『マッドサイエンティストの手帳』435

第47回日本SF大会 DAICON7


 SF大会は20世紀で卒業……などといっておりましたが、昨年ワールドコンに参加、柴野さんの姿を見るに、自分の都合のいい時だけ参加というのはいかんなあと反省、今年から積極的に参加することにした。
 今年は岸和田でのDAICON7。いわば地元である。
 頼まれれば何でも協力するということで、4企画に関わりました。

プレ企画 Optional Tour
 プレ企画、大阪市内を(主にキタ中心に)巡るSF的ツアーに参加する。
 13時に水陸両用バスの乗り場になっている『シティプラザ大阪』のロビーに集合。添乗員は桐山さん。他にも顔見知りがけっこう多い。参加者35人で水陸両用バス「チャレンジャー」は貸し切りとなった。
 13時半に出発。馬場町から桜宮へ移動、ここで運ちゃんが船頭さん?に交替して進水となる。
  
 基本的にはいすずのトラックがベースで、陸上の乗り心地はいまひとつだが、川面に突入の瞬間は面白い。
 大川を南下、中之島先端あたりまでクルージングして引き返す。
 再上陸、銀橋から国道2号線を西に走る。貸し切りなので、市立科学館まで直行してくれる。
 ガイドの姉ちゃん、吉本系のノリで面白いのだが、このコースを走るとわかってたら、米朝事務所、宇治電ビル(眉村さんが勤務されていた)、すぐ横のヌル・スタジオ跡、喫茶店「アポロ」跡、ラジオ大阪跡(「題なし」が放送されていた)などキタのSF名所を紹介してもらえばよかった。
 市立科学館に15時過ぎに着く。
 復元されたロボット「學天則」はじめ、夕刻まで通常の展示を見学。
  
 17時過ぎから特別企画でプラネタリウムのスクリーンを利用して、種子島でのH-2Aロケット打ち上げ映像を見る。
 ついでに笹本祐一氏が撮影した秋田県・田代試験場でH-2Bロケット用エンジンのクラスター燃焼試験の映像も。
 ここで「陸」「水」「空」が終わり、最後の「地下ツアー」に移る。
 おれは「梅田地下ツアー」の案内役なので、スクリーンを借りて簡単なガイダンスを行う。
 科学館からゾロゾロ歩いて、堂島地下センターの南端から地下に入る。
 懇親会場は桜橋の地下なので、梅地下ツアーといっても、堂島地下センターを歩くだけ。
 これではツアーにならないので、いったん自由解散として、ビール飲む前の散歩を兼ねて有志で地下街を散歩することにしたら、ほとんど全員が参加となった。
 「梅田地下オデッセイ」ラストシーンの桜橋から出発して、駅前ビルの地下1階南側通路を1→2→3→4ビルと歩く。この階はディアモールができてから「中二階」になって寂れかけているのだが、ゲーセンが増え、立ち呑みやテーブルを通路にまで並べた居酒屋など、うまそうな店が増えている。梅田の場末ムードになっているのがいい。
 地下鉄東梅田の改札口に出て、ホワイティ梅田の旧阪急乗り場への階段の前へ。ここは「梅地下」の発端の場所。
 案内所で地下街マップをもらえる。
 阪神のデパ地下南側からディアモールに入り、五叉路の中央で柏手を打つ(理由は現地に行って実行すれば判明する)。中央にあるオブジェを囲んで30人ほどがこれやったものだから、怪しげな宗教団体に思われたかも。
 ということで、桜橋に戻って懇親会スタート。
 途中で「豪華賞品が当たる/梅田地下クイズ」というのをやった。10問、全問正解がいるかと思ったが、6問正解が10人。ジャンケンでの決着になった。参考までに問題はこちらに掲載。正解は数日後に。
 少し遅れて、伊丹空港から近藤陽次博士(SF作家エリック・コタニというべきか)が到着。
 ワールドコン以来。ミーハーなおれは、『彗星爆弾地球直撃す』にサインをもらった。
 21時半頃に閉会、流れ解散となる。
 
 十数人で地下鉄御堂筋線・南改札前の広場で記念撮影。この時間だから可能であった。
 (参加者でこの原写真(データ)が必要な方はメールでご連絡ください。)
 梅地下の北端・三番街から地上に出て、歩いて帰館。
 わ、明日の企画の準備がまだできてない……。

第1日(8月23日)
 地下鉄、南海と乗り継いで、昼前に岸和田に着く。
 泉大津や貝塚には仕事でよく来る機会があったが、不思議なことに岸和田で降りるのは初めて。
 商店街を抜けて、会場の「浪切ホール」まで、15分くらい。なるほどダンジリが近づいていて、町の雰囲気がちがう。提灯や、ダンジリ小屋?にたむろしている男衆とか。
 
 市の財政を一挙に赤字にしたとかいうホール、立派なものである。
 受付済ませ、企画より先に昔の「タイム・パトロール」メンバーなど8人、ロビーで集合、10分ほど歩いて、「う我寿」(うおとしと呼ぶのだが、我は越を間違えているという説もあり)の座敷で昼食会。2代目会長の川崎さんの自宅が駅と浪切ホールの間、徒歩5分ほどのところなので、地元のうまい店を予約してくれた。ちょっとした会席で、申し分なくうまいのだが、午後には企画が2つ控えていて、ビールが飲めないのがつらいところだ。
 会場に戻り、15時から「サイエンス・イマジネーションを語る」に出る。
 これは昨年のワールドコンでの『「サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!』が本になって、本日から書店に並ぶ……瀬名秀明さん渾身の編著である……ので、それを記念してのパネル。瀬名秀明さん、円城塔さんに挟まれるかたちになって、今年は気楽にやろうということだったが、やはり緊張するなあ。後半では八代嘉美さんにも入ってもらい、今話題の『iPS細胞』についても語ってもらう。
 『サイエンス・イマジネーション』『iPS細胞』については別項で紹介予定。
 つづいて「完全な真空」という企画に出る。
 こちらはほとんど準備なしのパネル。
 内容は……立場上「○秘」とするしかない。司会のK崎くんと菊池誠さんとおれでスタートだが、心許ないので、途中から北野勇作、田中啓文、田中哲弥、小林泰三の諸氏にも参加してもらった。
 うーん、会場が広すぎて「密室度」が低かったかなあ。
 夜は同じホール内でSF作家クラブ主催の懇親会に出る。
 企画の連続であまりウロウロしてなかったから、ここで初めて参加の諸氏と顔を合わす。
 
 今野敏さんが来ていて、遅まきながらお祝いを述べる。山周賞や推作賞など立て続け受賞だがお祝いをいう機会がないままであったのだ。
 ビール、焼酎ロック飲みつつ、21時前まで。

第2日(8月24日)
 やや二日酔い気味である。
 本日も昼前に岸和田着。
 本日は「宇宙作家A・C・クラークを語る」に出演。
 「宇宙作家クラブ」のメンバーが「宇宙作家」クラークを語る追悼企画で、9人(鹿野司、江藤巌、金子隆一、小林泰三、堀晃、野尻抱介、林譲治、大野典宏、松浦晋也)……このメンバーなら「われもわれも」になるから、あまり緊張せずに済んだ。
 終了間際にエリック・コタニ氏が来室。終了後、ちょっと雑談。クラークとは交流があったそうで、色々と面白い(が公式的には話しにくい)話を聞く。この企画はまた繰り返し行われそうな。
 また地元TPメンバーと会ったので、せっかくだから岸和田のベイエリアを散歩。
 
 あとディーラーズルームなどウロウロ。
 ちと疲れてきたので、大ホールの閉会式は遠慮して、早めの帰館とする。
 関空へ向かう森下一仁さんといっしょに駅まで。
 岸和田でのSF大会、盛会であったが、市全体の雰囲気からいえば、ダンジリ前のささやかなプレイベントに過ぎない。地元の男衆から見れば、SF?なんやそら、ってとこだろう。

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