『マッドサイエンティストの手帳』617
●マッドサイエンティスト日記(2015年11月後半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・独居老人生活
・グリーン交響楽団@NHKホール(28日)
11月16日(月) 穴蔵/ウロウロ
小春日和である。
昼前に出て地下鉄で谷四、法務局へ行って某謄本の受け取り。
久しぶりに上町台へ来たので、ぶらぶら歩くことにする。
谷町筋を谷九〜夕陽丘まで。
*
電線のない高台は気分がいい。
夕陽丘から西へ坂道を下り、日本橋へ。
ナニワネジに寄って部品調達。
北へ歩いて黒門市場へ。月曜の昼、中国人いっぱいあるよ。
「あそこ」でカレーうどん。
「丹波」キサラギ漬にキャベツ、赤カブがあったので、これを買って、難波から地下鉄で帰館。
8,711歩になった。
ということで、夜は専属料理人に数皿並べてもらう。
* *
豚ピカタ、ドロドロのオニオングラタン、サラダなどでビール。豊崎西公園南側の中本酒店推奨の格安バカうまワインを少しばかり。
キャベツと赤カブの漬物がいけるのよね。
【私信】→オキシさん、十三店にもキャベツ、赤カブが並んでるはずでっせ。
11月17日(火) 大阪←→播州龍野/加藤恭助教!
早朝の電車で播州龍野へ向かう。
須磨で空が明るくなり、明石で日の出、冬至が近いのである。
午前9時前に龍野に着く。曇天、寒々とした冬空である。
*
野鳥の餌になる柿が熟れている。
築113年の陋屋、あちこち手を入れねばならず、工事の立ち会い。
人間の体と同じで、対処療法でいじっても致し方なし、そろそろ火葬(失火で全焼)の方がいいのかもしれん。
午後、雨になる。夕刻に近い午後の電車で帰阪。
また何度か来なければならず、紅葉狩りは後日とする。
夜のニュース。
懐かしき仕手集団「整備」の加藤アキラが逮捕されている。
なんと女房と息子で大阪大学助教の加藤恭(36)も。
この加藤恭、基礎工学研究科で金融理論の基礎数学を研究しているという。たいしたものではないか。
うちのボンクラ息子その1とほぼ同年、えらいちがいだ。
今の情報では、基礎工の誇りとするか恥とするか、判断に迷う。小林泰三さん、理山貞二さん、今岡正治さんらとマーガレットにでも集まって議論したいところだ。できることならゲストに浅田彰先生もお招きしたい。
11月18日(水) 穴蔵
曇天、9時頃から小雨になり、午後は本降りとなる。
終日穴蔵。
朝は6時前にひとりで標準的洋朝食(トースト、チーズ、サラダ、ティ、みかん)。
昼は「自宅」にて標準的和昼食(ごはん、味噌汁、玉子焼き、ひらき、ひじき、ブドウ)。
夜は「自宅」にて普通の晩酌。本日は、牡蠣フライ・キャベツ・トマト・ブロッコリ、イカの一夜干し、ビール1缶、フランスパン2スライス、豊崎西公園南側の中本酒店推奨の格安バカうまワインを少しばかり。
たいして仕事はできないのであった。
ニュースを断続的に見たが、フランスの銃撃戦がメインで、加藤恭助教の続報はなし。
つまらないので早寝するのである。
諸般の事情で、明日からはしばらく面白い日々になりそうな。
11月19日(木) 穴蔵/ハチ
終日穴蔵。ボケーーーーツと過ごす。
昼過ぎに専属料理人が実家方面に去った。
別に愛想尽かしされたわけではなく、所用のため。
さあ、しばらくは独居老人生活を満喫することにする。
夜、久しぶりにハチへ行く。ジャズ関係資料の交換。
速水佐保トリオが出ていた。
*
ビール飲みながら1ステージ聴く。
初めて聴くが、スタンダードを面白くアレンジして、なかなか面白い。
最後まで聴いてもいいのだが、22時を過ぎるのはつらい。
羽を伸ばそうと思いつつ、夜遊びができぬ体質になってしまったなあ。
11月20日(金) 穴蔵
目覚めれば午前7時。信じがたい朝寝坊である。夜遊びのせいであろう。
終日穴蔵。
「法人番号」の通知なるものが届いた。
マイナンバーではない。タイムマシン業にも番号がつくらしい。なんも知らなかった。
「国税庁法人番号公開サイト」というのがあるらしいので、検索してみたら、うへっ、モロに出てきた。
社長名や電話番号は公開されてないが、ややこしいDMが色々来そうな、嫌な予感がする。困ったものだ。
生活時間がずれ込んできて、21時頃から晩酌。
独居老人生活は楽しいのだが、食事の用意がともかく面倒である。独居2日目にしてコンビニ弁当。ま、意地でも「○○、帰ってきてくれ〜〜っ!」なんていわないけどね。
21時のニュース。北の湖死す。62歳。現役の理事長で九州場所の最中である。
おれは8年前に一度だけ親方を見た。
その存在感は圧倒的であった。
これで取的連中のタガもフンドシも外れるんだろうなあ。特にモンゴルはよ。
大相撲終末の予感。
11月21日(土) リーダーの訃報/穴蔵/ウロウロ
山根伸介氏の訃報。14日に肝臓がん死去。78歳。
嗚呼、リーダー!
西中島南方に住んでいた70年代後半、チャンバラトリオの事務所が斜め向かいのマンションにあって、道でカシラやリーダーとすれ違うことがあった。
カシラの再婚相手が「鯛さん」で、これはすぐ横にある鯛商店(よく灯油を買いにいった燃料店)の娘さんであった。その結婚式にコーシンが来た縁で、二次会に合流させてもらって、以来、道で会えば挨拶する間柄になった。
むろんおれはその前からチャントリ・ファンであったが、大ファンになった。もう40年ほどになる。
5年前に看板のカシラが亡くなられて、チャントリは実質的には終わった。
落語とちがって、チャントリのコントはまとまった記録としては残ってない。どなたかマメに録画されてる方はいるだろうか。
チャントリの芸は落語とちがって映像でなければ。関西限定でいいから特番をやってほしいものだ。
穴蔵にて独居生活。
世間は3連休。オータムフェスティバルで「堀家公開」があるから、播州龍野へ行こうかと迷うが、電車が混みそうなので見送りとする。
運動不足なので、午後、西回りコースを散歩。
*
紅葉の隠れ名所はまだ新緑同然である。
龍野も似たようなものであろう。今年はそう鮮やかな紅葉にはならぬ気がする。
稲妻屋のだしまき弁当が食べたかったが、休みである。
地下道を抜けてグラフロへ。
貨物駅跡に雪だるま(これ、茶屋町で時々使われるやつである)が置いてある。
*
ただし、地上からは塀が邪魔で見えない。
グラフロの景観を台無しにしているのはこの塀で、歩道を歩いてもまったく楽しくない。西側同様、なぜ金網にはないのか。
ヨドバシ〜書店を回って帰館。
2時間半、8,723歩になった。
昼抜きだったので、17時過ぎから、大阪駅のikariで買ってきた一人鍋で飲み始める。珍しく相撲中継を見つつ。マジメの取っとるじゃないの。
片づけて仮眠。
目覚めれば22時である。
ニューサンへ行こうと思ってたのが、もう遅い。
深夜にまた独酌といくか。
生活が不規則になりそうな。
11月22日(日) 穴蔵/脱税で噺家逮捕!
終日穴蔵。
播州龍野行きの予定が、業者の予定決まらず、先送りとなる。
W選挙の投票日だが不在者投票をすませているので、外出することもなし。
ボケーーーーーッと過ごす。
夜のニュース。
相続税を脱税して噺家逮捕!
ぎょ。まさか米朝師匠関係ではあるまいな。
逮捕されたのは桂小軽。
10億円を相続した男が(相続税免除になる)社会福祉法人への寄付を偽装して5億円脱税した事件で7人が逮捕され、そのひとりに小軽。
小軽の落語は聴いたことがない。三枝の弟弟子で、「動物園」かと思ったら本物のライオンだったというアホテレビ騒動で知られる程度ではないか。
税理士や福祉法人理事はわかるが、身内でもない小軽が、いったいどんな役割を果たして連座することになったのか。
詳報が待たれる。
11月23日(月) 穴蔵
曇天、午後には雨となる。
終日穴蔵にて独居老人生活。
リーダー追悼、youtubeでチャントリを見る。「堀部安兵衛」と「宮本武蔵」が見られる。おれが見たいのは「花の生涯」の音楽で登場するやつだが、残ってないだろうなあ。
桂小軽逮捕の続報はなし。特捜は認否も明らかにしていないらしい。どんな役割だったのよ。振り込め詐欺なら「出し子」程度なんだろうけど、相続税の脱税となると見当がつかない。「福祉法人」を慰問して1億円ほどギャラを貰ったことにして500万ほどリベート貰った…くらいしか思いつかない。
11月24日(火) 穴蔵
曇天か雨の予報だったが、雨は降りそうになし。
朝から洗濯をする。
合間にテレビを見たらワイドショーで桂小軽の脱税逮捕を報じている。
だが、「古典落語を得意とする人気落語家の桂小軽が……」とは、誤報とまではいわんが、きちんと取材しているとは思えない。東京の制作だからな。おれは小軽の落語を聴いたことは一度もない。ライオン事件の時、「動物園」をみっちり稽古すれば看板の演目になるのではと「気遣い」までしたほどである。40年以上前のことである。文福の兄弟子になるはずだが、存在すら忘れてたもの「人気落語家」であるはずがない。
さらに「どう関与してたか」はまったく不明。何のための報道だ。
午後にもややこしいテレビ。
15時から野々村竜太郎の公判ということで、14時からヘリまで出て神戸地裁からの中継が始まる。おお、面白そうな。
しかも15時はH2Aの打ち上げ予定時間である。
どちらを優先するのか……と、めったに見ないテレビの前から離れられなくなる。
が、野々村は「欠席」(だから拘置しとけよ)、H2Aは禁止海域に船が入って延期(30分ほどの遅れだったらしいが)。
曇天が、午後は晴れてきた。
*
北風が強い。野々村竜太郎の生家にも北風が吹くのであった。
1時間ほど散歩。
コンビニで食材買って帰館。飽きてきたなあ。明日は豪華外食にしよう。
11月25日(水) 穴蔵
曇天、肌寒く、出歩く気分にならず。
終日穴蔵。
ボケーーーーーーッとして過ごす。旧勤務先の関係者しかわからんけど、これを「タドコロ状態」という。何しろ、おれが3時間で片づけてた業務を、おれの退職後、1週間かけてやってたというのだからなあ。
新垣隆さんの名言にならえば「就業時間中なにもしないというのも大変だったろう」……あ、快適だったのか。
いや、どんな職場でもそういうのはいる。某同広告にいたゴンザとかね。
しかし、おれはまだタイムマシン業の経営者だから、タドコロになってはいかん。
午後はあれこれ雑事。
ちょっと気になるニュース。
「旧村上ファンド」が相場操縦の疑いで、村上世彰の長女の会社が強制調査を受けた。「これまでに類を見ない新たな手口」が使われた疑いという。……これって「新発明」ではないのか? 規則を作った連中が、不備を突かれて強制調査というなら、業界で知恵しぼっている連中、たまったものではないわなあ。おれとは無関係な世界の出来事だけど。
それにしても、加藤アキラの長男、村上世彰の長女を見るに、子育ては立派という他ない。
11月26日(木) 大阪←→播州龍野
寒いのであった。
早朝の電車で播州龍野へ移動する。暗いし、小雨は降るし、つらい季節になったなあ。
実家にて雑事色々。
昼に龍野公園へ行ってみる。
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今年の紅葉は悲惨なもの。2年前にも今ひとつと思ったが、その比ではない。まだ緑と色あせた枯葉の混在で、12月になっても鮮やかな紅葉は見られそうにない。
本竜野駅から歩いてきたらしいご老人の団体を見かけたが、お気の毒としかいいようがない。
午後の電車で帰阪。
コンビニ・メニューで一杯飲んで早寝するのである。
11月27日(金) 穴蔵/爆弾娘が野に放たれた
定刻午前4時に起きる。
寒いのであった。室温17℃、外は7℃で、内外10℃差は真冬パターンである。
午前中、ややこしい連絡が錯綜する。
独居老人生活がしばらく延長、それはいいのだが、来週、小刻みに播州龍野へ行かねばならぬことになる。
快晴だが出かける気分にならず、終日穴蔵。
本日は「タドコロ状態」で過ごすことにする。
「走る爆弾娘」菊池直子に高裁が逆転無罪判決。
判決の詳細がわからないが、井上嘉浩の証言が「不自然に詳細だ」と採用されなかったことが大きいらしい。
あるコメンテーターが「20年経つと記憶はあいまいになる」とかいったが、そんな馬鹿な話があるか。井上嘉浩が自分の行動を忘れるはずがない。むしろ頭の中はそればっかり。おれは自分の裁判が終わって30年経つが、今岡清の愚行、五十嵐敬喜の悪行、堀敏明のアホぶり、菅原朗のスカタンぶりを細部まで記憶していて、思い出さぬ日はない。まして井上は死刑囚でムショ暮らし、事件のことしか思い出すこともないはず(井上が菊池も「地獄へ道連れに」と偽証したのなら話は別だが、それも不自然に思う)。
上告必至である。
11月28日(土) グリーン交響楽団@NHKホール
定刻午前4時に目覚める。寒いのであった。
しかし、きちんと起きて通常の生活を送る。
少しは仕事もするのであった。
昼過ぎに出て、地下鉄で谷四へ。
快晴なので大阪城の近くまで行ってみるが、紅葉の気配はない。
*
銀杏だけが鮮やかであった。
NHKホールへ。
グリーン交響楽団の定期演奏会である。
14時に開演。
シューマン「マンフレッド序曲」
メンデルスゾーン「夏の夜の夢」
ブラームス「交響曲第1番ハ短調作品68」
おれも年に1,2度はこういうのも聴くのである。
アンコール曲の前に、指揮者の白谷隆氏が「団員同士の結婚が決まり、近日結婚するが、楽団内でも知らない人が多数なので、ここで紹介します」と花束贈呈。バイオリン同士のカップル。いいねえ。
本町筋を谷四から堺筋まで、西空の夕映えを眺めつつ、ゆるやかな下り坂を歩く。
センチメンタルになるぜ。
ということで、夜は本日も独酌。材料が簡素な常夜鍋でビール、細うどんぶち込んで湯割りを少しばかり。
寝る。
11月29日(日) 大阪←→播州龍野
休日だが、早朝に播州龍野へ。土日は朝の新快速がなく不便である。
日曜の龍野行きは異例だが、実家の雑事、植木・水道事情・車検などが重なり、日程調整がたいへんである。
バブル期に別荘を購入したアホ連中、こんなものではないだろうな。
打ち合わせを済ませ、昼前の姫新線で帰る。長居無用。
姫路うろうろしようかなと思ったが、人出が多そうでパス。夕刻前に帰宅する。
夕刻、中崎町のヤマタツでトンカツとポテサラを買ってくる。
わびしき独酌。
早寝するのである。
11月30日(月) 穴蔵/ウロウロ
インディアンサマーである。
通勤ラッシュの少し前にグラフロ〜大阪駅を抜けて桜橋まで歩く。
某院にて4ヶ月ぶりの検査を受ける。先日のホルター装着の結果も含めて異常なし。次は半年後ということになる。
これで安心して年末年始、一杯やれるわけである。
通勤ラッシュの終わった時間に梅田うろうろ。金融機関などまわり月末の処理。
北梅田の隠れ紅葉名所を抜けて帰る。
*
ここもまだ緑の葉が多い。色あせたような紅葉はごく一部である。
今年の秋はむなしい秋である。
午後は穴蔵にてマジメに非SF系の仕事をする。
夜は熱いシャワーで体を温めた後、湯豆腐でビール、久しぶりに冷麺(ハム・卵・トマト・カイワレ・キムチぶち込み)を作って黒糖焼酎ロックをちびちびダラダラと飲む。
水木しげる氏の訃報。しばし黙祷。ガロの「宮本武蔵・峠の茶屋の一席」(剣豪とぼたもち)以来半世紀になるのだなあ。
永井豪さんのデビューもこの頃であった。不思議なものだ。
22時過ぎに片づけ終わり。
寝る。
無為に過ごした11月が終わる。嗚呼。
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