『マッドサイエンティストの手帳』624
●マッドサイエンティスト日記(2016年2月後半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・創サポ講義(20日)
・異形の頭髪ふたり(22日)
・プリウス突入@柴田1交差点(25日)
2月16日(火) 穴蔵/ひいき店休業中
快晴である。真冬に逆戻りとか報じているが、体感温度はそれほどでもなし。
播州龍野行くのつもりだったが、雑事発生、明日に延期する。
金融機関へ行く必要あり、昼、天六まで歩く。
天六うどんできつね……と思ったら休業中である。
*
貼り紙によれば、1月25日深夜に十八番が火災(ガス台の火がダクト内に入ったらしい)を起こしたためらしい(けが人はなし)。
店の外観や看板は普通だからボヤ程度だろう。
朝は豚汁定食(十八番)
昼はきつね(天六うどん)
夜は、上川屋、○○酒蔵、とぅるるん、その他色々あり
おれは3食とも天六界隈でいいのである。寒いからこのところ早朝は来てなかったけど。
がんばって再開してほしいものである。
2月17日(水) 大阪←→播州龍野
朝の通勤ラッシュの終わった頃の電車で播州龍野へ移動する。
大阪は快晴、姫新線本竜野で降りたとたんにミゾレが降ってきた。
実家書斎は6℃である。
雑事あれこれ。市役所から「空き家バンク」というのがあるという妙な案内がきて、説明を聞きに行く。
ま、関係ないな。なにしろ、ウチは築115年なのである。借家にできるはずもなし。
天候不安定、急に晴れ上がる。
*
庭の梅が咲き始めている。
夕刻……やはり寒く、炊事なども面倒になり、帰阪することにする。
たそがれに還る。
2月18日(木) 穴蔵
朝、近所の某医院で定期検診。いたって良好である。食生活が健全なのであろう。
あとは終日穴蔵。
・週刊文春が「元少年A」を直撃。
いつかどこかがやるとは思っていたが文春であったか(おれは新潮と予想してたが)。
さすがにテレビは報道しないな。
・夕刻に昨年12月12日の加古川の殺人事件(中州に死体遺棄)で、加古川市東神吉町に住むアルバイト・礒野和晃(21)逮捕のニュース。神吉なら中高時代の同級生がいたが(姓も神吉)、どうしとるのか。光文社の神吉晴夫氏も神吉の出身だったはず。事件と関係なく、久しぶりに行ってみたい場所だ。
ということで、本日もコンビニメニューで独酌。
野菜も欠かさず、栄養バランスはいいのだが、さすがに飽きてきたなあ。
2月19日(金) 穴蔵/ウロウロ
晴れている。洗濯をするのであった。
運動不足なので、昼、雑事での外出ついでに散歩。
東北方向、淀川堤を毛馬閘門まで歩き、蕪村の碑を経て南下、毛馬橋を渡り、長柄の路地をうろうろしつつ天六まで。
毛馬〜天六は70年代初めに毛馬に住んでいた頃、よく歩いたコースである。
北斎場〜関大天六校舎あたり、大型マンションが急激に増えているなあ。
*
阪急京都線(地下鉄堺筋線)の跨線橋。
地下鉄への乗り入れは万博の時からで、当時は真新しかった。天六のガス爆発で歌やん(当時は扇朝)の落語会が吹っ飛んだのが70年4月。なつかしい場所のひとつである。
玉一で焼肉定食。
さすがにコンビニメニューとはけた違いなり。
2月20日(土) 創サポ講義
雨が降り続く。
終日穴蔵にて、作品を読み、メモ作成。
夕刻這い出て、地下鉄で天満橋へ。創作サポートセンターの講義である。
提出作品3篇を中心に行う。
・牢獄に幽閉された王女の「語り」……だが、裏には別の「現実」があるらしい。神話の別バージョンを作ろうという試み。
・江戸中期の俳人をモデルにした歴史ミステリー。設定は面白く、芭蕉の句が暗号(ダイイングメッセージ?)として使われる趣向もうまい。俳人が無名に近い(おれもキーンの「百代の過客」で言及されているのしか知らない)のがちょっと弱いが、うまく書ければ俳人○○を描いた最初の作品になるのではないか。
・同じ作者の、太田南畝もの長編。ただし南畝が主人公ではなく、これまた「地味」な作品。南畝は平賀源内や山東京伝ほど知られていないから、ちょっと難しい題材だ。
珍しい人物を描く場合、着眼を評価すべきか、題材が弱いというべきか、前者7:後者3というところかな。作者はすごく研究熱心なだけに、簡単に評価はできず、こちらも考えさせられることが多い。
21時前に帰館。
専属料理人が帰ってきたのだが、時間がややこしく、静岡メニューは明日となる。
粗食にて遅めの晩酌。嗚呼。
2月21日(日) 穴蔵/謎のNASAネジ
晴れて暖。終日穴蔵。
創サポの生徒が提出してくれた「作品指導レポート」を読む。
1月30日の講義を文書化してくれたもの。雑談も含めて詳しく記録されている。全体としてはまあ筋は通っていてほっとする。
「セルフタップビス」を書いた木下さんのレポートである。
当日、セルフタップに関連して、余談でこんな話をした。
「1974、5年頃だが、アポロの司令船が東京で展示されたので見学に行った。操縦席を見たら、コントロールパネルのビスが全部卍型の特殊なネジで、トルクが一方向にしかかからないのに気づいた。もともとそうではあるまい。海外で展示するため、開けられないようNASAがビスを交換したのではないか。展示コーナーの人に訊いたが、わからないということだった。あのビスは謎のままだ」
これについて、木下さんがネットで調べて、GOLDBERG COINS & COLLECTIBLES という会社のオークショクサイトに出ているNAS1153/C4というネジであろうと特定している。
*
↑リンク先が消えるかもしれないので写真紹介。
確かにこれである(卍型と記憶していたのはおれの思い込みであろう)。えらいことまでわかるものだなあ。アポロ10号の帰還後、ブカレストで展示されたあと「サルベージされた」ものという。おれと同じところに注目したやつが、展示終了後にくすねて?350〜500ドルで出品しているということか。
たちまち夕刻。
*
夜は桜エビのかき揚げ・黒半天などの静岡メニューでビール。うまっ。
さあ、早寝しよう。
明日は野々村竜太郎の公判である。
・どんなヘアスタイルで出てくるか(おれの予想はマダラのヒヨコ頭)
・明日で結審するか(おれの予想は、またも奇矯な行動で結審せず、2ヶ月の代用監獄入り)
楽しみは尽きない。
2月22日(月) 穴蔵/異形の頭髪
さあ、野々村竜太郎の公判日だ。
朝、テレビを見たら、異形の老人が涙を浮かべている。
なんと桂文枝(旧三枝)ではないか。「演歌歌手と20年の不倫」と報じられた件について泣きながらの釈明らしい。
別に深刻な顔して釈明するほどのことではなかろうに。
異様なのがそのヘアスタイル。金正恩の老人版みたいな異形の頭髪である。出家でもしたのか。
最後に「これからは真剣に落語と向かい合って、頑張っていきたい」……今まで手抜き落語だったのか。確かにそうなんだけど、上方落語協会会長のいうセリフかいな。
野々村の出番は午後らしいので、午前中2時間ほど市内ウロウロ。雑事片づけ、11時頃に戻る。
午後は穴蔵にてテレビの神戸地裁前からの中継を見る。
野々村くんのアタマ(法廷画/やはり竹本佐治氏のが秀逸)は予想通りマダラのヒヨコだが、顎髭(無精ヒゲ?)とは、色々やってくれるなあ。
相変わらず「記憶にない」の繰り返しらしい。
案外早く、15時過ぎに終了。次回は2ヶ月先、4月25日に最終弁論と論告求刑という。
拘留期限(3/26?)は当然延長されるのだろう。判決までとなると5月下旬頃までか。
4月25日のアタマが楽しみである、文枝のアタマも。桜が散り、新緑の少し前の頃だ。それまで健康に過ごさねば。
2月23日(火) 穴蔵
早朝のテレビ。三枝文枝が昨日も記者会見(創作落語の会について)をやったらしく、またも20年不倫報道。
あの異形のアンパンアタマは、お詫びではなく、「真田丸」で千利休役をやるために剃髪した結果らしい。しかし利休のアタマは坊主頭に宗匠帽ではなかったか。三谷幸喜らしい趣向でもあるのだろうか。茶碗に髪の毛を落として不興を買うとか。
離婚をほのめかし「独居老人」になるという。そう深刻ぶることもないだろうに。
ということで、終日穴蔵。
読みたい本が増えて、コタツで読書の日。最近、目が疲れ、すぐ眠くなる。読書用の眼鏡を作った方がいいかも(就眠前には眼鏡なしの方が便利なのだが)。
たちまち夕刻となる。
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専属料理人の並べた粗食(白身とトリのフライ、ほうれん草、ひじき、ピーマンとこんにゃくの煮たのなど)でビール、湯割り。
独居老人生活だと、こまごました小鉢が面倒になるのは確かである。
長生きのためには、この方がいいか。
清原がこんな食生活を送っていたとは思えないし。
文枝はん、ちゃんと食べなはれよ。
2月24日(水) 穴蔵
晴れたり曇ったり。寒いのであった。
終日穴蔵。本を読んで過ごす。
たちまち夕刻。粗食にてビール、色ワイン少しばかり。
いかん、運動不足である。
明日こそホリは羽ばたく、つもり。
・今月はじめに高本淳さんの訃報あり。「Anima Solaris」が高本さんの追悼特集。小生も短い文章を寄稿しております。
・幻の人形アニメについて小松左京ライブラリに詳しい記事がアップされております。
2月25日(木) 穴蔵/プリウス突入@柴田1交差点
穴蔵にて雑事。
金融機関へ行く用事があるのだが、本日はATMの混み合う日なので迷う。
と、昼食後しばらくして、ヘリ数機が飛び交い、梅田方向、なにやら騒がしい。
野次馬としてはじっとしてられず、13時過ぎに出かける。
新阪急ホテルの北側、派手にやってくれてるぜ。
ヨドバシの北側のスクランブル交差点。
西(グラフロ方向)から走ってきた黒のプリウス(奈良300り25-43)が突っ込み、10人以上を跳ねとばして東へ直進、新阪急ホテル北側の歩道を走って花壇に激突した。
負傷者は運ばれた直後で、クルマは鑑識が検証中である。
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フロントあたりに血溜り、はさまれた人?の帽子、スマホのカバー、眼鏡などが飛び散ったままである。
南北は東側車線、東西はグラフロ〜阪急バスまでクルマ規制。阪急バスはガード下東側から入って路上で切り返している。
不謹慎ながら、加藤智大(秋葉原で歩行者の中へクルマで突っ込んだ無差別殺人男)みたいなのが大阪に出現するなら、この交差点であろうと2年前に予想している。
予想したものの、まさかと思って、いつもヨドバシへ行くときはこの交差点を渡っている。新阪急の北西角はいちばん信号待ちで立つことの多い位置である。午前中に来てたら、りそな銀行へ行くためにここを渡ったはず。恐ろしや。
野次馬諸君に訊くに、意図的な突入ではないらしい。
30分ほど周辺を見物して帰還。
夕刻、テレビでニュースを見る。
運ちゃんも死んだらしい。
2月26日(金) 穴蔵
晴。予報では真冬の寒さというが、それほどでもなし。
ただ、出歩く気分にならず、終日穴蔵にてボケーーーーーッと過ごす。
昨日の柴田1交差点への暴走車突入事故、運転手の「大動脈解離による心タンポナーデ」によるものという。
不整脈経験者として、そろそろ免許証返上すべきか。
たちまち夕刻。
夜は自家製ローストビーフ、サラダ、ブルディガラのパンなどで、専属料理人がヤマザキ本店で買ってきたワイン。
忘れてたが、本日はうちの記念日のひとつであったのだ。山下洋輔さんの誕生日でもある。これは偶然ではなく、こちらが合わせたのである。
北梅田の夜景を眺めつつ、山下洋輔NYトリオを流す。
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ゴーストビルだった旧東洋ホテル(ちょうど2年前はこんな風だった)が解体中で、視界が広がり、グラフロから、さらに右端にスカイビルまで見えるようになった。
数年後にはタワーマンションに遮られることになるのであろうが。
2月27日(土) 穴蔵/ウロウロ
まあまあ温暖な日である。
穴蔵にてボケーーーーーツと過ごす。
運動不足である。
午後散歩。
梅田へ。新阪急ホテル北側、野次馬弔問の人多し。スクランブル交差点にはガーやんがいつもより多いような。
ヨドバシでサプライ品を購入、地下街を東へ抜けて中崎町方面へ。
クルマの多い道は緊張するので、中崎町の路地をぶらぶら歩くが、スポーツカーや外車が結構侵入してくる。困ったものだ。
旧タカセ市場前で「歯科往診車」というのが追い抜いていく。
*
こんなクルマがあることを初めて知った。歯医者の出前のようである。
流しの歯医者の出現まであと数年か。
旧タカセ市場で呉春(明日用である)とれんとを買って帰館する。
4,854歩。
野々村竜太郎が800万円積んで保釈されたらしい。残してるものだなあ。
週刊新潮、つまらん芸能ネタはやめて、がんばれよ。法廷画は飽きたから、竜太郎のヒヨコアタマを実写しろ。
2月28日(日) 穴蔵/祝杯(昼飲み)
昨夜遅く、第36回日本SF大賞の結果を知った。
大賞 谷甲州『コロンビア・ゼロ』 森岡浩之『突変』
特別賞 牧野修『月世界小説』
功績賞 生ョ範義
なによりである。
谷甲州さんの受賞がことのほか嬉しい。『終わりなき索敵』から22年。それ以外にも受賞して不思議でない傑作がいくつもある。運不運はあるものの、ここまでやきもきしたことはない。『コロンビア・ゼロ』については「成熟とパワーアップが同時進行している」と書いたが、文句なしの傑作であり、谷さんはいまだ進化の途上にある。
同時受賞の森岡浩之も素晴らしい。森岡さんがはじめて「出現」したのは京都での人外協の会合ではなかったかな。
おめでとうございます。
ということで、終日穴蔵。
昼は久しぶりに「昼飲み」とする。
日曜だからいいであろう。
谷さんの受賞祝いの名目だが、雫石鉄也さんのこちらを見て、おれもやってみたくてたまらなかったのである。
専属料理人に「蕎麦屋の肴」を頼んだら、長芋短冊(山芋がないのですり下ろしにはできない)、しらすおろし、菜の花のおひたし、黒半+わさび漬け(静岡/小澤慶洋製)など、居酒屋メニューが並んだ。
酒はむろん呉春。本日はぬる澗で。
*
あとは長野方面からいただいた信州そば。
うまっ。
午睡。
2月29日(月) 穴蔵
4年に1度の月末なのであった。
終日穴蔵。雑事あれこれ。主にタイムマシン業の月次処理を行う。
金融機関関係に行こうかと迷うが、本日はATMに列がとぎれることがないはずで、見合わせ。
たちまち夕刻となった。
夜は、ほうれん草、みりん干し、おでん、小澤慶洋製のわさび漬けなどで、ビール、黒糖焼酎湯割り。
早寝するのである。
無為に過ごした2月が終わる。嗚呼。
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