『マッドサイエンティストの手帳』680

●マッドサイエンティスト日記(2018年5月後半)


主な事件
 ・神戸新聞文化センター(18日)
 ・小林泰三氏@創サポ(26日)


5月16日(水) 穴蔵/ウロウロ
 本日も7時半に室温28℃、快適である。
 だらしない(起きたままの)格好でボケーーーーッと過ごす。
 着替えせずに過ごせる季節は最高である(ちなみに自宅往復も廊下3メートルだから構わんのである)。
 運動不足なので、午後、久しぶりに自転車で出る。
 淀川堤を東へ。
 長柄橋を渡り淀川区へ。淀川右岸を西中島方面へ。40年前の住処あたりを抜けて十三へ。
 西側商店街の丹波のきさらぎ漬を求める。お、本日はキャベツあり。
 丹波の店舗は淡路と十三だけになり、通販がメインらしい。十三店は残ってほしいものである。
 十三大橋を渡って北区に戻る。
 おなじみ中本酒店で「吉乃川」を買って帰館、冷蔵庫で急冷する。
 ということで、夜はきさらぎ漬で冷酒一献。
  *
 うまーーーっ。
 オキシくん、一杯飲みに来たまえ。

5月17日(木) 穴蔵
 あ、いかん、右足の先端を痛めてしまった。
 杖に頼る必要はないが、出歩くには不自由である。
 終日穴蔵。机に向かってる限り、別に困ることはないのだが。
 明日は神戸へ行かねばの娘。どうしたものか。
 サンダル履きでヨタヨタ行くしかないか。
 ま、取りあえず、一杯飲んで早寝ずる。

5月18日(金) 神戸新聞文化センター
 昼前に出て、サンダル履きでビッコ引きつつ阪急梅田まで歩く。20分ほどかかった。
 特急で神戸三宮へ。ここからまた15分ほどかけて神戸新聞会館ビルへ。
 神戸新聞文化センターで月1回、講座を持つことになった。某大先輩から引き継ぐかたち。おれに務まるのか心配で、先月「練習講義」をやったのだが、まあいいのではないかということになった。
 提出作品を中心に進めるもの。
 寓話的作品、日常エッセイ、自伝的小説の一部など多彩。
 一篇、ものすごいモノローグ作品あり。骨折で入院中の強欲老女の、嫁への愚痴からはじまる毒気まき散らし作品だが、しだいに今まで必死に溜め込んできた資産を巻き上げられつつある背景が浮かんでくる。テーマはまったく違うが、モノローグ作品ということで、筒井さんの傑作「陰悩録」を思い出した。
 「陰悩録」は2000年に舞台化されている。上山克彦の怪演は今でも鮮明に覚えている。この作品も、たとえば樹木希林が松葉杖ついてひとり舞台やると面白いのではないかと思うほど。
 獺祭が春の季語であると、これは提出エッセイで初めて教えられた。獺祭忌は正岡子規の忌日で秋の季語という意見もでて、レベルが高いなあ。これも「獺祭」がここ2、3年で急に有名になったせいではないか。あれは山口の酒で広めたのは安倍晋三、これは田中角栄が越乃寒梅を有名にしたのに似ている。へえ。そこへいくと呉春に政治の色はありませんなあ。その通り。あれは蕪村の弟子からの命名ですね。今2本確保している……と議論が脱線しまう。実家が灘の酒蔵会社だった人までいる。ちなみに獺祭を飲んだ人はいない。おれも飲んだことなし。「季語とは知らず」というタイトルはうまい。
 帰路は阪神。地下に降りて阪神三宮、特急で梅田、地下鉄に乗り換えて中津へ。このコースがいちばん歩行距離が短い。
 ま、来月には普通に歩けるだろうけど。

5月19日(土) 穴蔵
 右足の調子いまひとつ。歩くのが面倒で、終日穴蔵にあり。
 本、CD、DVD、テレビのランダム視聴で過ごす。
 おや、夕刻に、日大の内田正人(アメフト監督にして日大幹部)が関学関係者にお詫びに来て、あと(たぶん監督のみの)辞任表明。
 それは結構だが、その態度に反省の色なし。カンサイガクイン発言には関学諸君、怒り心頭だろうな。仇敵の名前も知らんのかドアホ。日大出身者のオツムの程度が知れる。世に出て恥かくポン大生……なんて(守屋浩が歌った)のを思い出すね。日大全部がアホというわけではないけど。
 たちまち夕刻。
 夜、おっ、久しぶりにパエリアである。
  *
 白ワインを少しばかり。
 早寝するのである。

5月20日(日) 穴蔵
 本日も穴蔵生活。
 運動不足なので、午後、ゆっくり歩いて近所の豊崎西公園まで。
 お、行列が見える。花輪も並んでいる。
 讃州が閉店して、改装工事をしていたが、新規開店である。
  *
 店名が出ておらず、和風の店に見えるが、花輪の表記から「麦と麺助」というラーメン屋のようである。
 帰館してネット見たら、昨日開店で、さっそく多くの記事がアップされている。福島の人気店「燃えよ麺助」の2号店?らしい。
 どうもラーメン味わうよりも「投稿一番乗り」を目指す客が多いような。
 ま、おれは入ることはないだろうけど。
 豊崎はうどん王国からラーメン王国に変わるのか。
 夜は集合住宅の通常集会。
 一昨年、棟内で穴蔵を移動したものだから、またも理事が回ってきた。あと2年。来年は理事長をやらねばならぬようだ。
 それにしても高齢化してきた。いっしょに入居した人の1/3は亡くなり、1/3は杖なしには歩けないような。嗚呼。

5月21日(月) 穴蔵
 本日も穴蔵生活。まあ普通に歩けるようにはなったが、もうしばらくおとなしくしていよう。
 夕刻に近い午後、某さん(坊さんでもある)が来訪。
 わが集合住宅が水道の工事中のため、豊崎西公園のベンチで30分ほど雑談。
 小夏(日向夏)を届けてくださったのである。
 当分朝の柑橘類に不自由しない。ありがたいことである。
 たちまち夕刻。
 夜はヤッコ、煮魚、おひたし、大根のたいたんの妖女などでビール。
 あと小夏で白ワイン少しばかり。
  *
 うまーっ。
 夜のニュース。関学アメフト被害選手の父が被害届を提出。その父親の記者会見を見る。
 明日は日大加害選手(ネットで名前は知ってるけど)が会見するらしい。さあどうなるか。
 楽しみは尽きない。

5月22日(火) 穴蔵
 本日も穴蔵生活。
 14時45分から1時間、日大アメフト選手の記者会見を見る。「顔を出さない謝罪はない」とは立派である。
 内田「相手のクオーターバックを1プレー目でつぶせば出してやる」
 内田「やらなきゃ意味ないよ」
 井上コーチ「できませんでしたじゃ済まされない」
 すべて嘘ではあるまい。
 それが後日、内田「違反しろとは言っていない」だからなあ。
 24日の日大の「回答」が楽しみな。開示は25日か。
 ともかく……
 権力者の失墜を見るほど面白いものはない。どいつもこいつも、必死で言い訳し、記憶喪失したふりをし、嘘をつき、詭弁を弄し、悪あがきしつつ、結局は墜ちていく。
 最近の例で、潔かったのは、新潟県知事と薬師寺管主だけではないか。前者は援交、後者は中年ホステス、ともに金銭支払っての商談で、褒められたことではないが、ざらにあること。それが報道されるとわかったらあっさり辞任。
 それに引き替え、他のやつらは、本日の狛江市長まで、見苦しいのばっかり。
 提訴するといってしなかったり、記憶がなかったり思い出したり。
 某トップが1年以上、詭弁、言い訳、嘘に嘘を重ねているから、日本全体がこうなってしまうのか。
 さあ、内田正人がいかなる醜態をさらすか、楽しみである。

5月23日(水) 穴蔵
 本日も穴蔵生活。
 もう散歩再開してもいいのだが、本日は終日雨である。雨読に徹する。
 たちまち夕刻となる。
 夜は静岡から海苔の佃煮……じゃなかった銘酒が届いたので、炙りシメサバなどで一献。
  *
 うまーーっ。
 20時からYouTubeで日大アメフト部(内田正人ら)の記者会見を見る。
 21時過ぎからの司会(広報担当)が面白い。「もうやめてください、あと1、2人で」「何度も同じ質問ばかりしないでください」「仮定の質問はやめてください」「もう終わりにします」「やめてください」の繰り返し。記者もねばって、結局22時まで。
 内容は茶番。実行犯は選手で、コーチの言葉を誤解しての行動、監督はコーチに何もいっとらん、ということらしい。
 井上奨コーチにゲイビデオ出演歴があるそうで、それを念頭に置いて見るとまことに興味深い。なんか「裏」がありそうだな。

※日大広報の男は「米倉久邦」というそうな。内田・井上を抜いて、一躍人気者に躍り出た感じだな(5.24)。

5月24日(木) 穴蔵/ウロウロ
 快晴、洗濯日和である。
 専属料理人が、わが穴蔵の敷きマットや布団カバーを洗濯するというので、合わせて寝具交換、椅子(エルゴヒューマン)のカバーも外し、メッシュの夏仕様にする。この際、穴蔵の大掃除も。この仕様で10月半ばまで過ごすことになる。
 午後、久しぶりに散歩に出る。
 お、行列が消えた。
  *
 13時、いつもなら20人くらいが並んでいる弥七に行列がない。最後のひとりが入るところだ。
 30メートル東の「麦と麺助」には10人ほど。
 ラーメン人種というのはこんなものではないか。弥七の行列はもう戻らないと思う(中崎町商店街東端の某店がそうであった)。麺助の行列がいつまで続くか見守りたい。おれはどちらも食べに行かないけど。
 梅田一帯をうろうろして帰館。5日間歩いてないと、やはり疲れる。6,930歩となった。

5月25日(金) 穴蔵
 本日は穴蔵生活。
 本を読んで過ごす……つもりだったが、世間騒がしく、断続的にテレビとPC。
※米朝会談中止。これは驚きもせず。
※日大関係。日大アメフト部の保護者会(! そんなものがあるのか)が昨夜110人(!)集まり会議、声明を出すとか。
※それに驚いたのか、15:30から日大学長・大塚吉兵衛の「緊急会見」があるという。
 YouTubeで見る。冒頭、紛れ込んだオバハンがわめき出して、面白くなりそうだったが、連れ出されておしまい。会見が始まるや、なんじゃこれは。「日大の関連校ひとつずつ回ると大変なので、本日マスコミにお集まりいただいた」ということで、学内向けのメッセージ?を伝えに来たらしい。「そもそも何のための会見だ!」と糾弾する記者がいないのも不思議。30分ほどで切る。
 と、夕刻、籠池夫妻保釈のニュース。よく保釈金1,500万円を貸してくれる人がいたものだなあ。
 晩酌の後、
※20時〜またもYouTubeで籠池夫妻保釈会見を見る。
 いちいち発言のたびに起立するのはなぜなんだ。誰も着席のままで結構ですとはいわない。国会と同じ感覚なのかしらん。むろん無内容。籠池漫談は変わらずか。世間の動向は案外知ってるような。20:40まで。要するに個別の取材が殺到しないように会見を行ったということらしい。
 なんだか、面白かったのか、無駄な1日を過ごしたのか、よくわからん。

5月26日(土) 小林泰三氏@創サポ
 本日も穴蔵生活。
 夕刻這い出て、天満橋のエル大阪へ。
 不定期に開催している創作サポートセンターの「関西のSF作家に創作法を聞く」シリーズ。
 本日のゲストは小林泰三氏である。
 「玩具修理者」から23年、残酷ホラーから特異なハードSF(「海を見る人」「天獄と地国」など)、奇妙な論理ミステリー(「密室・殺人」に始まる)、そしてファンタジー・ミステリーとでもいうのか、「アリス殺し」に始まる、前例のないシリーズと、ずいぶん領域が拡がっている。
 その生活は、拍子抜けするほど真面目で規則的。会社勤務しつつ、原則として一日5枚、土日は午前午後夜各5枚で15枚。これを20年続けてきたという。3年前に会社生活にピリオドを打つが、その後も「毎日が土日」パターンで変わらない。
 執筆は本に囲まれた書斎で、パソコンの前からから動かない。
 これは模範とすべきであろう。
 その反面、頭の中では邪悪なことばかり考えているらしい。公園の掲示とか犬の散歩とかを見るだけで、とんでもない話が浮かぶ(「因業探偵」)という。
 そんな規則的生活にも波乱が生じる。
 特に会社員生活の最後の数年の話は、日本の企業風土を考える上でも極めて興味深いものだった。
 あと、近所の居酒屋でちょっと一杯。
 おれも(今さらだが)生活をもう少し規則的にしなきゃいかんなあと思う。

5月27日(日) 穴蔵/ウロウロ
 朝のニュース。またも南北首脳が板門店で会談。トランプの「米朝首脳会談中止」表明に慌てふためいたらしい。
 それを受けてトランプはまたも方針転換?
 無理だと思うがなあ。金三胖、シンガポールまであのボンコツ寸前機(40年ほど前のソ連製!)に乗る度胸があるとは思えない(こちらご参照)。親父は怖がって乗らなかった。この前は大連まで覚悟を決めて乗ったようだけど、今度はシンガポールだぜ。まともに飛ぶとは思えない。整備不良だからと整備士を銃殺にするにも、手前は墜ちて死んどるのだから、どうしようもない。それを狙って、整備士が何か仕掛けるかもしれんし。楽しみは尽きない。
 この1週間、運動不足であった。
 久しぶりに自転車でうろうろすることにする。
 10時半頃に出て、淀川堤を東へ。毛馬閘門を渡り、赤川鉄橋まで。
  *
 まだ工事の気配なし(おおさか東線…おれには城東貨物線の方がしっくりくるが…は来春開通の予定)。
 桜宮高校の横を降りて、昔の住居跡(工場…今はリバーサイドしろきた)に寄り、大東商店街(今は蕪村通り商店街)を抜けて、居酒屋大関前の「(仮称)都島」駅を見る。
  *
 こちらはほぼ完成している。
 高倉町から地下鉄都島を通り、都島橋を渡って天六へ。
 おなじみの某店で水分補強して14時前に帰館。
 まあまあの運動になった。

5月28日(月) 穴蔵/ウロウロ
 ちょっと調べたいことあり、10時頃に西長堀の中央図書館へ行く。
 要件は1時間ほどで片づく。ついでに館内うろうろ。
 3階の調査研究コーナーに落語登場人物事典(禁帯出)があり、30分ほど拾い読み。
 上方落語については小佐田定雄さんが書いてはる。登場人物を演目別に解説してあり、喜六28項、清八20項、定吉28項、番頭30項……といった調子。高額だから購入することはないか。
 木津川沿いにぶらぶら歩いて大正へ。
 11時45分、大正駅前で、缶ビール飲みながら歩いてきた、いかにも怪しげな男を、若い警官が職質するのを見る。
 と、男がとつぜん缶ビールを路上に叩きつけて、車道を走って逃げ出した。
  *  *
 近くの歩道で追いつき、また「紳士的に」あれこれ訊いている。「触っただけや」とか「突いてえへん」など言っとる。
 5分ほどでパトカー到着。4、5人で「紳士的に」あれこれ質問しているうち、男が大声で叫んで暴れ出したところで「逮捕」となった。この間、15分ほど。
 いや、ええもんを見せてもろて。
 おなじみ「いちゃりば」で沖縄そば定食を食して帰館。

5月29日(火) 穴蔵
 曇天。本日は穴蔵生活。
 たいして仕事が進む訳でもなし。態度だけは小林泰三さんを見習わねば。
 夕刻、色々あってハチへ行こうかと迷うが、来週にする。
 ハチ恒例の山下さんのライブは今年も8月5日(日)に決まったということで、取り急ぎ電話で予約。
 これで8月の山下洋輔、9月の森山威男(ala、こちらは6月9日予約開始)が決まった。
 がんばって秋まで生きねば。
※21時からYouTubeで関東学生アメフト連盟の会見を見る。日大の実態、断片的に報道されていたものの、いやはや凄まじいものだ。内田と井上は除名。内田は(常識で考えれば常務理事も辞任だろうが…常識が通用しないからなあ)溜め込んでいるからいいとして、井上はAVのゲイ俳優にでもなるのだろうか。

5月30日(水) 穴蔵
 朝だ。雨が降っている。龍角散喉飴だ。ちがうか。
 本日も終日穴蔵。
 仕事したよなしないよな。
 処分しようか迷っている科学誌を30冊ほど拾い読み。まあ生きてる間は置いとくか。
 集合住宅の花壇に紫陽花が開花した。
  *
 野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。

5月31日(木) 穴蔵
 本日も終日穴蔵。
 何もせぬまま夕刻となる。
 何も書くことなし。それなりに思い悩んでいるのである。
 一杯飲んで早寝。
 無為に過ごした5月が終わる。嗚呼。


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