『マッドサイエンティストの手帳』832
●マッドサイエンティスト日記(2024年7月前半)
主な事件
・穴蔵の日々
・中之島クロス(11日)
・ジョージ・ルイス生誕124年ライブ(13-14日)
7月1日(月) 穴蔵/ウロウロ
雨が断続的に降る。予報は「大雨」だが、市内はたいしたことなし。
傘さして梅田へ。
グランドビル上階の保険会社で契約内容の確認と「代理手続型」の追加手続きなど。これも終活のひとつ。予定していた時期に去れないと、外圧を感じることが多くなりそうな。嗚呼。
あと地下街をうろうろ。
梅地下の中心ともいえるディアモールの五角形が「ダイソー」に変わっているのに驚く。
近所のブティックも、そのうちユニクロに変わるのだろうか。
中央郵便局に寄り、そこから地上に出てびっくり。
*
一瞬、何の建物かわからなかった。マルビルの解体工事が5,6階あたりまで進んでいたのである。周辺はありふれたビル街になりそうな。
駅前ビルの地下には居酒屋がズラーーーッと並んでいて(「ぶらり横丁」が移転して巨大化した印象だ)、大阪駅南側一帯には「場末感」が漂いはじめた(これは悪いことではない)。
インバウンドは大阪駅北側に集中することになるだろう。
帰館。午後は穴蔵にこもる。
7月2日(火) 穴蔵
浅田飴だ……が、小雨、降ったりやんだり。梅雨空である。
終日穴蔵。
市営廃墟を眺めて過ごす。
*
ノラはどこか屋根の下で昼寝らしく、視界にはまったく現れない。
市営廃墟の東の老朽アパートは解体され、向う側に錆びた屋根の倉庫などが姿を現した。
どこか懐かしい眺めだ……と思ったら、
・そうか、今日は野々村竜太郎の号泣会見から10年目であった。
野々村の生家は廃墟になり、斜め向かいにあった老朽アパートは解体された。すべては朽ちていく。
竜太郎も、もうすぐ58歳のはず。
住之江公園あたりで、元気に散歩でもしていてくれよ。わたくしより先には逝かないように。
※などと思ってたところ、週刊女性PRIMEによれば、「人生相談1万円の高額サービス」を始めたそうな。
5万円払って人生相談を依頼した男の体験談が紹介されているが、いやはや。反省しとらんぞ。
7月3日(水) 穴蔵
朝のうちは曇で遮光カーテン引く必要なく、あとは晴。
室温は30℃を超えることなく、快適な日であった。
本日から新紙幣発行。20年ぶりのリニューアルだとか。
千円札以外、見ることはなさそうな。特に5千円札の顔が今まで誰だったのか、今回のニュースを見るまで知らなかった。
カードがメインというわけではなく、大金と縁がなくなってしまったのである。嗚呼。
終日穴蔵。
お金を使うこともなし。
7月4日(木) 穴蔵/淀屋橋
早朝曇あと晴。
室温は30℃を超えることなく、過ごしやすい日である。
午後、専任料理人と地下鉄で淀屋橋へ。某保険会社のセミナー。終活のひとつである。
「争族」防止がテーマだが、参考になること少なし。
「遺言執行者」と「相続時清算課税」というのを初めて知ったが、ウチには関係なし。もともと残す金はなし、「負の遺産」をどうするかで悩んでいるのだからなあ……
まっすぐ帰館。
セミナー会場は冷房効きすぎ、地下鉄も涼しく、体が冷えてしまった。
東海・関東方面は猛暑日。実家・静岡が39.3℃を記録したとかで、専任料理人がスマホで身内とメール慌ただしいような。
わたくしはエアコンつけた「自宅」は肌寒く感じるので、一杯飲んで、穴蔵に引き上げる。
扇風機の心地よい風に吹かれて早寝。
無駄な1日を過ごしてしまった気がする。
7月5日(金) 穴蔵/ウロウロ
晴。6時前から直射光が射し込み、遮光カーテン引くが、8時には室温31℃となった。
ま、ステテコ姿で普通に過ごせる。
昼前に豊崎郵便局へ。天気がいいので、ついでに散歩することにに。
天六〜某カクウチでビール1杯〜扇町公園へ。
*
公園には誰もいない。空は青かった。
午後帰館。穴蔵は30℃だが、扇風機の風に吹かれていれば快適である。
少しは仕事もするのであった。
たちまち夕刻。
世界の情勢がややこしく(イギリス/イラン/アメリカ)、一杯やりながら見るにはいいニュースである。
影響が身辺に及ぶとしても半年以上先だろう。
早寝。
7月6日(土) 穴蔵
晴。6時前から直射、遮光カーテン引くが、8時には室温31℃。あと変わらず。昨日と同じだ。
終日穴蔵にあり。
ステテコ姿で快適に過ごせる(念のため申し添えるが、昔の植木等スタイルではなく、長男が送ってくれたモダンなデザインのである)。
夕刻に近い午後、近所を30分ほど散歩。
老朽アパートはほぼ整地が終了。奥の老朽家屋が目立つが、たぶん10年ほどこのまま。月極駐車場になるのだろう。
*
すべては野々村竜太郎の生家の解体以降であろう。見届けられるかどうかはあやしい。
竜太郎、生家が片づくまで、ややこしいことやるんじゃねえぞ。
たちまち夕刻。一杯飲んで早寝させていただく。
7月7日(日) 穴蔵
晴。本日も6時前から直射光。遮光カーテン引くが、8時に室温32℃となった。
今シーズンはじめてエアコン(冷房)稼働させる。
終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。活字になりそうにないのを10枚ほど。
・昼は素麺。揖保乃糸「黒帯」。本日は「素麺の日」らしいが、知らなかった。
高校時代まではなかったはず。
エアコンは2時間ほどで切るが、涼しく快適。外は35℃を超えることなし。
専任料理人が身内とメールやりとり。静岡市は40℃を記録、エアコンがあまり効かないとか。
*
眼下ではトラが伸びておる。ほぼ終日同じ姿勢。
たちまち夕刻。
・夜は枝豆、ヤッコ、天ぷらなど並べてもらってビール、酎ハイ。
20時から都知事選の開票速報を見ながら。
予想通り(予想であって希望ではありません/大阪は関係ないもの)、すぐに小池の当確報道。会見もあり。
わが興味は2位3位で、出口調査では2位石丸、3位蓮舫。これも予想通り。ただ僅差のような。
結論は開票結果を見るまで出そうにない。
蓮舫の泣き面(吠え面?)を見たいのだが、出てきそうにない。
誰か「3位じゃダメなんですか」と訊いてくれるかな。
とりあえず(都民諸君にとっては)暑苦しい季節が終わってなにより。
早寝。
7月8日(月) 穴蔵
晴。本日も直射光。遮光カーテン引き、朝の2時間ほどエアコン(冷房)稼働。
本日、播州龍野へ行かねばの娘だったが、相棒の某くんが行くことになり、代行お願いする。助かるなあ。
終日穴蔵。
せっかくの1日だが、たいしたことはできず。嗚呼。
7月9日(水) 穴蔵
晴。本日も朝から直射光。3時間ほどエアコン(冷房)稼働。こればっかり。
終日穴蔵。
夕刻に驟雨があったが、気温は変わらず。
たいして生産的な仕事はできぬまま、たちまち夕刻。
一杯飲んで早寝。生存確認のみ。
7月10日(水) 穴蔵
薄曇。直射光が射し込まず、快適な朝である。
午前、ATMなどの雑事あり、散歩兼ねて梅田ウロウロ。
涼しく、インバウンドは少なく、快適な午前であった。
近所の公園で百日紅が咲きはじめた。
*
わが実家では夏休みの後半に咲いていた記憶(65年前)しかない。夏も終わりに近い気がする。
午後は本の片づけ。
昨日から「異状性格」「異常性欲」など(結局書けなかった)の雑本を整理しているのだが……
西丸四方『異状性格の世界』(創元医学新書)。
初版は昭和29年、持ってるのは昭和50年の第2版15刷だからロングセラーである。
異状性格者(変わり者)の見本市みたいな内容で、面白いのは異状性格の原因に「手淫」と「梅毒」が多いことだ。
ただ、異状性格には「素質(生まれ)」「環境(育ち)」「病気」がからみ、それらを明確に区別するのはむずかしいという。
巻末の結論らしい章にこんな記述があった。
「からだと心の対応については、次のことぐらいしかわかっていない。すなわち痩せた細長い体格の人は同情のない冷たい心を持つことが多く、同時に顔つきも冷たいという印象を与える。肥えた丸い体格の人は同情のある暖かい心を持っていて、顔つきも暖かみがある。」
70年前に都知事選を予見していたとしか思えない。
もう処分と思っていたが、名著なんだなあ。置いとくことに。本が片づかないはずだ。
7月11日(木) 中之島クロス
午前2時に雷鳴が轟き、雨音が強くなる。あまり眠れず。
予報は近畿も大雨。気が重いことである。
が、9時頃から小降り、10時過ぎに雨はやんだ。助かるなあ。
歩いて梅田〜西梅田〜(旧桜橋渡辺病院を見て)〜出入橋〜玉江橋を渡って中之島4丁目へ。
*
桜橋渡辺未来医療病院、3月ぶりの検診である。
午前中に採血、心電図などの検査。診察は午後になる。
このエリア……未来医療の国際拠点となる「Nakanoshima Qross」は先月グランドオープン、各機関活動を始めているはずだが……意外に昼メシに困る。食は医の原点だろうに。
近所のビルには高級店ばかり。食堂は見当たらず。
西隣は工事中で「新駅工事中」とある。あ、なにわ筋線の中之島駅か。便利にはなるが、まだ6年先。電車で来ることはなさそうな。
堂島川の対岸まで行ってみるが、ABC周辺も気取った店ばかり。
浄正橋あたりまで行けば色々あるだろうが、ちと遠い。昼はコンビニのサンド。
午後1時に診察、5分で終る。諸数値良好、波形異状なし。要するに正常だが、(暗に)老化はいかんともしがたいということだろう。また3ヶ月後。
河岸歩道を渡辺橋まで歩き、ドーチカにもぐり、地下街を南端から北端、三番街を出て、歩いて帰館。
雨も降らず、涼しく、いい運動になった。本日13,600歩。
7月12日(金) 穴蔵
早寝したら午前1時に目覚め、ゴミ出しに出る。
エサやりオバサンは去った後らしく、エサのパレットが置かれているだけ。
珍しくクロっぽいトラ2匹が「廃墟」から出てきて、電柱の根元にいる。
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警戒心の強そうな顔つきである。エサはもう食べたらしい。
この2匹、廃墟に生まれて廃墟に住み、ペットフードだけを食べて育ってきた。
エサやりオバサンにも懐かず、これ以上近づくと威嚇するか(塀の中へ)逃げ込む。
ペットフード以外の食べ物にはまったく興味を示さない。別のオバサンがダシガラなど与えようとしても見向きもしないらしい。
オバサン、可愛いのかなあ。人が入ってこない廃墟で生まれた新種のノラではないか。「都会に生まれた野生のネコ」とでもいうか。
どんな運命を辿るのか、注目して見守りたい。
雨が降り出した。まだ出こないノラもいそうだが、しかたあるまい。
だんだん強くなり、明け方には土砂降り。
昼頃には小雨、午後にはやみ、夕刻には晴れ間も。昨日と同じパターンである。
終日穴蔵。
たいして生産的なことはできぬまま。老齢である。嗚呼。
7月13日(土) ジョージ・ルイス誕生日
梅雨空。各地大雨のようだが、大阪は曇天、涼しい1日。
午後、某所にて内輪の集まり。
ジョージ・ルイス124歳の誕生日を祝う。
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こんなことやってるのは世界でも大阪だけだろう。
夜は梅田のニューサントリー5へ。
ラスカルズ+フレンズ、本日は加藤平祐(cl)さんが東京から来た。ルイス〜河合さんを継ぐ、最強のクラである。
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大阪側の池本さんや秋定さんが来て、賑やかなライブになったが……
ルイスの誕生日というのに、讃美歌やゴスペルはなく、古い流行歌がほとんど。
本格的な生誕124年祝いのライブは明日なのである。
7月14日(日) ジョージ・ルイス生誕124年ライブ@ニューサン
梅雨空。各地大雨のようだが、大阪は曇天で涼しい。昨日もそうだったか。
朝8時頃にニュース速報。トランプが演説会場で銃撃され、右耳負傷。命に別状ないような。
さすがアメリカというか……ノーコメントにしとこ。
昼過ぎに出て、本日もニューサンへ。
昨夜につづいて、本日が本番。
日曜の「昼下がりライブ」、加藤平祐さんを中心に「ジョージ・ルイス生誕124年ライブ」である。
河合良一さんがお元気な時は、よくルイスの誕生日にライブをやって来たが(たとえばここなど/この時もルイスの演奏の変化を詳しくたどった)、それを引き継ぐかたちである。
3部構成。
キッチン録音時代の小編成で、フランス国歌、古き十字架(ルイス、河合さんしかやらなかったというミドルテンポで)、Just A Little……などの讃美歌。
3管で、バンク時代のヒット曲、My Life Will Be Sweeter……やスワニ―など4曲。
ピアノも加わった7人編成で、絶頂期の演奏(Bugle Boy や Careless Love などおなじみの曲)。
*
キッチン・ファイブのメンバー中心で、秋定暢さんのトロンボーンとは久しぶりではないかな。
ジョージ・ルイスの足跡をたどる構成だが、加藤さんの「解説」が恐ろしく詳しい。ルイスの演奏が曲によってどう変わったかとか、その時代の人種差別の状況(当然教会音楽に影響する)とか、曲名の由来とか……日頃からの数多くの文献調査の様子がうかがえる。
とても2時間で「研究成果」が聴き取れるものではない。
来年も「125年ライブ」をといわず、(大阪転勤が理想だが)毎月来てほしいものである。
7月15日(月) 穴蔵
梅雨空。九州はじめ西日本は大雨のようだが、大阪は曇天で涼しい。毎日こればっかり。
世間は3連休の最終日。人出が多そうで外出は自粛する。
終日穴蔵。
少しは雑用を片づけるのであった。
ちちまち夕刻。
専任料理人が6皿ばかり居酒屋メニューを並べてくれた。
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これでビール、冷酒。本日は鈴木直樹とエディ・ヒギンズの共演盤を流しつつ。
毎晩こんなことやっていて、いいのだろうか。いいのである。あとしばらくなんだから。
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