『マッドサイエンティストの手帳』823
●マッドサイエンティスト日記(2024年2月後半)
主な事件
・KLL例会(16日)
・確定申告(20日)
・大阪あそ歩@梅田地下街(23日)
・SF読書会@森之宮(28日)
2月16日(金) KLL例会
昼前に出て兵庫県へ。
三宮、東遊園地……冬の空である。
*
月1度神戸に来るが、元町、港や湊川など歩く時間がない。
もう少し暖かくなったら専任料理人とぶらぶらすることにしよう。
午後、神戸文芸ラボ(KLL)の例会に出席する。
面白い作品色々。
複数のエッセイに登場した元日の能登地震について、やはり神戸では29年前の記憶と重ねることになる。
その表現はまちまちだが、少し揺れると瞬時に記憶が蘇ることは同じ。
大阪でそれを体験(本棚倒壊/食器ほぼ全滅)したわたくしでもそうだから、武庫川〜須磨あたりに住んでいた人の記憶はレベルが桁違いだろう。
夕刻帰館。
2月17日(土) 穴蔵
普通の土曜日であった。
終日穴蔵。
・確定申告書の作成。PCにあるExcelの計算結果の転記だけだが、細かい筆記は面倒だなあ。
数千円の「必要経費」を(認められるかなあと)気にしながら作業していると、(申告の必要性を気にもしていない)安倍派どもにまたも腹が立ってくる。
ま、今年は生活保護をお願いすることになるかもしれんから、あまり悪口は書かんとこ。
・H3ロケット2号機の打ち上げ成功のニュース。なによりであった。
・夜、NHK『2030月面テレビ』見る。
H3のあとでスペースX。ボカチカで派手にロケットを打ち上げては爆発させる映像を見ていると、スケールと進め方(恐ろしく乱暴に思える)のあまりの違いに困惑してしまう。
イーロン・マスクのその他の事業(テスラからテレパシーまで)も含めて、個別に検証するだけでも大変で、ましてそれらを総合して浮かび上がる「未来世界」が、SFファンの夢見た未来とはあまりにもかけ離れている……と思うのはわたくしだけだろうか。
困惑というより違和感……このあたりのことを、過去に読んだSFを引き合いに考えてみようと思ったが、こりゃ1年かけても無理な作業だ。
ただ、2030年には「結果」を確認できる可能性はあり、それまでは生きていなければならぬ。
マスクは生きる希望を与えてくれるわけで、そのことには感謝しなければ。
2月18日(日) 穴蔵
陰また晴。終日穴蔵。
4月並の陽気という。正午は室温19℃、ベランダ18℃(アメダス16.5℃)だが、体感的には肌寒い。
机に向かっていると体が冷えてくるので、ほとんどコタツで本を読んで過ごす。
午後、近所の公園まで出て、少し体を動かす。
*
河津桜が開花しはじめていた。大阪の春は遅い。
明日はもう少し動くつもり。
2月19日(月) 確定申告/穴蔵
曇天。予報では午後雨という。
朝9時、確定申告のため、徒歩5分の大淀税務署へ。
と、今年から「提出だけ」もスカイビルの相談会場で受付に変わっている。嗚呼。
うめきた北側の陸橋を渡り、スカイビルまで15分ほど歩く。
タワーウエストはエレベーター前に大行列……やれやれと思ったら、これは「相談」の整理券待ちで、提出だけなら10階へ直通、行列もなく、5分で終った。
(来年からはデジタル化の関係で「控」に「収受日付印」の押印はせず、「提出用」だけ送付すればいいらしい)
スカイビルの確定申告会場に来るのはこれが最後か。
ビルを出ると(9:30)雨が降っていた。
傘を持たずに来たので、ダウンのフードをかぶり、工事中のうめきた2区を速足で横切り、グラフロ南館へ、ここから地下、茶屋町口からガード下を歩いて豊崎3丁目の高架下まで。ここから200メートルはまた小雨の中を歩いて、10時頃に帰館。
着替えたら、ひと仕事終えた気分になった。
あとは穴蔵。コタツで色々資料を読んで過ごす。
夕刻のニュース。
うめきたに建設中のタワマン、最上階の「25億円の部屋」の買い主が抽選で決まったという(その正体は明かされず)。
午前中に横切った通路の北側のタワマンだ。
そんなに便利な場所でもないぞ。JR大阪から500メートルほどあるし、雨の日に傘がないと、今日のわたくしのようになる。周辺からの「双眼鏡の視線」にさらされることになるだろうし……と、悔し紛れ。
2月20日(火) 某院/穴蔵
曇天。
朝、徒歩圏の某院へ。
昨秋に世話になったところで、もういいだろうということだったが、念のため3ヶ月目の検査である。
採血してから、1時間ほど待機しなければならぬ。
いったん帰宅するほどでなし、近所うろうろ。
前の広場のなんとか桜がきれいである。
*
この建物に初めて入った昨年9月には百日紅が咲き、この前に来た11月には紅葉が鮮やかであった。季節を計算して植樹してあるのだ。患者への気配り、立派なもの。
本日はセンセイに急患?があったのか、全体に1時間ほど遅れた。
混み合った待合コーナーで、周囲の色々な話が耳に入るが、皆さんたいへんなんだなあ(特に通院期間)。今回に限らず、わが回復力は驚異的に思えてくる。
昼前に診察。念のためにPSAを調べたということで、極めて正常な値であると説明を受ける。
年に一度の検査を続けてもよいが、もういいだろう……ということになる。
ここが最後を迎える場所とはならないようである。
午後は穴蔵。
たちまち夕刻。
4皿ばかり並べてもらい、本復祝いでビール、ワイン。
早寝することに。
2月21日(水) 穴蔵
朝だ。雨が降っている。久しぶりに浅田飴だ。
終日穴蔵。
雨が断続的に降り続き、肌寒い日。たいして生産的な仕事はできず。
・暗いニュース。
2月13日に浜名湖畔(鷲津)で水死体で揚がった男子高校生殺人事件。
浜松の堀内音緒(21)ら5人を逮捕。予想どおり、同じチンピラ仲間であったようである。
暖かくなれば、青春18で「現場」見物に行き、鰻を食べることにしよう。わが愛好する風景を汚しやがって。
・明るいニュース。
知り合いの某さんが星新一賞優秀賞受賞!
これは諸々の結果が公開されてからコメントしたい。
わたくしなりにいえば『夜来る』を「現代的」にアレンジした傑作短篇である。
たちまち夕刻。
早寝させていただく。
2月22日(木) 穴蔵
朝だ。5時頃にゴミ出しに出たら微雨。すぐ止み、浅田飴には至らず。
終日穴蔵。
市営廃墟の工事音が止まない。午後、見物に出る。
周辺を鋼板塀で囲う工事、パイプを打ち込み、クランプで鋼管を組み合わせて、枠組みが出来上がっていた。
鋼板のパックも運び込まれている。
*
ここに(公園と同じ)高さ3メートルの白い鋼板が張りつけられるらしい。
ネコのエサはどこからやるのか。
来月が楽しみ心配である。
2月23日(金) 大阪あそ歩@梅田地下街
世間は3連休の初日である。
朝から微雨。が、本日は傘はいらない予定なので、小走りで梅地下の北端(阪急茶屋町口)へ。
「大阪あそ歩」という「まち歩き」企画があって、本日は、創サポの芝崎さんのガイドで梅田地下街を歩くという。拙作「梅田地下オデッセイ」の舞台歩きなので、スタートか解散場所にゲストで来てもらえないかという話があった。※
これを聞いた古いSF友が3人(ひとりは相当遠方から)参加するという。それならわたくしも全コース付き合うことにしたのである。
10時に三番街のシャッターが開き、ここからホワイティ〜曽根崎署地下〜阪急南側(発端部分)〜御堂筋線・南改札口〜アリバイ横丁跡〜西梅田北端〜桜橋出口(駅前第1ビル)と歩いて流れ解散。約2時間。
*
(↑写真は人通りの少ない西梅田の一角/JPタワーの地下とつながるか?)
いちばんの迷宮はディアモールだろうが、ここは書いた頃にはまだ完成していなかった。
どことも当時(78年)とは大きく変化してしまった。
これからは、JR北側「うめきた」とのつながりが気になるところだ。
堂島で、後から来たSF友2名が合流。
SF組6名でランチビール(さすがに大宴会というわけにはいかないが)。
久しぶりにミニSF大会となる。
むろんSFの話もするが……ここでも介護や「負の遺産」や持病の治療の話などが多くて、これはしかたないことである。
楽しき連休初日であった。
※この企画について、芝崎さんは2008年のDAICON7のオプショナルツアーに参加できなかったから提案したという。2008年のツアーは大阪の「川・陸・宇宙・地下」を巡る企画で、地下街はぶらっと散歩する程度だった。迷宮ツアーは今回が初めて。
2月24日(土) 穴蔵
連休2日目。曇のち晴。寒い。
昼前に天八のスーパー往復。専任料理人のお伴で重量物(飲料)のポーターを務める。
あとは穴蔵。
たいして生産的なことはできず。
宮内悠介さんの短編集『国歌を作った男』(講談社)、多様な作風に感心するが、特に「パニック――一九六五年のSNS」には驚いた。
「パニック」は開高健のデビュー作。開高の『輝ける闇』に関して起こった「世界で最初の炎上」! 半世紀前の日本のIT事情の設定が面白いが、これが「ジコセキニン」に関連付けられるのにさらに驚く。開高のベトナム行きは同時代に知っているから(講演も聞いたし『夏の闇』も読んだ)、1979年生まれの宮内さんがこの時代を書くのにはさらに驚嘆……ながくなるので後日別項で。
読んだ本のことを書いてないな。
まずは昨年読んだ本のことを明日からでも書いていくことにしよう。
たちまち夕刻。寒くなって来た。
一杯飲んで早寝。
明日の、氷雨の中の大阪マラソンが楽しみである。
2月25日(日) 穴蔵
定刻4時に目覚める。雨が降っている。
室温18℃、ベランダ6℃、アメダス4.9℃。予報では本日は「真冬の寒さ」だが、1月の、ベランダ4℃、アメダス1.2℃に較べれば、もう真冬でもないだろう。
5時半、MBS「らくごのお時間」は桂天吾『くしゃみ講釈』。
……吉朝の若い頃に較べるのは酷か。天吾は南天の弟子。米朝師匠の玄孫弟子になるわけで、こちらが老化して若い落語家を正当に評価できなくなっているのだろう。
午前、なんとテレビで大阪マラソンの中継をやっている! 昼前中にゴールインしてしまった。
昼頃にスタートするものと思い込んでいたのである。
ビール飲みながら、冷たい雨の中をずぶ濡れで走る映像を楽しむつもりが、アテが外れてしまった。
午後はコタツでフテ寝。
たちまち夕刻。
専任料理人に色々並べてもらって晩酌。
湯豆腐、刺身などでビール。
* *
グラタン、サラダ、パスタでワイン。和洋ぐちゃぐちゃ。どちらかにしてほしいが……
むろん、ずぶ濡れマラソンをアテに飲むよりは、だいぶマシである。
早寝。3連休が終る。
2月26日(月) 穴蔵
曇、午後は晴れてくる。
終日穴蔵にあり。たいして生産性はあがらず。
連休明け。隣接する市営廃墟の工事音が終日響く。野良たちはどうしているのか。
たちまち夕刻。
専任料理人が並べた揚げ物やサラダでビール。
あと、ブルディガラのクレセントパンが出てきたので、某方面からいただいた高級ワインを開栓。うまっ。
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今夜は江古田Buddyで山下洋輔さんの誕生日ライブ。
ウチもそれに合わせて、ちょっと特別な日なのであった。もう46年か。
2月27日(火) 穴蔵
曇時々晴。
終日穴蔵。
市営廃墟の工事音が響く。
午後見物に出てみると、ネコの餌場は鋼板で覆われている(こないだまでパイプだった)。
* *
鋼板塀の下には5pほどの隙間があり、エサ容器の差し入れは出来そうだが、オバサン、どうするのか。
ちょっと離れた場所にはネコが出入りできそうな隙間はある。野良が廃墟に閉じ込められることはなさそうだが。
今日の深夜から、エサやり方式がどうなるか……楽しみなことである。
2月28日(水) SF読書会@森之宮
晴。(室内にいる限り)暖。
終日穴蔵にて資料を読んで過ごす。
夕刻這い出て、地下鉄で森之宮へ。
森之宮キューズモール(日生球場の跡地……古いね)に来るのは初めてである。
先日の「大阪あそ歩」で梅田地下街を歩いた時に、参加者から「大阪SF読書会」というグループがあるので、一度ゲストで来てもらえないかとお誘いを受けたのである。
モール内の「まちライブラリー」(面白い本が並べてある談話室? いい雰囲気である)で、毎月、それぞれが好きなSFを持ってきて紹介しあう方式らしい。
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参加者の自己紹介。相当古いSFファン(絶版の『梅田地下オデッセイ』の美本/発売日の旭屋のレシート付を持参)や映画関係で知られている人から、卒業間近という中3生まで、20人ほど。なんとも幅広い顔ぶれである。
わたくしは、先日の梅地下の拡大版で、大阪のSFと景観を「霧に沈む戦艦未来の城」(中之島)から「皆勤の徒」(此花/伝法経由酉島車庫前行き)まで簡単に紹介。
あとは自由な意見交換会。
古くからのSFファンダムとは別に、不思議に面白いSF読書グループが誕生しているのが、古株のわたくしには新鮮であった。
2月29日(木) 穴蔵
曇天。
午前10時、雨になる前に梅田へ。ATM回ったあと、ジュンク堂に寄る。
なんと、1階の半分が「万博グッズ売場」に変わっている。開催不透明なのに。
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日本最大の売場面積だった書店、7階は別のテナントになり、1階は縮小した雑誌コーナー。
それでも6階分(地下のマンガと2〜6階の書籍)は残る。
紙の書籍が滅びようとしている時代、「万博」に協力して生き延びようという努力は、ありがたいというべきか。わたくしは夢洲へ行くことないけど。
ささっと帰り、あとは穴蔵。
午後は予報どおり雨となった。
肌寒い2月が終る。
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