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『マッドサイエンティストの手帳』412

●マッドサイエンティスト日記(2007年10月前半)


主な事件
 ・小松左京賞授賞式(1日)
 ・神戸ジャズストリート(6、7日)
 ・マイク・モラスキーさんと合う(10日)



10月1日(月) 上京/上方落語展/小松左京賞
 久しぶりに上京する。
 昼過ぎに着き、書店、CD関係でウロウロ。
 探していたの他、山野楽器にあった。ジャズ関係は、やはりここがいちばん豊富である。
 渋谷の東急百貨店で『大・上方落語展』を見る。
 
 小佐田定雄さんが監修、繁盛亭関係や噺家の顔写真がすべて並べてあったり、なかなかのもの。
 出口付近におれの写った写真もあるのがうれしい。ここにある「咲くやこの花賞」の時の写真である。
 撮影禁止だが、事情を話して、2、3枚、会場をスナップさせていただいた。
 夕刻、恵比寿のウェスティンホテル東京へ。
 「角川春樹事務所創立十一周年記念祝賀会及び第八回小松左京賞授賞式」
 今回の受賞は上杉那郎『月が見ている』
 小松さんはワールドコン以来の「夏バテ」で来られなかった。乙部さんが選評を代読。
 人類の宇宙進出を拒む「謎の兵器」の攻撃……文章力とリアリティで抜きんでた力作らしい。『セカンドムーン』と改題して刊行されるらしい。
 
 上杉那郎(うえすぎ・なろう)さんは新潟在住の歯科医。1962年生まれというから、これは「SFの本流」である。8年ほど前にミステリー系での受賞歴あり、ただ、その後、あまり書かず、今考えるとと「あれはSFだったのではないか」とか。つまり、この8年間、噴出を待つマグマが内部に蠢いている感じである。
 ちょっとご挨拶。新潟のリバーサイド・ジャズバンドのメンバーもご存じで、共通の知人がいることが判明、うれしくなった。
 授賞式の途中で会場がざわめく。なんと「某理事長」ご来駕である。
 「おい、えんかいな」との声が流れる。マスコミ関係者も多いはず。
 
 が、特に気にする気配もなく、森村先生の横に座ってはった。しかし、ジロリと睨まれると、やっぱり怖い。
 談話を取りにいく者もなし。もしいたら、たぶん(剣豪宣言をしたばかりの)春樹氏が木刀で打ちのめしたことであろう。
 ということで、久しぶりの方々となごやかに歓談。
 有村とおるさん、伊藤致雄さんと記念撮影。
 
 このおふたりと会うと、年齢が近いこともあるが、ともかくほっとした気分になる。理由は見てのとおり。なんとかトリオと命名しようかなと思うなあ。
 最後は森村先生の(久々の爆笑)挨拶……「春樹事務所の七不思議」を3つくらい披露されたところでお開きとなった。
 某所で二次会があるらしいが、おれはまっすぐ南阿佐ヶ谷の某ホテルにチェックイン。
 22時頃に、仕事から帰ってくるボンクラ息子その1と合流して「鳥正」へ。
 モツ煮込みなどで湯割り。
 結局深夜になってしまった。

10月2日(火) 東京→大阪
 よく寝た……といっても6時には起床。
 電話で800メートルほど離れたところで寝ているボンクラ息子その1を起こす。
 早出するという「その1」、7時にホテルのロビーにやってきた。
 いっしょに朝食の後、地下鉄で移動。西新宿で別れる。
 おれはそのまま東京駅へ。
 丸の内の地下、大きなガラスケースの中にサラリーマン諸君が密集している。
 何かと思ったら大きな「公衆煙所」である。
 
 『未来惑星ザルドス』の一場面を思い出すねえ。
 そういえば大阪も路上タバコは禁止になるはずだが、こんな風にきちんと守られるのであろうか。おれは無理なような気がする。……注意して殴られる「第一号」におれはならないぞ。
 ということで帰館。
 うへ、またも雑件山積。
 テレビニュースを見るに、昨日の北の湖理事長、「厳しい処分をする」「責任は親方にある」と記者会見したあと、そのまま来はったようである。スーツもネクタイも同じであった。
 南北首脳会談に小金ちゃんが出現したのにもびっくり。糖尿悪化で歩けず、後継者は正男と報道してたのはどこのメディアだ。
 と、明日からまたど田舎行きというのに、雑事はあまり片づかず。
 そろそろ寝るのである。

10月3日(水) 大阪→播州龍野
 午前5時起床、ふだんより1時間遅い。ちと疲れているのである。
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 姫新線から眺める風景も、近所をうろついて見る眺めも、あちこちに毒々しい赤が目立つ。
 あぜ道に彼岸花が満開である。
 
 残暑が延々と続いた影響なりや、例年より10日ほど遅い。
 下男仕事色々。
 雑事積み残しなれど、日常生活のペース回復のため、早寝するのであ。

10月4日(木) 播州龍野の日常
 ど田舎にて粛々と下男仕事。
 老母をI医院に連れて行くが、諸々の数値、おれより正常なのではないか。
 本日は文章らしきものは書かず、水道関係のパッキン交換とか、夏もの衣料の古着処分とか、徹底して下男仕事。
 たちまち夕刻となる。
 
 夕方、川沿いを散歩。久しぶりに夕焼けらしい夕焼け。センチメンタルになるぜ。
 夜、老母には和風メニュー、おれはキムチ鍋である。本当は冷麺の方がいいのだが、売り場から消えてしまった。
 早寝。

10月5日(金) 播州龍野の日常
 黙々と下男仕事を遂行するのであった。
 明日は神戸ジャズストリートである。
 この日を期してチラシ(flyers)を撒くことにしている。
 何のチラシか。
 数ヶ月前から「編集中」とか「校正中」とか書いていた『伝説のクラリネット奏者』の伝記である。
 その名はジョージ・ルイス
 ドロシー・テイトが書いた幻の名著『Call Him George』の翻訳を小中セツ子さんが完成し、それを零細出版社「SOLITON CORPORATION」から出すことにしたのである。
 発売は10月20日。現在、印刷製本中。
 明日からはチラシを見た人からの問い合わせもありそうだから、ホームページの案内を整備する。
 『ジョージ・ルイス』をよろしくお願いいたします。
 ということで、明日は神戸JS。久しぶりに清水万紀夫が聴ける。
 早寝するのである。

10月6日(土) 神戸ジャズストリート(1日目)
 朝5時、播州龍野のど田舎にて気分よく目覚めたのであった。
 下男仕事を片づけた後、朝の電車で神戸へ移動。
 神戸ジャズストリート、第1日である。
 午前11時から北野坂でのパレード開始。
  
 本日は快晴なり。
 ジャズ・クルーの専属料理人、向かって右側(行列側からいえば最左翼)で「舗道に上がってください」役をつとめておる。
 ジャズ友諸氏とも、ほとんどパレード途中で会って挨拶。
 本日、おれは好きなクラリネット中心に聴くことに決めている。
 まず、神戸女子大教育センターで北村英治・秋満義孝グループ。相変わらずお元気である。
 神戸外国倶楽部へ坂道を上って、ニューオリンズ・ラスカルズ。ここは立ち見である。演奏は最高。
 あと、北野工房へ下って、花岡詠二グループ。ここも立ち見である。シカゴ・スタイルの快演。バンジョーの青木研さんが素晴らしきノリ。
 ここまで、スイング→ニューオリンズ→ディキシー風と、日本三大クラリネットを聴けた。
 で、最後は清水万紀夫さんである。
 「ソネ」に行くが、ここは満員で入れず、1時間待っても入れ替え制ではないので、入れる保証なし……無念、高橋伸寿(vo)+清水万紀夫(cl)は断念することに。
 明日、並んでも清水万紀夫を聴くことにしよう。
 本来なら「ジャズ4人組」で一杯飲むのだが、本日は無粋な仕事があり、早めに帰阪しなければならぬ。
 夕刻帰館。
 居住している集合住宅の大規模修繕委員会、本日は「住民説明会」である。
 ごくスムースに終了。
 専属料理人は21時過ぎに帰ってきた。
 22時頃にやっと晩酌。
 明日も神戸に行くのである。
 遅寝。

10月7日(日) 神戸ジャズストリート(2日目)
 神戸ジャズストリート(2日目)……本日も快晴なり。末廣光夫さんの「晴れ男」ぶり、たいしたものである。
 11時に三宮へ。本日もパレードから参加。
 パレード参加ミュージシャンはいつも2日目の方が多い。多くは前夜から宿泊しているからだが、今年はいつもより少ない。昨夜飲み過ぎた人が多いせいか。
 河合良一さんはきちんと参加されている。風間さんと。
  
 グランドマーシャル(先導役)は川合純一さんで、やっぱり絵になるなあ。
 
 専属料理人、本日も先頭付近左側の整理役をやっておる。
 ということで、パレード終了。
 本日もクラリネット中心に聴くことにしているので、まずソネへ。
 12時〜鈴木直樹+ディキシー・キャッスル、エーセス・オブ・シンコペーション。ディキシー・グループと「鈴懸の径」というのもすごいが、鈴木直樹さん、だんだんと(容貌が)鈴木章治に似てきた印象だ。最後が鈴木さんの編曲による「阿波踊り」。
 引き続きソネで、13時〜高橋伸寿(vo)、清水万紀夫(cl)鍋島直昶(vib)川瀬健トリオ。今日いちばん聴きたかったのが清水万紀夫さんのクラである。最初にインストで「私の彼氏」「キャラバン」の2曲、鍋島さんとの組み合わせもいいし、清水万紀夫クインテットの雰囲気で、本日最高のステージであった。
 14時〜北野工房へ。「4clアンサンブル」という企画。フロントに並ぶは花岡詠二、鈴木直樹、エンゲルベルト・ロウベル(ドイツ)、アンティ・サーピラ(フィンランド)の4大クラリネット。ほとんど「初見」でぶっつけというが、見事なものだ。
 15時〜フィール・オーケストラのエリントン・ナンパーを少し聴く。井上佳也さんがハミルトン風にクラを吹いている。
 バプチスト教会へ向かう途中、路上でさっきの「4クラメンバー」+ジャズ大使と遭遇。花岡さん馴染みの店を開けてもらって軽くビールなのだという。
 珍しいので記念撮影。
 
 全員がカウンターを引っ掻いているように見えるが、ビールを待ちかねてカリカリやっているのではなく、「口ピアノ」でセッション中なのである。
 最後はバプチスト教会へ。
 早稲田ニューオリンズ研「リリーズ・オブ・ザ・ヴァリー」……女性ばかりのピックアップ・メンバーの演奏を途中から。アルバートを吹く亀井さやかさんがやはり凄い。
 トリは当然ニューオリンズ・ラスカルズ。志賀さんも入ったフルメンバーで、ジャズ・ストリートの締めくくりに相応しい雰囲気になった。
 ゲストで後藤雅弘さんも入って……これで今年登場のクラリネットはほとんど聴けたことになる。
 17時過ぎに終了。
 と、楽屋付近に清水万紀夫さんの姿が見える。
 なんと河合さんを「表敬訪問」なのであった。記念写真をお願いする。
 
 ……ところで、去年、今年と、演奏中の写真は1枚も撮っていない。
 昨年からどの会場にも「録音・録画・撮影・飲食は禁止」の掲示が出ている。
 神戸JSの客層は平均年齢が高く、総じてマナーはいいと思うが、デジカメ公害だけはどうしようもない感じだ。正確にはフラッシュ公害か。一曲のうちに10数回ストロボが光ることがあり、これはひどく気に障る。たぶんコンデジでオートモードにしたまま、発光禁止の設定がわからない「お年寄り」が多いせいだろう。広い会場の後ろの方でストロボ使っても意味ないのだが。これは神戸JSに限らず、ライブ会場で今後問題化しそうである。
 演奏者にとってストロボが気になるのかどうか、まずそれが第一であろう。
 片づけが比較的早く終わった専属料理人と合流、北野坂をくだる。
 日曜の神戸は、知っている店が休みか、閉店が早いので、いつも困る。
 結局「ヘルシー」が売り物の某串カツ店に入るが……どうもこの店の方式は好きになれない。昼がビールだけだったので空腹なところに、串の出てくる順序とペースは店が決めた通りの押しつけで、飲むペースと食べるペースがまったく合わない。10本ほどでストップ。早めの帰館とする。
 串カツ(に限らず、ヤキトリも寿司もおでんも)、食べたいものは客が決めるものだ。
 ということで、帰館後、シャワー。ありきたりの材料でオープンサンドを作ってもらってワイン。
 寝る。

10月8日(月) 穴蔵
 朝だ。雨が降っている。浅田飴だ……とは古いか。
 神戸JSが終わったとたんに雨とは、末廣さんの「晴れ男」ぶり、尋常ではない。
 終日穴蔵。
 と、こう書くのも久しぶりである。
 神戸JSで入手したロウベルやサーピラのCDを聴きつつ、終日雑事を片づける。
 静かな一日であった。
 寝る。

10月9日(火) 大阪→播州龍野
 朝だ。雨が降っている。浅田……もういいか。
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 播州龍野の実家にて下男仕事をこなすのである。
 新米「播州米」が届いていて、これを精米所に運ぶ。
 せっかくなので「一族」用に新米を荷造りして宅配便で3ヶ所に発送する。
 その他の雑事を片づけていたら、たちまち夕刻となる。
 本日、新米を炊飯。
 水加減が難しいところだが、老母はおいしいという。
 おれは色々並べてビール。
 おれは、原則的に夕食時に米は食べないのだが、新米だけは別格。なんだか旨そうなので、ビール1リットルを飲んだ後、(冷麺用に常備している)キムチを出してきて、新米のごはん一膳。バカウマ。が……もたれるんだよなあ、これが。
 現在午後9時半。ふだんならそろそろ就眠だが、たぶん胃袋が変則的で、寝苦しいことであろう。
 ま、年に一度のことだから。
 寝る……つもり。

10月10日(水) 播州龍野→大阪/マイク・モラスキーさんと会う
 下男(おとこし)仕事を片づけた後、昼の電車で大阪へ移動。
 午後、淀屋橋でマイク・モラスキーさんと会う。
 モラスキーさんとは、いうまでもなく『戦後日本のジャズ文化』の著者、亀和田武さんの表現によれば、日本のジャズ批評状況を一変させた「スゴ玉」である。
 ジャズ関係の研究のため、先月から京都に移り住んでいる……とグズラさんから聞いていたのである。大阪でのフィールドワークの案内を務めることになった。
 まずは「インタープレイ・ハチ」に仁義を切ることに。
 ここでハチママに紹介、さっそくビールを飲みながら、あれやこれや。
 
 モラスキーさん、著書の印象どおり、おれよりも日本語が達者。
 ハチママが「8並び」(昭和8年8月8日生まれに由来して、8が並ぶ日には何かやる)の話と、大阪のジャズメンからボイコットされた話などすると、
 モラさん「それなら『村八分』で8がもうひとつ並びますね」……それくらい日本語が達者なのである。
 興が乗ってピアノも2曲。「学究肌のピアノ」でエバンズ系かと思ってたら、なんと野性的な……。
 のっけからこんな調子で初対面とも思えず。
 あと「ジャズの専門店ミムラ」に寄って三村さんに紹介。
 ここから電話してもらって、駅前第2ビルの「ホワッツ・ニュー」へ。
 開店30年のジャズ店で、近所はよく(主にうどんを食べるために)通るのだが、寄る機会がなかった店。
 マスターの山口さん、おれと同年代で、きわめてユニークかつ面白い人である。
 1950年代のスイング・ジャーナル誌など見せてもらう。
 こういう店を知ると、また夜遊びが復活しそうで危ないのだが。
 もう少し回りたいところがあったが、空腹になり、お初天神近くの「かんさいだき」の店へ。
 モラスキーさん、関西の薄味がいちばん好きだと、うれしいことをいってくれる。実際、出汁の取り方とか、なかなか詳しい。
 ということで、ジャズ関係その他色々しゃべりつつ21時過ぎまで。
 楽しくも刺激的な日であった。

10月11日(木) 穴蔵
 げ、楽しい日のあとには苦行が待ち受けているのであった。
 メールを見て、おれのとんでもないポカミスを知る。愕然。
 早朝から対策を考える。
 ま、知恵は色々と出てくるのもである。
 朝からアチコチにメール。ネットで問い合わせや発注など。
 昼過ぎになって、迷惑は最小限に留めて、期日内になんとかなる目途がたった。
 ネットというのは便利なものである。
 終日穴蔵、夕刻に郵便物投函と宅配便発送に10分ほど外出しただけ。
 まあ、よく仕事をした日というべきか。
 以上、SFにはまるで関係なし。
 夜は専属料理人が欧州系を色々並べてくれてワイン。
 茄子をすりつぶしたのをベースにした「プアマンズ・キャビア」?なるものをパンに載せて食すが……ま、中性脂肪抑制にはいいのであろふ。
 早寝。
 明日からはSFもやるぞと心に誓うのであった。

10月12日(金) 穴蔵/ウロウロ
 終日穴蔵……のつもりであったが、そうもいかず。
 午後、タイムマシンの部品関係で日本橋まで。ついでにジャンク屋をのぞくが、9801関係はまったく見当たらず、ネットで探すしかないようである。
 必要あって1台残してある9801BX4をいじるが、config.sysとかなんとか、ほとんど思い出せない。困ったものだ。
 30年も稼働するタイムマシンを作るとこんな苦労が伴うことになる。
 「赤福」が製造日を擬装……へぇ〜〜。
 おれの場合、大福餅とか羊羹を口にすることは一生ないから関係ないけど、酒の肴で擬装問題があったら腹が立つだろうなあ……などと考えつつ、柿ピーで水割り。
 クソガキ・ボクサーが「反則」繰り返してボロ負けしたものだから、この柿ピー・メーカー、とばっちりでイメージダウンするのではないかと、余計な心配をするのであった。

10月13日(土) 穴蔵
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 昼……久しぶりにカツ丼が食べたくなって中崎町の「大甚」へ行ったら、なんと工事中である。
 
 改装か。まさか閉店じゃないだろうな。
 おれは、ずいぶん前から飲み歩くことはなくなっいてるが、たまに友人と会うときなど、こういう店がないと困る。ごく普通の安くてうまい居酒屋は貴重である。
 おれは井上理津子『大阪下町酒場列伝』(ちくま文庫)に紹介してある店はそれぞれ凄いと思うが、最終的には「普通の居酒屋」がいい。
 先日、モラスキーさんを案内したかったが、ちょっと距離があるからやめたのであった。
 改装後に来ることにしよう。

10月14日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 色々と仕事をするのであった。
 おれの場合、「一応SF作家」「タイムマシン製造業者」という顔があり、さらに「零細出版社」(ここね)がある。
 本日は、三者混在、ややこしいことである。が、精力的に片づけるのであった。
 昼前、宅配便発送のため外出。
 公園に野良諸君があちこちで一服している。
 
 涼しくなったからか、多くは体を丸めている印象。球状で寝ているのまでいる。
 キンタマが収縮する冬の到来を予感させるなあ。
 そういえば、林譲治さんは「熟睡する仔猫」を最後に引越されたようだが、新しい住居付近に野良はいるのかなあ……近所の生態系によって、作風に変化が生じるかも。
 午後も仕事。
 夜は割と地味なメニューでビール。
 早寝するのである。

10月15日(月) 穴蔵/ワイルドバンチ
 早朝から忙しいのであった。
 必要あって穴蔵の一室を昨日から整理して、大量のゴミを出す。
 肉体労働のあと、昨日同様、三種混合雑用大会。
 少しは片づいてきた。
 夕刻に近い午後、自転車で天六の「ワイルドバンチ」へ。
 
 マスターの庄内さん、ジャズ画展、澤野工房さんのトーク、林栄一、小山彰太ソロ…と色々企画しているなあ。
 大阪にいる場合は、なるべく顔を出したいと思う。特に小山さんのソロは。
 ここで『ジョージ・ルイス』の翻訳者・小中セツ子さんと会う。
 『ジョージ・ルイス』の見本が出来たので1冊受け取る。
 想像以上の出来映え、極論すれば「読まずに飾っておくだけ」でも値打ちがある。絶対にお薦めである。
 10月20日発売、よろしくご支援のほどを。


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