『マッドサイエンティストの手帳』883

●マッドサイエンティスト日記(2026年8月後半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり
 ・KLL例会(21日)
 ・創サポ講座(22日)

 ・理山貞二『すべての夢、果てる地で』(創元日本SF叢書)


8月16日(日) 穴蔵
 曇。涼しい朝である。
 午前8時、室温29℃、ベランダは28℃。昨日の同時刻、ベランダは35℃だったから7℃低い。
 直射光がなければいかに快適か実感できる。
 午前中、穴蔵にて雑事。
 午後、脚力維持のため1時間ほど散歩。久しぶりに貨物線の北側を歩く。
 冨島神社横のカフェカンテグランデに「8月23日で閉店」という掲示が出ている。
  *  *
 階段を下りた地下階で、緑の多い庭に面したカフェ。こちらに越してきた半世紀ほど前から、時々カレーを食べに来た。
 今の中津はカレーの「激戦地」だが、利用するのはこの店だけだった。ちょっと寂しくなる。
(専任料理人が愛用しているのは地下鉄中津のベーカリーカンテ・グランデの方で、こちらは大丈夫)
 あと左岸線豊崎ICの工事現場を見物、豊崎神社、ライフ豊崎の建設現場(オープンは来年になるらしい)を回って帰館。4000歩ほどになった。
 たちまち夕刻。
 5皿ばかり並べてもらってビール、酎ハイ。恒例のUターンラッシュ映像を眺めつつ。
 やっと盆休が終る。ほっ。

8月17日(月) 穴蔵/ウロウロ
 曇。朝の直射なく、快適な日である。
 世間は盆休明け。
 午前、播州龍野関係のあちこちと連絡。
 どことも盆休明けで忙しいらしく、調整に難航。結局、明朝に最終決定になる。
 昼前、梅田ウロウロ。郵便局、ATMなど回り、色々な事務処理。
 午後は穴蔵にこもる。
 室温はだいたい30℃、ベランダは最高32℃、アメダスMaxは31.8℃。
 本日もエアコン稼働せず、扇風機の風が快適であった。
 夕刻、眼下の市営廃墟で百日紅が開花しはじめた。
 ノラが夕涼みしている。
  *  *
 4年前に生まれた4匹のうちの1匹。(親はすでにおらず)現在確認できるのは3匹だけである。
 エサやりオバサンのおかげで気楽に生きとるが、どうなることやら。
 夜、例によって、5,6皿並べてもらってビール、ワイン。
 早寝。

8月18日(火) 穴蔵
 晴。朝から直射光。エアコン2時間ほど稼働。あとは涼しい。
 終日穴蔵。
 連絡事項が錯綜。(播州龍野関係で)予定外の事案も発生。ややこしいことなり。
 いずれにしろ、明日、全部片づけることにする。
 落ちつかぬ1日であった。
 夜、5皿ばかり並べてもらってビール、酎ハイ。
 ともかく早寝。

8月19日(水) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。9時前に着。実家は炎天下に佇んでいた。
・某委員のところへ某会費の支払いに行く。
 何の恩恵もないのだが、年2回の義務である。嗚呼。
・シルバーセンターの事務所へ行き、実家周辺のことについて相談。
 基本的には可能なようだが、担当者不在で、見積は出せないという。現場立会いも必要で、出直しになりそうな。
・近くのホームセンターに寄って防犯用の部品を探すが、適当なものは見当たらず。自作するしかないか。
・盆は過ぎたが、墓参り(というより墓掃除)に行く。
 
 山裾の墓地、人がいなくていいが、S字型ニョロ系が出てこないか、ビクビクしながらの作業。普通の汗と冷や汗が吹き出す。
・実家でしばらく休憩。水分補給。エアコンはないか風通しはよく、30℃。ホッとする。
・午後、某工務店へ行って打合せ。
 こちらは進展あり。まだ時間はかかりそうだが。
・タイムマシン格納庫へ行き、実家用防犯器具を試作……と思ったが、こちらは室温46℃。30分が限界。次回に送る。
 実家の門扉にワイヤーロック(これは一目で「留守ですよ」とわかるので好ましくないのだが)して、夕刻の電車で帰阪。
 体内の水分を絞り出したような1日であった。
 5皿ばかり並べてもらって水分補給。ぶっ倒れるように早寝。

8月20日(木) 穴蔵
 晴。終日穴蔵。
 昨日の反動で、何もする気にならない。
 体力より気力であろう。播州龍野の諸々のことでひどく憂鬱になる。
 ベッドで雑読の1日。

8月21日(金) KLL例会
 昼前に出て、兵庫県へ越境、神戸三宮へ。
 地下センターで昼飯。
 久しぶりにカツ丼と思ったら行列ができている。
 少し奥の店でホルモン丼を食す。
 
 カツ丼のほぼ半額で、なかなかよろしい。
・午後、区民文化センターで神戸文芸ラボ(KLL)の例会。参加者7名、久しぶりにほぼ全員が顔を揃えた。
 Anchor KLL Vol.3の合評会と、今月の提出エッセイ・短篇についてあれこれ談義。
 Iさんの新趣向吸血鬼もの(牙が歯周病で歯科医へ行く)が面白い。
 Kさんのシベリア抑留をテーマにした戯曲。
 関連して、山崎豊子「不毛地帯」や新東宝の映画「ソ連脱出 女軍医と偽狂人」(1958)を思い出す。
 後者は中学時代に見たが、ヘレン・ヒギンズの入浴シーンが今も忘れられない。
・帰路、スマホに立てつづけに着信あり。
 播州龍野関係の難題、なんとか動き出したようである。
 少し気が楽になる。

8月22日(土) 創サポ講座
 晴。猛暑日復活のようだが、閉じこもっておれば快適。
 終日穴蔵にて資料読み。
 夕刻這い出て、地下鉄で天満橋、谷2のCANVAS谷町へ。
 18時から創作サポトートセンタ―の講座。
 本日は不思議な作品が多い。
・ラヴクラフトの短篇を百合ファンタジーにしてPixiv形式で書いた怪作。これは別の講師の意見も聞くことを前提に感想だけ述べさせてもらう。いわば半パス。Pixivはスマホで見るもので、読書とは別物にしか思えない。
・B級グルメ小説がしだいに「食のクトゥルーもの」に転じる、これまた怪作。徹底した唐揚げ描写がいい。
・ぶっ飛び青春小説で、おかしなキャラ(改造銃を構えた幼女とか)が登場するが、作者が明かすには、AI利用創作を試みたが、出てきたシノプシスがあまりに平凡なので、結局全部自分で書いたという。そのAIとのやりとりを明かしてもらったが、確かに平凡。ここからAI創作の議論を始めると収拾がつかなりそうでやめる。AIに創作欲を刺激された一例か。
・汎用超知能が「穏やかな統治」をしている社会で、落ちこぼれ青年ふたりが組んで、独立アンドロイドを使った風俗産業を試みる。やがて「女性アンドロイド」を操る男の実像が明らかになるが、これは衝撃的だ。
・非SF(青春回顧小説)が1編あったが、時間と作者不在という事情から次回送りとなる。
 あと文学フリマの打合せもあるが、当方はまっすぐ帰館。
(9月13日の文学フリマには昨年に引き続き「星群」その他色々なグループが出店するようで、見に行くつもり。)

8月23日(日) 穴蔵
 晴。まだ猛暑日。
 終日穴蔵。
 本の整理をして過ごす。
 結局、関連書をまとめて置き場を変えるだけ。
 半分くらい播州龍野へ送らないことには、どうにもならない。
 あきらめて、発掘した本をあれこれ読んでいたら、たちまち夕刻。
 居酒屋メニューが6皿ばかり並ぶ。
  
 やつがれは枝豆とヤッコ、あと1品くらいでいいのだが、本日はその1品がタコとイカのマリネ、ずりボン、その他色々。
 盛大に飲まざるを得ない。困ったことだありがたいことである。

8月24日(月) 穴蔵
 晴。猛暑日続く。
 ま、毎年9月下旬まで真夏日がつづくから、こんなものだろう。
 終日穴蔵。
 ボケーーーツと過ごす。

8月25日(火) 中央図書館@西長堀
 晴。日差しは強いが(午前中)そう暑くはなし。
 午前、地下鉄で西長堀の市立中央図書館へ。
 地下の小さなコーナーで、同館リニューアル30周年記念「大阪市立中央図書館が登場する本」展を見る。
 なんと『されど星は流れる』……これに収録の拙作「循環」の該当ページが展示されている。
 淀川開削時代に伝法にあった紡績工場の設備を調べようと、3階の大阪コーナーで古い資料を探す場面があるのだが、よくこんな細かいところまで読んでいただいたものと感激する。
 他に芦辺拓『時の密室』や東野圭吾『白夜行』など10冊ほど。司馬遼さんは(ここをよく利用されたが)書かれてなかったのか。
 あと(本日の主目的)2階で「区分所有法」について色々調べる。
 今年4月から施行の改正法では(議決方法の変更がいちばん大きいが)国内管理人というややこしいのが登場して(外国人に買われたものの住んでないタワマンが多いのが原因)、ウチの集合住宅は関係なさそうだが、管理規約には、暴力団とともに、用心深く規定しておくに越したことはない。
 結局、1冊借り出すことにする。
 あと、久しぶりに木津川沿いに散歩。大正橋まで。
 
 炎天だが、汗はかかず。
 大正駅近くの「いちゃりば」で久しぶりに沖縄そばを食す。

8月26日(水) 穴蔵
 晴。昨日は涼しかった(そう暑くはなかった)のに、本日はまたも猛暑日復活。
 終日穴蔵。エアコン29℃の室内で机に向かって過ごす。
 眼下の市営廃墟、先週咲き始めた百日紅が満開である。
  
 そばの自転車置き場の屋根でノラが夕涼みしている。
 夕刻から集合住宅の「管理規約改訂委員会」……理事会の諮問機関みたいなもので、5名で会議。
 やはり国内管理人(というより国内にいない区分所有者)が問題になる。色々な事例を聞くと、最新の高級タワマンに限った話ではないらしい。
 年内、あと2回くらい集まらねばならぬようだ。
 成り行きで30年以上ほど続けてきた「規約担当」を離れるのはたいへんである。

8月27日(木) 穴蔵
 晴。直射あり、午前中、エアコン3時間ほど稼働。あとは涼しい。
 終日穴蔵。
 昨日まで仕事(でもない作業)に集中した反動か、何もする気になれず。
」9月号を拾い読み。
 筒井さんと矢作俊彦の対談。矢作が筒井さんに初めて会ったのは高校時代で、
「市ヶ谷の東京洋服会館でSF大会があったとき、参加していたぼくらにお菓子を差し入れに来てくれたでしょう?」
 年齢から考えて、1968年のTOKON4としか思えないが「本名」で参加していたのか?
 やつがれは卒論の実験に追われて、夏休みもほとんどなく、TOKON4は行けなかった。

8月28日(金) 穴蔵
 4時前に起床、PC起動したところで、突然雷鳴、雨になった(ゲリラ雷雨というほどではなし)。
 枚方、つづいて東大阪に大雨警報。
 BSニュース見るに、北陸方面がたいへんで、関西の報道はなし。
 昼間は曇天。気温はそう上がらず、エアコン不要の快適な日である。
 終日穴蔵。
 アタマは不調で、これといったことできないまま1日が終る。

8月29日(土) 穴蔵
 曇天。朝の直射光がないと助かる。
 終日穴蔵。
 夕刻、百日紅のそばの屋根で、珍しくトラが3匹揃って夕涼みしている。
  
 廃墟の住民?はこの3匹だけのはず。
 先日から、市役所の職員らしいのが出入りしているのを見かける。
 このまま永続的に住まわせてやりたいものだが。

8月30日(日) 穴蔵
 定刻午前4時に目覚めると、福井に「大雨特別警報レベル5」が出ている。
 千葉から福井へ。いろいろ大変だな。
 こちら(大阪)は晴。朝の直射光以外、過ごしやすい日である。
 終日穴蔵。ボケーーーッと過ごすが、ちと申し訳ない気分になる。
 午後、テレビで『手塚治虫の戦争』を見る。
 NHKもまれにいいドラマを作るではないか。テレビドラマはめったに見ないけど。

 視力が衰えて、読書ペースが低下してきたが、まあまあ読んでいる。
 本のことを書いてないので、これから少しずつ書いて行こうと思う。

理山貞二『すべての夢、果てる地で』(創元日本SF叢書)
 待望久しかった理山貞二さんの初短編集が刊行された。
 理山さんは第3回創元SF短編賞を表題作<すべての夢|果てる地で>で受賞。
 松崎有理さん、酉島伝法さんに続く受賞で、そのデビューは衝撃的であった。
 受賞作についてはここで触れている。
 そのタイミングについては本書の解説で触れているので、ぜひ読んでいただきたい。私には奇跡的としか思えなかったのである。
 
 デビュー作から十数年、待ちに待った出版。時間がかかったのは寡作であることが大きいが(製造業の技術系勤務)のだろう。
 それだけに、それぞれの作品は丹念に書かれていて、実験的でありながら、初心貫徹というか(6篇、それぞれ作風が異なるのだが)見事に一貫した発想で統一されている。
 扉には「野心的な着想と、グレッグ・イーガンを思わせる華麗なサスペンス」とあるが、私は、全作品が、ホイル『10月1日では遅すぎる』(あるいはプリースト『逆転世界』)のような特異な時空構造世界を舞台にした本格SF(本当はハードSFといいたいのだが)であり、しかもそれぞれ作風が(ジャンルSFと見た場合)サイバーパンク風、怪獣もの、タイムもの、ワイドスクリーンバロック調と多様なのである。個別の作品については解説で触れているので、ここでは書かないが、すべて「ジャンルSF」としての新領域が拓かれている。
 1篇だけ。巻頭の「折り紙衛星の伝説」は、金星の雲層に衛星を浮遊させようとする、感動的な宇宙SFで、完成度はいちばん高い。ここに少年が折り紙飛行機を飛ばす描写が重ねられる。だが作中に「少年時代を思い出した」といった表現は1行も出てこない。……つまり、この作品も、20数年隔たった時空が重なった世界、と解釈できないではない。野暮な読み方だが。
 各作品、色々な仕掛けが組み合わされて、多様な読み方・楽しみ方ができる。わが解釈が唯一ではないのだ(と、読みの浅さの弁解みたいになってしまうが)。
 ともかく今後の活躍が楽しみである。

8月31日(月) 穴蔵
 晴。猛暑日。飽きてきたなあ。
 午前中、月末の平日なので、諸々の決算事項あり、梅田のATMなどウロウロ。
 ついでにタカセに寄って液体系重量物を運んで帰館。
 午後は穴蔵にこもる。
 たいしたこと出来ぬまま夕刻。一杯飲んでベッド。
 無為に過ごした8月が終る。噫。



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