『マッドサイエンティストの手帳』632

●マッドサイエンティスト日記(2016年6月後半)


主な事件
 ・NHK文化センター(18日)
 ・英EU離脱派勝利(24日)
 ・キッチンファイブ@ニューサン(25日)


6月16日(木) 穴蔵
 朝8時頃から雨になった。やっと梅雨である。
 落ち着いてよろしい。終日穴蔵。エルゴヒューマンに座って過ごす。
 たいして生産的な仕事はできぬまま、たちまち夕刻。
 専属料理人に数皿並べて貰ってビール、水割り。
 NHKニュース(トップではないものの)でイチローが日米通算でピート・ローズを超えたと、おおはしゃぎ。
 たいしたものだと思うが、こんなはしゃぎ方は日本人として恥ずかしい。
 日米通算記録なんてメジャーリーグの公式記録にないんだろ?
 逆マスゾエとでもいうか「適法ではないが立派」ということか。
 イチローのためにも、静かにしといてやれよ。
 もし王貞治が引退直前に大リーグへ移籍して1本だけホームラン打ったら、やはりこんな騒ぎになったのだろうか。
 ナベツネはなんと言ったのであろうか。
 どうでもいいことだが。

6月17日(金) 穴蔵/ハチ
 午前曇天、午後に晴れる、東向き穴蔵生活者にはありがたい天気である。
 終日穴蔵。エルゴヒューマンに座って過ごす。
 久しぶりに夜の外出。
 自転車でハチへ。
  *
 ライブ(今年のハチママ誕生日ライブは8月7日です)のチケット手配のためだが、本日はライブなし、「一夜限りの名盤アワー」の日だそうな。
 ハチは今やライブ(練習もあり)の場だが、不定期に「ジャズ喫茶」の初心に帰るのだという。
 水割り飲みつつ武田和命の稀覯盤を聴く。

6月18日(土) NHK文化センター
 真夏の日照りである。朝から室温30℃で快適なり。梅雨、どこ?
 昼に出て、梅田の NHK文化センターへ。
 先月に引き続き「SFを創った大阪/SFが変える大阪」という講座の第3回(最終回)。
 本日は話題作『カメリ』が出たばかりの北野勇作さんをゲストに招いて進める。
 北野さんは、自作の素材となった大阪のアホらしい場所の紹介を中心に「アホが許容される上方SFワールド」を語る。
 説得力のある展開である。田舎(関西圏だが大阪からは外れた西播/しかし米朝師匠とは同郷である)の閉塞感と、大阪の中途半端な都市感、そこに出てきたときの解放感とアホ許容感?は、わがことのようにわかる。上町台地を中心とする「高低差」についても言及。これは今後の大きなテーマである。
 最後の30分、3人(北野、田中啓文、堀)で総括的議論を行うが、明確な結論には達せず。
 関西在住SF作家の声を出来る限り聞く必要がありそうだ。
 おれなりの結論をいえば、逆説的だが「関西にSF作家が多いのは、関西のSFが面白いからであって、それを証明するためには、関西在住のSF作家が面白いSFを書き続けるしかない」というもの。
 意見の一致を見たのは、イチビリ体質や「そんなアホな」感覚をベースとするSFは「上方SF」と呼ぶのがいいという点であった。
 ということで、終了後、かっぱ横町の居酒屋でちょいと一杯。
 「上方SF協会」を旗揚げしようということに……はならなかった。
 ↑あくまでも冗談。政治的な話はまったくしてないのでご安心を(→政治的SF評論家諸君)。
 上方SF以外、ややこしい時代になった……らしい。
 SFは関西に限るのである。

6月19日(日) 穴蔵
 雨ぞ降る。落ち着いてよろしい。終日穴蔵。午前中、机に向かって過ごす。
 午後、テレビで『蘇る金狼』(角川映画)を見るが、テンポのろく、松田勇作が間抜け面で(こんなシマリのない顔だったかなあ)、全然面白くない。ともかくイライラしてくる。14時過ぎに雨がやんだので散歩に出る。
 1,000歩ほど。
 夜はDVDで『ポイント・ブランク』を見る。
 アクション映画はこうでなくては。復讐復讐また復讐。はらわたの煮えくりかえった舛添の今の心境はこれだろうな。舛添くん、必死の形相で復讐劇を展開されんことを。動機は理不尽だが、面白そうだからなあ。

6月20日(月) 穴蔵/ウロウロ
 曇天なり。落ち着いてエルゴヒューマンに座って過ごす。
 昼前、郵便局へ行く必要あり、運動不足なので、北郵便局まで歩くことにする。
 「JR東海道線支線地下化事業」について気になることあり、旧梅田貨物線の北西側に沿って歩く。
 低い高架がどうなるか、だんだんとわかってくる。
 この後数年の変化が楽しみでもある。
 北郵便局の南側の「農園」、田植えは終わっている。
  *
 スカイビルの下を抜けて南東方向へ。
 前から気になっているのがこの店である。
  *
 スカイビル南東の交差点向かい側にある「稲妻屋」……ここのおにぎりは素朴でおいしく、好感を持っている。たとえば去年、街歩きが好きな友人が来阪した時、ここで弁当を買って大阪駅のステーションシティで食べたりしている。
 この店の前でテーブルに「手作り弁当」を積み上げて売ってるのだが、これは「別業者」なのである。
 こんなえげつない競合は見たことがない。
 ビルのオーナーが稲妻屋を追い出そうとしているのだろうか。
 (この「手作り弁当」がおいしいのかどうかは知りません。業者にうらみもありません。どちらが先に開店したのかも知りません。興味はあるが、直接訊くのははばかられるからなあ。事情をご存じの方がいらっしゃればご教示お願いします)
 おれとしては、稲妻屋の健闘を祈る。
 だしまき弁当500円を購入、地下道を東に抜け、グラフロから旧梅田貨物線の東南側に沿って歩いて帰館。
 6,233歩。

6月21日(火) 穴蔵
 定刻午前4時に目覚める。
 強い雨。が、午前7時にはやむ。
 朝、近所のY医院にて定期検診、諸数値、ごく正常であった。
 あとは穴蔵にてエルゴヒューマンに座って過ごす。午後は真夏の日照り。
 アタマの状態がいまひとつで、仕事はほとんどはかどらず。嗚呼。
 たちまち夕刻。
 専属料理人がイタリアン系を色々並べ、静岡のやまざきから届いたワインが出てきた。
 特別な日であるらしい。
 フランスパンをねだってPiPiが膝に上ってきた。
  *
 6年前に廊下で保護してから6年1ヶ月、推定年齢6歳数ヶ月である。
 爺さん顔になってきたような。
 人間だとおれとほぼ同年か。

6月22日(水) 穴蔵
 曇天。終日穴蔵。マジメに机に向かって過ごす。
 朝、北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射、またも失敗のニュース。ははは。5連続三振。金三胖というデブの赤っ恥。
 失敗のたびに担当者を処刑するから、だんだん技術者が減る悪循環だろうと思ってたら、昼前に本日2発目発射のニュース。今度は失敗ではなさそうな。面白くねえな。
 たちまち夕刻。
 雨が激しく降る。
 雨に煙る北梅田を自宅リビングから眺めつつ、ビール、水割り。
 早寝するのである。

6月23日(木) 穴蔵
 未明まで強い雨。定刻午前4時に起き、マジメに机に向かって過ごす。
 朝に雨はやみ、午後には晴れてきた。
 終日穴蔵。たちまち夕刻となる。
  *
 夜は定番の枝豆、翁豆腐のヤッコに、メインは久しぶりにコテコテのメニュー。
 ビールを(小言いわれつつ)たくさん飲む。
 雑事が色々片づいたのだから、今日くらいいいではないか。
 明日は遊びに出ようかと思うが、イギリスのEU離脱も気になるし、まあ適当に過ごすことにするか。

6月24日(金) 穴蔵/英EU離脱派勝利
 終日穴蔵。
 朝6時のニュース。英国の国民投票が終わり、52/48で残留派優勢という。へえ。
 湾岸区あたりをうろうろしようかなと思ってたが、天気が怪しい。
 そのうち専属料理人が出かけてしまった。
 迷ってたら、昼前から強い雨。穴蔵にこもることにする。
 ということで、昼は、トマト・カイワレ・温玉・若布をてんこ盛りしたぼっかけうどんを作り、昼ビール。うまっ。
 1時間ほど昼寝。
 14時過ぎにテレビ見たら、離脱派が勝利。
 電波芸者が色々しゃべってるが、株価暴落なんて生活に関係ないし、円安もワインが安くなって結構ではないか。
 わがタイムマシン業は1ドル360円時代にスタートして1ドル80円も経験している。お上の世話になることなく45年やってきた。
 冷静に対処すれば、どうってことないぜ。困るのは何ら生産に寄与しない「金貸し」と「博打打ち」だけだろう。
 面白くなるぜ。

6月25日(土) キッチンファイブ@ニューサン
 深夜(午前1時頃)に激しい雨音で目覚め、眠れなくなった。4時頃にやんだが、ほとんど眠れぬまま。
 アタマが働かず、終日タドコロ状態でボケーーーーツと過ごす。
 夜に這い出てニューサンへ。
 河合良一さんが6月半ばから1月以上のヨーロッパツアー参加で、この間、土曜日は若手が交替で演奏する。
 本日はキッチンファイブ+Micth、永田充康。
  *
 秋定暢(tb)Micth(tp)加藤平祐(cl)というフロントは今大阪で(ということは世界で)いちばん元気のあるメンバーではないか。
 最後の「アラビアの酋長」まで、イキのいい演奏を楽しませてくれた。

6月26日(日) 穴蔵/東海道線支線地下化事業
 アタマが働かず、午前中、タドコロ状態でボケーーーーツと過ごす。
 うめきたからウチの近所までの区域で進行している「JR東海道線支線地下化事業」に関して、5月13日に住民説明会があったことをtikakaさんのブログで知る。どの地域にどんな案内があったのか、知ってたら参加したのだが。
 工事の概要とスケジュールはプロジェクターで映されたが、この資料は公開されていない。tikakaさんがスマホで撮影した画像をアップされていて、貴重な資料だ。なぜ公開されないのか。何かややこしい事情があるとしか思えない。
 気になっていた北側の地下入口だが、
・豊崎町第6架道橋と中津町架道橋は閉鎖される
・その西の能勢街道架道橋と中国街道架道橋は平面化される
 ことになる。
 天気がいいので、午後、現場をチェックに行く。
 ウチのすぐ北にある豊崎町第6架道橋。
  *
 地下鉄御堂筋線を過ぎたあたりから下りはじめ、このあたりはたぶん地表。
 西の中津町架道橋あたりは半地下、200メートルほどで地下にもぐり、能勢街道架道橋は普通の平坦な道になる。
 閉鎖される架道橋の代替施設は検討中という。できても歩道橋であろう。
 北西方向への散歩(佐伯祐三の生家、許永中の生家)は激減しそうだ。
 豊崎町第6架道橋で鋼材の「CARGO FLEET ENGLAND」マークを確認。この英国製H型鋼も消えゆく運命にある。
 もっとも、工事終了時におれが散歩できるかどうか、そもそも生きてるかどうかもあやしい。
 今のうちに(虚構として)爆破して廃墟にしてしまうべきだなあ。

6月27日(月) 穴蔵
 終日穴蔵。ボケーーーーッと過ごす。
 生産的なこと、なーーーーんもせず。正真正銘のタドコロ状態である。
 たまにはこんな日もある。嗚呼。

6月28日(火) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に目覚める。
 梅雨空。室温28℃。落ち着いた気分で本を読んで過ごすが、ともかく体がだるい。ほとんど寝そべったまま。
 雨がやんだので、午後、1時間ほど散歩。
 ジュンクドーで立ち読み、ヨドバシ経由、グラフロ西側の貨物線地下化事業の工事現場を見る。
  *
 田植えみたいであるなあ。津波がうめきたの新駅に流れ込む情景が目に浮かぶぜ。
 5000歩ほど歩いたら急激に体が楽になってきた。毎日歩かないといかんのだなあ。
 ということで、シャワー後、夜は専属料理人に和洋数皿並べてもらってビール、黒糖焼酎「れんと」水割り。
 また雨になったので、からっとしたパキートのキューバン・クラを聴きつつ。TicoTicoがよろしいなあ。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。

6月29日(水) 穴蔵
 羽ばたくつもりが、雨で外に出るのが面倒になった。
 終日穴蔵にて雨読。
 先日来、面白い本を色々と読んでいるのだが、感想を書くのがちょっと面倒になってきた。
 そのうちまとめて書くことにして、ビール、水割りを飲み、早寝するのである。

6月30日(木) 穴蔵
 梅雨空である。穴蔵にて、少しは仕事もするのであった、いと少なしを。
 本日の注目ニュース。
「巨人・原辰徳前監督の金銭問題報道、文春の勝訴確定」
 ちょうど4年前のけったいな事件である。
 読売ジャイアンツという職業野球の会社が週刊文春を名誉毀損で提訴、1審は読売の請求を棄却、控訴審でも棄却、上告したが最高裁は上告を受理しない決定をし、読売の敗訴確定。「巨人側は会見時、(原が恐喝されて1億円支払った相手が)反社会的勢力であることを把握していたが虚偽の説明をした」のである。
 ナベツネ、なんとかいわんかい。
 ただ、いちばん興味のある「原に弄ばれた女の日記」は闇に消えたままだ。漏洩者と原に名指しされた清武氏は抗議しなかったのか? 詳報が待たれる。
 運動不足である。夕刻に近い午後、少し晴れ間もあり、30分ほど近所を散歩。
 紫陽花が枯れはじめ、花の少ない時期だ。路地にムラサキクンシラン?
  *
 野々村竜太郎の生家前にも花は咲くのであった。
 判決まであと6日。
 ということで、無為に過ごした2016年の前半が終わる。嗚呼。


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