『マッドサイエンティストの手帳』583

●マッドサイエンティスト日記(2014年7月前半)


主な事件
 ・珍芸人・野々村竜太郎登場!(2日)
 ・台風8号通過(10日)
 ・驚愕の発見(10日)
 ・文芸講演会@大手前大学(12日)
 ・ルイス114歳誕生日@マホガニーホール(13日)
 ・『才のままに生きて、努力というものをしなかった/小説家の遍(変)歴』


7月1日(火) 穴蔵
 午前5時に起きる。
 本日は晴天なり。7時前には東から直射光で、穴蔵はたちまち31℃となる。
 朝食兼ねて「自宅」へ避難。
 専属料理人が帰館しており、インコのPiPiが久しぶりにカゴから出て飛び回っておる。
 こちらは角部屋で風が通り、緑のカーテンもあって涼しい。
 ああ、こちらで仕事がしたい。
 が、そうもいかず、9時以降、穴蔵にて粛々と仕事。
 直射さえなければ、31℃は苦痛ではない。むしろ快適。
 講演に使用予定のPowerPointデータをUSBメモリーに移して、大手前大へメール便で発送する。
 と、偶然、大手前大の柏木学長からメールが来る。
 7月12日(土)の講演の打合せである。
 学長殿、ポスターを掲示したり、色々と広報活動をしているから、多くの人に来て貰えるほうがありがたいという。
 開催者としては当然か(こちらに案内あり)。
 ということで、やつがれも、照れずに予定内容を紹介させていただく。
 ハードSFや宇宙SFの話は一般の方になじまないから、テーマは「SFと関西」の「阪神間」限定バージョン。阪神間モダニズムに代表される東灘・芦屋・夙川あたりに関係のあるSF作家と作品の紹介がメインだが、谷崎潤一郎と久坂葉子についてもSFとの関連で触れる予定である。
 久坂葉子がSFと関係あるのかといわれそうだが、ある。これは絶対におれにしか語れない内容であろう。
 などと思わせぶりなことを書きましたが、時間があればおいでください。
 たちまち夕刻となる。
 久しぶりに専属料理人メニュー。例によって、ひらき、黒ハン、わさび系の静岡メニューでビール。
 あと、しらす入りの夏パスタで「やまざき」から届いたワイン。
  *  *
 PiPiが狂喜して食卓の上を駆け回り、パスタを突き回す。
 まあ、たまにはいいであろう。

7月2日(水) 穴蔵/野々村県議の珍芸
 午前6時に起床。
 本日もほぼ晴天なり。
 朝から直射光で31℃となるが、薄い雲あり、昨日よりましか。
 扇風機だけで粛々と雑事を片づける。
 朝のニュース番組で見た野々村竜太郎という47歳の兵庫県議の「泣きわめき」記者会見は珍中の珍である。
 いったいなんじゃいな。
  *
 涙を流しつつ、あらぬことを絶叫している。旅費の不正使用を追及されているらしい。
 どこかで見たような……と思ったら、森村泰昌のパフォーマンスだ。三島由紀夫をやったのは絶品だった。
 野々村もがっばっているのだが、惜しむらくは芸になっていない。故に批評性もない。森村泰昌に弟子入りして一から出直したまえ。
 それにしても城之崎温泉へ年106回も日帰りとはなあ。(←後刻105回に訂正された。本当に行ったのかは不明)
 集合住宅のことで呼び出されたり、仕事の効率悪いまま夕刻となる。
 本日は専属料理人が和メニューを並べてくれた。
 刺身、掻き揚げなどで、「やまざき」から届いた、静岡の清酒の「飲み較べセット・その1」で「國香」を試す。
 甘口でいまひとつ。呉春や龍力を飲んでるとなあ。
  *
 ↑オバマでもトレーンでもありません。
 7月13日が神様ルイス114歳の誕生日なので、プレイベント的に「バーガンディ・ストリート」など聴きつつ。
 トレーン命日はその後である。

7月3日(木) 穴蔵
 定刻午前4時に起きる。
 激しい雨音で目が覚めたというべきか。
 「朝立ち」は20分ほどでおさまり、あとはふにゃふにゃ普通の小雨。
 終日穴蔵。室温は28℃で快適、机に向かったり、寝そべって本を読んで過ごす。
 たちまち夕刻。
 専属料理人に色々並べてもらって晩酌。
 
 メインは「緑のカーテン」産のゴーヤチャンプルで「神の河」水割り。
 早寝するのである。

7月4日(金) 穴蔵
 定刻午前4時に起きる。
 曇天なり。涼しく(30℃だけど)快適である。
 終日穴蔵にて資料を読んで過ごす。
 昼、ジュンクドー往復、「座り読み」で済まそうかなと迷ったが、メモが取れないのは面倒で、3冊購入して帰館。
 2、3千円の書籍代を惜しむ気はまったくないのだが、捨てられないのは明かで、これ以上本を増やすのはつらいのである。
 また寝転がって読書。

7月5日(土) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に起きる。
 曇天なり。涼しく(30℃だけど)快適である。
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 運動不足なので、夕刻に近い午後、2時間ほど散歩。
 中津から貨物線に沿ってグラフロ〜ヨドバシ(人出多し/ボーナス貰って浮かれ出ているのか)〜紀伊国屋(人出多し/本を読む人が多いのは結構なことである)〜ロフト(人出多し/前で明治のアイスクリームの配布をやっていた/食べないけど)〜またもジュンクドー(本日は何も買わず)〜帰館。
  *
 ↑近所のビル。いずれ「使いたい」ひとつだ。
 5,434歩。
 夜は専属料理人に、枝豆、ポテサラ、鮭のソテー、トマトとチーズのなんとかなど並べてもらってビール、ワインを少しばかり。

7月6日(日) 穴蔵
 本日も曇天なり。
 涼しく(朝は28℃)快適である。
 資料を読んで過ごす。
 9時〜「題名のない音楽会」、山下洋輔トリオとスガダイロー・トリオの共演を見る。
 スガダイローももう40歳なのか。洗足に凄いのが入ってきたと聞いたのはつい5、6年前のことと思っていたのだが……。
 それにしても皆さん衰えんなあ。
 わが予定。
 8月8日にはハチで山下洋輔。
 9月20日には可児市alaで森山威男 JAZZ NIGHT 。
 ならば、坂田さんも聴かんといかんなあ。西日本ツアー敢行中(九州で台風8号直撃ではないかと心配する)だが、神戸で演る日が集合住宅の理事会と重なっているではないか。嗚呼。
 ま、坂田明、中村誠一は10月以降に聴くことに。
 午後には小雨。梅雨らしくなった。
 夜、専属料理人に色々並べてもらってビール飲んでたら、雨足が急に強くなった。
  *
 雨に煙って、アプローズがタワーリング・インフェルノの様相。
 なかなかいい眺めである。酒が進むぜ。

7月7日(月) 穴蔵
 曇天にして時々小雨、典型的な梅雨空である。
 終日穴蔵、落ち着いて机に向かう……つもりであったが、朝のテレビ番組で「野々村竜太郎」を目にしてしまった。
 これがいけない。
 ワイドショーやら報道番組、あちこちでやっていて、夕方まで、5番組くらいで見たのではないか。
 「県議の政務活動費ネコババ疑惑」だから、本来なら全国ニュース(海外でも報道)にならないはずが、ひとえに「泣きわめき会見」で人気沸騰のせいだろう。
・城之崎往復のルートを実際に往復(武庫川団地〜阪神尼崎〜バスでJR尼崎〜福知山線経由「こうのとり」で城之崎)して、所用時間の検証。
・切手29,900円をチケットショップで購入。
・政務活動費リストにある39円で買い物。なんとモヤシ1袋(!)である。
・臨床心理士が出てきて拳振り上げの「分析」したり。
 いやはや。
 その野々村竜太郎、なんと県庁に現れ「貨物用エレベーター」で代表者会議に「出現」したのだという。県庁が誘導?
 現場で張り込んでいた報道陣、裏をかかれて「タレントではなく公人だろうが」と抗議するのももっとも。
 ただ、「珍芸人」扱いだから、しかたあるまい。
 野々村くん、もう政治家ではないのだから、7月2日に申し上げたとおり、森村昌泰に弟子入りしたまえ。といっても、弟子入りは断られるだろうから、まず、ネコババした金(切手も)を釜ヶ崎芸術大学に寄付して入学することからやり直したまえ。
 たちまち夕刻。
 仕事の捗らない1日であった。

7月8日(火) 穴蔵/ウロウロ
 本日も曇天なり。時に晴れ間もあり、梅雨空とはいいがたし。
 終日穴蔵……のつもりだったが、現地調査したいことが発生して、昼前から梅田うろうろ、阪神電車で野田阪神へ行って、新橋商店街をうろうろ。
 ついでだから、玉川から地下鉄で日本橋へ。
 昼は「あそこ」でカレーうどん。
 黒門の丹波できらさぎ漬を買って帰館。
 あとは夕刻まで机に向かう。
 夕刻の報道では、野々村竜太郎が「住居専用」と決められてる武庫川団地を事務所にて、事務所費、年100万ほどくすねていたという報道。住居費、食費(もやし)すべてを政務活動費でまかなってたということか。オメコ代はどうなんよ。マスコミ諸君の健闘に期待する。
 などと愚考しつつ、夜は専属料理人が数皿並べてくれて、ビール。
 あと、冷酒、ヤマザキのお試しセットのうち「磯自慢」を試す。(「磯じまん」といえば大阪・都島の大将だが、静岡ではまあまあ有名な酒らしい)
  *
 きさらぎ漬をつまみつつ。いけますなあ。この季節、意外にキャベツがうまいんだよね。
 オキシタケヒコくん、うらやましがりたまえ。
 いい気分で早寝するのである。

7月9日(水) 穴蔵
 少しばかり朝寝して、午前5時に起床。
 ニュースは台風通過中の沖縄中継ばかり。
 大阪は晴、7時前には直射光が差し込み、たちまち室温31℃となる。
 終日穴蔵。
 蒸し暑いが、まだエアコンは使わず、非効率的な作業をダラダラとつづける。
 机5時間、読書4時間、うたた寝3時間というところか。
 たちまち夕刻となる。
 夜は専属料理人に数皿並べて貰って、ビール、安ワイン。
  *
 午後7時、リビングから梅田方向を眺めつつ。
 夕空晴れて。台風どこ吹く風である。

7月10日(木) 穴蔵/ウロウロ/台風8号通過?
 定刻午前4時に起きる。
 テレビのニュースは台風情報ばかりで、九州(鹿児島あたり)を横断して午後は近畿が強風圏という。
 曇天で、そんな気配なし。
 9時頃から断続的に小雨。
 木金の2日間は穴蔵に閉じこもるつもりだったが、所用あって(散髪などだけどね)午前中に出かけることにする。
 梅田ウロウロ。
 午後は穴蔵にて、おとなしく机に向かう。
 ※ちょっと気になることがあってウロウロついでに調べたら「驚愕の発見」があったのだが、諸般の事情から、公開するのは来週にさせていただく。
 18時頃、台風8号が田辺あたりに上陸したという。
 大阪市内は静かなもの。
  *
 ↑18時の穴蔵からの眺め。夕空晴れて風吹かず。台風どこ吹く風。
 19時から、自宅にて、暮れゆく梅田を眺めつつ安ワインを少しばかり。
 面白い本を色々と読んでいるが、感想を書くのが(ウェブのフォームに問題ありか)手間なのでさぼっている。
 読んだ日に、この日記に並べて書くように変更しようと思う。
 ま、明日からである。
 静かなので早寝する。

石飛卓美『才のままに生きて、努力というものをしなかった/小説家の遍(変)歴』
 今年5月26日に亡くなった石飛卓美氏の遺稿。
  *
 この表紙絵(福崎録氏)、そっくりである。あの大音声が聞こえてきそうな。
 ただし、この中身の文章はいつもの石飛さんの賑やかな口調ではない。
 最初が闘病記、そして自分の生い立ち、学生時代、SF同人誌時代、そしてSF作家としての活動の記録……とつづく。
 本書のタイトルについて、著者はこういう。
 「つらつら考えるに、わたしは小さな頃から現在に至るまで、精一杯頑張るとか努力というものをまったくしてこなかったことに思い当たった。/成り行きに任せた怠惰な生活と、根っからの怠け者であったことに気がついたのである。/行雲流水のごとく生きてきたものの、今すべきことをいつも先送りしていた……」
 そして「それを別に悔やんでもいない自分がいる」といいつつ「そうだ。わたしは小説家だったのである」と思いいたる。
 そこで手記を思い立ち「鉛筆を執りコピー用紙に闘病記から書き始めた」が、薬の副作用で「手足の指が痺れ出してきた」。
 キーボードを使うが、「指先から鋭い電流のごときパルスが走り、満足にキーボードが打てない」状態になる。
 小康状態になったり一時退院の期間に、指の痛みをこらえてキーボードを打ちつづける。
 闘病は1年半つづく。正体不明の「激痛」からはじまって入退院と検査、手術の繰り返しは凄まじいものだが、その記述は冷静沈着で、しかもユーモア感覚が失われていない。そこに凄味がある。
 そして幼少期からの生活を思い出すままにたどる。
 デビュー前に「町会議員」の経験があることは知っていたが、立候補した事情や選挙の実態などは初めて語られることである。
 じつはおれも最近、生まれて初めての入院体験を文章にした(きわめて限られた媒体)。
 だから、病床で「根っからの怠け者であった」「努力というものをしなかった」と書く気持ちがものすごくよくわかる。
 おれの場合、それを「無精猫原理」と書いている。(「……自然はもっとも楽な運動を選ぶ。自然の摂理である。自然の一部である人間が楽をしたがらぬはずがない。/この四十年、私は無精猫を指導原理として、楽と信じる選択肢を選んで生きてきた。」)
 まったく似たような心境なのだが、石飛さんの文章は「凄味」のレベルがちがう。
 それは書かれた状況のちがいでもあり、覚悟のちがいでもある。
 著者は、前の文章につづけて「さして苦労もしらず、追いつめられたこともなく、踏ん張ったという経験もない」と書くが、ここは幾分韜晦気味である。学生時代の生活にしろ、議員活動にしろ、おれから見れば「苦労」の連続である。
 それをユーモアを交えて冷静に書きつづけた。
 石飛さんが最後に残した最高レベルの文章である。

7月11日(金) 穴蔵
 終日穴蔵。
 台風一過で爽やかな天気……かと思ったら、昨日の台風最接近の時がいちばん爽やかで、あとは蒸し暑く、午後は曇天。
 たいして仕事はできぬまま。

7月12日(土) 文芸講演会@大手前大学
 昼前に出て、夙川へ。
 午後、大手前大学で「文芸講演会」である。
 柏木学長が大学時代から半世紀の学友という縁で声がかかったもの。
 地域の一般公開講座でもあり、ハードSF中心という雰囲気でもないので「SFと関西 阪神間を中心に」ということで行う。
 が、SF関係の知人が10人ほど来ていて、緊張するなあ。
 講演内容はこちらにとべくまさんが書いてくださっているが、「阪神間」に関わりのあるSF作家とその作品を紹介するもの。
 ただ、せっかくの阪神間なので、「阪神間文学」といえば必ず出てくる谷崎潤一郎と久坂葉子について「SFとの関連」で言及するというのが目玉。少々こじつけが過ぎるのだが、まあ許容範囲かな。
 これが「こじつけではない」と補強するために「6次の隔たり」理論を援用。
 その「実証実験」も行おうかと考えていたのだが、調査段階でとんでもないデータが得られた。
 7月10日に書いている「驚愕の発見」がそれで、実験代わりに、最後にこれを報告させてもらったが、これでは「文芸講演会」ではなく「社会学講座」だな。
 (驚愕の発見については、明日にでも報告)
 終了後、ホール2階のサロンで茶話会。
 花の多い「屋上庭園」に面した贅沢な空間である。
  *
 ここで質疑応答も。
 映像学科の学生からSFの映像化についての話題が出て、どういうはずみか「愛国戦隊大日本」鑑賞会になってしまった。
 柏木学長が半世紀前にいた学生寮のすぐそばが「ロケ地」なのである。これまた不思議な縁だなあ。

驚愕の発見
 昨日書いた「驚愕の発見」について報告しておきます。
 ことは「SFと関西」という講演にはじまる。
 「阪神間の文学」の代表格・久坂葉子とSFが関連づけられるかというテーマである。
 わが結論をいえば「関連づけられる」のだが、それは、あまりにも個人的な人脈(久坂葉子〜某夫人〜堀晃)による偶然ではないかという意見もありそうである。
 そこでおれは6次の隔たりを援用して、偶然とはいえない、むしろ世間でざらにある事例ではないかと話したのである。
 で、実証実験をやってみてもいいなと思っていたのである。
 会場は西宮市である。
 西宮市で今いちばん有名な人物は、7月2日に登場、1週間のうちに「日本でいちばん有名な政治家」に駆け上がった野々村竜太郎県議である。
 そこで、講演会場で「野々村議員と知り合い、あるいは知り合いの知り合いという方はいらっしゃいますか?」と質問すれば、1、2人はいるのではないかと予想していたのであった。
 が、講演の2日前に、週刊新潮7月17日号(7月10日発売)を目にした。
 野々村の「驚愕の半生!」が特集記事として載っている。
 なんと、野々村竜太郎は「大阪市大淀区(現北区)」の市営住宅生まれで、その生家を訪ねてみると「梅田から車で数分の場所にある古びた市営団地。周囲には新しい高層マンションが建ち並ぶ一方、所々に、朽ち果てたようなアパートや一軒家もあり……」とある。
 的確な描写である。うちの近所の眺めそのままではないか。
  *
 ↑両側が市営住宅。向こうに高層マンション。手前に「朽ち果てたようなアパートや一軒家」がある。
 わが野次馬性を抑さえきれず、近所の某店舗(30年以上利用している店)へいって、大将に訊く。
「野々村議員いうのはこの近所出身らしいな」
「野々村は、ぼくの妹と小学・中学の同級やから、よう知ってるねん」
 あと、色々面白い話を聞き、25年前の「詳細地図」も見せてもらう。
 なんと、野々村竜太郎の「生家」は、上の写真に写っている一室(部屋番号までわかる)なのであった。
 おれがこの町内に越してきて30数年、野々村竜太郎くんとは、かれが中学2年の時から10年以上、同じ町内に住んでいたのである。
 上の写真はどこから撮ったか?
 わが穴蔵からである。窓を開けて、ちょっと体を伸ばして撮ったもの。
 今おれが座っている机で、ちょっと右を向けば、野々村竜太郎くんの「生家」がすぐそこに見えるのである。
 「6次の隔たり」の有効性は実証されたように思うが……まさかこんな近距離とはなあ。

7月13日(日) 神様ルイス114歳誕生日@マホガニーホール
 わ、目覚めれば午前6時。
 昨夜、久しぶりに柏木学長らと遅くまで飲んだせいなり。西宮北口の「某ゆう」、抜群であった。
 ということで、午前中はおとなしく過ごす。
 昼過ぎに這い出て、心斎橋へ。
 マホガニーホールで、神様ジョージ・ルイスの114歳誕生日ライブである。
 河合良一さん、この間まで3週間のヨーロッパ・ツアーだったものの、元気そのもの。
 昨年のルイスSP盤コンサートでやった曲を中心に、ストンパーズのメンバーとの混成で。
  *
 恒例、ルイスの似顔絵入りケーキを前に、ブラスで「ハッピー・バースディ」。
 ルイスの遺品での「古い十字架」が感涙ものである。
 毎年のことながら、本日こんなことやってるのは世界中でここだけだろう。
 ルイスの誕生日来たりなばトレーンの命日遠からじ。
 夕刻帰館。
 昨夜が豪奢なメニューだったので、今夕はごくつつましいメニューで軽くビール、冷酒。
 早寝するのである。

7月14日(月) 穴蔵/竜太郎の原点
 副島輝人氏の訃報。83歳。
 20年以上前にピットインの近くでお目にかかったことがある。明るく気楽に雑談に応じてくれる方で、おれよりちょっと年上の人と思っていた。
 『日本フリージャズ史』は名著で、内田晃一氏、油井正一氏の著作と並べてある重要文献である。
 (フリージャズを書く人が少なくなるなあ。田中啓文さん、がんばってくださいよ)
 終日穴蔵。
 少しは仕事……のつもりが、相変わらず、集合住宅の雑事あれこれ。
 野々村竜太郎に関して、うちの集合住宅に取材はなかったらしい。
 竜太郎報道はもうええというところに、昼前のニュースを見ようとしたら、「ワイドスクランブル」で「号泣県議の原点」というのをやっている。
 「テレビのワイドショーがいちばんしつこかった」と聞いたのはこれだったのか。
 わが穴蔵から見える○号棟が映り、今の居住者が「かつて野々村氏一家が暮らした部屋」を隅々まで撮らせて、間取りなど説明している。
  *
 いやはや。これでは竜太郎がこんな汚い部屋で育ったと誤解されるではないか(もっと汚い部屋で育ったのかもしれないけど)。
 この「ご老人」いったいどんな神経なのか。何かの症状が進行しているとしか思えないが、それをいいことに部屋に上がり込むテレビ側もひどいものである。
 そんな番組を見るやつがいちばんアホやて? おっしゃるとおり。

7月15日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 出歩きたいのだが、集合住宅の雑件があってそうもいかず。
 夜、理事会。
 修繕工事以外にまたも「大型案件」が浮上、これは何とか来期に送りたい。体がもたん。
 さらに、またも迷惑住人の話題。
 主には、
@ベランダに大量の鉢植えを並べる住人。そこにゴキブリが発生、近隣に移動してくるという。
A1階の専用庭を手入れしない住人。雑草伸び放題で蠅や蚊が大量発生という。
 現行の管理規約で何とかならんかという話になる。
 鉢植えは(避難経路が確保してあれば)禁止条項はなく、専用庭の除草も義務づけられていない。
 おれの知恵は「ペット禁止条項」の援用である。
 「他に迷惑又は危険を及ぼす恐れのある動物を飼育すること」は禁止されている。
 ゴキブリ、蠅、蚊をベランダや専用庭で飼育してはいかんという理屈で抗議することにする。
 ヤクザを別件で挙げる広島県警みたいだけど、「隣から覗けば鉢植えの木にゴキブリがうじゃうじゃいる」(←真偽不明)と聞けばなあ。
 また気の重い日々がつづく。
 遅めの晩酌。冷酒がうまくないよ。


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