『マッドサイエンティストの手帳』631
●マッドサイエンティスト日記(2016年6月前半)
主な事件
・独居老人生活
・ラスカルズ@ニューサン(4日)
・独居老人生活しばらく中断(9日)
・便所ゲタ会見(10日)
・創サポ講義(11日)
・大阪JAZZ同好会(12日)
・播州龍野いたりきたり
6月1日(水) 穴蔵
目覚めれば6月なり。
終日穴蔵にて仕事に勤しむ。
タイムマシン関係3時間。
SF系(資料読み含む)6時間。
家事(専属料理人が不在だからなあ)2時間。
近所ウロウロ1時間。
たちまち夕刻となる。
岐阜産の枝豆その他色々並べて独酌。
DVDで「ポイント・ブランク」を見つつ。やはり傑作であるなあ。
楽しきかな独居老人生活。
寝る。
6月2日(木) 穴蔵
目覚めれば6月2日なり。
終日穴蔵にて仕事に勤しむ。コンビニへ弁当を買いに行く以外、出歩くこともなし。
たちまち夕刻となる。
夜は岐阜産の枝豆その他つまらんメニュー並べて独酌。
独居老人の食生活描写では筒井康隆『ヘル』が抜群で、冷麺が(あとの肛門描写も含めて)うまそうだった。
鶴橋冷麺の買い置きはあるのだが、本日のメインは冷凍オムライスでワイン。
チャンバラで雷蔵の『斬る』を見ながら。
21時過ぎ、2日遅れだが、南東の空に赤い惑星を見る。
早寝するのである。
6月3日(金) 穴蔵/ウロウロ
朝から机に向かって過ごす。
天気がいいので昼前に散歩に出る。
うめきた西回りコース。
ニュースでは「うめきた2期区域で今年10月から来年3月まで緑の迷路などを含む庭園(うめきたガーデン)をオープンする」という。
*
うめきた2期区域北端。
ここで始まっている工事は旧梅田貨物線の地下化工事である。
よくわからんのが、どこから潜り込むかで、「豊崎6丁目から」と発表されているが、新御堂筋より東はありえまい。地下鉄御堂筋線とぶつかるからである。
どうやらウチのネキあたり(地下鉄中津の少し北)らしいが、「豊崎町第6架道橋」が残るのか廃止されるのかが最大の関心事である。
スカイビルを経て、稲妻屋で昼飯。
*
南側の某地点から定点観測。
このあたりは当分このままのはず。ただの原っぱのまま開放してくけるのが面白いのだが。
6月4日(土) ラスカルズ@ニューサン
終日穴蔵にて資料を読んで過ごす。
曇天、肌寒いほどで、夕刻から小雨が断続的に降る。
入梅らしい。気象庁は責任逃れで、近年は「梅雨入りした模様」としかいわないからなあ。
夜、久しぶりにニューサンへ。
河合良一さんが6月中旬から1ヶ月以上のヨーロッパツアーに参加ということで、しばらくの聴き納めである。
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カウンター角の席にて2、3ステージを聴く。
隣り合った方としゃべっていたら、60年前に(学年は違うが)同じ学舎で学んでいたことが判明。
びっくりするなあ。
ちと飲み過ぎてしまった。
6月5日(日) 穴蔵/ウロウロ
朝から梅雨。肌寒い。穴蔵にて資料を読んで過ごす。
午後には薄曇りから晴れ間もあり、午後4時頃には快晴となった。
昨日「梅雨入り」といったばかりの気象庁、梅雨入りを「宣言」をしたがらぬはずだな。
散歩に出る。
東北コース、豊崎神社〜本庄公園〜淀川堤を長柄橋方向へ。
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あと3、4日、独居老人生活となりそうなので、天八のスーパーで食材を買って帰館。
ということで、夜は、枝豆、ヤッコ、鰆の煮付など健康的メニューでビール。
イカの一夜干しでBEER SPIRITS「独歩」水割りを飲みつつテレビを見る。
21時〜NHK「北朝鮮“機密ファイル”」。久々に面白いテレビ番組である。
2年前に「300万円」で買ったUSBメモリーのファイル、だいたいその後に報道されている諸々の記事に沿うものだが、「金三胖」の断末魔を予見させ、なかなか説得力がある。
6月6日(月) 穴蔵/ウロウロ
気象庁は梅雨入りした「らしい」というが、本日も晴天なり。
朝、掃除洗濯などして、あとは机に向かう。
昼過ぎ、信州そばへ行ったついでに、近所を30分ほど散歩。
*
東洋ホテル(その後ラマダホテル/さらにゴーストビル)の解体工事が大詰めで、ほとんど更地になった。
ここのロビーと喫茶室は待ち合わせ・打ち合わせに便利だったのだが。
西側の旧世界長ビルは去年からタワーマンション。
南側の旧三井アーバンホテルはマンション工事開始。
田中啓文氏説では「上方SF」にもっとも大きく影響したのが万博だが、プラザといい東洋ホテルといい、万博の遺産は消滅していくのである。
何事も半世紀が区切りか。
午後も穴蔵。
16時から舛添の「第三者による」調査報告の会見中継を見る。わ、出てきたのは「マムシの善三」ではないか。
6月7日(火) 穴蔵
曇天、昼前から断続的に小雨。やっと梅雨空となった。
穴蔵にて資料を読んで過ごす。
午後、雨のやんでいる間に2000歩ほど散歩。
食品スーパーで出来合のサラダと冷凍のパエリアなど買い、中本酒店に寄って格安ばかうまワインを買って帰る。
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市営住宅の路地に百合。
野々村竜太郎の生家前にも花は咲くのであった。判決まであとひと月である(7/5)。
ということで、夜は並べるかチンするだけのメニューでビール、ワイン。さすがに飽きてきたなあ。
神様ルイスの「Plays Hymns」を聴きつつ。
愛聴曲「Lily of the valley」、60年代には「谷間の百合」と紹介されていた。
ただ、Lily of the valleyは「すずらん」である。
バルザック作品の影響であろうか。バルザックの原題は「Le Lys dans la vallee」で、「谷間に住む白い百合のような貴婦人」が登場する。ニューオリンズはフランスが統治していたのだし、となると、この曲の起源は「すずらん」なのか「バルザック」なのか、賛美歌だから同根なのか。柏木教授に尋ねてみることにするか。
と、こんな話題、野々村竜太郎はまるで関心外だろうな。
6月8日(水) 穴蔵/豊崎町第6架道橋
またも晴れた空そよぐ風。梅雨、どこ?
穴蔵にてまじめに机に向かう。
ニュースを断続的に見るが、相変わらずの舛添セコ一叩き。
それにしても「日本でいちばん頭がいい」と自負しているはずの男が罵倒に耐えてハゲ頭を下げつづけるというのは信じがたい光景だ。都知事の利権はそれほど凄いってことなんだなあ。「わしなら上の池へドボッと飛び込むがのう」(枝雀「雨乞い源兵衛」)……大阪市民としては、どうでもいいことだが。
午後、郵便物発送の必要あり、散歩を兼ねて、スカイビル北側の中央郵便局まで梅田貨物線沿いに歩く。
うめきた2期区域工事で、わが最大の関心事は、豊崎側のどこから線路が地下に潜るかである。
*
細かくは、ウチからいちばん近い、高さ制限1.4メートルの架道橋が残るかどうかである。
正式名称は「豊崎町第6架道橋」という。
抜けるときにちょっとアタマを下げる必要があるが、地下鉄中津と北側の市営住宅やリバーサイドコーポを結ぶ、歩行者の幹線道路でもある。
「豊崎町」という表記が気になって(今は単に「豊崎」)調べると、もともとは西成郡豊崎町、これが豊崎通に変わったのが1927年、梅田貨物駅の開設が1928年なので、工事中に豊崎町第6架道橋という名称が決まり、完成したときには「豊崎町」ではなくなっていたということか。
それなりに由緒ある架道橋なので、なんとか残してほしいと思う。
6月9日(木) 穴蔵
曇天で朝は涼しく、午後に晴れ間もあり、やがて快晴となる。
理想的な天気である。梅雨、どこ?
終日穴蔵。きちんと机に向かい、少しは仕事もするのであった、いと少なしを。
夕刻、専属料理人が3週間ぶりに帰館。
ということで、夜は久しぶりに静岡メニュー。
*
静岡産枝豆、しらすおろし、ナマ生姜のなんとか味噌、くろはんや白身天、わさび漬け、ヤッコなどでビール、格安バカうまワイン。桜エビの季節は終わったそうな。
早寝するのである。
6月10日(金) 穴蔵/便所ゲタと連隊旗の会見
早朝からマジメに机に向かう。7時過ぎから穴蔵に日が射し込み、室温30℃を超える。
今期はじめて扇風機を使用する。
9時過ぎれば快適。扇風機は切る。エルゴヒューマンの椅子から離れることなし。
昼は「自宅」へ行き、掻き揚げなど載せたぼっかけうどん。うまっ。
午後も穴蔵。室温30℃で快適なり。外は真夏の日照りである。梅雨、どこ?
*
野々村竜太郎の生家(↑写真内にあり)にも日は照りつけるのであった。
テレビで舛添の「定例会見」を見ようとしたら、なんだかおかしな会見ラッシュである。
まず、ベッキーという「不倫報道でしか知らない」タレントの意味不明会見。
引き続き、三遊亭楽太郎の「昼間から錦糸町でシケコミ」釈明会見。これは巧言令色を絵に描いたような見事なもの。三枝とえらいちがいだ。円楽と文枝、芸でも大差がついてしまったなあ。
ということで、9年前にも書いているけど「便所ゲタと連隊旗」という梶山季之の名言を思い出す。
「男の貞操は連隊旗であり、女の貞操は便所ゲタである」……これは石川喬司さんが『極楽の鬼』で紹介して話題になった。意味するところは、連隊旗は戦場を駆けめぐり敵弾でボロボロ状態なほど値打ちがあり、木製サンダルは一度便所で使うと便所ゲタで、他では使えなくなる。
つまり、ベッキーは便所ゲタ、楽太郎は連隊旗である。舛添は鉄仮面か。
どれも見たくはないなあ。
ということで、夜は静岡メニューVer.2でビール、安ワイン。
21時〜テレビで「ゼロ・グラビィティ」をちょっと見るが、2年前に3Dスクリーンで見た迫力はなく、2時間見るのはしんどい。秀作であることは間違いないが。
本を読みつつ早寝するのである。
6月11日(土) 創サポ講義
終日穴蔵。エルゴヒューマンに座って過ごす。
もしあと10万時間生きられるとしたら、3万時間は使用するつもりで、だいたい1時間3円か。安いものである。
夕刻這い出て天満橋へ。創作サポートセンターの講義。
提出作品3篇を中心に行う。
・ジュブナイルSF志向の「意識の入れ替わり」パターン。これが小学5年生と中年教師の入れ替わりだから面白いが難しい。もし教師が裏ビデオコレクターだったらどう描くか(あるいは描写を避けるか)……とか、難しい問題が多いが、がんばっていると思う。少年が大人の世界を裏側から覗くというのは確かに大冒険である。
・婚姻出産制度が一変した近未来、人口統制省の所員はある家庭の調査という密命を受ける。荒れた家庭に優秀な少年……だが、調査過程で奇妙な妨害が始まる。国家的な陰謀に巻き込まれるサスペンスSFと思ったら、意外にも作者の狙いは「家族小説」らしい。
・2月に提出された歴史ミステリーを原型にした長編。ロードノベルにしてミステリー、いかも自分のルーツ探しが重ねられているが、構成がよく、資料的部分と想像力による拡大のバランスもうまくクリアしていて、傑作にあと一歩のレベル。回収されていない伏線いくつかとクライマックス直前の「じらし」不足を指摘するが、正直なところ、これ以上はもうおれの力が及びそうにない。
21時頃に帰館。遅めの晩酌となる。
※迷惑メールが1通。氏名も明かさず「ブログに悪口書かれているから削除しろ」の要請。どの記事を指してかも不明。そもそもおれはブログは利用していない。10年ほど前に一時期「asablo」を使用したが、嫌な書き込みが1、2度あり、体質に合わないと撤退している。以後、SNSもフェースブックもtwitterもLINEも利用していない。困ったものだ。
6月12日(日) 大阪JAZZ同好会
午前中、エルゴヒューマンに座って過ごす。
昼に出て、東西線で放出へ。
午後、ディア・ロードにて大阪JAZZ同好会の例会。LPやCDを持ち寄ってJAZZを安く楽しもうという会である。
本日はYさんが「ポピュラー音楽のジャズアレンシ」特集1時間。ロリンズが「Isn't She Lovely」を吹きまくってるのなんて初めて聴いた。77年。立派というか年寄りの冷や水というか、評価はわかれるだろうな。
Fさんの新譜紹介。ケンペプの新譜が出ているのを初めて知る。ミムラさんが亡くなってから、CDショップへは足が遠のいたからなあ。
持ち寄り企画は「白人ジャズメン」……ゲッツやペッパーは当然かけられる。おれはマリガンの「Night Lights」を持参。
おれはラジオ世代だから白とか黒とかは意識せずに聴いていた。「白人ジャズメン」を意識したのは「真夏の夜のジャズ」で真っ赤なブレザーで登場したマリガンに見とれた時からである。「Night Lights」CD化の時のボーナストラックの1曲(クラを吹いているやつ)、これがいいのである。
気分のいい3時間を過ごす。
6月13日(月) 穴蔵
終日穴蔵。エルゴヒューマンに座って過ごす。
昼過ぎまで雨、午後は曇天。
14時過ぎまでに雑事を片づけ、東京都議会の「集中審議」の中継を期待して待つ。
が、最初に出てきた鈴木隆道という自民党都議、もったいぶって水をコップに注いだり「仕切り」時間が長く、なかなか発言しない。明かな時間つぶし。イライラしてくる。しかも質問を装ったゆるい「苦言を呈し」に舛添「以後改めます」ばっか。続投前提で、茶番というか出来レース。あほらしくなって散歩に出る。
被害者は東京都民で、おれは関係ないわなあ。テレビなんか見るべきではなかった。
たちまち夕刻。晴れてきた。
東洋ホテルが更地になり、西にスカイビルが望めるリビングにて、和風数皿並べてもらってビール。
*
MJQを流しつつ。
そういえば、20年ほど前『たそがれのペニス』という、精力減退SFを思いついた。放ったらかしだけど。
書けないわけではないが、今さらなあ。Too Late である。
明日こそホリは羽ばたく…つもり。
6月14日(火) 大阪←→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
午前9時にタイムマシン格納庫へ。相棒の某くんと打ち合わせあれこれ。海外関係でまた面白い動きがありそうな。
実家関係の雑事色々。
午後、揖保川町の竹田農園の直販所へ行って、トマト・ミニトマトを購入する。
午後の電車で帰阪。
夜はごくシンプルなメニュー。
*
トマトを切って並べたのでビール。うまっ。
あと、ブルディガラの三日月パンでワイン少しばかり。
早寝するのである。
6月15日(水) 穴蔵
終日穴蔵。エルゴヒューマンに座って過ごす。
断続的にテレビを見るが、舛添の辞職ばかり。昨夜「お涙頂戴」の田舎芝居をしたはずが、どういうことか。
おれは、政治・宗教・血液型については書かないことにしているが、大阪市民だから東京都政とは何の関係し。政治でなく、格闘技か山口組抗争の観戦気分で楽しんできた。
解散に踏み切ると予想してたがなあ。
集中審議で若造(チンピラにしか見えないのもいたからなあ)からボロクソいわれて、はらわたが煮えくりかえってるはずである。舛添、がんばって復讐するのだぞ。でなければ「死んでも死にきれない」だろう。楽しみにしてるぞ。支援はしないけど。
たちまち夕刻。
和洋数皿並べてもらってビール、黒糖焼酎水割り。
早寝するのである。
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