『マッドサイエンティストの手帳』768

●マッドサイエンティスト日記(2021年12月前半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり
 ・SF検討会(3日)
 ・大阪JAZZ@放出(12日)
 ・事始め(13日)


12月1日(水) 穴蔵/ウロウロ
 目覚めれば師走であった。米朝師匠も左京師匠も走ってはる……ような気がする。
 12月といえば事始めだが、もう米朝一門でも行われていない。山口組はどうなのか。寂しい年の瀬となりそう。
 昼、野暮用あって地下鉄で淀屋橋へ。某行のATMがここにしかないのである。30秒ほどで片づけ。
 せっかくなので本町あたりまでうろうろ。綿業会館あたりまで。
 ビルが解体されて(とりあえず)駐車場になっているところが多い。幾つかの新築ホテルも完成している(不運としかいいようがない)。
  *
 昔の勤務先も東隣は駐車場である(3年前に解体中であった)。
 本町(旧船場)は凋落していくのだろうな。ビジネスの中心は梅田に移り、市役所のある中之島、淀屋橋から南端はガスビルあたりまで。
 船場(本町から心斎橋の北側あたりまで)は古びた街並みに戻るのであろう。
 午後帰館。あとは穴蔵にこもる。
 ニュース雑感。
・舞洲の日立物流倉庫の火災。12/29 8:55の通報以来、2泊3日で燃え続け。鎮火の目途がたたないらしく、お手上げ。燃え尽きるまで何日かかるか。
・中村吉右衛門の訃報。わたくしと同年。染五郎の弟で、大学時代のタレント活動(たいしたことない)の印象だけが強い。人間国宝になっていたのだ。兄貴との関係を聞いてみたかった。

12月2日(木) 穴蔵
 未明にゴミ出し(わが家庭内の唯一の役割である/洗濯・掃除は専属料理人が行う)のついでに、コンビニで週刊文春を買ってくる。
 弥富市の14歳(中3)の同級生刺殺事件について、記事の見出しが気になったからである。
「愛知中3刺殺  SF好き14歳がキレた生徒会と修学旅行」
 これを「総力取材」している……らしい。
 読んでみたら、祖父の「とにかく本が好きで、『ハリー・ポッター』をよく読んでいたようでした」という証言があるだけ。
 ハリー・ポッターはSFか?
 修学旅行がどう殺意に結び付いたのかもさっぱりわからない。「総力取材」しても何もわからなかったらしい。
 ジュンクドーで立ち読み5分で済む記事であった。
 コンビニが雑誌をテープで「封」し始めてから、コンビニには行かなくなったなあ。たまに買ったらこれ。もう週刊誌は買わない。
 終日穴蔵。
 夜はBSで『座頭市と用心棒』を見ながら一杯。
 久しぶりに見るが、喜八作品としてはテンポがゆるいなあ。

12月3日(金) 穴蔵/SF検討会
 眠り浅く、目覚めれば6時半であった。2時間以上の寝坊。
 別にどこかに迷惑かけるわけでもなし、いいではないか。
 穴蔵でボケーーーーっとしていたら、9時28分、とつぜん床が揺れだした。本棚が左右に20秒ほど揺れるのが不気味だ。
 テレビつければ、御坊市で震度5弱、大阪は震度2らしい。
 ついでに朝6時半頃に山梨でも震度5弱の地震があったことを知る。
 やはり本棚の上に支柱を入れるべきか。本を全部実家書斎に送るか。いっそ処分するか。
 いろいろ迷っているうちに、たちまち夕刻。
 かんべむさしさんが「神の河」ぶらさげてやってきた。
 久しぶり(実に2年ぶり)に、定員2名内容非公開の忘年会的SF検討会を開催する。
 換気しつつ、コタツの対角線の距離をおき、飛沫に注意して、「チャーチャン型湯豆腐」など並べてビール、湯割り。グダラグダラと3時間ほど。
 内容非公開といいつつ、「かんなみ新地」から拡大する話題になると興奮してくるなあ。やはりこれは書かねばならぬのだ。
 2年ぶりだが、ほどほどに切り上げ。
 オミクロン株が拡大しないことを祈るばかり。
 こういうイベントは2月に一度くらいのペースはやらねば、耄碌が急速に進んでしまう。

12月4日(土) 穴蔵
 晴。穴蔵にいる限り、穏やかな小春日和である。
 急に(非SF系の)雑事が増えた。
 播州龍野の某店舗から電話があり、来週はじめに行った方がいいようで、そうなると関連して片づけるべき年末の処理事項が10件ほど。
 龍野へ行って、1件10分、移動10分で片づけるための準備を行う。
 ついでに、ちょっと早いが確定申告の準備も。
 どうもSF系で行き詰ると、こんな作業が楽しくなるような。
 たちまち夕刻。
 専属料理人が並べた数皿で一杯やりつつ、BSで『ブレードランナー』(ファイナル・カット)を見る。
 40年ほど前に見た作品とどこがどう違っているのか、まったくわからない。
 ただ、阪急東通商店街は(ロケしたわけじゃないけど)当時に比べるとおとなしくなったような気がするなあ。

12月5日(日) 穴蔵/zoomランチ
 日曜である。肌寒いのであった。
 午前、専属料理人と天八のスーパーへ出かけ、ポーター役をつとめる。
 少しはお役に立つのであった。
 昼、穴蔵にて、PC前にタコヤキやヤキトリやサラダなど並べ、横浜のボンクラ息子その1一家(犬も勘定にいれます)とzoomランチ。
  *
 今度の正月も帰省は見合わせということで、こういうことになった。
 ごく日常的な話題ダラダラ。
 向うには、近所に「OKストア」があるそうで、どんな店なのか訊くと、安売りだが「玉出」ほど凄まじい店ではないらしい。
 関スパがH2Oとの統合に失敗しても、市民としては、どちらでもいい話のようである。
 ……というような、どうでもいい話題を1時間ちょっと。
 昼間からけっこう飲んでしまった。
三遊亭圓丈の訃報。11月30日、心不全で。76歳。
 ……「新作落語のカリスマ」とあるが、名著『御乱心』(落語協会分裂と、圓生とその弟子たち)の著者と書くべきだろう。これで三島事件と並ぶ昭和の大事件は多くの謎を残したまま幕引きである。
 時代は変わっていく。

12月6日(月) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 冬至が近く、大阪を出るときは真っ暗、須磨あたりでやっと明るくなってくる。
 9時前に到着。たつの市東端のまるさん自動車で車検の終ったワゴン受け取り。
 あと市内6箇所をちょこまかと移動する。先日きちんと準備しているから、それぞれ10分ほどで片づく。
 実家にも2時間いたが、書斎〜居間〜庭〜裏庭〜書庫〜倉庫と居場所が変わるため、暖房をつけるわけにはいかない。
 いずれにしても年内にもう一度来る必要がありそうだ。
 14時過ぎに一応予定していた10件ほどが片づいたが……体が冷え切ってしまい、紅葉がどうか、龍野公園へ行く気にもならない。
 さっさと帰阪することにする。
 姫路駅で「えきそば」。眉村さんを思い出す。
 夕刻に帰館。
 久しぶりに入浴。
 専属料理人の並べた粗食5皿(鉢)でビール、熱燗。
 早寝させていただく。

12月7日(火) 穴蔵
 未明から雨が降りつづく。
 不調である。昨日の反動か。体を動かす気分になれず。
 終日穴蔵。コタツで雑多な資料を読んで過ごす。
・関スパとH2Oの統合……大阪高裁が神戸地裁の決定を取り消し(要するに株主総会の結果が成立)。関西に「オーケー」ができないのはちょっと寂しい気もする……などと思っていたら、オーケーは最高裁へ抗告の意向という。へえ。オーケーの執念も凄い。わたくしはどちらでもよろしいのだが。
 たちまち夕刻。
 専属料理人が、翁豆腐、ハンバーグ、キャベツ煮込み(新大豆が出てなんたらとか)を並べた。
  *
 標準的なメニュー。これでビール。あと、中本酒店格安ワインにブルディガラの三日月パン半分が出てきて、まあまあとなった。
 早寝させていただく。

12月8日(水) 穴蔵/ウロウロ
 曇って寒風強し…の予報だったが、昼前から晴れてきた。風もなし。
 郵便局、ジュンクドーへ行ったついでに、散歩。中崎町を抜け、天五商店街へ。
 久しぶりに青空書房の前を通る。
 青空書房の閉店は2013年末であり、その後に「黒崎水産」「あっ韓」という、正体不明の居酒屋が入ったが、2017年3月に改装して、4月「お魚と生パスタのお店」というお店に変わった。あまり客が入ってないと思っていたら、「西洋料理プーサン」に看板が変わっている。
  *
 屋号を変えて、パスタから「洋食」へということらしいが、好みではないな。
 寄るのはもっぱら(坂本さんと仲のよかった)向かい側の「信州そば」の方である。
 もう少し粋な店にしてくれたら贔屓にしてもいいのだが。
 プーサンの健闘を祈る。
 ……と、本日は「信州そば」にも寄らず、天五の某部品店に挨拶に寄り(三ツ星のカレンダーは貰えなかった。部品購入はもうほとんどないからなあ)、天六経由、豊崎長屋前を通って帰館。7,900歩になった。
 昼は自宅できつねうどんを食す。
 まだ外食気分にならないのである。

12月9日(木) 穴蔵
 久しぶりに快晴である。
 終日穴蔵。
 窓際のコタツであれこれ読みつつ、居眠り状態で過ごす。
 不調とか気合が入らないではなく、耄碌なのであろう。生産的なことは何もできず。
 これではいかんので、午後、近所の公園をヨレヨレ状態で15分ほど散歩。
 いかん、ヨレヨレのおっさんを襲名してしまったような気がする。
 遅い秋。公園のモミジがようやく紅葉となった。
  *
 タワマンで日照時間がほとんどなくなったせいかもしれぬ。
 ニュース雑感。
松尾留与(11/19 稲美町の放火・甥っ子殺人)は鑑定留置という。また裁判までの時間がかかることよなあ。
 そういえば、わが生活圏での人殺し、逮捕後の続報がないが、どうなっているのか。
 宮本浩志(6/14 天五のカラオケパブのママ殺人)はもう半年になる。否認していたはず。森本恭平(10/15 尼崎の元妻刺殺)も起訴はされてるのではではないか。
 世間は忘れかけているのではないか。心配になってくる。

12月10日(金) 穴蔵
 薄い雲がかかっているが(外はたぶん)穏やかな小春日和(←12月だから不適切だが)のようである。
 終日穴蔵。
 健康にはよろしくないとわかっちゃいるけど、出歩くのが面倒である。
 色々読むが、SF系に関しては、生産的なことなにもできず。嗚呼。
 たちまち夕刻。
 わたくしがあまり動いてないのを知ってか、専属料理人が並べたメニュー、野菜系ばっかり。
  *
 これはこれで結構な。ビール、あとブルディガラの三日月パンでワインも少しばかり。
 早寝させていただく。明日は色々動かねば。

12月11日(土) 穴蔵/ウロウロ
 薄い雲あるものの、穏やかな小春日和。昨日と同じと書けばいいじゃねえか! はい、その通り。
 午前、専属料理人のポーターをつとめて飲料を自転車で運搬。そのうち通販に切り替えだな。
 中本酒店が諸般の事情で(推測含めて書き出すと長くなる)ビールの販売をやめて1年くらいになるのかな。
 ま、色々とたいへんである。
 引き続き、自転車で十三往復。
 久しぶりに十三大橋を渡る。
 大橋の下流も堤防は通行止め。堤防の南側は左岸線工事でごったがえし、北側(河川敷)は豊崎方面の堤防工事に連動してダンプが走り回っている。
  *
 おそらく海老江あたりまで、淀川堤は歩けそうにない。
 この状態は(左岸線は2026年完成予定だが、関連工事があるから)10年ほどつづくのではないか。
 淀川堤を歩くには、毛馬の上流まで行かねばならず、徒歩では無理になりそうな。
 午後は穴蔵。
 床に積み上げた本の整理……置き場所を変えただけか。露出床面積は変わらず。
 肉体労働がメインの日であった。

12月12日(日) 大阪JAZZ@放出/旧友交歓
 昨日と同じく小春日和。
 昼過ぎに出て、放出のディア・ロードへ。
 大阪JAZZ同好会の例会開催である。
・特集はYさんによる「追悼 チック・コリア」……スタン・ゲッツとの初期作品から、バド・パウエルの曲を中心に演奏したアルバムから「Bud Powell」という曲まで。79歳はまだ若いなあ。
・Fさんによる新譜紹介。CDショップに寄る機会が減り、新譜購入が激減した今、ありがたい企画である。
・持ち寄りは「マイ・ベスト・ドラマー」。わたくしが持参したのはむろん世界一のドラマー・森山威男の「See-Saw」と、その森山さんが「完璧なドラミング」と評価する「OVERSEAS」(Elvin Jones)。
 他には、Art Taylor やRoy Haynesなど渋いところが色々。
 Hさんが紹介したジーン・クルーパの「証城寺の狸囃子」は知らなかった。「本格的ジャズ」ではないか。アーサー・キットのは知ってたが。
 30分ほど早めに失礼する。
 夕刻、懐かしい友人来阪のため。
 前の勤務先で同期入社だったNくん(入社直後に富山の田舎へいっしょに実習に行った)が、久しぶりに訪ねてきた。25,6年ぶりではないか。
 ビール飲みつつあれやこれや。
 たちまち3時間半ほど経過。
 まだしゃべり足りない気分だが、Nくんは明日早朝からゴルフという。
 また機会はあるだろう。

12月13日(月) 某年会
 事始めである。
 京都で井上流、神戸で山口組、大阪ではSF流がひそやかに執り行う。
 こういうワインが出てきた。
  *
 まあまあ結構な。
 ちょっと暗いニュースもあり、どちらかといえば静かな会となった。

12月14日(火) 穴蔵
 晴。外は風が冷たいらしい。穴蔵におれば小春日和。
 終日穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。ボケさらに進行すべし。嗚呼。
 午後、静岡の義弟Kくんから静岡の銘酒が届いた。
 夜はそのうちの1本「杉錦」をぬる燗でいただく。
 これが京都の友人からいただいた「すぐき」との相性抜群である。
 あ、飲むのに熱中して、写真撮るのも忘れてしまった。
 ここ数日、旨い酒とアテの日々。こにな贅沢をしていていいのだろうか。いいのである。いいではないか。
 正月にかけて、こんな日がつづく……のであろう。

12月15日(水) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ向かう。
 本竜野に8時38分着、さすがに寒いのであった。
 実家にてシルバーセンターに依頼していた作業の立ち合い。
 家屋の一部に損傷発見、工務店に連絡して調べてもらう。
 その他、近所でも工事をやっていて、周辺、クルマの出入りがやたら多い。
 室内に暖房してじっとしているわけにいかず。
 体が冷え切ってしまう。
 昼……龍野公園へ行って30分ほど休憩。
  *
 紅葉は終わり、人がいないのが何よりである。
 夕刻に近い午後の電車で帰阪。
 年内、もう一度行かねばならぬようである。
 ともかく入浴。
 あとは杉錦で温まる。


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