『マッドサイエンティストの手帳』763
●マッドサイエンティスト日記(2021年9月後半)
主な事件
・神戸新聞文化センター(17日)
・創サポ講義(25日)
9月16日(木) 穴蔵/ウロウロ
日付が変わった頃に目が覚めてしまう。
朝まで資料を読んだりメモをとったりして過ごす。
夜が明けてきた。
薄い雲がかかっているが、ほとんど晴。台風14号は東シナ海でずっと停滞しているらしい。
昼前に出て、人通りの少ないグラフロ西側を抜けて、西梅田の某院へ。
こちらは半年に1回の検査。
諸数値に異常なし。ほっ。
ただし、心筋が衰えてはいかんから、ともかく歩くことを勧められる。お上のいいつけを守って外出自粛していてはいかんのだ。
年に1回でもいいが、念のため、次回は来年3月ということになる。
帰路……大阪駅の西側(中央郵便局と改札口、新駅との連絡通路など)の工事が派手に始まっているが、概観できる場所が見当たらない。
西側通路にガーやん多し。
ステーションビルの風の広場まで上がってみるが……こちらからは西南方向は見渡せなし。
北側に大きな変化はなし。地下工事が進んでいるのだろう。
*
午後はどんよりしてきた。
天空の農園への階段は閉鎖されている。
また後日に歩くことにして、本日は貨物線工事現場に沿って帰館。
久しぶりに6,500歩を超えた。
9月17日(金) 神戸新聞文化センター
夜中に目が覚め、朝まであれやこれや。
本日も曇天なり。
昼前に出て、阪急神戸線で兵庫県に越境し、三宮、神戸新聞文化センターへ。
最上階から西の方向を望む。
台風14号が接近中というが、六甲山系、意外に明るい。
*
KCC講座である。
エッセイ5篇、短篇3篇。
エッセイは時節柄、コロナ禍と五輪の話題が多く、切り口が全部違うから、どうしても議論が長くなる。1篇、シンボルスカの詩から老いを語るエッセイ……沼野充義訳で、この詩人はまったく知らなかった。
短篇は多彩。娘の母乳の出が悪いために「人工乳母」を導入する「強い母親SF」、再婚した父と娘の微妙かつ複雑な関係(書き方を変えれば「小説『私小説』」みたいな展開も可能と、余計なアドバイスまでしたが、これは題材のユニークさのせいである)、新コロナ禍と五輪に対するマスコミ報道の「変節ぶり」をProbabilityに拡大した時事ネタSF。それぞれ面白く、コメントしたいこと色々あり、やや時間切れとなる(本日は、後の講座が控えていたため/制限なれれば、あと1時間ほど延長したかった)。
ささっと大阪府に再越境して帰館。
夕刻、小雨が降り出した。
晩酌時の台風14号の予報。
北九州をかすめて東進。予想進路は中央構造線とほぼ同じである。大阪最接近が明朝か昼前? 昼の予報では夜中だったはずが、ずるずる遅れている。
カウスじゃないけど「やるんなら早よやってちょうだい」といいたくなるぜ。
ベランダ側、戸締り確認の上、早寝させていただく。
9月18日(土) 穴蔵
夜中に目が覚める恒例パターン。
台風14号は四国通過中らしいが、小雨、風はなく、静かなもの。
6時頃に有田市付近に上陸、紀伊半島を横断。大阪は晴れてくる。
世間は本日から3連休。
台風がらみでニュース見ていたら、何度か「シルバーウィーク」という言葉を耳にする。
ふだんテレビは見ないから知らなかった。敬老の日と秋分の日が近く、休みがつづくので、だいぶ前からそう呼ぶらしい。
それでは11月初めの連休は、今は何と呼ぶのか。どうでもいいか。すべては映画が衰退した結果だろう。
本日は肉体労働の日。
水分系(ビール、酒、炭酸水など)の買い物は基本的にわが担当なので、タカセなど自転車で往復。
あとは穴蔵にて過ごす。
たちまち夕刻。
台風14号は静岡あたりで熱低となる。
*
爽やかな夕焼け……とはいかないが、ま、明日は晴れるであろう。
専属料理人に数皿並べてもらってビール、酎ハイ。
早寝させていただく。
9月19日(日) 穴蔵
曇天。台風一過でスカッとした秋晴れとはいかず。
午前、本日も肉体労働の日。歩いて天六往復。専属料理人の買い物のサポートである。
久しぶりなので周辺ウロウロ。天神橋筋商店街は人出が多いので避けて、本庄東あたりの路地。
おや、北浦酒店が8月2日〜9月30日まで、完全休業である。
本業たる「酒屋」もあっさり休業してしまうとは、潔いというか……
よく見ると、貼紙の休業期限が、8/31→9/12→9/30と修正してあるのも痛々しい。
*
今まで書いたことがないが、ここはカクウチの名店。時々のぞく、わが「秘密の店」である(常連ではない/しかし常連連中、いつも暖かく、かつ距離を置いて迎えてくれる/客筋も含めていい店なのである)。
周辺で深夜まで堂々と営業している店を見て、歯ぎしりする思いであろう。
北浦酒店に栄光あれ。
昼前に帰館。
6,000歩を超えた。
昼、久しぶりにボンクラ息子孝行息子一家(犬の勘定に入れます)とzoomランチ。
朝のメールで「寿司を買ってくる」とあったので、こちらも合わせて寿司を買ってきたのである。
サブメニューが枝豆、だしまきと、これも同じ。
身辺のこと色々しゃべりつつ、盛大な昼宴会になってしまった。
9月20日(月) 穴蔵
薄曇りの空、9時頃から秋晴れになった。
世間は3連休の最終日、老いぼれ記念日である。
穴蔵にて資料を読んで過ごす。
午後、やはり歩くことにする。この2日ほど、体調がいいように思えるからである。
お代官様の町民への仰せつけより医者の意見を優先することに。
年貢はきちんと納めておりますので、どうかご容赦を。
近所の人通りのない路地を40分ほど。約4,000歩。
*
彼岸花が咲いている。
野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。
たちまち夕刻。
専属料理人の並べた豚キムチや人参に明太子をまぶしたのなどで焼酎湯割り。
老人の日のメニューとは思えんな。
9月21日(火) 穴蔵
秋晴れである。
朝、近所の某院で定期健診。ごく正常な数値であった。
あとは穴蔵。
昼過ぎに散歩に出て、ジュンクドーまで。茶屋町から阪急梅田の方向は、明らかに人出多し。
危ないので引き返し、本日は3,000歩足らず。
たちまち夕刻。
本日は「中秋の名月」であるそうな。
夕刻から曇ってきたが、雲の間から時々満月が見える。
*
ま、月より冷酒である。
時々東の空を眺めつつ、数皿並べて「驚愕の6冠」をグビグビ。数字が正常だったから、安心して飲める。
昼間の散歩、夜の晩酌こそが、正常な生活パターン(早寝早起き)の基本である。
9月22日(水) 穴蔵
予報は曇/雨であったのが、(雲はあるが)秋晴れである。
終日穴蔵。
たいして生産的なことはできず。嗚呼。
夕刻に近い午後、散歩に出ようかと思ったら、急に暗雲立ち込め、雨となる。
天の悪意か。
夕刻、歩いてる人間は傘を差し、夕映えの上空に青空が混在する、ややこしい空。
*
変化する空を眺めつつ、専属料理人の並べた数皿でビール、ワイン。お楽しみはこれだけだ。
20時15分〜NHK「ええトコ」という番組を見る。
うまいもの番組で「たつの」特集。
室津のエビ、新舞子のとうもろこし、竹田農園のトマト、カネイの薄口醤油、新宮の農家(米、野菜)。
悪い番組ではないが(竹田のトマトはよく利用するよ)、醤油以外は揖保川町と新宮町で、「たつの」だけど「播州龍野」ではない。田舎ばかりではないか。
……と、わしもひがみっぽくなっとるなあ。
早寝させていただく。
9月23日(木) 穴蔵
秋分の日である。
世間は休日なので、こちらも付き合って休日とする。ドタマは毎日が日曜日であるが。
その割りに雑件多し。連絡事項色々。播州龍野の墓参りは西宮の身内がクルマで行ってくれたようである。
少しは動かねばならぬ。
彼岸には淀川堤から落日を定点撮影することが多かったが、左岸線の工事で、もうダメである。
夕刻に近い午後、ジュンクドーまで。
茶屋町から梅田方面、えらい人出である。梅田芸術劇場の出待ちか?
緊急事態解除ムードなので、書店をちょっと覗いて引き返す。
帰路、新御堂の鶴野町交差点・北西角近くにある「御神木」の根元に、あらぬことを大声で喚き散らすおっさんがいる。
*
御神木に向かって喚いてたら、今度は座り込んで、スマホ見ながら喚き出した。
マスクしているが、顎までおろしている。イヤホンはしてない。どこかおかしい。
先日の「寝そべりおっさん」ではないような。西公園の「ヨレヨレのおっさん」でもない。
近所におかしなおっさんが増えてきたなあ。
そのうちおれも仲間入りか。嗚呼。
9月24日(金) 穴蔵
秋晴れ。
午前。穴蔵にて資料を読んで過ごす。
平日である。
明日からまた土日の休日となるので、午後、茶屋町まで歩く。
ATMと郵便局。幸い人出は(昨日に比べて)少ない。
ジュンクドー覗き、東に歩き、鶴野町の食品スーパーに寄って、役割分担である飲料約4キロを買い込み、JR沿いに北へ。
A先生の研究所横を通過。ツタが屋上まで達した。
*
本日は書斎棟で仕事をされているようである。
見習わねばいかんなあ。
おかしなおっさんには出会わず。
散歩コースとしては西南方向がいちばんいいようだ。
9月25日(土) 穴蔵/創サポ講義
秋晴れである。
終日穴蔵。資料を読んで過ごす。
夕刻に近い午後、ややこしい音声が聞こえてきた。
第4土曜……近所の公園まで出てみると、案の定、梅田解放区の集会である。
*
正体不明の団体6名で集会。警官4名、私服らしいのが2名。ご苦労なことである。
以前の垂れ幕は「アベやめろ」→「スガやめろ」だったが、今はどうかと見ると、手書きのプラカードで「無能府知事」とあった。
4名を連記して「なるな」ではないらしい。
来月が楽しみな。
18時〜創作サポートセンターの講義。zoomで行う。
SF2篇と非SF2篇、計4篇。
・小型ロボットを飼っている老人の「ちょっと不思議な生活」の背景が次々と明かされていくにつれて、ポスト・シンギュラリティの世界が浮かび上がってくる短篇。
・前世紀の遺物(廃宇宙船やデブリ)が漂う空間で解体作業に従事する青年には、遥か彼方の宇宙空間に浮かぶ巨大加速器での研究員という前歴があった。廃船の「爆発」を阻止しようとふたつの組織が連携する宇宙SF。
SF2篇、軽いタッチのAIと重量感のある宇宙空間オペレーションと、対照的な佳作。
・器量よくなく手先は不器用な少女の、江戸市井を舞台とする世話物。
・器量よくなく手先は不器用な少女の、アルプス麓を舞台とする「羊飼いの少女」。
非SF2篇は、作者の作中人物への思い入れが対照的な佳作。
面白い作品が面白いかたちで集まったものだと思う。
ちょっと遅めの晩酌。
早寝させていただく。
9月26日(日) 穴蔵
朝だ。雨が降っている……が、すぐ曇天となる。
終日穴蔵。
特に生産的なことはできぬまま。
夜、テレビで『007 スペクター』を見る。ダニエル・クレイグ版ははじめて見る。
人間ボントを描いているらしく、マジメに作っているだけに、(相変わらず超人的な)アクション・シーンとそぐわない……というか、殺人シーンが楽しめないのである。
数十人を簡単に射殺してしまうが、敵の子分どもにも、それぞれ何十年の人生があったろうにと思ってしまう。
イアン・フレミングはこんなこと考えてなかったと思うぞ。
9月27日(月) 穴蔵
平日なのであった。
2時頃に目覚めて、朝まで、本を読んだりウトウトしたり。
5時に朝食。
午前、一応机に向かうふりをする。アタマ働かず。またベッド。3時間ほど眠る。
昼は専属料理人が作った鴨だし蕎麦で冷酒一杯。うまっ。
午後も、一応机に向かうふりをする。アタマ働かず。
断続的にニュースを見る。
たちまち夕刻。
専属料理人の並べた数皿で晩酌。
枝豆、ヤッコなどに、鯛の炊いたんの妖女? アクアパッツァではないらしい。
*
ビールのあと、白ワイン、ブルディガラの三日月パン……お楽しみはこれだけだ。
ニュース雑感。
・白鵬が引退。
やっと、か。白鵬を土俵に叩きつける「世代交代の儀式」が見られなかったのが残念だが、残りはふがいないやつばかりだからなあ。せめて白鵬に張り手をかますやつはいなかったものか。大相撲の破壊者。ゆめ「死んだら神様」みたいに美化してはいかんぞ。
・岩田が今期で引退 ?
阪神で知る数少ない選手であった。近所の針灸院へ来るひとりで、公園で投げるのは岩田だけであった。もう来なくなるのであろうか。
・小室圭が帰国。
顎が小さくなったのか? マスクが大きいだけか。横浜の「自宅」にこもるらしい。2週間、憶測報道で喧しいことである。
9月28日(火) 穴蔵
深夜に目覚め、睡眠状態例の如し。
曇りて微雨あり。終日穴蔵。
たちまち夕刻となる。
専属料理人の並べた数皿で晩酌。
*
肉片にサクサクしょうゆアーモンドを乗せたのでワイン少しばかり。
お楽しみはこれだけだ。
9月29日(水) 穴蔵
深夜に目覚め、睡眠状態例の如し。
眠いとかアタマが働かないとかは、もう書かないことにする。
晴のち曇。終日穴蔵。
・朝知ったニュース。
9月7日に報じられた、近所で起きた「コンサルタント会社の新入社員3人が研修初日(7月17〜18日)に知人女性を朝まで監禁、性的暴行を加えて逮捕された」事件。
大阪地検は「諸状況を考慮した」結果「起訴猶予」として、22日に保釈したという。16泊の拘置か。
気になるのは「新入社員の女性を大阪市内のマンションに連れ込んで性的暴行を加えた」と報じている点。
被害者は同じコンサルタント会社の新入社員で、示談成立ということか。よくわからんニュースであった。
・夕方のニュース。
さいとう・たかを氏の訃報。24日午前10時42分にすい臓がんで死去。84歳。ゴルゴ13は分業体制で連載をつづけるという。
台風五郎以来のファンであった。
ゴルゴ13は、 初期の(まだ超人でない時代の)小池一夫やK・元美津の脚本作品が好きだったなあ。あとの船戸与一脚本もいいけど。
さすがに今世紀になってからは間が開きだしていた。近年さいとう氏は外れていたのかも。
・総裁選もあったような。
9月30日(木) 穴蔵/ウロウロ
相変わらず不規則パターン。
緊急事態宣言解除で、明日から人出が増えそうだから、本日動くことにする。
昼過ぎに出て、地下鉄で西長堀の中央図書館へ。
地下鉄御堂筋線、梅田〜難波では、立ってる客が数人(!)いて、前に乗った時(3月ほど前か)より明らかに多い。
図書館は空いていて、ほっ。
1時間ほどいて、あと近所を散歩。
*
久しぶりに細野ビルヂングの佇まいを眺める。
その前から地下にもぐり、帰路は緑地線で心斎橋〜四ツ橋線で西梅田。
某ハウスを見るとガラガラだったので散髪。10分。中央郵便局に寄り、グラフロ西側の道を抜けて、歩いて帰館。
久しぶりに6,000歩を超えた。
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