『マッドサイエンティストの手帳』802

●マッドサイエンティスト日記(2023年4月前半)


主な事件
 ・花見(1-2日)
 ・石花楽会/創サポ(8日)
 ・大阪JAZZ@放出(9日)


4月1日(土) 穴蔵/花見酒
 目覚めれば4月であった。晴れて暖。絶好の花見日和らしい。
 昼前、近所の公園に出てみると、保育園の父兄会?みたいな人たちが(子供は適当に遊ばせて)花見中。他にも数グループ。
 桜は昨年数本切られたが、まだ、近所で花見となるとこの公園がいいらしい(昨夜も会社員諸君が呑んでた)。
 いちばんきれいなのは南西角の桜だが……ここは傍に便所があって、タクシーの運ちゃんが公園横に駐車して小便に来る名所で、途切れる事がないほど。
 さすがに便所の横で花見するグループはいない。
 で、本日、わが家は、この便所桜を眺めつつ花見とする。
  *  *
 ウチのリビングからはこの便所桜が見える。他に南側の数本も。
 少し遠くから桜を眺めつつ、天ざる並べて、ビール、冷酒を少しばかり。
 まことに結構な。

4月2日(日) 穴蔵/花見/シンギュラリティサロン
 晴れて暖。花見に行くことにする。
 花見酒は昨日やったので、本日は本当の花見。
 西公園〜東公園〜本庄公園など歩いて、毛馬閘門西側の淀川堤へ。
 毎年、桜を見るのはここがいちばんである。
  *  *
 ついでに淀川大堰の工事現場を見る。
 万博までに、7基ある堰柱の左岸側に「淀川閘門」が作られる予定だが、まだ全容が見えない。
 上下に水門が建てられるはずが、まだ気配もなし。間に合うのかねえ。豊崎のシャトルバス用走路もだけど。
 間に合わない方が面白いのだが、ま、さ来年の楽しみ。
 大川沿いは人が多そうなので、毛馬の桜だけ見て、毛馬橋からバスで帰館する。
 午後はシンギュラリティサロン(オンライン)。
 ここ数日、イタリアがChatGTPへのアクセスを禁止にしたとか、国会答弁にChatGTPを利用している問題とか、生命の未来研究所(Future of Life Institute)がGPT-4以降の開発の一時停止を求め、その公開書簡にイーロン・マスクも署名したとか……技術より「政治的な動き」が急加速している印象で、状況すらつかみにくいところだった。
 本日のテーマは「GTP-4の衝撃? 生成AIは私たちに何をもたらすのか」
 おなじみ、松田卓也・塚本昌彦・小林秀章・保田充彦による講演と討議。
 ここ数回繰り返されているテーマで、本日は「GTP-4」が中心。
 ここでも松田先生の見解は明晰である。
 シンギュラリティを「AIが平均的人間の知能を凌駕」と見れば、すでに達成されている。「AIが自律的に自己を改良」する段階とするなら、2045年の予想が数年後まで縮まった。この予想が狂ったのはなぜか。GTP-4の問題点はどこにあるか。どう対処できるか(100年前の「核」と同じ問題が今生じている)。知的(と思われていた)職業の近未来は……など、このところ考え込んでいたことのほとんどを解説された感じだ(解決策がある/ないは別)。
 詳しくは近日YouTubeで公開されるはず。
 なんとなくアタマよりカラダという気分になってきた。
 夜は専任料理人がスペアリブなど並べる。
  *
 久しぶりにワイン少しばかり。
 カラダに栄養を与えねばならぬ。

4月3日(月) 穴蔵
 晴れて暖。終日穴蔵にあり。
 年度末(3/31)。某出版社より某書籍の「電子書籍/二次的利用印税」の支払通知書をお送りいただく。
 こんな端金の通知をわざわざ郵送で……と申し訳なくなる。
 いらないとはいわないが、メール通知にしてもらえないものか。この出版社に限らずだが。
 今年末からは、インボイス制度でますますややこしくなりそうだし。
 作家いじめも酷いが、出版社いじめの方が凄まじいことになる。

4月4日(火) 穴蔵
 晴れて暖。終日穴蔵にあり。たいして生産的なことはできず。
 運動不足なので、午後、近辺を散歩する。
 高齢者なので、人出の多い方面は避け、豊崎〜中崎〜本庄あたりの路地、3000歩ほど。
 桜から急速に新緑に変わっていく気配である。
  *
 豊崎長屋(の家主屋敷)もモミジの新緑が鮮やかになった。
 播州龍野のわが実家が気になる。また来週あたりに行くか。
 たちまち夕刻。
 専任料理人に5皿(スープパスタ?なるものも)ばかり並べてもらって、ワイン飲みつつ、夜のニュース。
 トランプがNYへ。明日出頭? 楽しみは尽きない。

4月5日(水) 穴蔵/三本指の男
 曇天。終日穴蔵にあり。
 時々テレビニュース見ながら、古い東映映画『三本指の男』を思い出す。
 『本陣殺人事件』の映画化で、金田一耕助役を片岡千恵蔵がやった。
 調べてみると1947年作品で、わたくしが3歳の時になるが、田舎の映画館は二番館だったし、見たのは小学時代だったと思う。70年以上前!である。
 三本指の男が出てくるが、その手形(指紋ではない)が○とか△の記号という、へんな場面だけ覚えている。
 同じ千恵蔵探偵のでは『八つ墓村』も見ているが、多くの死者が影絵のように動く不気味な場面だけ覚えている。
 後日知ったことだが(小学時代はまだ横溝正史は読んでいなかった)、この千恵蔵の横溝シリーズは6本あって、全部、犯人が原作とは違うという、無茶苦茶なものだそうである。そういえば、犯人がずっと屋根裏に潜んでいて、最後に出てくるというのもあった気がする。
 妙な興味でもう一度見てみたいが、フィルムは残ってないらしい。
 なぜ映画『三本指の男』を思い出したかというと、(30年以上前に)指を三本出して「これでどうだ」と女を口説いたことがばれて、2か月ちょっとで辞任した総理大臣がいたからである。
 では、なぜ「三本指の総理」を思い出したかというと、早朝のニュースで、マンハッタンの裁判所に出頭したトランプを見たからである。
 わが国では指三本(月に30万円の意味だった)が、トランプは口止め料だけで1700万円だからスケールが違うな。
 トランプは(日本時間で)午前2時頃にトランプタワーから現れ、3時過ぎに裁判所に出頭、罪状認否ですべて無罪を主張し、5時頃に釈放、たちまち自家用ジェットでフロリダに飛び帰り、9時半頃には、支援者を前に演説を始めた。
 裁判は年末からというから、また当分「魔女狩り」と騒がしいことだ。元ポルノ女優は何もいわないのかしらん。あ、口止め料を貰っているから、約束は貫くわけか。
 あほらしくなって、午後は昼寝。

4月6日(木) 穴蔵
 曇天。穴蔵にあり。
 終日ボケーーーーッと過ごす(少しは諸原稿を読んだのだが/業績とはいえず)。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで早寝させていただく。

4月7日(金) 穴蔵
 定刻午前4時に目覚める。小雨である。ビン缶PETなど資源ゴミを出す。
 ついでにネコのエサ場。小雨の中、トラが待っているが、エサ容器はない。
 雨天の日は、自転車のエサやりオバサンは来ないようである。
 6時には本降りとなり、あと降り続く。花散らしの雨であろう。
 終日穴蔵。
 SF(明日は創サポの日なので、その原稿再読、メモ取り)のことを考えて過ごす。
 この歳になって、SFがますますわからなくなってきた。前向きに考えれば「進化途上」なんだろうが。
 たちまち夕刻。
 専任料理人が、一口カツ・小松菜炒めたん・ジャガのたいたんの妖女、きさらぎ漬など並べてくれた。
  *
 これらでビール、湯割り。まあ結構な。
 早寝させていただく。明日は色々あるからなあ。

4月8日(土) 石花楽会/創サポ
 晴れたり曇ったり、不安定な空模様である。風が強く、少し寒い。
 午前にセーター着用して出る。正解であった。
 吹田市の浜屋敷へ。
 いつもは阪急の相川から歩くのだが、間違えて、千里線に乗車してしまった。
 阪急吹田で降りる。相川からとも同程度の距離だったはず……と歩き出したが、阪急吹田とJR吹田は、ずいぶん離れているのだった。
 アサヒビールの工場前を延々と歩いてJR吹田へ。そこから15分ほど歩いてやっと浜屋敷。12時前にたどり着いた。
 桜はもう終っているが、石毛先生を囲んで花を楽しむ石花楽会、コロナで3回開かれず、4年ぶりの開催である。
  *
 コロナ前に較べると少人数だが、「親しい人密度」は変わらず、わたくしにはこのくらいがいちばんいい。
 ただし、高齢で無理という方も増えてきて、寂しいことである。
 かんべさんとも久しぶりにビール飲みつつあれやこれや。
 夕刻からの講座もあり、14時頃で失礼する。
 いったん帰館。
 夕刻に這い出て天満の創作サポートセンターの会議室へ。
 出席者とリモートが半々くらいの創サポ講座
 提出作品4篇にコメントしつつ進める。
 本日の4篇、SF、コズミックホラー、生態系野外調査小説(としか呼べないユニークな作品)、正統派クトゥルーと、いずれも意欲的な作品が揃って、こちらもやりがいがある(というより、教えられることが多い)。
・「太陽系を舞台に巨大な生命の連鎖を描く宇宙SF」
 最新の惑星データが盛り込まれていて、これは文句なしの秀作。
・「大阪湾に鯨どころではない巨大なものが出現し、それを調査するために、奇妙な役割分担の2人が潜水艇で接近していく……」
 極めて現代的なクトゥルー神話の力作。調査チームに別のミッションも込みこまれていて、サスペンスも申し分なし。
・「惚れた女子学生に誘われて野鳥の生態調査チームに入ったナマケモノ学生、南方の島で定点観測の一員として活動を開始するが……」
 まことにユニークな題材である。これは細部を書き込むほど面白くなるはず。
・「奇妙なゲーム装置を試したために『味覚』を介して異世界から侵入されることになる青年……」
 これは正統派クトゥルーといえる短編。作者は日本橋で目にしたクトゥルフシールドというデバイスをヒントにしたというが、これがどんな装置なのかよくわからない。ちょっと高くて買うのはためらったそうである。
 好奇心が強いことは創作の必須条件だが、この装置をぜひ試してみろとは、わたくしも言いかねる。
 どこかに試用レポートはないものか。

4月9日(日) 統一地方選/大阪JAZZ@放出
 晴れて暖。
 朝7時過ぎに近所のT小学校へ行って、統一地方選の投票(市議、市長、府議、府知事)を行う。
 出ようとしたら、出口近くにいた職員から「ペンは置いて行ってください」といわれる。
 ポケットのボールペンを差しだしたら、「入口で貰ったのですか?」「買ったものです」「ご自分のですか?」……当たり前だろうが。入口に置いてある、あんな細くて書きにくい「使いまわしの鉛筆」など、気持ち悪くて触れる気がしない。投票用紙には自分の筆記用具で記入してもいいはずで、わたくしはずっと前からそうしてきた。
 職員、謝りもせず。さすがにわたくしからペンを取り上げる(強奪する)ことはしなかったが。
 まるで犯罪者扱い。清き4票を投じたのに、実に嫌な気分になった。
 大阪市北区の豊崎小学校、午前7時15分頃の出来事である。
 省資源の観点からも「投票用紙には自分のペンで記入を」と主張する候補者はいないものか。
 気が滅入って何もする気分にならず。
 こんな時は落語かJAZZに限る。
 昼過ぎに大阪駅へ行き、はじめて「うめきたホーム」に入る。
 大阪駅からはじめて「おおさか東線」に乗車。数分で「梅田峠」から地上に出れば、うちの近所である。
  *
 旧線路の撤去中? たいした感激はなし。
 大阪〜放出は25分であつた。
 本日はディア・ロードで大阪JAZZ同好会の例会。
・特集はHさん担当で「読者が選んで制作・録音された名演集」。
 メトロノーム誌での人気投票による「オールスターバンド」、エスクァイヤー誌の選出による「オール・アメリカン」、プレイボーイ誌選出のジャズメンで「プレイボーイジャズフェスティバル」なんてのがあったという。スイングから中間派、パップに至る人気ジャズメンの共演が1時間で聴けるとはすごい企画だ。
 ちなみにダウンロード誌も人気投票はやったが、選出メンバーでのレコード制作まではできなかったという。
・古川さんの新譜紹介。小曽根真と北村英治の共演、それにラスカルズの記念盤という珍しい組み合わせ。
・持ち寄りはジャズメンのボーカル。
 楽器片手に歌うボーカル、さすがに諸氏、ズート・シムスとかケニー・ダーハムとか生涯で数曲というベニー・バリガンとか、珍しいもを持ってくる。意外なプレイヤーが歌うものだ。
 わたくしは……坂田明「Fisherman's.com」から『別れの一本杉』である。
 朝の嫌な気分が晴れた。
 放出から、帰路もおおさか東線。うめきたまで直行である。
 放出往復が便利になった。

4月10日(月) 穴蔵
 晴れて暖。終日穴蔵にあり。
 ジャズ友の某氏に書籍を送る約束したものの、住所は知らない。
 メールで問い合わせたら、意外にも隣りの区である。これなら自転車で届ける方が早い……と思ったが、自転車はもうやめたのであった。
 4月から自転車にはヘルメット着用が「努力義務」となった。
 これを機会に、自転車の使用はやめることにした。
 ヘルメットは嫌だが、それよりも、10キロ近い荷物(飲料系重量物)を載せての自転車走行が不安になってきたのである。
 子供ふたりを前後に載せて走るナナハンみたいなオバハンを見かけるが、超人かと思うものなあ。
 わたくしの場合、転倒したらた、アタマよりも、大腿骨の骨折が確実である。
 わが母の転倒もそうであった。1996年に自転車で転倒、骨折、入院、以来ほとんど出歩かなくなった。78歳の時で、今のわたくしと同年。
 いい機会である。もう自転車には乗らない。
 ということで、書籍送付(クリックポスト投函)のため公園南側のポストまで歩いて往復。本日の外出はそれだけ。
 明日はもう少し歩くことにする。

4月11日(火) 穴蔵/ウロウロ
 快晴。暖……といっても、寒くないという程度。
 室温は終日ほぼ22℃(アメダスでは6時12.6℃、12時21.1℃、18時20.9℃)である。
 わたくしの場合、28℃でなければ快適とはいえない。
 歩かねばならぬ。
 昼間、近所を散歩。
 豊崎神社から南下して、久しぶりにA先生の「豊崎の長屋」前を通る。
  *
 初期の代表作「住吉の長屋」との違いがだんだん鮮明になってきた気がする。
 住吉は、今も住居として使われている。あちらはコンクリートの「初心」。
 こちら豊崎は、横に庭があり、桜も植えられていて、花はもう散っている。表には蔦が成長してきた。緑が共存している。
 豊崎に「長屋」が作られた企図のひとつはこの「変化」にあるような気がする。
 ここを時々通るのも、今後の数少ない楽しみのひとつになりそうな。
 ついでに……豊崎3大建築というのも考えた。3大バカ建築も浮かんでくる。
 これらは再検討して後日に。

4月12日(水) 穴蔵
 ややこしい天気予報である。雨のち黄砂。外出しないに限る。
 終日穴蔵。
 結果としては……午前に小雨、ほとんど曇、夕刻から晴。黄砂はよくわからんまま。
 終日、哲学的瞑想に耽る。寝そべって昼寝しているようにしか見えまいが。
 誰も見とらん? その通り。
 たちまち夕刻。
 白エビの掻き揚げなどで一杯やり、早寝させていただく。

4月13日(木) 穴蔵
 本来なら「快晴」だが、黄砂襲来という。朝から霞がかかっているように見えくもない。
 こんな日は出歩かないに限る。
 ということで、終日穴蔵。
 哲学的瞑想に耽って過ごす(少しは本も読むが)。
 たちまち夕刻。
 肉の炒めたん、野菜の焼いたんなど、標準的メニューを並べてもらう。
  *
 テレビニュースを見つつビール、酎ハイ。
 ニュースはキタが撃った弾道ミサイルによるJアラートばかり。
 ここ数日のコロナ感染者の増加傾向にはまったく触れないが、どうなってるのか。
 東京1000人、大阪500人くらいが続いていたが、こないだから増加傾向に転じたとしか思えない。
 本日は東京1181人、大阪663人。
 3年前の今頃(2020年4月7日)は緊急事態宣言発令で諸々の会(花見会、JAZZ関係、落語会)はすべて中止、ともかく外出(自主的)禁止であった。
 この時、感染者は東京87人、大阪53人……ものすごい増加と報道された。
 今は、この10倍以上というのに……世間は、あの時の「体感的な記憶」を世間は忘れてしまっているとしか思えない。
 わたくしは感染が嫌だから、外出自粛を継続するけどね。

4月14日(金) 穴蔵
 晴。霞がかかったような空で、黄砂のような気もする。
 出歩く気分にならず、終日穴蔵にて哲学的瞑想に耽る。
 時々俗世間のニュースにも興味が移る。
・青森県六戸町で昨日起きた「放火殺人」……5人の遺体のうちの1体が「家族以外」らしく、この人物が灯油をまいて放火したらしい。
 午後、この焼死体は「親戚」で「近くに住む」「92歳」の「焼死した義母(88)の兄」らしく、この自宅を家宅捜索中という。
 この展開、2021年11月に稲美町で甥っ子2人を焼殺した松尾留与の犯罪と同じパターンではないか?
 松尾留与は鑑定留置中で、来週(4月18日)が期限のはずである。
 六戸町の放火犯は死んでいるが。
 死体解剖の結果と松尾の鑑定結果、ともに来週になりそうな。待ち遠しいことである。

4月15日(土) 穴蔵
 浅田飴だ。久しぶりである。夕刻まで降りつづく。
 終日穴蔵。本を読んで過ごす。
 昼のニュース。
 昼前に雑賀崎漁港の演説会場で岸田総理に爆発物が投げられ、男が逮捕された。
 夕刻のニュース。
 逮捕されたのは川西市の木村隆二(24)である。
 それ以外、報道なし。
 木村隆二を横から押さえつけた派手なシャツのおっさん(漁師?)、男あげたなあ。
 一杯飲んで早寝させていただく。


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