『マッドサイエンティストの手帳』589
●マッドサイエンティスト日記(2014年10月前半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・鈴木孝紀@マリアン(3日)
・『釜ヶ崎劇場』(6日)
・青色発光ダイオード(7日)
・台風19号(13日)
・SF飲み会@マーガレット(14日)
10月1日(水) 大阪←→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
2週間ぶり。
*
陋屋の前、コスモスが満開である。
が、ボケーーーツと外を眺めているわけにもいかず、雑事あれこれ。
市役所の某課へ行ってややこしい処理の手続きについて訊く。
20年以上**状態と証明できるなら**非該当の証明が出せる(可能性がある)という。
要するに、20年以上前の土地の状況が証明できまっか、という。
そのため「空中写真」を調べてみなはれという方法を教えてくれた(こちらが「誠実に困り果てている」ことを、色々な問診で確認した上で…の気配があるけどね)。
「日本地図センター」のHP(リンクは張らないけど/このウェブ、現代史の考証には役に立つぞ!)を調べてびっくり。
こんな田舎の30年前の状況が、かなりの精度でわかるではないか。
空中写真はともかく、その他の書類もかなり面倒で、勉強にはなりそうだけど、司法書士に依頼する方がよさそうだ。
某事務所に連絡するが、本日は都合が悪いらしい。
夕刻のラッシュ前の電車で帰阪。
年内、相変わらず播州龍野いたりきたり生活になりそうな。
10月2日(木) 穴蔵
終日穴蔵。
日本地図センターの空中写真・画像データをチェック、龍野の片隅に39年前の画像を発見。
部分拡大した写真はネットでの発注が出来ず、かなり手間取る。
結局FAXで注文する。
ついでに梅田界隈の半世紀前など見ていたらたちまち昼になる。
司法書士に依頼するつもりだった作業も始めると、こちらは意外に簡単である。
地図関係で図書館へ行きたいが、本日、西長堀は休館日である。
龍野行きついでに龍野図書館を利用する方が早いか。
法務局の書類が必要で、明日また龍野行きとなる。
早寝するのである。
10月3日(金) 大阪←→播州龍野/鈴木孝紀@マリアン
慌ただしいのであった。
早朝の電車で播州龍野へ移動する。通勤モードで、8時6分に姫新線本竜野に着く。
張り切って雑事をこなす。
ゴミ出し。プリンター不調のためコンビニで資料のコピー。某銀行。某銀色センター。某務局(「字限図」なんて初めて見る)。市役所某課。図書館。某不動産事務所。某現場確認。実家に戻る。
15時頃までを予定していたのが、午前11時過ぎに片づいた。
長居無用。昼の姫新線で姫路。久しぶりに「えきそば」で昼食。
新快速で大阪、15時前に帰館となった。
夜、専属料理人と天満橋へ出かける。
Marianというイタリアンの店。
「高橋誠 GJQ ツアー2014」を聴く。
*
高橋誠(vln) 鈴木孝紀(cl) 川瀬眞司(gt) 荒玉哲郎(b)
高橋誠(せい)さんはジプシー・バイオリンで注目されている。鈴木さんと時々演奏しているのは知っていたが、初めて聴く。
谷口英治さん参加の「ダイナマイツ」に近い編成だが、ジプシー色がより強く、アンサンブルよりはソロ重視かな。その分、室内楽よりは濃厚にジャズ。
「マイナー・スイング」での高橋〜鈴木のバトルは極めてスリリングであった。
ちなみに「マリアン」はMr.某'sとちがって、恐ろしい姉ちゃんはおらず、押し売りするでなし、パンはうまいし、ランチもうまそうだし、好感のもてる店であった。
カジュアルなイタリアンMarianに栄光あれ。
10月4日(土) 穴蔵
薄曇りで涼しく、快適な日である。
ちょっと疲れが出て、終日穴蔵。
明日午後に台風18号の影響下に入りそうなのでベランダの片づけ。
エアコンの覆いを取り外す。
あとは本を読んで過ごす。
ちょっと出かけたい写真展(川上譲治「釜ヶ崎劇場」)があるのだが、来週にする。
10月5日(日) 穴蔵
定刻午前4時に目覚める。が、起きるのが面倒で、また寝たら7時前に目が覚めた。
終日穴蔵。
昼、専属料理人が「敬老お祝い会」へ出かける。
敬老の日のイベントが、会場の耐震工事の都合で本日午後に延びたのだとか。
本人の名誉のために付記するが、スタッフとしてである。
台風18号接近というのに老人集めてえんかいなと心配するが、雨は降らず、余計な心配であった。
ということで、たちまち夕刻。
*
夜は、専属料理人が、上品な色のサラダと下品な色の鶏その他の煮込みなど並べる。
やまざきの高級ワインを開栓。
失念していたが、特別な記念日のひとつだという。ああそうであったか。
うま〜〜〜っ。
21時過ぎ、まだ雨も降らず風も吹かず。どうなっておるのだ。
予報では近畿への台風最接近は明日未明というから、目覚めれば通り過ぎているか。
早寝するのである。
10月6日(月) 穴蔵/『釜ヶ崎劇場』
眠り断続的である。本を読んだり眠ったりの繰り返し。
台風18号通過というのに、いつまでたっても静かで、かえって落ち着かないため。
午前3時頃に小雨、すぐやむ。
午前5時、ゴミ出しに外に出るが、涼しい風が吹くだけ。
3時間ほど朝寝。
午後、晴れてきたので、夕刻に近い午後、京橋へ行く。
キャラリー「美0」で川上譲治写真展『釜ヶ崎劇場』を見る。
*
一幕八十八景。
川上譲治氏は大阪芸大→ストリップの興行師→写真家という異色の経歴の持ち主で、この3年ほど釜ヶ崎に住み込んで「路上撮影」を続けている。
大阪では、鶴橋や猪飼野を撮り続けた牧田清さん(2006年に亡くなられた)がいるが、牧田さんの写真が生活に密着しているのに対して、川上さんの撮る釜ヶ崎は「非日常」の世界である。「撮り逃げを許さない街」で、小型のフィルムカメラですれ違う一瞬にシャッターを切るという。
野良猫の写真にまで「むきだしの人生の緊張感」がみなぎっている。
モノクロの写真88点。ユニークな写真展である。
10月11日(土)まで。
会場は居酒屋の奥のスペースで、一杯やりたくなるが、まだ開店前である。
酒場へは改めて夜来ることにしよう。
10月7日(火) 穴蔵/ひまわり/青色発光ダイオード
秋晴れである。
終日穴蔵。
雑事色々、合間に色々読んだりテレビを見たり。
午後2時過ぎに種子島の「ひまわり」打ち明げ中継を見る。
中継がミヤネ司会の番組だけというのがひどい。司会がアホだと打ち上げまでが花火程度の軽いイベントに見えるから困ったものだ。
幸い、打ち上げは成功。
たちまち夕刻。
専属料理人に色々並べてもらってビールを飲み始めたところに、ノーベル物理学賞の発表のニュース。
青色発光ダイオードの開発で、赤崎勇教授、天野浩教授、中村修二教授が受賞。
赤崎先生の受賞はなによりであった。
青色LEDについては思い出がある。
1992年に劇場用字幕表示装置を作った。これは海外からの公演で舞台の袖に置かれる日本語字幕を表示する装置で、三百人劇場で使われた。小型蛍光ランプを使用したもので、青白い光がLEDでは出せなかったからである。
20世紀中は独占できるという読みだったが、そう普及しなかったし、90年代後半から青色LEDが普及しはじめて、この装置の役割は終わったけどね。
2001年に修二はんが日亜を提訴して、これは企業の知財関係者の間では大きな話題になった。
基本的には日亜の二代目が発明者を冷遇したことにあるようだが、反論もあったと思う。『怒りのブレークスルー』は書架のどこかにあるはずだが、探し出せない。
関連資料も含めて保存しているから、再読することにしよう。
いずれにして日亜化学(小川英治くん)はどうコメントするか(しないか)楽しみである。(※)
※日亜化学は「日本人が受賞したことは大変喜ばしいことです。とりわけ受賞理由が、中村氏を含む多くの日亜化学社員と企業努力によって実現した青色LEDであることは、誇らしいことです」とコメントしている。
大人の対応である。「日亜化学社員と企業努力」はそのとおりで、訴訟に関するもっとも客観的な記事は、文藝春秋2004年4月号の山口栄一『「二百億円判決」中村修二は英雄か』であると思う。(2014.10.08)
10月8日(水) 穴蔵/皆既月食
秋晴れである。
行動したいことがあるのだが、資料(最後の1点)の到着待ちで動けず。
終日穴蔵。
これといった仕事はできぬまま夕刻となる。嗚呼。
夜、専属料理人が夕食数皿並べたまま、地域のなんとかで出かけたので、独酌。
ベランダから皆既月蝕を眺める。
19:40。
日蝕とちがって、月蝕はあまり天文学的な意味はないなあ。
ということで早寝する。
10月9日(木) 穴蔵
晴れたり曇ったり。
終日穴蔵。
動きたいのだが、資料届かず、待機。
静岡の崖崩れで物量停滞(東海道線不通)、筑波からの宅配便も遅れているらしい。
午後にやっと届く。
今から播州龍野へ移動しても(17時に間に合うか)微妙な時刻である。
結局、明日動くことにして、穴蔵にて「代書屋」気分でトッコンショウメイ…じゃなかった、某証明願の作成。
一杯飲んで早寝するのである。
10月10日(金) 大阪←→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。通勤モード。8時6分に本竜野に着く。
慌ただしいのであった。
午前9時に市役所の某課へ行って書類提出するが、一部に、20年ほど前に「行政区画変更」があったために、登記簿の住所表記と現住所の表記が違うことが判明。エビデンスが必要という(龍野だって「龍野」→「たつの」のバカ変更があるではないかといったら、合併による表記変更の証明書は無料で発行しているという)。某遠隔地の身内に電話して、証明書を送ってもらうよう手配。休み明けに届けばなんとかなりそうな。崖崩れで物流事情が悪いところに、台風19号の影響がないことを願うばかり。
おれの居住区も30年ほど前に大淀区から北区に変わっているからなあ。本籍地も「龍野」から「たつの」へ。
どこに旧表記が残っているのか、ヒヤヒヤしながら生きねばならぬ。
と、あれやこれやで午を過ぎてしまった。
朝の30分で片づけば、下関市立美術館まで堀晃さんの個展を見に行こうかなと思っていたのだが、今日の移動は難しくなった。台風も来そうだし。
「よこた」で穴子寿司のランチ。
雑事の残りを片づけて、午後のキハ122系で帰阪することに。
*
台風が過ぎれば、また来ることにしよう。
ということで、晩酌に間に合う時刻に帰館。
豚肉系とサラダ系を並べてもらってビール、ワインを少しばかり。
早寝するのである。
10月11日(土) 天保山/桜島
台風19号の影響下に入るかなと思ってたら、薄曇り・ほとんど晴である。
ちょっと調べたいことあり、昼前に散歩に出たら、梅田界隈、3連休の初日で、アホが浮かれ出ている(むろん、おれもそのひとりだけど)。
大阪駅前に行くと、ちょうど天保山行きのバスが来たので、発作的に乗車。
ここでも書いたけど、おれはこの路線が好きなのである。
最後部の席、見晴らしよし。
市岡高校に「柴崎友香さん 祝・芥川賞受賞」の垂れ幕がかかっている。ここ出身だったのか。
結局、天保山まで行く。
海遊館方面は支那人が多いので、天保山登山。山頂には初めて登る。下を見たら「渡し」があり(これは知らなかった)、自転車諸君が乗り込んでいるので、行き先は知らないがおれも乗り込むことにする。
*
安治川河口を対岸へ渡るのであった。
対岸は桜島である。
海運倉庫が並ぶ一角を抜けると公園らしいのが見えた。なんとユニバーサル・スタジオ西端であった。
少し南へ歩くとJR桜島駅。
*
前から来てみたかった場所だが、まさか渡しで来るとは思わなかった。
舞洲へのシャトルバスが出ている。ちと迷うが、空腹になってきたので、後日とする。
ここからは魔界「酉島車庫」へも歩けるはずだが、後日とする。
ガラガラの桜島線(昼過ぎにUSJから帰る客はいないわなあ)で西九条へ。
この周辺も歩いてみたいが、ここも後日とする。
肝心の西梅田の一角(60年代の某痕跡を調べたかったのだが)調査も面倒になった。
こういうウロウロは予定に縛られない方が面白いのである。
新梅田食道街の新喜楽で、かも鍋、軽く水分補給もして帰館。
10月12日(日) 穴蔵/ウロウロ
秋晴れではないものの、薄い雲がかかった穏やかな日である。
穴蔵にて、少しは仕事もするつもりが、台風19号接近のニュースぱかりで、落ち着かないことである。
中田カウスやないけど「やるんなら早よやってちょうだい」といいたくなるなあ。
明日は外出できぬかもしれないので、午後、2時間ほど散歩。
中崎町〜本庄あたりの路地をうろうろ。
タカセの業務スーパーにうまそうな「生貯蔵」があったので買って帰る。
*
豊崎5丁目の路地にて。
野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。
夜は魚がメインだが、洋風なので、安ワインを少しばかり。
「生貯蔵」は和風の日のためにワインクーラーに貯蔵。
10月13日(月) 穴蔵/台風19号
台風19号襲来?
午前7時の進路予想では大阪直撃ではないか。
午後から暴風雨という。毎度の大袈裟な予報だが、まれには当たるかもしれず、終日穴蔵にこもることにする。
曇天。晴れ間もあり。静かなもの。
昼、宮崎市あたりを通過中らしい。
うどんを食す。
12時30分から雨になった。
本を読んで過ごす。
15時頃、台風は高知県宿毛市に再上陸。大阪へまっしぐらか。
本を読んで過ごす。
雨は降り続けるが、大雨とはいえず。
19時、台風は南淡路市。大阪へ直進である。
枝豆、サラダ、湯豆腐、ミンチカツなど並べてもらってビール。
リビングから雨の北梅田を眺めつつ。
*
ジョニー・ハートマンの「Stormy Weather」がたまらんなあ。
おや、21時前に台風19号は岸和田あたりに上陸という。
静かな夜である。
NHKは延々と台風の中継をやっとるが、現実との落差を楽しむ番組に思えてくる。
と、22時頃にはもう津付近まで行ってるではないか。
そろそろ就眠。
10月14日(火) 穴蔵/SF飲み会@マーガレット
朝、近所の某医院へ定期検診に行く。
きわめて正常な値で、かえって心配になってくる。
穴蔵にて粛々と雑事。
夕刻這い出て、ぶらぶら歩いて天六マーガレットへ。
マーガレットではおなじみ+珍しいゲスト参加でちょっと一杯。
(顔が判別できるかできないような写真を掲載)
記憶が曖昧だが、怖い話とかアホな話とか坊さんの話をしていたような気がする。
明日が早いので、早めに(といっても普段の就眠時刻をとうに過ぎて)失礼する。
10月15日(水) 大阪→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
通勤モードで、姫新線本竜野に8時6分に着く。
室温15℃で肌寒いが、本日は肉体労働なので快適である。
午前中下男(おとこし)仕事。
午後、ワゴン車に「荷物」を詰め込んで、揖西町のクリーンセンターに搬入する。
ついでに相生回りで室津まで行って、堀市でカキフライのランチ。
*
ああ播磨灘。
*
帰路、峠を越えて、揖保川町・馬場地区でコスモス畑を見る。
ピークは過ぎた感じ。
本日から予定していたシルバーの作業が明日からに変更された。
龍野泊となる。
夜、久しぶりにひとり酒盛り。
しかし、だんだん調理が面倒になってきた。
食材を残すわけにもいかず、ひとり用の鍋を買ってきたが、まずいんだよなあ、これが。
居酒屋のない田舎の夜は早い。
SF HomePage