『マッドサイエンティストの手帳』689

●マッドサイエンティスト日記(2018年10月前半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり
 ・2 CLARINET JAZZ LIVE@阿倍野
 ・グリーン交響楽団@芸術文化センター(6日)
 ・滝川雅弘@ナレッジシアター(6日)
 ・大阪JAZZ同好会(8日)
 ・『堕天使たちの夜会』『黄金の代償』『力士探偵シャーロック山』『チャチャヤング・ショートショート・マガジン第6号』『昭和アパート奇聞録』


10月1日(月) 台風一過
 快晴。絵に描いたような台風一過である。
 昼、例によって現場確認。
 淀川は濁っていた。
  *
 今年の台風翌日は曇天つづきだったから、青空の下の濁った淀川は久しぶりである。
 簡易水位計のセンサー先端は高水敷のちょっと下だから、出番はなさそうだ。
 これがむなしく信号を送り続ける場面を書きたいねえ。

福田和代『堕天使たちの夜会』(朝日新聞出版)『黄金の代償』(角川書店)
 絶好調の福田和代さんの2作。
『堕天使たちの夜会』は、ふたつの不気味な事件で構成される。
  *
 第1話は息子の音楽教師が自宅を訪ねてくる。息子はその教師が気味悪いという。その母子が惨殺された。捜査は進まず、残された父はある組織に復讐を依頼する。それがネット上の組織「堕天使たちの夜会」である。互いに面識はないが、それぞれの得意技を持つ。そして、一応の成果をあげる。が……
 第2話での依頼者は女性週刊誌記者である。その記者は「蒸発した子供たち」というテーマを追っている。その事件を追ううちに、「夜会メンバー」にも触手が伸びてくる。特に現職警察官の津雲は危機に陥る……
 ネット上の「必殺仕置人」に見えた組織が、二転三転していく。
 もう1作。
『黄金の代償』は犯人と刑事、同時進行の緊迫感溢れるクライムノベル。
  *
 灘の酒蔵会社で働く青年・葉山は、妹の医療費を得たいために、ある男の誘いに乗り、偽警官になりすまして、5億の金塊の奪う。だが合流地点の車の中で男は惨殺されていて、金塊は跡形もなかった。葉山は防犯カメラを避け、普通に勤務しつつ、金塊の行方を追う。
 偽警官の死体を発見した警察は捜査に動く。刑事・六車は(金塊強奪はわからないから)偽警官がなぜ殺されたのか探り始める。
 葉山と六車、双方の視点から、2週間の攻防が描かれる。時々刻々、息詰まるサスペンスである。
 舞台は神戸。そして20年以上前の大震災が影を落とす。
 ともに福田さんらしく、ネットやスマホや最新技術、それに「関空」も登場する。
 特に『黄金の代償』における神戸の町並みの精密な描写が(テーマと関わっていることもあり)光る。
 ともかく福田さんの勢いを感じさせる2作である。

10月2日(火) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 相棒の某くんの都合により、本日はおれがタイムマシン格納庫の見張り番を務める。
 昼、荷物出荷のため、揖保川町のF通運へ行く。
 8年前には、毎日のように相生へ、走り慣れた道である。
  *
 秋たけなわ。
 時々お小遣いをくれた母がもういないと思うと、将来に不安を覚える。嗚呼。
 夕刻の電車で帰阪する。
 枝豆やサンマなど並べてちょいと一杯。
 疲れたので早寝。

10月3日(水) 穴蔵
 秋晴れである。
 リビングから見る南西方向。
 地下鉄中津の上はタワーマンションだらけになる。
  *
 駅の西側、世界長ビルの跡がセントラルマークタワー37階。
 駅の東側、三井アーバン跡にザ・ファインタワー梅田豊崎45階が建設中で、やっと屋上のクレーンが撤去されて全体像が見えるまでになった。
 と、手前の東洋ホテル跡のブランズタワー梅田50階予定が猛追してきて、しばらくしたらファインタワーを掩蔽してしまうだろう。今の倍くらいの高さになるはず。
 全部合わせて1,400戸ほど。全部に住まないとしても、相当な人口増である。他にも建っているし。
 しかし、学校はさておき、この界隈にスーパーが出来るという話は聞かない。
 皆さん梅田のデパ地下へ通うことになるのだろうか。
 ま、おれは翁豆腐があれば、あとはコンビニメニューでいいのだが。
 ということで、終日穴蔵。
 たちまち夕刻。
 専属料理人の並べた非コンビニメニュー、山かけ、きんぴら、オムレツ、山盛りサラダなどでビール、酎ハイ。
 早寝のつもり。

田中啓文『力士探偵シャーロック山』(実業之日本文庫)
 ジャズ・ミュージシャン、落語家、漫才師につづく田中啓文さんの異色探偵もの、今度は力士探偵の登場である。
  *
 斜麓山(しゃろくやま)は、ミステリマニアで名探偵になりたかったが、家の破綻で、まるで興味のない相撲(←さがみと読んでいた)の銅煎(どういる)親方にスカウトされる。天才的資質で小結にまで昇進している。稽古嫌いでヒマさえあれば(なくても)ミステリばかり読んでいるが、謎めいた事件が発生すると、付け人の輪斗山(わとさん)を伴って現場に出向く。
 謎の事件とは、宮司が破格の給料でなにも仕事をしない事務員に雇われる「薄毛同盟」、一億円の呪いの化粧回しをめぐる「まだらのまわし」、池に犬のようなUMAが現れる「バスターミナル池の犬」……いずれも、ミステリーとしてよく出来ている。
 そして、宿敵・幻日漢(げんじつかん……よりリアルなガチンコ相撲を目指す、モア・リアリティ……モリアティ……ちと苦しいね)との対決が避けられなくなる「最後の事件」。
 例によってギャグとパロディがいっぱい詰まっている。
 漫才刑事が「最後の事件」で終わったように、力士探偵もこれで終わり?
 本家ホームズは復活を果たすから、こちらも復活を期待したい。

10月4日(木) 2 CLARINET JAZZ LIVE@阿倍野
 曇天、小雨が降ったりやんだり。
 終日穴蔵にて雑事。
 夕刻に這い出て、地下鉄で阿倍野区民センターへ。
 「2 CLARINET JAZZ LIVE」
 久しぶりに谷口英治さんが来て、滝川雅弘さんとの2clである。
 笹井真紀子(p)山本学(b)佐藤英宜(ds) 2部に藤井美穂(p&vo)
  *
 このコンサート、某国からのゲストクラを入れて3クラセッションの予定が、就労ビザの関係で2クラになった。
 しかし、おれは昔から谷口・滝川のクラ・バトルが好きで(この時とかこの時は凄かった。その後、高槻ジャズストリートで続けられた。5年ほど前までかな)、久しぶりに聴けるのが何よりである。
 「枯葉」から始まり、「ジャスト・フレンズ」「チェロキー」などスタンダード。
 2部は藤井美穂さんの弾き語りなどあり、最後はパーカー・ナンバー、アンコールは全員で「ルート66」。
 谷口さんと滝川さんは、お互いに手の内を知り尽くしているから、打ち合わせなしの曲でも安心して聴けるなあ。
 18年前の凄まじい熱気はないけど。円熟期か。

10月5日(金) 穴蔵/某記念日
 夜更かししたものの、午前5時(1時間の寝坊)に目が覚め、あとは普通の生活。
 穴蔵にこもってボケーーーーーッと過ごす。
 (本当は宇宙の構造と女性器の構造の類似についてあれこれ考えているのだが、とても「思考」レベルとはいえない)
 午後、脚力保持のため、スカイビル方向、1時間、6,000歩ほど散歩。
 たちまち夕刻。
 専属料理人が色々並べて、シャンパンが出てくる。
  *
 何かと思ったら、本日は専属料理人の特別な日であるらしい。
 和洋折衷の不思議なメニューである。あとからまた2皿ほど。
 おれは、もうこの種の「記念日行事」はいいといってるのだが、専属料理人はきかず。昔気質であろうか。
 たらふく飲み食いして早寝するのである。

10月6日(土) グリーン交響楽団@芸術文化センター/滝川雅弘@ナレッジシアター
 台風25号の影響はほとんどなし。
 昼過ぎに出て西宮北口へ。
 芸術文化センターでグリーン交響楽団の定期演奏会である。
 2階正面の席。
  *
 最良の音響で、
 ウェーバー「オベロン序曲」
 ブラームス「交響曲第3番ヘ長調」
 ドヴォルザーク「新世界より」
 を聴く。
 お前の柄かといわれそうだが、おれもたまには上品にクラシックを聴くのである。
 終了後、梅田に戻る。
 グラフロのナレッジ・シアターへ。急に決まって、コンサートのハシゴ。
 夕刻から「シシリア・ジャズ・トリオ」(I magnifici 3 / イ・マニフィチ・トレ)のコンサート。滝川さんがゲスト出演するのである。
 Nicola Giammarinaro(cl) Giuseppe Milici(harmonic) Francesco Buzzurro(gt)
 シシリアを代表するミュージシャンで国際的に活躍しているというのだが……
 いやあ、疲れる演奏だ。
 ギターが延々6曲、50分。映画音楽やポピュラーな曲。
 次にハーモニカ登場、ギターバックで4曲。
 ハーモニカ引っ込み、会場後ろからクラ吹きつつニコラ登場、ギターバックに4曲。「小さな花」とか「チコチコ」など……
 それぞれ名手であることは十分わかるが、リズムはギターだけだし、派手なパフォーマンスというかケレン味たっぷりというか、やたら派手な演奏のさわりをあれこれ演る。ステージは黒カーテンだけ。
 なんだか「曲芸」を2時間見せられているようで、ともかく疲れてしまう。トリオらしい演奏は、最後の2曲「マイナースイング」と「A列車」だけではないか。アンコールになって滝川さん登場、2曲。やっとジャズらしくなったけど、滝川さんもハーモニカ相手には吹きにくそうな。ああしんど。
 20時過ぎに帰館。
 やっと一杯呑める。

10月7日(日) 穴蔵
 世間の連休2日目。好天で「お出かけ日和」である。
 出かける気にならない。中国人いっぱいあるからね。
 東西、SF企画があれこれ。
 5日夕刻には世田谷で筒井康隆展内覧会、6日には京都で京フェス。
 面白そうだが、連休中は電車に乗る気になれない。筒井康隆展には平日に行くつもり。
 体は動かさねばならぬ。
 午後、自転車で淀川堤を東回りコース。
  *
 毛馬閘門。昔日の雰囲気は左端の閘門跡だけである。
 大川沿いに都島橋まで走り、天六経由、タカセ市場で黒糖焼酎れんとを買って帰館。
 わが「宇宙」がだんだん狭くなってくるのを実感する。

10月8日(月) 大阪JAZZ同好会
 秋日和である。人によっては「暑い」らしいが、それぞれの体質であろう。
 昼過ぎに出て片町線・放出のディア・ロードへ。
 所蔵LP・CDの自慢大会「大阪JAZZ同好会」の例会である。
・本日の特集はFさんによる「Dick Hyman 七変化」……ハイマンは1927年生まれで未だ現役、アルバム数も多いが所属バンドの経歴も多い、ただ日本での評価はいまひとつ。その足跡をたどる企画。ピアノのモノマネ芸、「A Child Is Born」をジェリー・ロール・モートンからビル・エバンスまで、11人のピアノスタイルで弾きわけるアルバム。これは知らなかったなあ。セシル・テイラーなんて笑ってしまう。最後に「本人」のがあるが、これがいちばん退屈……ごめん。
・新譜紹介、コルトレーンの発掘盤など。
・持ち寄り企画は「40年代ジャズ」……スイングからバップへの移行期だが、むろんおれの場合、40年代の最大の出来事はビル・ラッセルによるニューオリンズジャス・リバイバルである。ルイスの自宅録音盤。……しかし、日本の40年代、和田肇(和田浩治のご父君)のジャズピアノ「木曽節」には及ばず。
 楽しき秋の休日であった。

 ところで……京フェスの続きだが、鴨川ほとりで原稿を書くというのを幾つか見かけた。
 酉島伝法さんの影響が大きいような。「川で書く」という話はこの時に聞いた。おれも淀川上流でやろうかなと思ったが、もうデスクトップ機でないとダメである。
 これからの主流は堤防執筆になるかな。書斎を出よ、堤で書こう。

10月9日(火) 穴蔵
 秋晴の天気限りなくよし。
 終日穴蔵にあり。ボケーーーーッとタドコロ状態で過ごす。
 輪島大士の訃報。70歳。おれより若いのである。愉快なエピソードの多い男だったなあ。
 たちまち夕刻。
 専属料理人に色々(枝豆、翁豆腐のヤッコ、豚キムチ、サラダ、蕗と揚げのたいたんの妖女など)を並べてもらって晩酌。
  *
 ジョージ・ルイスのグラスで酎ハイ。「Plays Hymns」を流しつつ。
 クラを吹くルイスの顔が浮かびあがる。
 11年前の「ジョージ・ルイス(Call Him George)」刊行記念で作ったもの。記念品として置いてたが、使ってこそのルイスであろう。Keep drinking.

『チャチャヤング・ショートショート・マガジン第6号』 深田亨『昭和アパート奇聞録』
 オンデマンド出版の2冊。
『チャチャヤング・ショートショート・マガジン』は第6号まで出た。
  *
 深田亨さんの「街の風景」は日常にありそうな風景に奇妙な色づけをする掌篇集。
 和田宜久さんのショートショート集は対称的に、題材がまちまち。「左甚五郎」が笑わせる。
 柊たんぽぽさんの「街」シリーズ、大阪の細かい町並み描写から世界を拡大していく「天満橋から」が面白い。
 SFらしい作品としては、岡本俊弥「機械の精神分析医」。IoT時代で、多くのパーツにAIが組み込まれていている。そのパーツの分析を行う技術者は、軍用機に使用されているIoTボルトの「精神分析」を行う過程で「フィクション汚染」を発見する。すごく面白いアイデアだが、作者は考証に慎重になりすぎている。乱暴な言い方だが、どうせ仮説なんだから、もっと大胆に展開して大惨事を引き起こしてもいいように思うが。
 大熊宏俊「退場者たち」は、シンギュラリティ後の世界、色々な場所から残り少ない人間が「退場」していく姿が点描される。気象官と踏切警手が特にいい。
 雫石鉄也「腕、買います」。失業者が左腕と引き替えに3000万円を得るが、代わりつけられた義手はもとの腕と寸分も変わらない。魅了的な設定だが、意外にも非SF。
 チャチャヤン時代からの実力あるメンバー、それぞれの個性が感じられる。
 入手はこちらでいいのかな。
『昭和アパート奇聞録』はチャチャヤン・メンバーの深田亨さんのショートショート集。
  *
 2階建て8室の老朽アパートの各室を舞台にするホラー。16篇。部屋数より作品数が多いのは、部屋の主が次々消えていくからである。
 安アパートだから、裕福な人間は出てこない。
 正体不明の相手との落書きによる対話がエスカレートしたり、中年のおっさんしか見かけないのに大量の出前をとる部屋があったり、昇りと下りで階段の数が変わったり、けったいな現象が次々出てくる。
 自分を(二重人格も含めて)お化けではないかと疑う「白いオバケ」、前住人宛に毎週千円札が送られてくる「手紙」などは傑作である。
 いずれも深田さんらしいヒネリ方である。この人は今や「名手」ではないかと思う。
 ちなみに「昭和アパート」で検索すると、モデルとしか思えぬ写真がいっぱい出てくる。雰囲気がでているなあ。
 入手先は……検索してみてください。小部数だけの発行だと、ちょっともったいない。

10月10日(水) 穴蔵
 曇天、昼過ぎには雨となる。
 終日穴蔵にてタイムマシン業関係の雑事。
 おや、15時前には晴れ間も出てきた。
 運動不足なので近所を散歩。
 地下鉄の津波浸水対策工事の現場を見る。
 豊崎歩道橋が15日深夜に閉鎖され、30メートルほど淀川寄りに仮設歩道橋に切り替えると掲示あり。
  *
 ↑その豊崎歩道橋からの写真。新御堂高架との間にあるのが仮設橋。
 全面的天井化は本気らしい。新御堂の路面までトンネルにするというわけか。
 豊崎歩道橋は普段から渡る人は少なく(ちょっと南に平面の道がある)、仮設橋は不要と思うがなあ。

※54年前のこの日が東京オリンピックの開会式で、アルゼンチン・チームが開会式で起こしたハプニングについて、NHKの21時のニュースで報じた。たいしたニュースではない。
 この日のことについて、おれは文藝別冊『筒井康隆』(河出書房新社)に書いている。できればお買い求め(お立ち読み)を。
 補足すると、この日、ヌル・スタジオを出てから、おれは梅田新道の映画館で「007/危機一発」(当時の題名)を観た。土曜の午後なのに空いているなあと不思議だった。電車も空いていたなあ。

10月11日(木) 大阪→播州龍野/国際会議?
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 タイムマシン格納庫にてゴソゴソ。
 午後、珍しくも来客あり。
 某国からのオファーあり、説明に来てくれないかという話があったのたのだが、片道1日半かかる場所で、さすがに無理だとお断りしたら、スマホで中継しながらの会議をやろうということになった。
 代理店の某氏に播州龍野までご足労いただく。
 ただ、スマホでの会議は時差その他の事情で難しくなる。
 結局、普通に説明。稼働中(時速1時間で未来へ移動中)のマシンを動画撮影して、それを送り、後日、質疑を行うことにした。
 しかし、往復4日かかるところがこれで済むから、便利な時代になったものである。
 夕刻、実家へ。
 久しぶりに実家泊
 冷暖房なしで過ごせる期間は短い。居間の室温20℃で、厚着しないと寒い。

10月12日(金) 太陽公園/播州龍野→大阪
 朝である。播州龍野にて目覚める。
 半年ぶりに大掃除。
 ただし庭の落ち葉や雑草は昨日の雨で湿っており、後日とする。
 昼、思い立って、姫路の太陽公園へ行く。前からその存在は知っていたが、なぜか気が向かず、初めて訪れる。
 龍野のウチからはクルマで20分ほど。
 ここの「石のエリア」には、凱旋門、万里の長城、天安門、モアイ、スフィンクスなどの模型があちこちにあり、おびただしい石像が並べてある。いずれもミニチュア(縮尺はまちまち/原寸大もあり)だが、1000体の兵馬俑のレプリカを並べたのはちょっとばかり驚く。
  *  *
 公園は障害者施設と同エリアにあって、海外に行けない障害者の方が世界旅行気分を味わえるのも目的のひとつらしい。
 立派な主旨である。
 ただ、正直なところ、いまひとつ面白みに欠ける。本気でマジメに作りすぎているというか、まがいもの特有のズッコケ感がないのである。
 都築響一「珍日本紀行」に載っていないのもむべなるかな。
 ただ、ずいぶん手間(と費用)をかけて作られた公園であり、もう少し客が増えてもいいように思う。客はまばら。
 夕刻の電車で帰阪する。

10月13日(土) 穴蔵/ウロウロ
 晴。終日穴蔵にあり。
 ……と荷風散人風に書きたいところだが、歩かねばならず、午後は1時間半ほど散歩する。
 西回り、許永中の生家あたりからスカイビル。ヨドバシ、ジュンクドー経由で6,000歩ほど。
 スカイビル北側の里山がまた立入禁止(理由不明)になってるのが気になる。
 あとはまた穴蔵。主に非SF系の仕事をする。
 たちまち夕刻。
  *
 専属料理人の並べた鯛ホイル焼、その他色々で晩酌。
 安い白ワインを少しばかり。
 「ブラタモリ」見つつ。
 ……「湘南」テーマ。湘南イメージを定着させたのはサザン以前に、慎太郎と大野伴睦と思うが、どちらも出てこなかった(貶しているわけではありません)。
 早寝するのである。

10月14日(日) 穴蔵/ウロウロ
 晴れて風なし。休日であり、ボケーーーーッと過ごす。タドコロに落ちぶれた気分なり。
 これではいかんので、昼前に自転車で出かける。
 南東コース。新御堂を南下、梅田を抜け、中之島のバラ園を見るが、秋のバラは貧相である。
 天満宮に参拝し、国道1号線を東へ。
  *
 泉布観は「たそがれの国」の空の下にたたずむ。
 大川右岸を北へ、都島橋の手前(この一帯の細密描写は控えさせていただく/怖!)で「上」にあがり、天六へ。
 久しぶりに玉一でランチ。水分補給も怠りなし
 午後に帰館、昼寝するのである。
 休日はこうありたいもの。
 明日は、少しは仕事もするつもり。

10月15日(月) 穴蔵/ウロウロ
 薄曇り。肌寒い日である。
 穴蔵にて集合住宅関係の雑事。過去の大規模修繕工事の経過を調べる。理事はつらいよ。
 運動不足なので、午後、近所を散歩。
 豊崎歩道橋の最後の日である。
  *
 地下鉄御堂筋線を撮る。
 あとは天井でふさがれていくから、車両が地下と出入りする姿は本日が見納めである。
 夜は集合住宅の理事会。
 ややこしい案件が多く、特に「来るべき大工事」は、議論するだけで気が重くなる。嗚呼。
 晩酌は21時を過ぎる。


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