『マッドサイエンティストの手帳』616

●マッドサイエンティスト日記(2015年11月前半)


主な事件
 ・GST@リッツカールトン(1日) 
 ・キッチンファイブ@ニューサン(3日)
 ・播州龍野いたりきたり
 ・創サポ講義(7日)
 ・ホルター装着(9日)
 ・謎の飲み会@マーガレット(11日)


11月1日(日) GST@リッツカールトン
 定刻午前4時に起床。
 5時過ぎに「演芸図鑑」を見たらゼンジー北京師匠が登場。やっぱりうまいなあ。
 堀川戎に限らず、ゼンジー師匠を見た日はいいことが多いのである。
 終日穴蔵。少しは仕事もするのであった、いと少なしを。
 夕刻、久しぶりにネクタイをして外出する。
 グラフロを抜けてリッツカールトンホテルへ。
 本日、ゴールデン・シニア・トリオ「ギネス世界記録公式認定」祝賀パーティー
 GSTは、世界最高齢バンドとしてギネス認定されたのが7月5日で、今も日々世界記録を更新中である。
 受付に長い列。大阪のパーティだから、立食で、例によって屋台に行列、(モトを取ろうと)ガツガツ飲み食いパターンと思っていたら、なんとテーブル席であった。約300人という。上品な層が大阪に300人も。ちょっと驚きであるなあ。
 放送関係、DVD制作関係の方々と同テーブルになった。
 司会は例によって薗田涼子さんと紀平真理さん。
  *  *
 結構なコース料理でワインいただきつつ、それぞれのバンド(鍋島直昶さんとなんと小川理子さんのデュオ、宮本直介クインテット、大塚善章トリオ)の演奏もあり、こりゃ祝賀パーティというよりも豪華ディナーショーである。
 間に「記念撮影タイム」もあって、どんどんネットで広めてOKということなので、おれも同テーブルの某さんに撮ってもらった。
 21時まで、3時間半。
 ゼンジー師匠に始まりGSTで終わる……老人総活躍社会の到来である。

11月2日(月) 穴蔵
 朝だ。雨が降っている。久しぶりに浅田飴だ。
 秋冷。
 終日穴蔵にて「活躍しない老人」モードで過ごす。
 佐木隆三氏の訃報。78歳。GSTよりも若く、(作品を読んだ時には仰ぎ見る存在だったのが)おれには手の届きそうな年齢に思えてくる。
 もう、いつ何があっても不思議ではないなあ。
 午後、穴蔵のフロアを掃除、環境を冬モードに変更する。

11月3日(火) キッチンファイブ@ニューサン
 祭日である。
 昼過ぎに専属料理人と歩いて梅田・ニューサンへ。
 キッチンファイブのアフターヌーン・ライブ。1,000円1ドリンク付という結構な企画である。
(毎月第一火曜が出番だが、本日祭日につき、こういう昼間のライブとなった。夜遊びしなくなった立場としてはありがたいことである)
  *
 ガゼボでの昼ライブはせいぜい20数人(で満席)だが、ニューサンだと盛況であるなあ。
 加藤平祐(cl)と秋定暢(tb)は今や日本トラッドジャズ最強コンビではないかと思う。
 TonTonのヴォーカルや田村くんのペットなど、ゲストも色々。
 14〜16時、いい時間が過ごせた。
 阪急のデパ地下に寄り食材色々、豊崎西公園南側の中本酒店で格安バカうまワインを買って帰館。
 夜はローストビーフ、オムレツ、サラダなどでワイン少しばかり。
 早寝するのである。

11月4日(水) 大阪→播州龍野/赤とんぼ莊
 通勤ラッシュの終わった頃に出て播州龍野へ向かう。
 車中、老人多し。おれも老人なんだけど、周囲は税金払ってるとは思えない老人(オバハンが過半)ばかり。秋の行楽は結構なんだけど、もう少しマナーわきまえて静かに移動してほしいものである。姫路まで騒がしく、姫新線は静かなもの。
 昼前に実家に到着。
 雑事色々。主に掃除と冬モードへの変更である。
 午後、タイムマシン関係の来客あり、ごちゃごちゃ作業の後、夕刻、相棒の某くんともども赤とんぼ荘へ移動する。
  *
 たそがれの龍野。MJQは似合わず。童謡の里だからなあ。中央付近にわが家も見える。
 ファミレス並みの会席料理で一杯。
 龍野にはホテルがないので、クルマでの来客の宿泊の場合、一杯飲もうとしたらここしかなく、困ったものである。
 21時過ぎ、静まりかえった旧市街を歩いて、実家まで25分。
 早寝するのである。

11月5日(木) 播州龍野→大阪
 秋晴れ。
 暖かく、まだ暖房は不要であった。
 揖保川沿い。
  *
 川面は静かなもの。逆さ鶏籠山を眺める。
 雑事の続き。
 植木の剪定はまだ日程が決まらず、中旬に2、3日来ることになりそうな。
 11月21、22日に「堀家住宅」の公開(オータムフェスティバルのイベントのひとつ)があるから、その頃に合わせて日程調整するか。
 午後の電車で帰阪。
 車中、週刊文春を読む(パラパラめくる)が、(毎号読んでるわけではないものの)急激なレベル低下に驚く。
 なんでも先月「春画」特集をやったため編集長が交替ということらしいが、気の抜けた記事ばかり。立ち読み5分(定番コラムふたつ)で済むではないか。これからそうするけど。おれは春画に興味はないが、スクープが1、2本あれば、今号みたいなスカスカ誌面より結構ではないか。400円ドブに捨てたようなもの。編集長の能力がこんなに極端に反映される事例も珍しいな。60年代の「ヒッチコック・マガジン」最後の2冊以来ではなかろうか。

11月6日(金) PC機種変更
 ややこしい一日である。
 朝、ついにWindows XP機(デスクトップ)が起動しなくなった。このところ動作が不安定になっていた。リカバリーも試みるがダメ。2006年から使ってきたe-machinesで、まあ寿命であろう。
 工人社の小型ノートを使うが、これはもう視力の限界を超えている。
 ヨドバシ〜ソフマップへ行きたいが、集合住宅の雑配水管洗浄があり、午前中、穴蔵に待機しておらねばならぬ。
 昼前に集合住宅の作業は終わる。
 午後、梅田へ。
 パソコンの売り場を見るに、デスクトップ機は激減しているなあ。書店の雑誌売場で文芸誌のコーナーを見る思いである。
 Windows10機の導入は気が重い。
 おれの使い方では便利になること皆無だし、なれたソフトは使えなくなるのが多そうだし、周辺機器にも影響が出るし……
 と、駅前第3ビル地下のパソコン工房が11月15日に閉店で、売りつくしセールをやっていた。
 レジ前にWindows7のスリムタワー中古機が7千円を切る価格で出ていたので、これを買って、片手で抱えて地下鉄で帰館する。
 e-machinesと本体のみ入れ替え。
 おお、スムースに起動した。ありがたいことにメモリーは2Gあるし、おれの場合HDDは(データは外付けHDDだから)50Gくらいしか使わない。
 定番ソフトをインストール。なんとかいう(中国製?)officeが付いているが削除して、openofficeをダウンロード。
 7にOutlook Expressがないことを初めて知った。XPでもThunderbirdだったからかまわんのだが。またもメアドが相当消失、これだけはいたしかたなし。
 プリンターのドライバーのダウンロードに手間どる。
 その他色々と設定をいじってたら深夜になってしまった。
 ま、あと3年ほど使えればいいとしよう。

11月7日(土) 穴蔵/創サポ講義
 穴蔵にて雑資料を読んで過ごす。
 夕刻に近い午後に這い出て、地下鉄で天満橋へ。
  *
 午後5時、八軒家浜の暮色。センチメンタルになるぜ。
 エルおおさかにて創サポの講義。
 「18期」の第1回ということで、概論的な話になるが、一方的な講義はしんどい。創作講座は「書く」「読む」「批評する」の繰り返しでなければならず、作者の狙いや「反論」も聞きながらでないと刺激的でない。
 この講座も18年目に入るのか。
 大阪シナリオ学校の講座としてスタートしたのが先世紀末で、開講記念にショートショート募集を行った。この時の受賞者2氏はそれぞれ別名で活躍されている。ちなみに三枝蝋さんは奇想ミステリーの快作を連発している両角長彦さんである。
 この17年間に活動を本格化させた人たちを思うに、おれは何をやっとるのかと反省しきりである。Too lateだけど。
 近年、講義終了後に居酒屋でガヤガヤがしんどくなった。
 まっすぐ帰館。
 遅い時間の晩酌となる。
 翁豆腐で購入の木綿豆腐、本日、ヤッコから湯豆腐に変わった。冬は近いのである。

11月8日(日) 穴蔵
 目覚めれば午前7時を過ぎている。
 昨夜、23:40までつづいた妙な「騒音」のおかげで眠れなくなったせいである。
 困ったものだ。
 深夜からの雨が本格的になる。
 終日穴蔵。
 アタマ働かず、断続的に昼寝しているうちに、たちまち夕刻となる。
 専属料理人に鰺フライ・キャベツザクザク、サラダ、大根のたいたんの妖女など並べてもらってビール。
  *
 ムール貝のワイン蒸し。カナダ産とかで、ちと大味である。
 豊崎西公園南側の中本酒店推奨の格安バカうまワインを少しばかり。
 いい気分で寝ようとしたら、21:40からまた「騒音」。
 音源不明。困ったものだ。明日は対策を考えねばならぬ。
 気が重いことである。

11月9日(月) 穴蔵/ウロウロ/ホルター装着
 わ、目覚めれば午前6時、ふだんより2時間の寝坊。「騒音」のおかげである。
 9時になって、管理人と「騒音源」について、管理規約に触れぬ範囲での調査の相談をする。
 が、1時間もしないうちに「被害者」数人から苦情が寄せられ、調査するまでもなく音源はほぼ特定できた。
 あとはどう申し入れるかだが、誰しも憎まれ役は嫌がるからなあ。
 現理事長に押しつけるのは前任者としてはできず、規約の解釈などに知恵を絞らねばならぬ。
 困ったものだ。
 午後、小雨の中を歩き、地下街を通って西梅田の某院へ。
 ややこしい症状があるわけではないが、3年ぶりにホルター心電計を装着することになる。定期検査のひとつか。
 これから24時間の行動を分刻みで記録することになる。
 こういうのは得意なんす。
 ぶらぶら歩いて帰館。
 夜は専属料理人が並べた鶏肉スープ、野菜炒め、小芋の似たの、高野豆腐などでビール、黒糖焼酎の湯割り。
 こんな時こそ、アルコールを控えめにしてはいかんのである。
 あと、パソコンに向かう。
 本HPを更新。
 22時過ぎ、本を読みながら眠るわけだが、就眠時刻を分刻みで記録できるものであろうか。
 心電図を解析して睡眠状態に入った時刻を特定すべきではないか。
 死の瞬間を意識できるものか、ちょっとしたテーマになりそうな。
 そんなことで思い悩みつつ寝る予定。

11月10日(火) 穴蔵/停電/ホルター取り外し
 わっ、朝9時半に停電である!
 ……と、慌てることもなし。
 集合住宅の受電設備の入れ替え工事で、予定されていたこと。むろんパソコンも切ってある。
 窓際で読書。
 「騒音」もしないし、静かでよろしい。
 2時間後に復旧。わが穴蔵では小型冷蔵庫のモーター音がしただけ。
 ずっと停電だといいなという気分になる。
 午後、グラフロ経由、大阪駅西側の高架をくぐり、桜橋の某院まで、35分かけてゆっくり歩く。
 小走りを繰り返して心臓に負担をかけた方が「面白い」結果がでるのかもしれないが。
 ホルター心電計の取り外し。
 やっとケーブル人間状態から解放された。
 モニター状態に置かれる不快感は、2040年問題を考える上でヒントになりそうな。
 歩きスマホに代表されるスマホ依存タンプは、初期段階で人工知能に凌駕され、それに気づかず、むしろ賢くなったと思いこんだまま生活できるのであろう。むろんそれはそれで幸福なのだが。
 これは書き出すと長くなりそうだし、検討事項が多いから、今後の課題とする。
 夜。
 健さんの一周忌、BSで『幸福の黄色いハンカチ』を観る。たぶん37年ぶりである。
 歳のせいか涙腺が緩む。
 「ロードムービー」の傑作といわれるが、おれは「身の上話もの」(おれの造語だが、『押し絵と旅する男』に代表されるパターン)と思っている。倍賞千恵子はラストの遠景にちらっと映るが、健さんの身の上話の中にのみ登場するのがそれ。この作品からも影響されていたことに気づく。

11月11日(水) 早めの忘年会?
 終日穴蔵。
 少しは(非SFだけど)仕事もするのであった。
 夕刻に這い出て、中崎町経由、天六まで歩く。
 マーガレットにて謎の飲み会。
 早めの忘年会とでもいうか、12月は何かと忙しいらしいので、今のうちにちょっと一杯ということでお誘いを受けた。
 
 メンバーは……秘密にする必要もないと思うが、いわゆる年末進行というのもあるようで、小さい写真のみ掲載。
 どういうわけか「浅間山荘事件」とか「梅川事件(ソドムの市)」の話になるが、年齢を感じるなあ。
 第三帝国とか第三セクターとか第三文明とか「木魚の音が響くとき」とか、わけのわからん話ばっかり。
 気がつけば、ふだんの就眠時刻を過ぎているので、おれだけ早め(でもないんだけど)に失礼する。
 帰路も徒歩。歩数計はズボン左ポケットに。
 7,038歩。
 この3日ほど、4〜5,000歩ほど歩いてるはずが、歩数計の記録は半分程度であった。
 ジャケットの左ポケットに入れていたためと推定。上半身はあまり動かさないらしく、特に荷物を抱えていた時はそうであろう。
 歩数計スイングしなけりゃ意味はない

11月12日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 少しは(非SFだけど)仕事もするのであった。
 SFもやらにゃいかんなあ。
 ま、すべて明日に送る。
 たちまち夕刻となる。
 夜、専属料理人が並べてくれた数皿(厚揚と蕪のたいたんの妖女、肉炒め・キムチ・レタス、キャベツごま油和えなど)でビール、黒糖焼酎の湯割り。
 と、仕上げに穴子寿司が出てきた。
  *
 この器、昨夜、マーガレットで「内祝」としていただいたものである。
 白木くんの友人、瀬戸市で修行し丹波に戻って立杭焼丹文窯を継ぐ大西雅文さんの作品である。
 たいしたお祝いもしてないのに、ありがたいことである。
 専属料理人はこういう陶芸品が好きで、さっそく器に似合う食材をデパ地下で買ってきたわけ。自分で作れよといいかけたら、今度はシンプルな和風パスタを盛るという。これまた楽しみな。
 マーガレットに栄光あれ。

11月13日(金) 穴蔵
 朝、近所の某医院へ。定期検診。まあ普通の状態である。15分で帰館。
 あとは終日穴蔵。
 曇天、寒くなった。
 正午の室温21℃、外は16℃で、メッシュのエルゴヒューマンに座っていると尻から冷えてくる。
 薄いフリースの膝掛けを敷く。
 リビングにコタツをセットして、穴蔵を冬モードに変更する。
 夕刻から雨になる。
 夜は専属料理人が並べてくれた、翁豆腐の揚げを焼いたん、鯖の味噌煮、トマトサラダ、きんぴら、ほうれん草など、地味なメニューでビール、黒糖焼酎「れんと」の湯割り。
  *
 雨に煙る北梅田を眺めつつ、渋いところでジョニー・グリフィン「ハッシャバイ」を流す。

11月14日(土) 穴蔵/ウロウロ
 天気予報は雨だったが、曇天で暖かい。
 昼前に専属料理人と11/22W選挙の不在者投票に出かけることにする。
 ともにそれぞれの実家にいかねばの娘という事情による。
 豊崎西公園の横断歩道を渡ろうとしたら、向こう側の西行き車線のクルマはとまってくれたが、渡りかけたら手前の車線を西から走ってきたクルマがギリギリを通過、あやうく跳ねられそうになった。
 ちょっと先の交差点、赤信号で停車している。
  *
 ↑こやつである。和泉530た78−97 泉州もんだからなあ(トベクマさんは数少ない例外)、抗議して殴られても災難だし。警察に通報すべきか。
 11時41分の出来事である。
 天五の区役所へ行って不在者投票をすませたら、朝日が出口調査やってた。断る。そもそも出口調査というものに疑問を感じているのだが、ややこしくなるのでやめ。
 昼は玉一へ行って焼肉定食。野菜が多く栄養満点。水分補給も怠りなし。
 あと、てんぷら(天満ぷらら)に寄る。専属料理人が(長時間かけて)野菜や果物を購入。
 ポーターとなって帰館する。
 夜は(昼がヘビィだったので)翁豆腐のあんかけ、バカウマのトマトサラダなどでビール。
  *
 あと、大西雅文さん作の器に盛られた和風パスタで、中本酒店推奨の格安バカうまワインを少しばかり。
 ゲッツ師匠とバロン師匠の晩年のデュオを聴きつつ。たまらんなあ。
 泉州男(和泉530た78-97)を呪いつつ、早寝するのである。

11月15日(日) 穴蔵/さらばパソコン工房
 未明に雨がやみ曇天、昼前には晴れてきた。
 昼過ぎに出て梅田うろうろ。
 駅前第三ビル地下のパソコン工房が本日で閉店である。
 便利な店であった。USBメモリーやカード、サプライ品の購入によく利用してきた。
 閉店セール最終日。液晶モニターが安かったので記念に購入。BenQの横長タイプ。
 ぶらさげて地下鉄で持ち帰り。
  *
 文章作成がメインだから横長の必要はないのだが、タイムマシン業で表計算も多いからなあ。
 今まで使用してきたBenQは播州龍野で使うことにしよう(龍野のは10数年使用のナナオ15インチ)。
 今後を考えるに、Windows7機を最低3年できれば5年ほど使えば、たぶんWindows13の時代になるだろう。
 その時に本体を入れ替えたら、それがわが「最終システム」になるのではなかろうか。
 先は長くないのである。


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