『マッドサイエンティストの手帳』496

●マッドサイエンティスト日記(2011年2月前半)


主な事件
 ・大阪←→播州龍野、いたりきたり
 ・八百長騒動勃発(2日)
 ・信ちゃん素子さま来阪(5日)
 ・忌明け(7日)
 ・Sunday at Jazz Club(13日)


2月1日(火) 穴蔵/大阪屋
 定刻午前4時に起床。
 雑事を色々やってたら、6時半に兄からメールあり、梅田のホテルにいるという。
 7時前にホテルのロビーへ行って、書類の受け渡し、色々と打ち合わせ。
 兄はこれから播州龍野へ向かうのである。
 おれはこれから朝食。
 久しぶりに朝の新梅田食道街へ。
 大阪屋で、最近はあまりやってないのだが、久しぶりに朝ビール、イカと豆腐のたいたんの妖女。
 
 大阪屋の評価微妙なのだが(長くなるから省略/客層がちょっと合わない)、ともかく、朝定食「とろろご飯」「納豆ご飯」「玉子かけご飯」3種いずれも300円というのがあって、『毎日』も『凸』も朝飯はなくなった今では、新梅田食道街の朝の雰囲気を残す数少ない店なのである。
 ビールのあと「とろろご飯」朝飯をいただいて帰館。
 あとは終日穴蔵。
 あまり仕事はしないのであった。

2月2日(水) 大阪←→播州龍野/ついに出ました八百長メール!
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 車中、毎日新聞の大スクープ(大阪でチェックした限り、報じたのは毎日だけ)を読む。
 「大相撲 八百長メール」……野球賭博に関連して押収された携帯電話に八百長を裏づけるメールが残っていたという。これは当分楽しめるぞ。
 何が凄いといって、去年の春場所、夏場所? つまり相撲協会が講談社と武田頼政氏を相手どった裁判の高裁判決が確定するかしないかという時期ではないか。
 押収された携帯の数がいくつだったのか不明だが、おそらく氷山の一角。
 春場所中止は必至であろう。
 週刊現代の反撃を期待する。
 まあ、何度もいってるけど、所詮「極道の興業」だから、八百長なんて当たり前で、驚きも憤慨もしないけどね。
 ただ、放駒は貧乏くじかな。
 播州龍野にて、タイムマシン関係と役所関係の雑事を色々片づける。
 夕刻帰阪する。
 JR本竜野駅、駅前の道路拡張工事が本格化、立ち退き拒否の1軒がすごい。
 JR姫路駅、いよいよ駅ビルと地下街の閉鎖が近く、商店街の閉店が目立つ。
 JR大阪駅、工事完了が近く、中央コンコースの北側通路が開き、エスカレーターなどが見える。
 
 本竜野駅前〜姫路駅〜大阪駅、いずれも工事中で、1週間で景観激変である。
 しばらくは1週間ごとの播州龍野行きとなりそうで、工事場風景が楽しめるわけである。

2月3日(木) 穴蔵/ハチ/バンチ
 終日穴蔵。
 雑事の処理で夕方になってしまった。
 軽く晩酌後、久しぶりに夜を歩く。
 ハチまで歩く(呑む時の自転車使用はやめたのである)。
 ほとんど貸し切り状態なので、持っていったアーティ・ショウの「実質的にはラストライブ」をアルテック・バレンシアで聴く。
 
 ハンク・ジョーンズとタル・ファーロウの響きがたまらなくいい。
 ロック2杯。
 ぶらぶらと歩いて天六……ワイルドバンチへ行く。
 こちらではレスター・ヤング。
 またもターキーのロック2杯。
 映画関係の集まりで西浦英司さんが来ていた。
 映画『テンロクの恋人』が完成(西浦さんも脚本を書いているらしい)して、前の土日に完成記念上映会があったらしい。
 うっかりしていた。また上映の機会はあるであろう。
 飲み過ぎである。
 西浦さんがタクシーを捕まえてくれた。
 無事帰館。爆眠。

2月4日(金) 穴蔵/SF検討会
 いかん。
 久しぶりに二日酔いである。
 終日ボケーーーーッと過ごす。
 夕刻、かんべむさし氏来穴蔵、久しぶりに定員2名内容非公開のSF検討会を開催する。
 年末のゴタゴタで忘年会的検討会も中止だったから、議題はたくさんあるのだが、どうも「老化」がらみの話がメインになってしまう。
 おれが二日酔いで今ひとつ調子が出ないせいか。
 ビールから湯割りに切り替えてチビチビやってたら調子が出てきたが、2時間半経過、むさしくんはそろそろ帰るという。
 早寝しようと布団にもぐり込んだが、昼寝が長かったせいか、眠れず、本を読んでいたら朝になってしまった。
 これを書いているのは5日朝である。
 規則的な生活に戻さないといかんなあ。

2月5日(土) 穴蔵/新井素子さん来阪
 前夜より眠れぬまま、朝刊を読み、普通に朝食。
 午前中2時間ほど朝寝。
 どうにか体調は回復した。
 穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
 夕刻、とつぜん高井信ちゃんからメール。
 今日、宝塚の手塚記念館で新井素子さんとの企画があって、終了後、梅田へ向かっているという。
 15分ほどで新阪急ホテルのロビーへ行く。
 せっかくなので、素子さまと土佐料理で一献。
 
 ↑中央真下が素子さま。右の2名はファンの女性。
 のれそれ、カツオタタキ、土佐天などでビール、土佐鶴。最後は鯖棒。
 ママカリが苦手な岡山県人の話など、アホな話が色々あったが非公開。
 明日は播州龍野行きなので、早寝するのである。

2月6日(日) 大阪←→網干
 定刻4時に起床、体調は回復した。
 4:30のニュースでは、八百長問題で大相撲春場所は中止の方向という。
 2月2日に思った通りだ。これは当然であろう。
 ただ、伊藤滋という調査委員長氏(なんと伊藤整の息子らしい!)の物言いは面白いね。とぼけた口調だが本質は外してない。取的連中が「そうだったかな」「記憶にありません」というから話にならないとは、その通りであろう。たぶん夏場所も中止の公算が大きいぞ。
 春日錦は明らかに偽証したわけだし、これで確定した高裁判決はどうなんのよ。
 他にも八百長やったと匿名で発言してるのはゴロゴロいるわけだし。
 2月で決着がつくとは思えない。
 今回名の上がらなかった取的諸君は「やってない」「知らない」「記憶にない」のオンパレードだろうし、携帯を買い換えるがゾロゾロだろうしさ。
 何度もいうが「極道の興業」……親分衆が張った高額の掛け金を背負って勝負する方が、負けたら殺されるという恐怖感から、すごいガチンコになるぜ。そういう相撲が見たいものだ。
 連合赤軍の永田洋子が獄死(脳腫瘍?)……まあ、よく生き延びたものよ。
 ということで……
 朝の電車で姫路の西端・網干へ移動する。
 母のいわゆる49日に相当する日であり、ちょっとしたセレモニーのためである。
 播州龍野へ行くよりも、JR網干駅でピックアップしてもらうのが便利と判明、兄妹ここに集合。
 色々あり。
 ま、これでいわゆる「忌明け」である。
 午後の電車で帰阪。
 帰りは山陽電車・網干駅から飾磨へ行き、ここから特急で阪神梅田へ。
 山陽電車・網干線には久しぶり(40年ぶりくらいか)に乗るが、たいして変わってないところがいい。
 梅田からの帰路、かっぱ横丁の古書店の前、通路の棚に昭和35〜37年の「宝石」「別冊宝石」が積み上げてある。
 
 何冊かほしいのがあったが、1冊1000円。龍野の書庫とのダブリがだいぶありそうなので見合わせる。
 NULL、宇宙塵への問い合わせは、宝石の読者欄の情報からだったから、おれにはSFへの入口となった雑誌なのである。

2月7日(月) 穴蔵/ウロウロ
 定刻4時に起床、少しは仕事も……するつもりが、雑用ばかり先行するのであった。
 朝、コンビニで週刊現代を買ってくる。
 むろん「八百長特集」を読むためである。
 現代としては恨み骨髄であろうが、徹底してないなあ。ま、今号は時間がなかったからなあ。
 延々と(相撲協会解散まで)やってほしい。
 他に読むべき記事はほとんどない週刊誌だが、週刊現代支援、しばらくは買うからね。ねちこい取材を期待する。
 ともかくひどい判決だったからなあ。
 昼過ぎにちょっと御挨拶などあって青空書房へ行く。
 坂本さん、普通にやってはった。なにより。
 書店、CDショップなど回って帰る。
 茶屋町でわが「定点観測」場所のひとつから撮影。
  *
 安藤建築のCHASKAの全容が望める場所(だったところ/過去形)。
 CHASKA完成間近の去年4月に手前をふさぎ始めたビル。
 去年8月には半分ほどの高さになった。
 今はBELL.COMビル、完成間近。
 工期からいって、安普請だと思うぞ。
 安藤作品に較べると鑑賞の値打ちなしだしさ。
 その北側のタワーマンションについては、わが予言を参照いただきたい。
 定点観測の報告、次回はこのへんで殺人か飛び降り自殺があった時だな。
 楽しみに待たれよ。

2月8日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 これといった仕事はしないままであった。いかんなあ。
 「八百長問題」……疑惑の取的諸君が、携帯電話をすでに買い換えたとか「女房が踏みつぶした」とかで提出しないという。
 歌やんやないけど「笑ろてしまいますな」だな。
 八百長というのも「芸」のうち、見る方もその微妙なところを楽しんできたのではなかったか。
 おれの記憶では、昭和38年(47年前だ!)秋場所千秋楽の、大鵬〜柏戸の取組だ。
 おれも見たけど「無気力相撲」の典型であった。
 石原慎太郎が「いい加減にしろ」
 五味康祐が「もう全部いわせてもらう」
 と、ともに八百長を指摘した。
 タイトルからすれば、五味康祐の方が、内情まで熟知しているように見えて、一枚上と思ったのであった。
 その後「拳銃不法所持」事件も起こすしさ。
 要するに昔から極道の集合体なのよ。
 ウミを出し尽くしたら、残る力士(この場合、あえて取的とはいわんけど)は数人ではないか。
 相撲レスラー協会設立の構想が浮上しているとか。
 面白いではないか。
 「本家大相撲」横綱と「相撲レスラー」チャンピオンが年末に優勝決定戦やったら、案外後者が勝つかも。
 楽しみなことである。

2月9日(水) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 昨夜来の小雨は神戸を過ぎる頃にやみ、姫路では快晴になった。
 播州龍野の実家に着くと、何やらチェーンソーの音がうるさい。
 裏庭に出てみると、チェーンソーを機関銃みたいに構えた男がクレーンの先端からこちらを見ているのでギョッ!
  * *
 裏の隣家の木を伐採しているのだった。
 いいにくいことだが、ここはずっと前からゴミ屋敷であったが、最近、事情があって無人になったのである。
 午後には2本の木は運び去られ、畑地と梅、橙の木が残された。まだ謎の廃車やガラクタ類が残っているが、だいぶ整理されてきた。
 これからどうなるのであろうか。
 わが実家は廃屋にするわけにはいかず、当分の間はおれが仕事場として使用しつつ管理することになりそうな。
 そのため、金融機関などまわって電気、水道、ガスの引き落としの変更手続きを行う。
 固定電話をどうするかは迷うところ。
 使用頻度からすれば、e-mobileに変更するのがいいか。
 ということで、夜は常夜鍋で一献。寂しくも楽しいのである。
 播州龍野の夜は暗く静かなもの。
 早寝するのである。

2月10日(木) 播州龍野
 寒いのであった。
 意外に慌ただしいのであった。
・ゴミ出し。
・某事務所へ行って「納税」の打ち合わせ。
・某金融機関へ行って某手続き。
・タイムマシン格納庫でうち合わせ色々。
・市役所へ行って某証明。
・某郵便局へ行って某書類を貰う。
 相手側が準備さえしてくれてたら1時間ちょっとで済むことが、昼飯・買い物などを含めて5時間近くかかってしまった。
 一杯飲んで就眠。
 天気予報では、明日は雪という。
 電車さえ動いてれば帰阪のつもりだが、どうなることやら。

2月11日(金) 播州龍野→大阪
 播州龍野、朝7時頃から雪が降りはじめた。
 慌ただしく雑事を片づけ、午前中の電車で大阪へ移動する。
 電車がストップするとたいへんだからなあ。
 移動中、盛大に雪が降っていたが、帰阪、午後にはやんで、積雪にはいたらず。
 帰館しても、専属料理人は静岡の実家に帰っており(別のおれが愛想づかしされた訳ではなく、昨年までのおれと似たような事情による)、食事に不自由することでは播州龍野と同じなのだが。
 ということで、夜は近くの食品スーパーで買い物、湯豆腐その他で一杯……のつもりだったら、ボンクラ息子その2が、カレーを煮込み、ポテトサラダを作っていた。
 湯豆腐でビール、カレーその他でグラスワイン。
 なかなか。
 ともかく早寝。

2月12日(土) 穴蔵
 定刻4時に目が覚める。
 午前4時半から「日本の話芸」で円鏡……じゃなかった円蔵の『寝床』を見るが悲惨なもの。若気の至りでたまたま受けたやり方が老人になっても通用すると信じ込んでいるのだろうか。
 終日穴蔵……のつもりだったが、所用あって自転車で天五まで。
 昼は久しぶりに玉一で焼肉定食、生中もいただく。
 13時過ぎに店を出たら、みぞれ混じりの雨である。嗚呼。
 ずぶ濡れで帰館。寒い。シャワーを浴び、着替え、コタツにもぐり込んで、午後は本を読んで過ごす。
 夜は昨夜のカレーの残りでワイン。
 侘びしいものである。

2月13日(日) 穴蔵/Sunday at Jazz Club
 寒いのであった。
 雑事色々。晴れたので、洗濯もする。
 午後、黒崎町のバンブークラブへ。
 
 Sunday at Jazz Clubの例会である。
 本日は「映画音楽」特集。
 ヌーベルバーグ時代のフランスものから「ツァラトゥストラ」のジャズアレンジまで多彩である。
 おれは森山威男(今のところ)初録音の「毛の生えた拳銃」サウンドトラックを持参。
 17時過ぎまで。ちと冷えた。
 相変わらず専属料理人不在、料理が面倒になり、夜は中津の「安呑屋/なにわや」へ行ってモツ鍋750円でビール。
 
 野菜たっぷりである。ラーメンぶち込み、麦湯割りで仕上げ。
 日曜だからボンクラサラリーマン諸君はおらず、静かなものである。
 2月15日にメニューが一新? この日は生中50円!という予告が出ている。大混雑だろうな。
 近所の諸君、期待したまえ。おれは遠慮するけど。

2月14日(月) 穴蔵/雪ぞ降る
 慌ただしいのであった。
 まず、近所の内科医院へ定期検診に行く。血圧、不気味なほどに正常である。Y医師が今月も「寒いのにええ値ですなあ」という。ストレス解消なのであろう。
 郵便局へ行って3件の処理。
 税務署へ行って確定申告の用紙を貰ってくる。今年からA→Bに変更である。
 いったん帰館。
 また歩いて梅田へ。
 金融機関関係をウロウロし、ついでにヨドバシと紀伊国屋を回って、昼前に帰館する。
 急に曇ってきて、午後は(雨の予報だったが)雪になった。
 
 ピアスタワーの上に雪が積もり、梅田方面はかすんでいる。
 雪は夕方まで降り続く。
 穴蔵にて雑事色々。
 寒くて買い物に出るのも面倒になり、専属料理人不在、夜は冷凍うどんに冷蔵庫の野菜色々にたまごをぶち込んだなべ焼きうどんを作ってビール、湯割り。
 明日はまた龍野行きである。
 落ち着いて仕事らしいことはできぬままだなあ。

2月15日(火) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 午前9時に実家に着く。昨日の雪がだいぶ残っている。
 室温4℃。ま、こんなものであろう。
 某事務所へ行ったり、タイムマシン格納庫へ行ったり、雑事色々。
 午後2時過ぎにひと区切りつく。
 裏の家、廃車はすべて撤去されている。まだ玄関にガラクタが積んであるけど。
  *
 一週間前と比べると、外車?らしきスクラップがなくなり、6台ほどあった廃車はすべてなくなった。
 今後どうなっていくのか。
 断続的に見守りたい。
・ニュース雑感
 講談社が相撲協会に損害回復求める通告書…刑事告訴も視野に、という。
 当然であろう。名誉毀損で「8億円!」ふっかけられて、5千万近くを支払った。春日錦はシャーシャーと「名誉を傷つけられた」という書証を出してるのだから。
 今岡清みたいなやつだ。いや、今岡の方が悪質か。今岡は証人として、宣誓までしてから「ウソ」ついて、その場でウソを指摘されて、言い訳ともつかぬことをぐじゃぐじゃいって、間違いでしたとはいってないからなあ。ありゃ偽証にならんのかなあ。
 これについてはこのへんを熟読されよ。
 ともかく、断固、おれは週刊現代を支援する。
 ささやかな支援だが、夕刻、うかいや書店で週刊現代400円を買ってくる。
 ということで、夜はひとり寂しくも楽しくキムチ鍋でビール、クッパ(雑炊)で「神の河」湯割り。
 週刊現代の「八百長」特集を読みつつ寝るのである。


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