『マッドサイエンティストの手帳』776
●マッドサイエンティスト日記(2022年3月後半)
主な事件
・マンボウやっと解除(22日)
・SF検討会(25日)
・播州龍野いたりきたり
3月16日(水) 穴蔵
定刻午前4時に目覚める。ちょっと夜更かししたら正常に戻ったらしい。
本日も晴れて暖。
朝食は抜き。
朝、近所の某院へ。定期健診+年1回の健康診査。20分もかからず。異常は見当たらず、諸数値は正常であった。ほっ。
あとは終日穴蔵。色々読んで過ごす。
ニュース雑感。
・グローリーサービスの社員が21億5千万円横領……たいしたものよ。グローリー工業は1960年代後半に今の社名に本稿、それから急成長したのではなかったか。姫新線高岡の南西にある工場が急速に大きくなり、姫新線1駅間が社員で混みだした。ここに入社した高校同級生の某くん、10数年後の同窓会では社内持ち株会での「成金」と羨ましがられたものである。
・大阪市全域を路上喫煙禁止に(2025年)……これはやり過ぎと思う。
この1年、昼間、公園の入口付近で喫煙する近所の社員が増えて、迷惑この上ない。社内禁煙、コンビニ前も追い払われたためだ。
喫茶店や飲食店の分煙で十分だったのではないか。この20年ほど、居酒屋(分煙)で不愉快な思いをした記憶がない。串カツ・ヤキトリ・鰻・焼肉は換気がきちんとしていて、副流煙を吸ったこともない。そんな店を規制し出した頃から路上にたむろしての喫煙が増えたように思う。社内・店内・家庭内の分煙で十分ではないか。蛇足ながら、わたくしは生まれてこのかた喫煙の経験はない。
・大阪も来週でマンボウ解除。わたくしは解除で生活スタイルを変えることはないが、龍野行きに「うしろめたさ」を感じなくてすむのはありがたい。
・JR減便……調べてみると、姫新線は昼間、1時間2本が1本になっている。混むなあ。
総合すれば、来週には龍野へ行けるが、姫新線が混みそうで(グローリー社員がひとり減るだけ)、気が重くなる。
3月17日(木) 穴蔵/ウロウロ
晴れて暖。ただし10時頃から少し雲がかかりはじめた。
昼前に出て、人通りの少ないグラフロ西側を抜けて、久しぶりに桜橋への某院へ。
昨日に引き続き、こちらでも(別項目で)検体検査を受ける。
午後診察、諸数値に異常なし……というより、はるかによくなっている。
「生活は変わりないですか」
「マンボウで閉じこもりがちですが」
「散歩はつづけてください。心筋が衰えてはいけませんから、ともかく歩くことです」
そういえば、これは半年前と同じパターンだと気づいた。
きちんと守っていたはずが、ついお代官様に忠実なあまり、医師の意見を忘れていた。
反省。明日からは(歩くことに関しては)マンボウ無視することに。
*
某院ちょっと西の「壁抜け猫」とも半年ぶりの対面。
今度は9月である。
往路と同じくグラフロ西を歩いて帰館、あとは穴蔵にこもる。
3月18日(金) 神戸新聞文化センター
曇天、7時半頃から久しぶりの雨となった。
昼前に出て、阪急で「越境」して三宮へ。
神戸新聞文化センターの講座の日である。
この講座は4年ほど前から、眉村さんの講座を引き継いだもの。
講座名は「物語・エッセイ」で、どちらかといえば初心者向けの講座と謳われている。
しかし、メンバーは変わらず(眉村さんを慕って集まった顔ぶれ/全員『眉村卓の異世界通信』に寄稿されている)、初心者などとは呼べぬレベルである。
エッセイはそれぞれの文体が出来上がっていて、テーマも(今はコロナの話題が多いが)多彩で面白く、わたくしか指導とか批評するレベルではない。作品をネタに雑談に終始することが多いほど。
小説も(SFでは旧知のIさんがいるが)非SFの方が多く、もう講座の所期の目標は達成されているとみていい。次のステージを考えるべき時期に来ている
今の講座の進め方は限界にきているように思えてきた。
昨年末あたりから考えてきた(受講者の皆さんにも相談してきた)ことだが、この講座は本日で終了することになった。
ただ、4年間やってきたメンバーであり(講座を離れて演劇の分野で活躍されている方もいる)、このまま解散というのも寂しく、少し時間をおいて考えることになろう。
*
17階からの神戸も見納めである。雨が強くなり、風雲急を告げる感じだ。
3月19日(土) 穴蔵/ウロウロ
世間は本日より3連休、天気は午後から悪化……らしい。
昼前に出て散歩。
茶屋町〜新御堂南下〜お初天神。路地の火災現場は変化なし。やき鳥の○栄亭はん、どうすんのよ。
東に歩く。APAの新築中とか、関テレ跡地の広大な駐車場に驚く。しばらく来ないうちにずいぶん変わっている。
花のない時期である。が……
扇町公園の白木蓮が満開であった。
*
播州龍野の白木蓮の方がいいはずだが、もう散っているか。
コロナで行かなくなったからなあ。
ちょっと北側にあるベンチで休憩。
*
ここは昨年11月に、稲美町で甥っ子2人を焼殺した松尾留与(51)が座っていたベンチである。2時間ほどのすれ違いであった。留与はまだ鑑定中か。
中崎町を抜けて帰館。
あとは穴蔵にこもる。
3月20日(日) 穴蔵/ウロウロ
世間3連休の2日目。ちと寒いのであった。
終日穴蔵にこもる。
昨日が米朝師匠の7回忌であったことに気づく。
訃報があったのが深夜だったから、3月20日の印象が強いのである。
それに米朝師匠は神道だから、7回忌で特別な企画があるわけでもない(3回忌の時もそうだった)。
自主的命日として、午後、DVDで『はてなの茶碗』『らくだ』『京の茶漬け』を見る(いずれも「落語研究会 桂米朝全集」の)。
たまらんなあ。「共感疲労」には落語に限る。
夜中までつづけたいが、明日も「世間は休日」であることだし、本日はこのへんで。
明日は同じシリーズで吉朝師匠にするか。
たちまち夕刻。一杯飲んで早寝させていただく。
3月21日(月) 穴蔵
世間3連休の最終日。
春分というか春季皇霊祭というかお彼岸というか、ややこしい日である。
人出が多そうなので、医師のアドバイスに反して、終日穴蔵にこもる。
午後、昨日につづき、DVDで吉朝師匠の「蛸芝居」「質屋蔵」「ふぐ鍋」を見る(いずれも「落語研究会 桂吉朝全集」の)。
やっぱりうまかったなあ。明日は歌之助師匠にするか。落語は共感疲労の妙薬。
たちまち夕刻。
4皿ほど並べてもらって一杯。早寝させていただく。
3月22日(火) 穴蔵
朝だ。雨が降っている。久しぶりに浅田飴。
昨日に引き続き「落語研究会」……といっても、朝5時からBSでTBSの再放送を見る。
柳家花緑「不動坊火焔」だが、早朝から見るものではないな。この番組、めったに見ないが、上方からは最近は吉弥さんが出たくらいかな。米朝師匠出演の時代はテレビでは知らない。
3連休が終わり、マンボウ解除である。
播州龍野行きのつもりでいたが、相棒の某くんがクルマで行ってくれることになった。
雨だし寒いので、本日も終日穴蔵にこもる。歩かねば……と、わかっちゃいるのだが。
働く気にならず、午後、BSで『ブリット』を見る。
大学時代以来、40数年ぶりか。当時評判になった作品だが、あまり感心しなかった。
いいと思ったのがエレベーターでの銃撃の一瞬だけで、話題になったカーチェイスも、それもほどのものではなかった。
今回見ても、印象は変わらず。ピーター・イェーツはドン・シーゲルの足元にも及ばない。
たちまち夕刻。
*
イカの一夜干しの野菜炒め(イカVer.5になるか)などでビール。
お楽しみはこれだけだ。
早寝。
3月23日(水) 穴蔵/ウロウロ
晴れて暖寒……というほどではないものの、外出にはダウン着用。
午前、人通りのないグラフロ西側経由で桜橋を抜け堂島へ。
谷本盛雄が26人焼殺したビルを見る。
*
全館閉鎖、現場の4階の窓にはフタ。ビル全体が大迷惑であるなあ……宇宙船でこれやるとどうなるのか、などと愚考する。
近所で散髪(そのために出てきたのである)。
10分ほどで終わり(なにしろ髪の量が少ない)、堂島地下(ほぼ南端)から三番街(北端)まで、地下街を歩いて帰る。
ぶらり横丁の跡とかアリバイ横丁の跡など、ずいぶん変わっているなあ。
わたくし思うに、きれいにし過ぎである。ぶらり横丁は「それらしく」残すべきであった。大阪の玄関口なんだぜ。
昼前に帰館。あとは穴蔵にこもる。
3月24日(木) 穴蔵
晴れて暖…らしいが、わたくしは肌寒い。
医師のいいつけに背いて、終日穴蔵で過ごす。
・某方面からメールが届いた。
「眉村卓の異世界通信」がAmazonの「ネクパブPODアワード2022」で優秀賞受賞の知らせである。
賞金もさることながら、選評がうれしい。「忘れないこと」の装置としてPODが活用されていて、「研究あり、思い出話ありで資料としての網羅性も高く」「有志による出版プロジェクトという、チームパブリッシング」が高く評価されたとは、ありがたい限り。まさにチームプレイ。寄稿者の皆さんと喜びを分かち合いたい。
3月25日(金) 穴蔵/SF検討会
晴れて暖。春である。
昼、医師のいいつけを守って歩くことにする。
公園の桜が開花している。花見は来週にするか。
*
久しぶりに豊崎長屋の「土の道」を抜けて、天六まで。
重量物(液体)など持ち帰る。約5000歩。
たちまち夕刻。
かんべむさし氏が焼酎ぶら下げて来穴蔵。
久しぶり(昨年末以来)に、定員2名内容非公開のSF検討会を開催する。
近況報告、知り合いの消息などから始めるが、主テーマは「夢と論理性」か。むろん結論は出ず。作品にするしかないからである。
気がつけば4時間ほど経過していた。
早寝……でもないか、酔眠させていただく。
3月26日(土) 穴蔵/zoomランチ
曇天……9時過ぎに雨が降り始め、終日降り続く。
九州とか日本海側は「春の嵐」らしい。
終日穴蔵。
昼、専属料理人が「花見弁当」みたいなのを作って持ってきた。
横浜のボンクラ息子その1ファミリーとzoomランチを行う。
向うは豪華な寿司である。クーポン利用で1300円とか。ビール飲みつつ、日常の話題ぐだらぐだら。
14時前、阪神の試合が始まるということで終了。
こちらは昼寝させていただく。
3月27日(日) 穴蔵
快晴で暖。
昼前に近所の公園散歩。1000歩ほど。
公園には桜が10本ほどあるが、開花したばかり。
公衆便所の横の桜だけが7分咲きである。
*
この老木がいちばんきれいなのだが、誰も横で花見宴会はしない。
花見関係なしに、タクの運ちゃんがやたら小便しに立ち寄るからである。
西側の道に3台ほど縦列駐車することもある。住人より運ちゃんに便利なのである。
午後は穴蔵。
夕刻、大相撲の最後の5番ほどを見る。高安と若隆景の優勝決定戦となって若隆景が優勝。
高安というのは四股名に問題があるのではないか。
インフレとデフレが同居というか、評価が急騰なのか暴落なのか、よくわからん。今後も浮沈が激しいであろう。
一杯飲んで早寝させていただく。
3月28日(月) 穴蔵
晴れというより薄曇り、さほど暖かくもなし。
花曇りといえば聞こえはいいが、すっきりしない天気である。
終日穴蔵。
色々資料(某講座作品)を読んで過ごす。
夕刻近くになって、ややこしい情報錯綜。明日は早朝から動かねばならぬ。
夜、専属料理人に5皿ばかり並べてもらって一献。
早寝させていただく。
3月29日(火) 大阪←→播州龍野
わ、普段より1時間近く寝坊してしまった。
5時前に起きて着替え、慌ただしく朝食、ゴミ出しなど行い、阪神梅田6時の特急に乗って播州龍野へ移動する。
姫新線で8時36分に本竜野着。80日ぶりか。
ふるさとは緑なりき……などとのんきなこともいってられぬ。
播州龍野は先日大雨だったらしく、所有する「別荘」のひとつが崩落しかけていると連絡を受けたのである。
*
これが倒壊しかけたのが5年前であった。
応急処置して「2、3年はもつでしょう」……が5年もったのだから立派というべきか。
今回は「全面的解体」をやらねばいかんようだ。
もう「事業」は実質的には終了しているので、この際、残りの2棟も解体するか。
じつは10年前にも一棟を派手に解体している。
このあたりで複数の別荘を入手した……などと書いてから20年以上経過している。その大部分を解体する時期がきたようである。
別荘なんて、持つものでも入るものでもないな。
ごちゃごちゃと打ち合わせなどして、夕刻に帰阪。
4月には何度か来なければならぬような。
3月30日(水) 穴蔵/ウロウロ
晴れて暖……つうか(天気予報によれば)大阪市内は最後の花見日和らしい。
花見の余裕なし。午前、地下鉄で千里中央へ。
相棒の某くんと会い、昨日の報告、あと今後「事業」をどう進めるか(というよりどう整理するか)の打ち合わせ。
ともかく会社を離れてから20数年、よくやってきたものよ……というのが正直な感慨である。
諸々の手順の打ち合わせ。4〜5月は忙しくなりそうな。
これも「プレ終活」であろう。自分の寿命前に、片づけなければならぬことが多いのである。
午後は穴蔵にこもる。
雑事色々処理。たちまち夕刻。専属料理人の並べた数皿でビール、ワイン。早寝させていただく。
3月31日(木) 穴蔵
曇天。肌寒い日である。
終日穴蔵。
資料を読んで過ごす。
午後、BSで『突破口』をやっている。途中30分ほど見るが、やはりこれはドン・シーゲルの最高傑作である。
DVDで何度も見ているのだが、つい見とれてしまう。夜に見ることにしよう。
たちまち夕刻。専属料理人が並べた3皿でビール、酎ハイ。
これから『突破口』を見て、寝ることにする。
SF HomePage