『マッドサイエンティストの手帳』860
●マッドサイエンティスト日記(2025年9月前半)
主な事件
・台風15号通過(5日)
・播州龍野いたりきたり
・創サポ講義(13日)
・文学フリマ(14日)
9月1日(月) 穴蔵
目覚めれば9月であった。
と、毎年この日は同じことを書いている気がする。
秋の訪れに「残り時間」が少ないことを感じるからであろう(September Song)。
が、今年は猛暑日が続き、感傷に浸る余裕なし。
家の内外でややこしいことばかり。
内では、ちょっとトラブルがあり、家事を手伝わねばならず。調理以外の、買い物とか洗い物とか。。
外からは、電話で知人の訃報。事情まるでわからず。
落ち着かぬまま、たちまち夕刻。
毎年、この日は一杯やりながらジョージ・シアリングを聴くのだが(September In The Rain)、そんな気分にもなれず。雨も降らんからなあ。
早寝。
9月2日(火) 穴蔵
晴。猛暑日。
終日穴蔵……とはいかず、昨日の続きで雑事多し。内憂外患である。
ま、愚痴は書くまい、こぼすまい、これが男の生きる道。
9月3日(水) 穴蔵
晴。まだ猛暑日。
終日穴蔵……とはいかず、相変わら雑事ばかりだが、生活のシステムを少し変更して、ほぼ終息した。
明日からは普通の生活(終日ボケ状態)に戻れるだろう。
9月4日(木) 穴蔵
未明に目覚める。
想中のニュース。鹿児島沖でいきなり台風15号が発生、東に向かってくるらしい。
久しぶりにゴジラの雰囲気。落ち着かぬことである。
終日穴蔵。雲が次第に厚みを増すのを眺めつつ過ごす。
・管理を担当している某WEB「移転」の準備作業を行う。
20年以上続いているのだが、担当者が死亡、幸いIDとPWが残っていたので引き継いだがのだが、レンタルサーバー(と独自ドメイン)の費用がバカ高いことが判明したため。
20年前ならそうでもなかったのだろうが、最近の「相場」からいえばべらぼうな。
企業ならともかく、趣味のグループでこれは高い。
それに、担当者が突然死しても、IDとPWだけ伝えておけば、誰かがすぐ引き継げるようにしておかねば。
これも終活のひとつである。
・たちまち夕刻。
夜は「膳」を穴蔵に運んできて、ひとり晩酌。
先日からの「内憂」がらみで、システムを変更、しばらく夕食は次男が調理してくれもことになった。
これがなかなか。専任料理人よりうまいのではないか。
*
昨日のイタリアン?につづき、本日は山かけ、アブラゲの納豆包み焼き、ちらし寿司など。
時間が少し不規則になるが、このシステムがつづけばありがたいなあ。
9月5日(金) 穴蔵/台風通過
深夜に目覚める。雨が本降り。
台風15号、1時頃に高知(宿毛付近)に上陸、東に進んでいるらしい。
近畿には昼頃に最接近、これから風雨が強くなるという。落ち着かぬことである。
が、大雨報道は関東ばかり。
9時頃に和歌山に再上陸したというが、雨はやみ、風もなし。昼には晴れ間もあり。
大阪は進路の左側で、ほとんど影響なかったような。
散歩かねて外出、郵便局、ジュンク堂に寄る。筒井さん、今月も文芸3誌に掌編、ただ感嘆。
台風にもめげず、ラーメン屋には行列。こちらは信州そばでコロコロを食して帰館する。
午後はまた穴蔵。
台風15号は、16時に房総(館山付近)に上陸、17時に鴨川付近から洋上に去った。速いなあ。
夜は次男製の5皿で晩酌。
*
バランスよろしく、「おふくろの味」もおふくろより上手いのではないか。不思議なものだ。
9月6日(土) 穴蔵
台風一過、爽やかな朝である。6時、ベランダは26℃。もう初秋であろう。
終日穴蔵。
アタマは秋空のようには澄み切らず。老化だからしかたないか。
・NYタイムズが「2019年、米特殊部隊が盗聴器を仕掛けようと北朝鮮の海岸に近づいたが失敗した」と報じたというニュース。
金正恩の盗聴をするための電子機器を仕掛けようと、原潜、小型潜水艇で上陸を試みたが、接近してきたボート(漁民?)に発砲、全員の死亡を確認したという。トランプは(フェークだとはいわず)「何も知らない」、戦争省は沈黙。
場所も気になるが、どんな装置を何に取り付けようとしていたのか。人気のない沿岸部で金正恩の通話が盗聴できるのか?
9月7日(日) 穴蔵/zoomランチ
爽やかな朝を迎える。
世間(マスコミ)はまだ暑い暑いと騒いでいるが(そして気温は真夏日だが)、体感的には秋である。
昼前に梅田往復、ちょっと高級な弁当を買ってくる。
日照りの下を歩いたが、汗はかかず。
・昼は横浜の長男ファミリーとzoomランチ。
それぞれの近況やペットとノラの現状や二地域居住のことなど、だらだらと1時間半ほど。
・しばらく午睡。
・夜は次男製の5皿で晩酌。
本日は餃子、カニ玉など中華風メニュー。がんばってくれるなあ。
・石破が辞任表明。ふーん。
早寝。
9月8日(月) 穴蔵
2時過ぎに目が覚める。
3時にゴミ出し、ついでに皆既月食を見る。
*
三脚なしのデジカメではこれが限度。
皆既月食はこれが見納めであろうな。
5:30、月は西に沈み、東から日の出。
晴時々曇。終日穴蔵。
内憂はいいが、外患が相変わらず。あれこれ調べるが、やはり現場へ行くしかあるまい。
明日、播州龍野行きとする。これも終活であろう。
9月9日(火) 大阪←→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。山陽路は晴れ。9時前に本竜野に着く。
・早くも40℃のタイムマシン格納庫にて作業、30分。
実家に行き、庭の雑草、通路部分のみ処理、30分。
晴れているが汗はかかず。
・龍野の某社へ行って不動産関係のことについて相談(これが本日のメインテーマ)。
二地域居住を楽しむどころが、一挙に「負の遺産」になりそうな問題があることが判明して、これが先日来の最大の「外患」だったのである。
色々レクチャーを受ける。詳しくは書かないが、まったく知らなかった(まるで裏技のような)制度があることを教えられる。
何事でもプロには聞くものだ。昼近くまで話し込む。
ややこしいケンカに巻き込まれることなく済みそうな。ホッ。
・ウチの墓が近くであったことを思い出して、東の山裾にある墓地に寄る。
*
盆の枯れた花を片づけ、水のみ入れ替え。
二地域居住が実現すれば、もう少し頻繁に参ります。わたくしは散骨ですから、こちらには入りませんが、生きてるうちはマメに参りますので、何かとお力添えを。
・午後の電車で帰阪。
明日からはすこし調子がでそうな。
9月10日(水) 穴蔵
晴、午後は次第に雲が増えてくる。
終日穴蔵。
・午後、BSで『スピード』を見る。30年ぶり、2度目だが、2度見る映画ではないな。
展開が全部わかっているから、どうしてもアラ探しになってしまう。そして結構発見できる。楽しめんなあ。
・夕刻のニュース。伊東市の田久保が、不信任決議を受けて市議会解散。
齋藤元彦方式を選ぶかと思ったが、岸和田の永野耕平方式をとったわけか。
末路(落選失職後に別件で逮捕)まで同じ道を歩むのかも。
長期間楽しませてくれるなあ。
9月11日(木) 穴蔵
深夜から未明にかけて本降りの雨、そのまま浅田飴だったが、6時にはやむ。
ノラの食事時間帯を狙ったような雨で、無事エサにありついたのか心配になる。
終日穴蔵。
涼しい1日。かろうじて真夏日(31.3℃)だったが、もう秋である。
秋来たりなば冬遠からず、また辛い季節がくるのかと、気が重くなる。
午後、トラ3匹が気楽に昼寝している。
*
エサにはありついたのだろう。
これに「ほぼクロ」を加えた4匹が生き残ったようだが、今度の冬を越せるのか。
ノラの心配している立場でもないのだが。
9月12日(金) 穴蔵
晴のち曇。雨の予報だったが肩透かしである。
終日穴蔵。終日資料を読んで過ごす。
樹海の描写に気になる部分があり、google-mapで調べるが、よくわからん。
樹海を自殺の名所にしたのは『波の塔』で、高校時代に読んだ記憶がある。それも確認したいが、手元にはなし。ジュンク堂まで確認に行く元気もなし。
たちまち夕刻。
ビール飲んでいたら、20時頃にとつぜん激しい雷雨。北梅田がかすんで見えないほど。
30分ほどでやみ、急に涼しくなった。
関東のゲリラ豪雨に較べれば、ありがたい打ち水である。
9月13日(土) 穴蔵/創サポ講義
曇時々晴。涼しくなった。
穴蔵にて資料読み、メモとって過ごす。
夕刻に這い出て地下鉄で天満橋へ。
天満橋から上流の川崎橋の方向を眺める。
*
桜宮橋(泉布観)から天満橋の間は、個人的には意外に「死角」で、両岸(桜の通り抜けとか藤田美術館)を歩いたことがない。
先日読んだある大阪小説に、川崎橋の記述があって、どう考えてもおかしい。
現場確認に行こうと思いながら、まだ。本日も時間なし。後日とする。
・谷町2丁目のCANVAS谷町へ。
創作サポトートセンタ―の諸氏、明日の文学フリマ出店のため、荷物の準備中であった(関わっている数グループが出店する予定なので、わたくしも行くつもり)。
18時から講義。といっても、本日は提出作品2篇(1篇は明日出品予定)なので、討論会の雰囲気になる。
・女流剣士の流浪の旅……と読めないことはないが、とんでもない人物が続々と登場するチャンバラ場面の連続(だけ)で、とてもマトモな小説とはいえない怪作。作者の意図は、「ファスト映画」の映像を活字で再現する?あたりにあるらしい。つまり、誰も知らない未完成長篇映画のダイジェスト版のノベライゼーションということになるのか。そう聞くと極めて実験的な作品といえないでもないが……やはり怪作。
・落選作品が書籍化され収納されている図書館のウワサを耳にして、落選を繰り返す主人公は、自分の作品がないか、その図書館を探しに樹海に入り込む。これは正統派ホラー。樹海の描写が不足気味(昨日気になったのはこれ)で作者に聞くと、山梨まで行ったが青木ヶ原には時間がなくて行けなかったと。執念が足りんよ。
・SFアイデア帳の提出あり。これは面白く、議論のネタにはなる。最近の宇宙開発のネタよりも、クトゥルー神話の設定をSFに換骨奪胎する「手口」の方が面白い。これはすでに実行されている気もする。
9月14日(日) 文学フリマ
世間は3連休の2日目。本日も出かけることに。
昼前に出て、地下鉄でインテックス大阪に向かうが、えげつない混み方。
本町で空いたから、万博に向かう大衆なのであろう。
こちらは大国町で四つ橋線に乗り換え、住之江公園へ。ニュートラムに乗り換えて中埠頭へ。
万博で混み合う中央線を避けるコース。こちら側からインテックスに向かうのは30年ぶりと思う。
競艇場や木場(貯木場)の眺めは変わらんなあ。
インテックス大阪で開催の文学フリマへ。
じつは文学フリマに来るのは初めて。
*
2号館全面に千数百のブースが並び、たいへんな盛況。
わたくしが多少関与している「創サポ」「星群・神戸文芸ラボ」などに挨拶。SF系はだいたい同じ一角にまとまっているらしく、近くに東海SF研や、面識のないSF団体がいくつも出店している。
懐かしい顔ぶれに遭ってあって、色々しゃべる。
売れ行きよりも再会と雑談……これはSF大会のディーラーズルームと同じ雰囲気だ。
むしろ、文学フリマがディーラーズルームの発展形というべきか。
あとブラブラと場内を一周。ファンタジーやラノベの多いのに驚く。
阪大SF研というのがあったが、声はかけなかった。
全体の印象をいえば、全ブースを回るのは不可能で、SFファンタジー系を見て回ることになる。つまりディーラーズルームと同じであるように思う。
それが各地が開催されるわけだから、年数回SF大会をやるようなものか。コミケに並ぶスケールに発展してほしい。
……と、これは一時期(30年ほど前)、SF大会ではいつもディーラーズルームに座っていたわたくしの感想であります。
9月15日(月) 穴蔵
目覚めれば朝であった。
世間は3連休の最終日。敬老の日である。
生産性のない老いぼれが増えて、世間は迷惑なことであろう。
せめて世の中の迷惑にならないよう、閉じこもって過ごすに限る。
秋日や終日穴蔵何もせず。
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