『マッドサイエンティストの手帳』584

●マッドサイエンティスト日記(2014年7月後半)


主な事件
 ・穴蔵蟄居
 ・創サポ講義(26日)
 ・播州龍野いたりきたり
 ・『現代ジャズ解体新書』『夏色の想像力』


7月16日(水) 穴蔵
 炎天なり。
 朝の直射光が強く、今シーズン初めてエアコンを稼働させる。
 快適だけど午前の2時間にとどめる。
 昨日のつづき。
 議事録作ったり、「抗議文書」を試作したり、工事業者との打合せやったり。
 待機時間が長く、外出はできず。
 たいして仕事はできぬまま夕刻となる。嗚呼。
 夜は専属料理人の作った「鯖のハンバーグ味噌味」という不思議なのがメイン。
 材料処分メニューらしい。
 あまり好みではないなあ。
 安ワインを少しばかり。
 早寝するのである。

7月17日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 晴。午前7:30に室温32℃となり、エアコン稼働。昨日と同じパターン。
 資料を読んで過ごす。
 集合住宅関係のややこしい話がないのがありがたい。
 夜は専属料理人が並べた数皿(メインは豚のワイン煮込み)でビール、安ワイン少しばかり。
 コルトレーンの「バラード」「&ジョニー・ハートマン」を聴きつつ。
 一杯飲むときにフリー以降はちょっとしんどい。
 夜のニュースで黒川博行氏の直木賞受賞を知る。まずはめでたい。
 で講談社(岩瀬達哉)との1件はどうなったのかと調べてみたら、昨年8月に勝訴らしい。何よりであった。

7月18日(金) 穴蔵/ウロウロ
 本を読んでいたら、普通は目が疲れて眠ってしまうはずが、ほとど眠れず、気がつけば午前3時。
 扇風機を回しているが、室温30℃。眠れぬはずだ。
 午前4時に起きる。
 31℃までなら、仕事はできるが眠れない。
 7:30にエアコン稼働させて、3時間ほど眠る。
 あとはほぼ終日穴蔵。
 運動不足なので、夕刻に近い午後、散歩に出る。
 梅田貨物線に沿ってグラフロ〜ヨドバシ〜紀伊国屋〜ジュンクドーの定番コース。
 新発見は特になし。
 17:30の新御堂の気温表示は33℃。暑いはずだ。
 夜、オールスター戦をやってるが、さっぱり面白くない。ナベツネの暴言(もう10年になるのか)以来、職業野球は見ていないので、知らない選手ばかり。
 テレビは消音にして、パキート師匠、ケンペプ師匠など聴きつつ、専属料理人が並べた数皿で晩酌。
 枝豆、野菜炒め、トマトサラダでビール。
 山芋おくら納豆のネバネバ小鉢、鰺刺身で冷酒ちびちび。
 揖保乃糸半束。
 最後に桃のコンポート?
  *
 今年は桃の当たり年なんだそうである。

7月19日(土) 穴蔵
 終日穴蔵。
 400字詰換算で20枚くらいの文章を書く。半分は小説に関するものだがボランティア、半分は集合住宅関係で、ともに非公開文書。
 何をやっていることやら。
 今日からSF大会「なつこん」である。特別シンポジウム「サイボーグ・身体・感性の未来」が面白そうだが、筑波は遠すぎる。
 諸々のしがらみで、穴蔵に閉じこもっているしかない。
 夜は集合住宅の某委員会。
 世間は3連休の初日ということで、出席率悪し。
 終了後、ただちに議事録作成。このあたり、小保方はんとは違うのである。
 22時前からの晩酌となる。
 よく働いたが、業績としてはゼロだな。

7月20日(日) 穴蔵/ウロウロ/小朝が光秀?!
 ちょっと寝坊して午前6時に起きる。
 少しは仕事もするのであった。
 運動不足なので、昼前から専属料理人と散歩その他に出かける。
 近所の某住宅横にモミジアオイが開花している。
  *
 野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。
 ヨドバシ〜大阪ステーションシティ〜梅地下のハービス方面を探検する。
 秋に予定している某講座の下調べ。しかし西エリアはいまひとつ面白みがないなあ。
 帰館すれば8,361歩であった。
 夜、枝豆、菜っぱや揚げを煮た小鉢、太刀魚などで冷酒を飲みつつ、珍しいことだが大河ドラマ「黒田官兵衛」を見る。
 テレビドラマはめったに見ない。「運命の人」以来かな。
 専属料理人が「春風亭小朝が明智光秀役らしい」といったからである。
 そりゃ適役ではないか。林家正蔵という大名跡ほしさに「三平の娘」と結婚した腹黒い男である。その後の顛末を見ても、明智光秀なら「地」でやれるのではないか、さぞかし「名演」であろう……という妙な興味で見たのだが、肝心の「サンボウ」(※)場面はすでに先週以前に終わっていて、今回は「中国大返し」の前半であった。
 ま、年末の総集編で見ることにするか。
 笠原和夫『映画はやくざなり』を再読しつつ寝ることにする。

※「サンボウ」とは笠原和夫『映画はやくざなり』にある「シナリオ骨法十箇条」のひとつ(他に「コロガリ」「カセ」「オタカラ」……とシナリオ作法の骨格が述べられている)で、光秀が「三方」を返して「敵は本能寺にあり!」と叫ぶ場面に由来する。進退ギリギリに立つ主人公の、運命に立ち向かう決意を示す重要場面をいう。小朝の場合「某葉とやらねばならぬか」を思い出して演じたら、けっこういい線をいったのではないか。

7月21日(月) 穴蔵
 生活パターンが不規則になってきた。
 午前3時に目が覚める。早起きというよりも、あまり眠れないからである。
 雑用少し。
 午前中、エアコン稼働させて3時間ほど睡眠。
 昼は専属料理人が作ったカレーで、これはうまい。
 午後は穴蔵にて色々読んで過ごす。
 室温31℃。扇風機のみ。まあ快適である。
 たちまち夕刻。
 専属料理人に和洋メニュー数皿並べてもらって、中本酒店推薦の「厳選辛口・吉乃川」を少しばかり。
  *
 4年前から、年に1度くらいの間隔で飲んでいるような。

中山康樹『現代ジャズ解体新書』(廣済堂新書)
 副題は「村上春樹とウィントン・マルサリス」
  *
 ジャズ誌に限らず、総合誌全般から「長い記事」(100枚以上の評論など)がなくなって久しい。
 それらはほとんど新書に移行したようである。
 新書はあるジャンルを代表する啓蒙書ではなくなり、長めの読み物に変わった。
 新書は一昔前の総合誌感覚で、悪いけど「読み捨て」になってしまったなあ。
 本書も、本来ならジャズ誌に長編評論として掲載されるべき論文ではないか。
 なぜ今「解体新書」なのか。
 論点は数多く、極めて現代的なテーマである。
 ポイントを書き出せば、今のジャズを「燃える」「燃えない」「分別不能」と、ゴミの分別法と同じ(これが見事に的確!)方法で論じることからはじまって、2、30では済まない問題提起がなされている。
 今世紀の先端のジャズ(何が先端かもわからんのだけど)を聴いてないおれとしては、ただ圧倒されるのみ。
 いや、バップ以前のジャズ史の組み替えについてだけでも、コメントしたいことが幾つもあり、それだけで2、3日かかりそうだからやめておく。
 いずれにしても、転機となったマルサリスの「スタンダード・タイム」をきちんと聴かねばなるまい。
 ということでツタヤへ行くことにする。

7月22日(火) 穴蔵/ウロウロ
 生活パターンがややこしくなってきた。
 本日は、本を読んでいたら眠れなくなり、午前4時から3時間ほど睡眠。
 日射し強く、午前8時に室温32℃になり、エアコンつけて2時間ほど眠る。
 あとは穴蔵にて雑事色々。
 午後、散歩を兼ねて梅田ウロウロ。
 CDを借りにツタヤに寄る。
 DVDの棚を見ていたら『どぶ鼠作戦』がDVD化されていたので、これも借りる。
 穴蔵に戻り、40年ぶりに『どぶ鼠作戦』を見る。
 今見ると、脚本があまりに説明不足(田中邦衛と中谷一郎の関係など/やはり岡本喜八は関沢新一の脚本の方がいい)だし、展開が早すぎるが、御殿場アクションはやはりわくわくするなあ。
 夜は専属料理人に色々並べてもらって晩酌。
 
 おくらとモズクのネバネバ小鉢、大根のタイタンの妖女、エイリアンヒラメの干物などで吉乃川ちびちび。
 マルサリス『STANDARD TIME』を聴きつつ。案の定「燃えない」なあ。

7月23日(水) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に起きる。
 生活を普通のパターンに戻す。
 穴蔵にて資料を読んで過ごす。
 午後、炎天下を歩いてツタヤ往復、CDとDVDの返却。
 近所の公園。タコも茹だっているのであった。
  *
 公園には、10年ほど前から石飛卓美(似)さんがいて、こんな日は木影で瞑想してはったものである。
 それが5月から姿を見なくなってしまった。
 まさか本人だったのではあるまいな。

7月24日(木) 穴蔵
 本日も炎天なり。
 平日の午前10時から集合住宅の某委員会。
 工事の現場確認だから、都合のつくメンバーのみで行う。
 終了後、直ちに議事録作成。小保方はんとはちがうのである(前にも書いたか)。
 午後、気力が萎えた。
 仕事にならんなあ。

7月25日(金) 穴蔵
 本日も炎天なり。
 出かけたい用事もあったが、雑事で待機している必要もあり、終日穴蔵。
 おお、室温急上昇。
 朝(東からの直射時間)2時間エアコン稼働……が、その後も外気温は上がり続ける。
 昼過ぎにエアコンを再稼働する。
 13時、ベランダは37℃で、昼のニュース(36.7℃)と同じ。
 昨年8月に37℃を記録している。
 この気温、窓を開けておれば、室温は32℃のはずで、昨年は(実験的に)がまんできたが、今年はもう無理である。
 28℃の室内で資料を読んで過ごす。
 夜は専属料理人の並べた、枝豆、冷しゃぶサラダなどでビール。
  *
 あと「夏色のパスタ」で安ワインを少しばかり。
 20時過ぎ、遠雷のごとく花火の音が響く。
 本日、天神祭(船渡御)であった。暑いはずだ。
 花火を見に行く元気はなし。

7月26日(土) 穴蔵/創サポ講義
 定刻午前4時に起きる。
 本日も炎天なり。昨日と同じパターンだが、集合住宅の工事は半日だけで、静かな日となった。
 午後の外気は35℃で、おれにとっては快適なもの。日々かくありたし。
 夕刻に近い午後に這い出て、地下鉄で天満へ。
 「祭りのあと」の八軒家浜、静かなものである。
  *
 まだ強い日射しの下で青少年がカヌー(パドルなんとかというのか?)を操っていた。
 18時からエルおおさかで「創サポ講義」。
 提出作品4編を中心に。
・太田南畝の生活(妻妾同居など)描く短編。平賀源内や山東京伝は多いが南畝は珍しい。おれは南畝については、荷風が舟橋を散歩していて石碑を発見したエピソードから興味をもって、ちょっと調べたことがある程度しか知らなかった。よく調べてあって、面白いのだが、読者側の興味(田沼の失脚後をどう生き延びたのかなど)と作者の狙いに少しズレがある。
・なんと、警察舞台のトレンディドラマ風恋愛小説。警察内部の描写やキャラクターに現実味がないが、これは意識的にやっていることで、職場をたまたま警察にしたことで、マジメ?な警察小説への批評性まで生じた不思議な作品。恋愛小説としての構成がきちんとしているだけに、評価がむつかしいなあ。
・中国からきた技能実習生が悪の道に入り込んでいくノアール。日本での「タコ部屋」や、若い中国女性を妻にしたがるスケベ親父、リベート取る入管幹部、悪徳産廃業者などゾロゾロ出てきて、題材がともかく現代的で面白い。100枚でも「走りすぎ」感があるから、気合いを入れて長編にしてほしい。
・恋人からとつぜん別れを告げられた演劇青年が、酒場の裏部屋から「非日常的世界」に連行されるが、そこは感情の表現に厳しい制約が科せられる世界だった。テーマが詰め切れてないところがあるが、ミステリーゾーンの一編としてドラマ化できそうな作品。
 それぞれ面白く、こちらも触発されるところが幾つかあった。

7月27日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 たいした仕事はできず。
 嗚呼。

7月28日(月) 穴蔵/『夏色の想像力』
 本日も炎天なり。
 朝の2時間エアコン稼働、あとは扇風機というパターンで、午後は室温30℃。
 快適ではあるのだが、いまひとつ気合いは入らず、寝転がっている時間が多い。
 人これを夏バテと呼ぶ?
 SF大会関係でちょっと話題になった同人誌『夏色の想像力』を入手した。
  *
 午後はこれを拾い読み。
 円城塔「つじつま」は、10年以上お腹から出てこない長男(これがもてる男で、やたら女の子が「訪ねて」くるのだが)が、やがて母の体内で孫が生まれる……とんでもない話。
 オキシタケヒコ「夢のロボット」……量子コンピョータが子供の落書きのようなロボット(らしいもの)を産み出してしまうが、ロボットアニメのイメージ総体?らしく、解明の資料として総理秘書が「ロボットアニメ大全」などを揃えて総理の前に積み上げる。その時の総理のセリフ。「……もしかして、楽しんどらんか、君?」……オキシさんの人気の秘密がわかってくる。
 酉島伝法(またも新境地である)、理山貞二(科学技術的ポエジーが素晴らしい)、三島浩司(里山SFとでもいうべきか)と関西勢が参加、それぞれ面白く……少しずつ、1週間ほど楽しめそうな。
 山田正紀「お悔やみなされますな晴姫様、と竹拓衆は云った」には驚く。
 竹拓衆とは竹細工を使用して「時」を操作する闇の一族で、これが「中国大返し」の影で暗躍する、要するに山田版「ヒ一族」なのである。
 これにはまいったね。おれも30年以上前から似たアイデアを持っていたが、うまい構成が見つからぬまま。もうあかんな。
 タイトルは「悔い改めよハーラン・エリスンとチック・コリアはいった」。

7月29日(火) 穴蔵/ウロウロ
 本日も炎天なり。
 夏バテ気味だが、朝から集合住宅の工事関係で立会いがあり、穴蔵にこもってもおれず。
 修繕工事はほぼ終盤である。
 昼前に地下鉄で心斎橋へ。
 シオタデザインオフィスへ行って、ちょっと打合せ。
 ついでにデジ1持ってウロウロしようという相談もするが、この炎天ではちょっとやばいか(炎天だからこそ面白い絵があるのだが)。
 少し涼しくなってからという、無難な話になる。
 日本橋を回って午後帰館。
 6,377歩。うーん、しんどい。エアコンつけて午睡。
 たちまち夕方となる。
 夜は専属料理人が枝豆、ネバネバ小鉢、アクアパッツァ、なんとかサラダなど並べてくれたが……
  *
 いちばんうまいのはシンプルなポテトフライである。
 某方面から送ってもらった「舞鶴」のジャガイモ。舞鶴がポテトの名産地というわけでなく、たまたまここの畑で自家栽培。
 素朴なニューオリンズの味がして、ビールがうまいぜ。
 舞鶴のポテトに栄光あれ。

7月30日(水) 播州龍野いたりきたり
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 ひと月ぶりである。
 タイムマシン格納庫にて打合せ1時間。
 昼前に実家へ。
 遠方の身内が早めの墓参を兼ねて来るので、久しぶりに龍野で身内集合となる。
 炎天下に墓参。
 あと、どこかで会食ということになるが、なぜか龍野は「水曜定休」が多い。
 そう面白みはないが「そうめんの里」へ行く。
  *
 中のレストラン「庵」は満員の盛況である。
 ここは山陽山陰方面へのツアーのバスが立ち寄る場所のひとつで、「大阪のおばはん」がどっさり。
 けたたましい笑い声を上げている。
 20分ほどでいっせいに去った。ほっ。
 一番人気のそうめん膳で、おれだけ生ビール。運転は兄貴に替って貰うことにする。
 夕刻の電車で帰阪。

7月31日(木) 穴蔵/ウロウロ
 天気予報では、雨ではないものの天候不安定ではなかったのか?
 カンカン照りである。
 午前中エアコン稼働、すこしは仕事もするのであった。
 午後、炎天下を歩いて梅田ウロウロ。
 月末なので、金融機関などに用事があるため。
 帰路、「桃の天然水」で水分補給しながら、淀川堤まで歩いてみる。
  *
 生駒方面は夕立なのであろうか。
 こちら(大阪市内)は雲もなし。
 穴蔵に戻り、つまらん月次の事務処理。
 穴蔵でボケーーーーッと過ごした7月が終わる。嗚呼。


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