『マッドサイエンティストの手帳』863

●マッドサイエンティスト日記(2025年10月後半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり
 ・中之島クロス(31日)


10月16日(木) 穴蔵
 午前2時に起床。相変わらずアタマ冴えぬまま朝になる。
 曇天。予報どおりであった。
 明日以降の天気予報を見るに「全国的に晴」は明日17日しかない。
 迷うことなく、明日の播州龍野行きを決定する。
 と、不思議なことに、播州龍野から別件の連絡あり、打合せしたいという。懸案の事項が急に進みそうな。
 終日穴蔵。
 明日の準備と、予定変更に伴う雑件の処理。次々片づけていくうちに、だんだんアタマが冴えてきた。
 人間、稼ぎとは関係なしに、仕事しなければいかんのだなあ。
 明日に備えて早寝。

10月17日(金) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 秋晴れ。9時前に実家に到着して作業開始。
 1時間ほど遅れて専任料理人も到着。
 ふたりで黙々と肉体労働を行う。
 要するに大掃除だが、「終活」と「二地域居住」の事前作業でもある。
 午後に行政書士氏が来て30分ほど打合せ。
 10月1日では遅すぎる……と覚悟していたのだが、2年という期間を大幅に短縮できる可能性がでてきた。
 そのため、また明後日に来なければならぬ。
 いっそ3日間滞在するか迷うが、準備していない。
 これからしばらく、頻繁に「いたりきたり」になりそうなので、本日は夕刻で切り上げ、帰阪することに。
 夕刻のキハ系で姫路へ、姫新線ホームから夕暮れの姫路城をちらっと眺める。
  *
 新快速で暮れゆく山陽路を走り、暗くなって大阪着、専任料理人がイカリで食材を買い、地下鉄で帰館。
 シャワー後、ビール一杯。うまつ。早寝。

10月18日(土) 穴蔵
 曇天である。
・午前、明日の準備作業を行う。
 と、作業中に行政書士氏から電話あり、現場立会い予定の相手方が急に入院のため、境界確認作業は延期せざるをえないという。
 やれやれ。明日の播州龍野行きは中止にして、各方面に連絡色々。面倒なことである。
 なんだか嫌な予感がするなあ。
・午後、ジュンク堂へ行ったら、店の前に時ならぬ大行列。
 最後尾の看板を見ればスタンプラリーとある。
  *
「2025大阪・関西万博オフィシャルストアDEスタンプラリー」なるイベントであった。
 オフィシャルストア4店以上を回ればシールか何か貰えるらしい。万博グッズの売り尽くし企画なのだろう。
 1階の万博グッズ売り場は大混雑。やっと万博が終わったというのに、迷惑はつづく。
 むろん読書とは関係ない人種で、2階以上はガラガラ。
 ジュンク堂も商売替えを考えたくなるだろうな。
・夜、晩酌時にとつぜん轟音が響き渡る。
 本日、淀川花火大会であったのだ。例年8月開催が、万博に遠慮して?延期されていた。
 淀川左岸堤は立ち入れないから、こちら側の見物客は多くないはず。それでも公園南の路上で十数人が立ち見している。
 ビールを飲みながら、しばらくテレビ大阪の中継を見る。
 と、20時過ぎに外で激しい雨音。まさに篠つく雨である。公園の見物客も逃げ出したような。
 ところがテレビ中継で、降雨はまったく映されない。バカタレントが数人いるが雨には触れず。現場ではないのか?
 8時20分頃に「天候不良により一時中断しています」と字幕が出て、やっと降雨の画面になった……と思ったらCMに切り替わる。外ではフィナーレらしい爆発音が轟いているのに、である。
 なんじゃいな。豪雨で混乱する観覧席とそれでも打ち上げられる花火という、滅多に見られない状況、願ってもないクライマックスを中継せずにCMたれ流しとは。テレビ大阪、それでも報道機関か。

10月19日(日) 穴蔵
 曇。寒くなった。室温は27℃、外は22〜24℃。
 終日穴蔵。
 播州龍野行きを中止したので、拍子抜けの1日であった。

10月20日(月) 穴蔵
 定刻?午前1時に目覚め、ゴミ出しに出る。
 雨が本降り。エサ場にパレットは置いてあるが、ネコの姿は見えず。
 ノラたちにはつらい季節になるなあ。何匹生き延びるやら。
 終日穴蔵。
 どうも調子が出ない。色々読んでいるうちに1日が過ぎる。
 これでいいのであろう。

10月21日(火) 穴蔵
 曇天。肌寒し。
 終日穴蔵。
 室内を秋冬モードに替える(コタツはまだ。暖房もまだ使用しないが)。
 気になって調べると、去年は10月30日に行っている。
 今年は秋の訪れが遅いと騒いでいたが、去年より10日早いではないか。
 何事も自分の体感で判断しなければならぬ。
 テレビは女性総理クマの出現のニュースばかり。
 初の女性総理誕生は歴史的な事件に違いないが、ずいぶんあっけない感じだ。
 欲望ギラギラでなく、軽くてパーでもなさそうなところが幸いしたのか。
 眞紀子や百合子の歯ぎしりを聞いてみたい。

10月22日(水) 穴蔵
 本日も深夜に目が覚める。雨。未明まで降り続く。あとは曇時々雨。
 今季いちばんの冷え込みで、出かける気分にならず。
 終日穴蔵。
 テレビは大量の新大臣大量のクマの出現のニュースばかり。
 似たようなものか。
 不調である。播州龍野関係の停滞で気が重く、何もする気にならない。

10月23日(木) 穴蔵
 秋晴れ……であるが、今ひとつ調子が出ず。
 終日穴蔵。
 アタマを使わない雑事の片づけで1日過ごす。
 早寝。明日は早朝からフル稼働の予定。

10月24日(金) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。9時前に到着。
 秋晴れ。好天。対外的な雑事色々を処理。
 10時半に横浜から長男ファミリーが軽ワゴン車に柴犬2匹を乗せて到着。
 11時半に専任料理人が到着。JRの事故があって1時間以上の遅れだが、これで予定の4人+2匹が集結。
 播州龍野の陋屋での合宿生活の開始である。これは去年11月4日の拡大版。
 午後、裏庭にびっしり生えた雑草の処理。90リットルのポリ袋15個の雑草を収穫する。
 夕刻、犬の散歩を兼ねて揖保川べり、楠の木のある川沿いの道を歩く。
  *  *
 白壁の犬は夕陽に映えるのであった。
 夜は(犬たちには留守番させて)、大人4人は「町内温泉」へ。陋屋の給湯器は取り外しているからなあ。
 帰路、寿司のチェーン店と食品スーパーに寄って豪華食品を持ち帰り、夜は大宴会……というほどではない食事会。
 疲労困憊。
 長男ファミリーは8畳間で寝袋、柴犬たちと雑魚寝。
 専任料理人は別室で布団。
 わたくしは2階の書斎兼寝室で爆眠。

10月25日(土) 播州龍野 & 姫路修道院
 播州龍野の陋屋にて目覚める。曇天。
 室内作業で、陋屋の大掃除を行う。近々行う家屋の補強工事の準備である。
 10時頃、墓参りに行く。
 おや、何代目かの「墓守蛙」がいた。
  *
 堀家之墓の「家」の字の左端にいる。初代の登場は23年前で、亡母が短歌に詠んでいる。その後も数回登場。同じカエルの一族なのであろうか。
 午後はワゴンで4人、姫路へ。
 姫路の聖母奉献修道会にいる姉に会いに行く。
 わが一族でいちばんクレバーな女性である。
  *
 教会隣りにある学校関係と修道院長の役職は退官したが、雑務は色々あるらしい。
 気になっていたことを色々聞く。
 詳しくは書かないが、上智の神学部時代、恩師のコギ先生から正田昭氏のことを聞き、何度か文通していた(膨大な手紙の交換をしていたのはNシスター(この方は今は仁豊野の修道院におられる)で、この記録は「宣告」で知られている)。その経過のことなど。わたくしはコギ先生とは眉村さんご夫妻を励ます会でお目にかかっているのだが(そして姉が教え子であることも知っていたのだが)、気後れして挨拶できなかったのである。コギ先生は気さくな方だから、緊張することはなかったのにといわれたが、もう遅いのである。ちなみにコギ先生のペンネームは加賀乙彦という。
 その他色々話したのち、また播州龍野の陋屋に帰館。犬たちが待ちかねていて大騒ぎ。
 本日も4人で町内温泉「はつらつの湯」へ。
 帰路、ピザ店と食品スーパーに寄って食品を買って帰る。
 また犬たちを交えて小宴会。日本シリーズ第1戦を見ながら。
 わたくしは途中で早寝させていただく。

10月26日(日) 播州龍野→大阪
 播州龍野にて5時前に目覚める。7時間ほど連続して熟睡したらしい。珍しいことである。
 雨。肌寒く、室温20℃である(真冬は暖房していても18℃くらいにだから、まだ暖かい方だろうが)。
 小雨の間に裏庭の柿を少し取る。
  *
 今年は豊作だが小粒。手入れしないままだから致し方あるまい。
 10時頃に長男ファミリーは横浜に出発。面白いからまた来年も来るというが、どうなることやら。
 あとはまた室内の整理など。これはキリがない。
 昼前に雨がやんだので、午後の電車で専任料理人と帰阪する。
 対外的な問題はほとんど進展せず。またたびたび来なければならぬようだ。
 夕刻帰館。
 夜は町中華風のメニューで一杯。
 アタマを使わず体だけ動かしたあとはビールがうまい。
 晩年はこれでなくては。
 22時近くに横浜から無事帰着のメール。厚木で事故があり、大渋滞に巻き込まれたらしい。
 それぞれ無事に戻れて何よりであった。

10月27日(月) 穴蔵
 秋晴れ。好天だが、3日間の反動で出歩く気分にならず。
 ただし疲れはなく、体調は極めて良好。
 終日穴蔵。机に向かい、雑事の処理。時々テレビでニュースを見る。
 トランプが羽田に、クマが各地に出現して大騒ぎ。
 前者には警視庁が対応、後者には秋田県が自衛隊の出動要請。
 トラとクマ、違うとすれば警備側の銃口の向きだけか。

10月28日(火) 穴蔵
 また元の生活パターン(深夜に起床、終日眠い)に戻ってしまった。
 終日穴蔵。晴れているが、寒くて出歩く気分にならず。
 本を読み、居眠り、時々ニュースで1日が過ぎる。
 ニュースは、トランプ来日、山上徹也の裁判開始、ワールドシリーズ、日本シリーズ……どれもさほど関心なく、結果だけわかればよろしい。
 本はまあまあ読んでいるが、あまり本のことは書いてないな。ちょつと反省しつつ、一杯飲んで早寝。

10月29日(水) 穴蔵
 午前1時に目覚めるが、がまんして眠ったら4時過ぎまで眠れた。努力してみるものだ。
 晴。寒い。午前、穴蔵を少し掃除して、コタツを設定する。
 これから半年間の読書スペースとなる。
 播州龍野関係の諸案件が進展しないのでイライラしていたら、昼過ぎに立て続けに連絡あり。
 11月上旬の予定をあれこれと設定する(ただし肝心の境界確定だけは見込みが立たず、困ったものよ)。
 春までになんとかなればいいのだが。
 夜は専任料理人が鯵フライとかキノコのガーリックなんたらとかを並べた。
  *
 ありがたくビール、フランスパンでワインを少しばかり。
 早寝させていただく。

10月30日(木) 穴蔵
 晴。寒い。
 終日穴蔵。出歩きたいが、やたら連絡事項が多くて席を立てない。
 播州龍野へ行きたいところだが、こちらにも予定あり、調整に手間取る。
 幸い相棒の某くんが龍野で仕事中だったので助かる。
 SF系のことは何もできず。
 しばらくは致し方なし。

10月31日(金) 中之島クロス
 午前2時に目覚めて、一応朝まで机に向かう。
 30歳の頃から、基本的に「午前4時起床、午後10時就眠」の朝型生活を続けてきたが、会社勤務をやめてから(特にコロナ以降)、これが2時間ほど繰り上がったようである。
 体質だから、無理して修正することもあるまい。
 朝、大阪駅からバスで中之島4丁目、中之島クロスへ。
 3ヶ月ごとの健診だが、異状なし……とはいかなかった。また再来週あたりに、しばらく別荘暮らしになりそうな。
 これも体質かもしれず、あきらめる他あるまい。
 朝から微雨が断続的に降っていたが、昼前にはやんでいる。
 帰路は堂島川沿いを歩く。
  *
 美術館前で濡れた Space Ship's Cat と対面。今年はよく会うなあ。この猫とも一生縁が切れそうにない。
 午後は穴蔵にこもる。雨が本降りになった。
 夜、関東に警報級の大雨? 渋谷は土砂降りか? 雨のハロウィン、何よりであった。
「遅すぎる」日からはじまった「たそがれの国」が終る。


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