(11月)、梅田のクリニック放火殺人の谷本盛雄(12月)である。
 松尾留与の鑑定留置は今年4月までのはずが、まだ裁判が始まった報道はない。どうなってるのだ。
・夕刻のニュース。
 またも「生活圏の殺人者」が出現した。
 深夜 1時頃に、三国橋から手摺にもたれていた男が突き落とされて水死。犯人は青いクルマで南へ逃げたという。
 機構部品の依頼でM製作所へ行くときによく渡った橋であり、15年前に書いているが、いつかSFの舞台にしたいと思っていた場所のひとつである。
 阪急三国の少し北、神崎川にかかる橋である。歩道と車道が分離していて、確かに車道の手摺は低い。ここにもたれていたのも不思議だが……ともかく犯人の顔が見たい。
 楽しみはこんなことしかない。

7月11日(火) 穴蔵/戦線混沌
 早寝したら0時に目が覚めた。
 プラゴミ出し。エサ場を見ると、エサやりオバサンが作業中。クロ(サクラ耳)が食事中で、仔猫が2匹、フェンス内で待機しているような。
 そこに自転車でロシア人(に見える)女性がやってきた。何度か見た愛猫派のひとりである。
  *
 エサやりではなく、オバサンからフェンス修理の状況や仔猫について説明を受けているように見える。
 愛猫派というより、ネコの愛護団体のメンバーなんだろうか。
 去年生まれた4匹はいずれも手術を受けて、耳がカットされている。個人でできる作業ではないはず。
 今年また4匹生まれた。この「対策」協議であろうか。
 しかしネコの住処は「市営廃墟」で、今はフェンスで囲われ「立入禁止」、罠を仕掛けるのは難しいはず。
 どうなることやら。
・ネットを見たら、昨日出現した「生活圏の殺人者」逮捕のニュース。
 玉井将太(36)逮捕。全盲の父親(65)に心中を持ちかけたが拒否され、レンタカーで運んできて三国橋から神崎川に投げ落とした……らしい。背景の事情はまだわからんが、わがSFの聖地でややこしいことをやってくれるぜ。
 晴。6時頃から直射光。
・ベランダから眼下の市営廃墟を見たら、母トラに仔猫4匹が集まって遊んでいる。まだ親離れしてないらしい。
  *
 問題は、今年の4匹の仔猫、まったく見分けがつかないことだ。
 去年の4匹は濃淡があって、このように見分けがついた。
 今年の4匹はまるで区別がつかない。そもそも生まれたのが4匹だとオバサンは知っているのか?
 愛護団体が出てきても、どうなるのやら、先行きがさっぱりわからない。
・プーチンとプリゴジンが6月29日に「会談」していたという。世界の先行き、ますます読めない。

7月12日(水) 穴蔵
 各地で豪雨と猛暑が混在しているようだが、大阪は晴れて穏やかなもの。
 終日穴蔵。
・「ゴジラ」新作の制作発表。
 シリーズ30作目・ゴジラ生誕70周年記念作品で、タイトルは『ゴジラ-1.0』(ゴジラマイナスワン)。
 終戦直後の日本がゴジラによって破壊されていく「絶望的な光景」が描かれるという。
 ということは、第1作(1954)と同時代の設定なのか? 終戦直後というから、さらに8,9年遡るのか? 日本の戦後否定がテーマなのだろうか?
  11月公開というから、小学4年の時に第1作を見てから69年……今年の11月には、わたくしの「想定日」もあり、覚悟を決めて見るとこにするか。
 気分は晴れず。運動不足なので、郵便局ついでに公園と市営廃墟を一回り。
 エサ場近くにハイビスカスが咲く季節である。今年からはフェンス越しに眺めることになる。
  *
 ネコの姿は見えず。何かが水面下で進行しているのか。
 1年以上になるが、世界はさっぱり読めない。

7月13日(木) 穴蔵
 曇天で涼しい。
・午前。専任料理人と外出。
 市営廃墟のフェンス内からハイビスカスがけなげに「外」に救いを求めている。
  *
 ネコの姿はなし。罠らしきものもなし。フェンスから「外」には出てこない。戦線は水面下で進行中?
 梅田のデパ地下へ。10時過ぎで人出は少ない。ほっ。
 果物(JAZZ)や野菜を詰めて(ネギの突き出したトートバッグを下げて)、ひとり先に歩いて帰館。要するにポーター役である。
 やはり歩かねばいかんなあ。体調はよくなってきた。
・午後。BSで『地獄の黙示録』(ファイナル・カット)を見る。
 前に見たのが「劇場版」で40年以上前だ。戦争の狂気を描いて凄いと思ったが、ラストがさっぱりわからなかった。
 2001年の「特別完全版」は見ていない。今回、やっとファイナル・カット版を見た。
 ……フランスの入植者の場面や、ラストのカーツとの対決シーンが、一応わかるかたちになっているが、やっぱりよくわからん。
 大尉が、思想に感化されたのではなく(対話らしきものは幼稚)、ドラッグでおかしくされたとしか見えない。それだとカーツを殺す(ミッションを果たす)意味もわからなくなる。生きて戻ってどうするつもりなのか。やはり、救助に来たヘリに機関銃を撃ちまくらなければ、物語が決着しないだろう……などと考えるが、世の中には諸説あるような。
・夜。午前に買ってきた色々並べて一杯。
 早寝するのである。

7月14日(金) 穴蔵
 薄曇。過ごしやすい1日であった。
 終日穴蔵。午後、健康のため少し歩くことにする。
 ジュンクドーへ行き、しばらく本を眺めたあと、中崎町あたりを30分ほど散歩。
 帰路、A先生の研究所前を通ると、隣の駐車場だった場所に新たな建物が建設中である。
  *
 A先生の隣となると、よほど覚悟して作らないといかんぞ……と、工事現場の表示を見れば、設計者・建築主ともに「A研究所」となっている。
 喫茶店かなにかに見えるのだが……何が出現するのか。注目して見守りたい。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで早寝させていただく。

7月15日(土) 穴蔵
 早寝したら2時に目が覚め、あとは朝まで寝たり起きたり。
 世間は3連休の初日である。
 昨日の発表では、大阪のコロナ感染者(1医療機関の平均値)は7.78人。5月19日発表値の4倍以上。第9波入りは確実。
 外出自粛しなければならず、運動不足とのジレンマに悩むところだ。
 9時、ala(可児市文化創造センター)にネット接続して、9月16日の「森山威男 JAZZ NIGHT 2023」を予約する。
 これで8月(山下洋輔)、9月(森山威男)の予定が確定した。
 昼、近所のセブンへ行ってチケットを受けとる。
 ついでに市営廃墟を一回り。
 野良諸君の姿はまったく見えない。仔猫の捕獲作戦が進行しているかどうかも、まったく不明。
 NEWSWEEKでは、元米軍陸軍大将が「プリゴジンはすでに死んでいる」「プーチンとの会談は高度な『演出』だ」と発言。
 世界がまるで見えない。


[最新記事] [次回へ] [前回へ] [目次]

SF HomePage