『マッドサイエンティストの手帳』630
●マッドサイエンティスト日記(2016年5月後半)
主な事件
・独居老人生活
・播州龍野いたりきたり
・NHK文化センター(21日)
・滝川雅弘@ドナ・リー(27日)
5月16日(月) 穴蔵/ウロウロ
晴れて午前8時には穴蔵の室温28℃となる。快適なり。
天気は午後から下り坂というので、昼前に出かけることにする。
中央郵便局へ行き、ついでに梅三小路の某店で短時間散髪。
帰路、茶屋町の靴店でウォーキングシューズを買い替える。
3年ちょっと履いてきたROCKPORTがすり減って、先日雨水が浸み込んできたからである。たぶん1,000〜1,500キロ(概算)は歩いたはず。
クルマに較べると安いものである。おれの場合、播州龍野にあるクルマは180円/q、靴は15円/q(概算)だものなあ。
同等品を選び、店で履き替える。
午後は穴蔵にて机に向かう。
夕刻から雨になった。夕食時、かなり激しくなる。
*
雨の日はピアノトリオに限る。雨に煙る梅田を眺めつつ、ハンク師匠、バロン師匠を流し、「BEER SPIRITS」の水割りを楽しむ。
5月17日(火) 大阪→播州龍野
朝の通勤ラッシュが終わった頃の電車で播州龍野へ移動する。
専属料理人は実家方面へ行くというので、東西生き別れとなる、また楽しからずや。
相棒の某くん出張のため、タイムマシン格納庫にて見張り番をつとめる。
雑事色々。たちまち夕刻となる。
夜は実家にて、大阪から持ってきた総菜類を並べて独酌。
夏の陽気だったので、冷麺を作る。
*
丼が中華というのが愛嬌だが、病院で消毒液入れる洗面器みたいな(今は使わんか)器を買ってくるほどでもなし。
これで「神の河」水割りをちびちび。
が、午後8時を過ぎると急に寒くなり、室温は20℃を切る。
ストーブこそつけないが、コタツを片づけないのは正解であった。
5月18日(水) 播州龍野
目覚めれば午前6時。よく寝たものである。冬布団+毛布は正解であった。
居間は16℃で、大阪の穴蔵だと冬の室温。たちまち体が冷えてくる。
本日もタイムマシン格納庫にて見張り番。
快晴で、だんだん気温はあがってくるが、体は冷えたまま。
急ぎの部品発送業務が生じて、作業棟にて荷造り作業を行う。
スレートの作業場は昼過ぎに室温36℃、湿度61%となる。温度差が極端だなあ。
*
汗もかかず快適である。やっと体温が普通に戻る。
午後に揖西のF通運の営業所まで荷物を運ぶ。
イトメンの前を通過する。せっかくなので直販所に寄る。
*
昔、イトメンは「ヤンマーラーメン」というのを出していたなあ。赤トンボは龍野のシンボルで、トンボはトラクターが出現する前から飛んでたのだから、この商標は正当である。「チャンポンめん」がロングセラーだが。
そういえばヤンマー岡じゃなかった、山岡くん、ちゃんとやっとるのか。四半世紀ほど前に同フロアに4部屋隔てて住んでた堀晃だ、といっても知らんだろうけど。当時、おれは管理組合の理事だったから、色々と迷惑したぜ。ことを荒立てないようにかばってやったけどさ。あのモデル風の女とはどうなったのよ。一度ワインでも持って挨拶に来たらどうだい……などと愚考しつつ……あ、前にも書いたか。
遅めの昼は、チャンポンめんを食す。ビールが飲みたいが、夜までがまんだ。
見張り役は17時で切り上げる。
夜は味三昧の弁当で独酌。
鴨居の上のスピーカーから降り注ぐウィントン・ケリー、滝川雅弘などを聴きつつ、龍野の夜は更けゆく……といっても、まだ20時前だけど。
5月19日(木) 播州龍野→大阪
目覚めれば午前6時。よく寝たものである。
本日もタイムマシン格納庫にて見張り番。
窓から近所のバラを眺めつつ、ボケーーーーッとタドコロ状態で過ごす。
*
↑借景。
特別の案件はなく、午後の電車で帰阪する。
ちょっと疲れた。
夕刻から2時間ほど午睡。あとシャワー。
21時前にコンビニへ行き、遅い時間にコンビニメニューにて独酌。
明日はちょっと凝ったメニューにしよう。
5月20日(金) 穴蔵
早朝薄曇、昼前からは真夏の日射しとなる。
穴蔵にて独居老人生活。
朝、洗濯をする。干してから、近所のY医院へ定期検診に行く。すべて正常。ほっ。
ということで、あとはボケーーーーッとタドコロ状態で過ごす。
しかし、何というか、タドコロというのはたいした存在なんだなあ。30代からずーーーーっとこんな状態で過ごして定年に近いというのだから。
いや、ダドコロだけではないぞ。Q(通勤することが仕事と心得てる)とか大部長(洗濯挟みを5、6個机上に置いて一日を過ごした)とか、以前の勤務先には凄いのがクビにもならず生息していたなあ。
あんな真似はしてはならぬ。
午後は資料を読んで過ごす。
蒲生俊敬『日本海』(ブルーバックス)は久々に刺激的な解説書である。
5月21日(土) NHK文化センター
晴れて夏の陽気である。が、まだ扇風機は出さず。
机に向かって作業。
昼に出て、梅田の NHK文化センターへ。
先月にやった「SFを創った大阪/SFが変える大阪」という講座の第2回。
本日は田中啓文さんの話を中心に進める。
田中さんの話の流れは、(関西の、多くのSF作家が集中している世代にとって)万博のインパクトが大きい→少し遡って、個人的には生誕地「新世界」の諸々が影響している→さらに遡って……と、最終的には江戸時代の町人学者を上方SFの源流とする。
この論考は意外だがなかなか説得力がある。
なぜ説得力があるかというと……少年時代、近所の(天王寺公園内にあった)図書館で裸のおっさんがゴロゴロ昼寝していたとか、色々な具体的エピソードと田中さんの作風が見事に重なるからである。
6月には北野勇作さんが中心になって行う。
この「共同討議」は何かのかたちでまとめたいと思う。
色々と連絡待ちの案件があり、まっすぐ帰館。
夜、ニューサンへ行こうか迷うが、夜遊びがまったく面倒になってきた。
本日もコンビニメニューで独酌。
5月22日(日) 穴蔵
朝、穴蔵は東からの直射で室温30℃となる。
おれには快適な室温なり。
終日穴蔵。机に向かって過ごす。タドコロとは違うのである。
昼、某局で進行している小松師匠の番組で電話取材を受ける。夏になるのかな。楽しみである。
たちまち夕刻となる。
さすがにコンビニメニューは飽きたので、自転車で天八のスーパー往復、食材・総菜を買ってきて、30分ほど調理……というほどではなく、切ったり茹でたり焼いたり暖めたり並べたりを行う。
披露できるほどのメニューではないが、コンビニのよりずっとレベルは高い。
神様ルイス、パキート師匠など聴きつつ独酌。
楽しきかな独居老人生活。専属料理人の実家は色々たいへんみたいだけど。
5月23日(月) 穴蔵
定刻午前4時に起きる。寝汗で気持ち悪く、シャワーを浴びる。
斎戒沐浴。明窓浄机。終日穴蔵。職務没頭。
おれは変わったのである。
5月24日(火) 穴蔵/ウロウロ
夏日がつづく。
朝からマジメに仕事をするのであった。
おれは変わったのである。タドコロとは違うのである。
昼は「いちばん近い」蕎麦屋、「信州そば」にて大ざる。650円。
*
ここの名物は「ころころ」630円という、丼いっぱいの冷ぶっかけそばなのだが、おれはザルの方がいい。
しかし、ともかく、なかなか。
独居モードに入ると、食生活は、
朝は、野菜ジュース・パン・サラダ・ハムかチーズ・ミルクティ・果物
昼は麺類
夜はコンビニメニューか、少し何か調理するか、たまにボンクラ息子その2が何か作ってくれるか、で、ビールなど
というパターンになる。
ありがたいのは、麺に関しては「いちばん近い店がいちばんうまい」ことである。
蕎麦は「信州そば」、うどんは「讃州」か「たけうち」。ラーメンは、いちばん近い店が「弥七」だが、体質的にラーメンはパス。
いちばん近い店が日本一ということでは、「売り場面積がいちばん広い」書店がそうであるし、ある建築設計事務所がそうであるし、いちばん滑稽な(元)政治家(舛添セコ一に抜かれないことを祈る)の生家が至近距離だし、ご近所だけで退屈しない。運動不足になるはずだ。
ということで、午後も穴蔵にこもる。
夜は「ちょっと調理した」数皿でビール、黒糖焼酎「れんと」のロック。
早寝するのである。
5月25日(水) 穴蔵
曇天なり。朝の東からの直射なく、室温快適である。
終日穴蔵、机に向かって過ごす……つもりあったが、騒音がたまらない。
ひとつは隣りの幼児の泣き声。それはしかたないのだが、叱る母親の怒声が凄まじい。ヤクザ相手みたいな言葉で叱っても幼児に理解できまいに。虐待で通報するレベルではないと判断するが、ひょっとしたらと心配もする。窓を開けてるから聞こえてくるんだけどね。
もうひとつが2階上の部屋のリフォーム工事音。トントンカチカチと終日響く。
ちょっと大きな音でCD流しながら仕事すればいいのだが、おれは「ながら族」(古いね)はできないからなあ。
困ったものだ。仕事の効率悪し。
午後、散歩に出る。
梅田はサミット関連で警備がひどいようだから、近所の公園まで。30分/1,000歩ほど。運動にもならんか。
*
もう紫陽花の季節である。
野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。
夜は珍しくもボンクラ息子その2(時間帯がなかなか合わない)が作ったナムル類色々と肉いためたんでビール、焼酎ロック、ミニビビンバで仕上げとする。
早寝するのである。
5月26日(木) 穴蔵/ウロウロ
薄い雲の間から日も射すが、室温28℃で快適な日である。
机に向かって過ごす。
運動不足なので、午後、散歩に出る。
西回りコース。
うめきたの三角地の北側(高層マンションの西側あたり)で何かの工事が始まっている。
*
掘り返して、地下への進入路を作りけているように見えるが何なのか。調べてみることにしよう。
スカイビル農園〜地下道抜けて、ヨドバシ〜スクランブル交差点を渡って、新阪急北側へ。
お、2月25日に暴走車が突入した現場、工事中ではないか。
*
耐震補強工事となっているが、厄払いであろう。
しかし、梅田北エリア、変わりつつある。
三番街の食品スーパーで食材買って帰館。
夜はコンビニメニューより少しましな料理を並べて独酌。
久しぶりに「真夏の夜のジャズ」を見つつ。
早寝するのである。
本日は7,193歩。
5月27日(金) 滝川雅弘@ドナ・リー
穴蔵にて早朝から机に向かう。
午後に一区切りついた。
夕刻這い出て、地下鉄で動物園前へ。
ジャンジャン横町の南側、動物園前商店街を南へ歩く。この通りへ来るのは20年ぶりではないか。立呑屋がやたら増えている。
ディープ西成。南端あたりのライブハウス、ドナ・リーへ。初めて来る店だが、内部は場違いなほど瀟洒なライブハウスである。
滝川雅弘さんの出演日である。
滝川雅弘(cl) 平倉初音(p) 坂田慶治(b) 松田順司(ds)
「ステラ・バイ・スターライト」からはじまって、スタンダード中心に……なかなかいいのだが、滝川さんが突出していて、バランスがちょっと、という感なきにしもあらず。
2ステージ目に、バークリーから夏休みで帰省中という若いクラリネットが参加。
*
実家は名古屋という壱岐薫平くん、若干21歳である。クランポンの音色柔らかく、これは期待の星である。
最後の「A列車」まで、久しぶりにモダン・クラを楽しむ。料理も安くて旨い。ローストビーフ300円なんて絶品である。
ただ、酔っぱらって、演奏中にやたら馴れ馴れしい野次とばし声をあげるおっさんかひとりいて、困ったもの。
また来たい店だけに、このおっさんが常連でないことを祈るばかりなり。
5月28日(土) 穴蔵
曇天なり。曇窓浄机、早朝から穴蔵にてきちんと仕事をする。
9時頃から洗濯をする。曇天なので室内に干す。
また、きちんと机に向かう。
午後、2時間ほど午睡。
専属料理人からメール。しんどい状況らしい。
夕刻、近所の食品スーパーで食材買ってきて、夜はつつましき独酌。
ニューサンへ行こうか迷ってたが、おれひとり楽しい思いをするわけにもいくまい。
本を読みつつ寝る。
5月29日(日) 穴蔵
穴蔵にて早朝から机に向かう。SF系のことをやる。
昼前に一区切り。
昼は、近所の麺処は日曜で休み、自転車で「天六うどん」へ行く。
天八のスーパーで岐阜産の枝豆など食材買い、中崎町経由で帰館。
午後はタイムマシン関係の事務処理を行う。そろそろ月末である。
日が暮れてから、つつましくもシンプルなメニューで独酌。
枝豆、ヤッコ、トマト、ヤマタツのトンカツ+キャベツざくざく、ビール、BEER SPIRITS「独歩」水割り。
マジメな独居老人生活もいいものである。タドコロとは違うのである。
ひさしぶりにジェリー・マリガンを聴く。
5月30日(月) 某院/大阪→播州龍野
朝、通勤ラッシュ前の大阪駅を抜けて、桜橋の某院へ。半年ぶりである。
受付は4番だったが、担当医はばらばらで、最初に検診を受ける。異常なし。ほっ。生きてればまた半年後に、となる。
ささっと帰館。
通勤ラッシュの終わった時間に、大阪駅から播州龍野へ移動する。
タイムマシン格納庫にて雑事あれこれ。
あと、実家にて肉体労働。居間と書斎の夏モードへの変更で、やっとストーブを片づける。4ヶ月後には使うのだから、部屋の隅に置いとくことにする。
午後4時頃に快晴となったが、冬布団を干すには遅い。
*
揖保川沿い、30分ほど散歩。
夜は味三昧の豪華弁当でビール、龍力一献。
静かだが、カエルの鳴き声が急に増えた。
ということは、カエルを狙う嫌なやつも出てきそうで気が重くなる。
雑草の多い場所には近づかないようにしなければ……
5月31日(火) 播州龍野→大阪
目覚めれば午前6時、よく寝たものである。
ゴミ収集日につき、朝から肉体労働。
龍野書斎がすっきりしたので、では仕事という気分にはならず、大阪の穴蔵に帰りたくなる。
通信環境その他いろいろの事情による。
吉村昭氏の取材旅行は原則1泊2日で、ともかく早く書斎に戻りたくなるという。おれも気分だけは吉村氏を真似て、昼前の姫新線で帰ることにする。
が、ちと空腹、姫路おなじみ小溝筋の灘菊にて日替わり定食。
*
本日のメインは鰺刺身である。灘菊も一献。うまっ。
ということで、午後に大阪の穴蔵に帰館。
ちょっと疲れた。
夜は粗食にて一献。
昨日BSで「突破口」をやってたが、見られなかったので、本日、DVDで見る。
もう10回以上かな。やはり傑作。明日は「ポイント・ブランク」にするか。
ニュースによれば、北朝鮮がまた弾道ミサイル発射に失敗、金三胖(三代目のデブ)、赤っ恥かきよった。可哀想にまた何人かが粛正されて、ますます技術力が低下していくのであろう。
寝る。
無為に過ごした5月が終わる。嗚呼。
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