『マッドサイエンティストの手帳』312
●マッドサイエンティスト日記(2004年9月後半)
主な事件
・MORIYAMA JAZZ NIGHT 2004(18日)
・播州龍野の日々(21日〜)
・滝川雅弘4 at Arrow(24日)
2004年
9月16日(木)
午前4時、定刻に目が覚めたが、蒸し暑くて扇風機を回したまま寝ていたものだから、鼻風邪をひいたらしく、鼻水がやたら出る。
雑件山積。
市内に出たり穴蔵に戻ったりしているうちにたちまち夕刻である。
9月17日(金)
本日も雑件処理のつづき。
昨夜からアメリカのハリケーン「アイバン」が上陸しそうだと、ニューオリンズの映像がやたら放映される。バーボンストリートやプレザベーション・ホールは大丈夫かと心配である。
早朝のニュースではアラバマ上陸だそうである。ニューオリンズについては特に報じられないから、たぶん大丈夫なのであろう。
日本はプロ野球のストについてばかり。
もうプロ野球への関心はなくなってしまったが、「たかが選手」諸君は意地を見せてほしいところだ。今シーズン、もう野球なしでもいいではないか。
21時頃に「プロ野球スト決行」のニュース。「たかが選手」諸君、断固指示するぞ。おれは単にナベツネが嫌いという立場だが。
8月18日(土)
昼前に出て、本日は難波から近鉄で名古屋に向かう。
目的地は岐阜県可児市。「森山ジャズナイト2004」である。
が、せっかくだから、近鉄沿線(旧東海道)の立ち食いうどんの味を調査しておきたいので、少し早めの出発。
が、肝心の「四日市」駅ホームの立ち食いは消滅?!
車窓からは見当たらず、途中下車してまでのことでもないので、そのまま名古屋まで。
名古屋駅、久しぶり(まさに1年ぶり)に降りるが、オモテに成城石井が出来、西側の名鉄グランドホテルの並び、なんと全面的に「ビックカメラ」になっている。それはいいのだが、ビル壁面にびっしりと張り付けられたメーカーのロゴが、なんだか大量のゴキブリが這い回っているようで、ものすごく気持ちが悪い。
「煮込みうどん」をと地下街に降りるが、行列ができているので見送り。
近くのウナギ屋「浜松」に入る。
ここは地下街にもかかわらず下町に居酒屋ムード、昔、草上仁さんと盛大に「祝杯」をあげたことのある店である。
ここで「浜松定食」……蒲焼き、味噌カツ、天むすという組み合わせで、「名物」を一度に食べられる。これでビールを一杯。
これで演奏終了後のウチアゲまで、ちょうどいい腹具合となる。
夕刻、名鉄で今渡へ。
『森山威男 JAZZ NIGHT 2004』。
終演後、盛岡から参加の「ヨッちゃん」とタクシーで多治見へ。
中華店「せん」で夜中まで懇親会。
徒歩5分のホテル「オースタット」に0時直前にチェックイン。
ジャズ関係のほとんどはここに宿泊の模様である。
9月19日(日)
やはりきちんと4時に目が覚めるのであった。
7時過ぎにレストランへ降りると、北海道のNさん、つづいて九州の税田・松浦両氏も現れる。
北海道・大阪・九州のファンが多治見で朝食食べながらジャズ談義というのもいいものだなあ。
それぞれの方向に分かれることになり、おれはチェックアウト、8時過ぎのJRで名古屋に向かう。
金山まで来ると、ちょうど米原行きの新快速があるらしいので、そちらに乗り換えて在来線で帰阪することにする。
新幹線がどうしても怖いのと、昨夜買った『モンク』を読みながら帰るにはちょうどいい時間という判断である。
昼前に帰宅。
専属料理人は(これまた「親」の問題などあって)実家に帰っている。冷蔵庫をごそごそやって昼飯。
で、午後にパソコンを覗くと、盛岡のヨッちゃんから、早くも昨夜の写真が届く。
皆んなよく動くなあ……。
9月20日(月)
終日穴蔵。
こういうのは久しぶりの感あり。
9月21日(火)
早朝の電車で播州龍野の実家に向かう。
JRの駅から実家に向かう路上で赤ランプ点滅のパトカーとすれ違う。別に悪いことしてないけどドキンとするね。
本日はタイムマシン格納庫に籠もって久しぶりに肉体労働。
汗噴出。
夜のビールがうまい。
9月22日(水)
播州龍野の日常。
食事の時間以外、ほとんどタイムマシン格納庫で肉体労働。
昨日の雷雨につづいて、本日も小雨が続く。急に涼しくなった。
夕刻まで作業。食材を買って実家に向かう路上でパトカーとすれ違う。別に悪いことしてないけどドキンとするね。
9月23日(木)
播州龍野の日常。
午前4時前に朝刊の届く物音。庭に出ると中天にオリオン。まるで冬の星座である。急に寒くなりそうで嫌だなあ。また「キンタマが波動収縮する」季節の到来か。これからの寒さを思うと憂鬱になる。
早朝からタイムマシン格納庫で肉体労働。
昼まででとりあえず終了とする。
彼岸なので墓参り用の花を買って実家に向かう路上でパトカーとすれ違う。これで3日連続。何かあるのか。凶悪犯が潜伏しているとか。長年龍野にいるけど、こんな頻度でパトカーに遭遇するのは初めてである。
午後、形式的に墓参り。
と、なんと「堀家之墓」の「家」のなかに「墓守蛙」がいるではないか。
2年前に住みついていたのと同じ蛙だろうか。どうなんだろう。雨蛙の平均寿命はどれくらいなのか。
水をたむけるついでに蛙にも。
蛙に捧げる供物にと
水道水少し墓に注ぎぬ
いと少なしを
9月24日(金)
午前2時に起きる。むむむ、腰痛がひどい。別に腰を屈めての姿勢ではなかったが、久しぶりの肉体酷使が堪えたらしい。
夕刻に「助っ人」到着なので、昼前に実家を出て午後帰宅。
雑件色々処理。
夕刻、また家を出て、阪急・武庫之荘へ。
北側にあるLive Spot Arrowへ。
ここは8月にオープンしたライブハウスで北野タダオ&アロージャズオーケストラの本拠地らしい。
ここで滝川雅弘カルテットのライブ。
音響はいいし、新宿ピットインに匹敵するような広さである。桂米朝師匠のお宅にも近い。武庫之荘に関西を代表する落語とジャズが揃うのはまことにめでたいが、どちらかといえば住宅地、こんな場所で維持できるのか、ちょっと心配でもあるなあ。
滝川雅弘(cl)中村葉子(p)原満章(b)竹田達彦(ds)
ひとりなのでカウンター席へ行くと、平井常哉さん、それに大椨さんご夫妻といっしょになる。ともに滝川ファン。……ちなみに椨(たぶ)の木というのを初めて知った。
スタンダード中心に2ステージ。
ピアノの中村葉子さんは何度も聴いているが、滝川さんとの組み合わせは初めてである。バラードでは繊細、ボサノバでは情熱的なピアノで、今までとはちょっとちがった雰囲気。また時々この組み合わせで聴かせていただきたいものだ。
9月25日(土)
昨夜から引き続き大阪シナリオ学校エンターテインメントノベル講座の提出作品を読む。
ショートショートを含めて9篇。SF、ファンタジーから時代小説まで多彩。まあ何とかコメントは出来るが、1篇、ポルノ志向で強烈なSMもの! おれが適任であろうか……。しかしまあ、わしゃ恋愛小説よりはポルノの方がわかるなあ。
ポルノの場合、描写の対象は「肉体」だが、SFの場合これが「物体」になる。ロボット・ポルノとか、SFセクソロジーもまだ色々な可能性があるような……と考えるところ色々。
ということで夕刻から天満で講座。
終了後、久しぶりに安くてまあまあの中華屋「大東」でビール。
小説の話をしているとやっぱり面白い。
9月26日(日)
定刻4時に目が覚めたが、まだ体の節々が痛い。腰痛はほぼ回復。
本日は日曜なので、終日遊びの日と決める。
今頃だが、中野明『腕木通信 ナポレオンが見たインターネットの夜明け』(朝日新聞社)を読む。腕木通信については言葉だけ知っていたが、なるほどこれはよく出来たシステム。よく調べてあるなあと感嘆。実物を見たくなるなあ。
昼前に自転車で梅田。旭屋でSFマガジン立ち読み。ヨコジュン、大丈夫かいな。
天六へ行こうと東へ走っていたら、旧扇町スクエア前の路上でルン吉くんと遭遇。
9月2日以来、まあ「久しぶり」というほどでもなし。
時刻は11時30分。あと、YMCAの方へ、そこから路地を堂山町の方へ向かうらしい。
ということは、昼前に扇町公園の方から堂山町を経由、昼に泉の広場付近というのが最近の行動パターンなのだろうか。それにしては8ヶ月のブランクが謎だが。
ということで、天六の阪急共栄で白ワインを買って帰宅。
が、専属料理人、年末の「第九」の練習日とかで夕刻から出かけてしまう。
夜は、作り置きのおでんでひとりビールを飲みながら、珍しくもサン・ラを聴くのであった。
なぜ今時サン・ラ……まあ、後日語ることにしよう。結構酔っぱらってしまった。
9月27日(月)
月曜日なのである。
雑用が多いのである。
午前中、かなり激しい雨である。
完全自由業なら外出しないのだが、そうもいかないのが浮き世のつらさ。
傘さして徒歩で出かけたら、昼過ぎに雨があがる。腹が立つなあ。
降るなら降るで終日降ってほしいものだ。
9月28日(火)
終日穴蔵。
色々連絡事項多し。
夕方『血と骨』の試写会の招待を受けているものの、残念ながら見送りである。
9月29日(水)
うへ、また台風である。
午前2時過ぎに目が覚める。雨が降り出した。4時に「自宅」の方へ行って朝刊の到着を待ちつつ気楽にひとり朝飯を食っていたら、台風21号号が九州に上陸しかけているらしい。そのままこちらへ来そうな。
終日穴蔵……のつもりでいたら、昼前に雨はやむ。
銀行関係のことがあって自転車で梅田。
夕方になってまた雨が降り出す。
不祥事続きのNHKはほとんど終日、台風の実況中継である。たくさんある「人殺し」はどうなっとるのか。
……などと思いつつ、専属料理人の作った「枝豆(紫頭巾)、アサリ・玉葱・ポテトその他のポトフというのかスープというのかそんなもの、鶏肉とポテトをオーブンで焼いたなんとか風、ほうれん草のソテーとトマトなんてものを並べて、パン、ビール、白ワイン。
デフランコ、コルトレーンのバードランドのなど聴きながらいい気分になっていたら、雨が強くなったらしい。
テレビをつけると、近畿直撃かもしれないという。
専属料理人がベランダの鉢植えをリビングへ入れ始める。わずらわしいことである。コルトレーンのアラバマを中断して少し手伝う。
しかし、わが家からの眺望、時々ある夕立と同じ夜景である。(20:30撮影)
と、午後9時のニュースが流れ始めて、台風はすでに高槻を過ぎているというではないか。
あほらしくなって、後かたづけはせず、早寝だ。
9月30日(木)
朝3時に目が覚める。涼しくなっている。
午前4時から自転車で梅田から天五あたりを散策。台風被害がないかの見物だが、なーんもなし。中秋の名月を2日ばかり過ぎた月が群雲に見え隠れしているだけである。雲は北西から南東へ急速に移動している。
天五の「ひろや」でなべ焼きうどんとビールを一杯。
台風の無事通過祝いである。
帰ってテレビで台風被害状況をボケーっと見る。播州龍野、揖保川町の被害がひどいようだが、実家にいる兄とメール交感したところでは、ウチは特別のダメージはなかつた模様。
秋晴れになった。
雑件色々。
明日は「小松左京賞」関係もあって久しぶりに上京である。
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