『マッドサイエンティストの手帳』653

●マッドサイエンティスト日記(2017年4月後半)


主な事件
 ・スプリングコンサート@島之内教会(16日)
 ・創サポ講義(22日)
 ・大阪JAZZ同好会@放出(23日)
 ・播州龍野いたりきたり


4月16日(日) スプリングコンサート@島之内教会
 金三胖がミサイル発射して爆発・失敗、赤っ恥をかいた。
 トランプがどう出るか、午前中、断続的にニュース見るが、何も動きはないらしい。
 穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
 午後に地下鉄で心斎橋、島之内教会へ。
 「Jazz At Church 2017」
 恒例のニューオリンズ・ジャズ・コンサート、今回は5バンド出演+ゲスト。
 今回のゲストバンドは MITCH ALL STARS。
  *
 ↑左から 板谷大(p/北海道から) MITCH(tp) 西本翔一(sousa) 武井努(ts) 永田充康(ds)
 スタンダードやってもR&Bリズムで、ともかく活きがいい。伝統の継承のいちばんアクティブなスタイルである。
 色々なメンバーでのセッションもあり、18時過ぎまで。
 終演後、専属料理人(受付を手伝っていた)と明治軒へ。
 専属料理人が「昼、中国人が行列を作っていた」というが、夜は静かであった。ほっ。
 串カツ、タタキ、サラダでビール、オムライスをシェアしてワインを少しばかり。
 あと、久しぶりに戎橋〜道頓堀〜法善寺横丁を歩いてみる。
  *
 午後8時前、中国人いっぱいあるよ。
 心斎橋商店街なんてドラッグストア通りではないか。日本にいる気がしない。中国からの観光客にしても、回りが同国人ばかりでは、面白いとは思えないが。

4月17日(月) 穴蔵
 午前6時に朝日が射すが、薄曇り、10時には曇天、午後には雨となり、夕刻から風雨強くなる。
 珍しくも天気予報どおりである。
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった、いと少なしを。

 おっ、ネットに森永ひさし「何があったの」が出ている!
 4,800円はちょっとなあ。
 懐かしい顔が見られるだけでいいよ。(こちらをご参照)

4月18日(火) 穴蔵
 雨歇み陰、午後晴。桧花粉濃密。終日玻璃戸を閉ざし穴蔵にこもる。
 朝自宅、正午自宅、夜自宅に飯す。断腸亭的一日。

4月19日(水) 穴蔵/ウロウロ
 晴れて暖。朝日が射し込み、午前9時、室温27℃となる。外は24℃。おれには快適な温度である。
 専属料理人が所用で外出。おれも運動不足なので出かけることにする。
 梅田で雑事すませ、大阪駅へ行ったら、酉島車庫前行きが出るところだったので飛び乗る。
 大阪駅のバスターミナル、うろうろの場合、停まってるバスに乗ること多し。天保山とか鶴町四丁目が多いけど。
 グラフロ抜け、鷺洲、海老江。
 このへんに住む友人から聞くに、塩野義製薬、大日本製薬の跡地にマンション群ができるので、小学校・中学校のパンク必至らしい。
 確かに建築中のマンション多し。また後日、途中下車することにしよう。
 野田阪神で下車。家電量販店などうろうろ。目当てのものはなし。
 中央市場へ行くか迷ったが、ちょっと調べたいことを思い出して、千日前線で西長堀へ。中央図書館に寄る。
 1時間後、地下鉄で日本橋へ。
 黒門市場、中国人いっぱいあるよ。もはや日本ではないな。
  *
 昼は「あそこ」でカレーうどん。
 丹波(ここは中国人こないあるね)で、きさらぎ漬け(キャベツがあった! これがいちばんうまい)を求め、帰館。
 しばしタドコロ状態でいたら、たちまち夕刻となる。
 ということで晩酌。
  *
 専属料理人に春メニュー:フィッシュ&チップス、若竹煮、きさらぎ漬、サラダなど並べてもらって、ビール、冷酒をちびちびグビグビ。
 うまっ。
 春宵一刻値千金、ナマンダブツと満腹念仏を唱えて、早寝するのである。

4月20日(木) 穴蔵/中川俊直の重婚?
 定刻午前4時に目覚め、5時、近所のコンビニで週刊新潮を買ってくる。
 先日中川俊直が「週刊誌報道が出るから」と経産政務官をさっさと辞任した。
 「重婚」「ストーカー登録」というではないか。
 週刊新潮のスクープ、どんなものかと読んでみれば、「重婚」というのは、愛人も中川に妻子があることを知っての上での「ハワイでのウェディングごっこ」で重婚にあらず、「ストーカー登録」もマンション廊下での大騒ぎ(昔、渡辺淳一がやった騒ぎに較べればおとなしいもの)で、その後つきまとってもいないから、別に辞任するほどのことではない。褒められたことではないけど。
 この程度のことで(説明もなく)職務を放り出すから野党に追及されることになる。
 議員辞職は免れまい。
 オヤジは(女房の留守に)「自宅の寝室」に愛人連れ込んでやっとったのよ。嫁さんのベッドに寝る女もたいしたものだけど。
 血筋とはいえ、可愛いもんじゃないの。
 愛人より職務を軽く見たのが致命傷。ま、済んでしまったことだから。
 終日穴蔵。
 中川俊直とちがって、おれは女よりSFである。
 少しは仕事もするのであった、いと少なしを。
 たちまち夕刻となる。
  *
 専属料理人に春メニュー:カジキ・ソテー、新キャベツとしらす、切り昆布煮など並べてもらって、ビール、白ワインを少しばかり。
 満腹念仏を唱えて、早寝するのである。

4月21日(金) 穴蔵
 陰。後に晴。花粉濃密。終日穴蔵にて資料を読む。
 断腸亭的一日。
  *
 夜は専属料理人の調理した春献立:翁豆腐奴、鶏捏焼、富山湾白海老揚、野菜、切昆布煮、等を飯す。
 麦酒、あと某方面から戴いた森伊蔵を一口賞味。馬鹿美味。
 満腹念仏唱和。就眠。

4月22日(土) 創サポ講義
 晴れて暖。公園に出てみると樹木は新緑、花水木の季節に変わっている。
  *
 野々村竜太郎の生家前にも花は咲くのであった。
 夕刻、天満橋のエルおおさかへ。
 創サポ講義。
 提出作品2篇(中篇と長篇/ともにSFともに力作)を中心に行う。
・人類が、異星人の残した遺跡から高度な文明の情報を読み出し銀河に進出している時代。異星の巨大な露天掘りのような発掘現場にはゴールドラッシュ時代のような街が出来上がり、食い詰め者となぜか「巫女」が集まってくる。「ゲートウェイ」を思わせる設定(作者は読んでないという)に「呪術的世界」が展開される、不思議な雰囲気のSF。擬似科学理論(というか屁理屈でもいいのだが)で補強すればかなりユニークな本格SFになりそうな。
・特殊スーツ装着、AI搭載バイクを駆る特務チームが人体改造したテロリストと戦うノンストップ・アクションSF。主人公が向こう意気の強い若い女性、相棒がちょっと気弱な青年というアニメ向き設定もうまく、敵役の設定もいい。ステルス戦車など新兵器が続々登場……370枚の大部分がアクションの連続という、たいへんなパワーだが、読む方も相当疲れるねえ。当然ながら、他の生徒からも「機龍警察」と比較しての意見が出る。「機龍警察」の出動場面は(枚数的には)意外に少ないのである(別の例を挙げれば「十三人の刺客」(オリジナル)では、刀を抜く場面はクライマックスまでほとんどない)。ぜひとも「謀略戦」にも力を注いでほしい。

4月23日(日) 大阪JAZZ同好会@放出
 晴れて暖。花粉はまだ濃厚の気配。
 昼に出て片町線・放出へ。
 ちょっと早めに着き、駅の少し東にある阿遅速雄神社(あちはやおじんじゃ)に参拝。
  *
 天然記念物のくす(幹周6メートル)を見学する。
 午後、ディア・ロードにて大阪JAZZ愛好会の例会。
 第24回で、2月に1度だから、もう4年(たしかにはじめて放出に来たのが4年前であった)。
 この調子だとたちまち傘寿だな。
 本日の特集はYさんによる「まだまだいました『シスターズ列伝』2」……シスターズとは、女性コーラス、狭義には20年代から50年代まで、実の姉妹が歌うジャズコーラスで3人姉妹が多い。これを16グループ紹介。ちょっと疲れるね。
 廃れたのは「少子化」が主因で、今世紀にポツリポツリと登場するシスターズも姉妹でないユニットであるという指摘。なるほどねえ。
 シスターズに呼応したわけでもないが、持ち寄り企画は「兄弟競演」。
 エドモンド・ホールにクラ吹く実弟(ハーバート)がいたなんて知らなかった。

4月24日(月) 穴蔵/ウロウロ
 晴れて暖。花粉はまだ濃厚の気配。
 午前、穴蔵にこもる。
 午後、雑事あり、梅田うろうろ。
 STEPの焼け跡見物。西店はちゃちゃっと直して、まもなくオープンのような。
  *
 東側は取り壊しか。もともとバラックみたいな建物だったのだ。
 出火お詫びバーゲンはやらんのかなあ。
 かっぱ横丁の古書店街が紀伊国屋書店の東側へ深く静かに引っ越し中。
  *
 新店舗は和風に統一した店構えで、表札もできているらしい。祇園か飛田新地の雰囲気でなかなかよろしい。
 今週末あたりにオープンか。杉本梁江堂さんの繁盛を祈る。
 金融機関、チケットショップなど回って帰館。
 夕刻の報道番組。
 「太って肥大した変態動物」という文字が出てくる。キタが米空母のことをいったらしい。労働新聞の記者、敵にこじつけて本音をいったのではないか。「お前んとこの大将(金三胖)のことやろが」と世界中で声があがっているはずである。「そのとおり」と返事はできないだろうが
 つづけて、その金三胖が養豚場を視察している映像……ブラックジョークとしか思えない。
 開戦前夜なりや。

4月25日(火) 大阪←→播州龍野/姫路名物
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 金三胖が何かやるのか気になるところだが。
 10日間来ないうちに実家の様相は一変、木蓮は萎れ、牡丹が咲いている。春は花の移り変わりがはやい。
  *
 花はいいが、周辺で雑草が凄まじい勢いで繁殖している。夏までに大がかりな除草をやらねばなるまい。
 別荘維持、だんだん負担が大きくなる。嗚呼。
 4月末までの雑件処理、タイムマシン格納庫にも寄り、午後、姫路に出る。
 おなじみ灘菊は定休。
 本日は姫路名物・別バージョンとする。
 すぐ横の立ち飲み屋Aにて、ひねぽんとヤッコで水分補給を行う。
 この「ひねぽん」(200円)が姫路名物。鶏である。
  *  *
 あと、姫路駅のホームにて、名物えきそばを食す。
 午後の新快速で帰阪。
 キタの肥大ブタ、怖じ気づいて何もやらなかったようである。

4月26日(水) 穴蔵
 雨が降り続く。
 終日穴蔵。
 いかん、久しぶりにタドコロ状態に陥ってしまった。あってはならぬことである。
 終日ボケーーーーーッと過ごす。
 たちまち夕刻となる。
 専属料理人に色々並べてもらって晩酌。
 メニューのみ:肉豆腐、ほうれん草、イカ納豆梅肉和え、ビール、一玉残っていたという焼きそばに桜エビ・キャベツ・玉葱どっさり加えて塩味つけしたパスタ風を半皿、コノスルを少しばかり。
 うまっ。うまいのだが、一日を無為に過ごした人間がこれをいただいていいのか、後ろめたさを覚える。
 こう感じるあたり、タドコロよりはましなのである。
 早寝する。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。

4月27日(木) 穴蔵/ウロウロ
 薄い雲あるが、晴れて暖。
 少しは仕事もするのであった。
 午後、専属料理人と歩いて梅田へ。
 本日リニューアルオープンした三番街を見物する。
  *
 かっぱ横丁から紀伊国屋東側(うめ茶小路というらしい)へ移転した古書店街。
 杉本梁江堂にご挨拶に寄る。繁盛をお祈りする。
 専属料理人は新規開店の食材店と家具以外のイケヤを見るというので、おれはヨドバシ〜ジュンクドー経由で帰館。
 極道ものを読み始める。
 たちまち夕刻。
  *
 専属料理人に初夏メニュー:翁豆腐、ピーマン肉詰、ポテトとベーコンの炒めたんなど並べてもらってビール。カンテのフランスパンで安ワインすこしばかり。
 極道の評伝読みつつ寝る。

4月28日(金) 穴蔵/ウロウロ
 快晴にして暖。
 昼前、所用あって地下鉄で谷四の某務局へ。
 上町台地の西斜面をくだって、内本町の某工会議所にも寄る。
 天気がいいので、そのまま道修町〜淀屋橋〜中之島〜老松町を歩き、瓢亭で夕霧そばを食す。
 あと駅前ビル地下にて播州龍野行きのチケットを購入。
 それにしても、梅田新道北西角、鳩が異様に多い。
  *
 歩道や手すりにもびっしり。
 そんなにエサが多いとは思えないが。
 歩いて帰館。久しぶりに1万歩を超えた。

牧村康正『「ごじゃ」の一分』(講談社)
 副題は「竹中武 最後の任侠ヤクザ」
 山口組を一喝した男の「本格評伝」という。
  *
 極道ものについては熱心な読者ではないが、竹中武となると気になる。
 鳴海事件の頃だと思うが、竹中武の写真を見て、その凶暴な印象に震え上がり、「十代で女郎屋を経営していた」という紹介文に、まさかと思ったのである。竹中武はおれのたった1年上、それだとおれの高校時代にすでに女郎屋の親父だったことになるではないか。そんなアホなと思っていたが、本当にそうであったのだ。
 タイトルの由来「ごじゃもん」とは「播州弁で無茶を押し通す乱暴者」というが、おれは聞いたことがない。育ちが違うからか。
 武は昭和18年8月姫路市御着生れ。小学時代からカバンに花札を入れ、中学時代にキャバレーへ通い、16か17の時にひとつ年上の女と結婚している。昭和36年(1961)に姫路の南地(なんち/駅前、山陽デパートの西側あたりだろう)でパンパン屋(売春宿)を経営する。なんと18歳の時。SFマガジン創刊の翌年で、おれがヌルに入会してSFの習作を始めた時ではないか。早熟なんてものではないわなあ。とても真似できない。向こうもそういうだろうが。
 おれは姫路では通学路以外だと映画館に行くくらいで、夜に歩くこともなかったから、道ですれ違うこともなかったはずだ。
 それからの武の人生……いやはや。
 この種の本の常で、美化してあり、「堅気を泣かさない」「金に淡泊で」「礼金などいらんと受け取らなかった」「任侠道を貫いた」というが、そんなはずあるまい。
 結局「シノギ」の実態は不明のまま。おそらく仮名にしてある「実業家」という人物が実質的にはマネージャーだったのではないか。武は「実業家」から何度も億単位の金を貰っている。「実業家」が裏で「堅気」から回収していたと考えなければ収支が合わないのである。
 まあ、姫路に中高6年間通学している間、いっさい関わりがなかったのは幸いであった。

4月29日(土) 穴蔵
 朝っぱらから金三胖が花火の打ち上げ?
 騒がしいことである。
 終日穴蔵。一応机に向かって過ごす。たいした成果はなし。
 天気予報では落雷・突風・急な雨に注意とかいってたが、穏やかなもの。午後は快晴。
 今日から播州龍野方面へ動けばよかった。
 たちまち夕刻。
  *
 専属料理人に普通のメニュー:翁豆腐、手羽焼き(添え物のレンコンの方がうまい)、トマトサラダなど並べてもらってビール。カンテのフランスパンで安ワインすこしばかり。
 早寝するのである。
 このところアタマが働かないので、明日は体を動かす予定なり。

4月30日(日) 大阪→播州龍野/肉体労働
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 このところアタマが働かず、このままではタドコロ人間になってしまいそうなので、肉体労働を行うことにしたのである。
 午前9時に実家着。
 今年は庭に雑草が異様に繁殖して、塀の扉への通路もふさがれている状態。
 昨年埋葬したPiPiの墓も草で隠れている。
 9:30から雑草処理開始……だが、疲れるなあ。特に腰が。
 30分作業、15分休憩のペース。
  * →  *
 ↑PiPiの墓周辺だけで、全体の1/4程度である。
 昼は「よこた」へ行って穴子寿司の定食。ビールが飲みたいが、夜までがまん。
 午後も作業継続。裏庭含めて、16時過ぎにどうにか一区切りついた。
 100リットル・ポリ袋に詰め込んで5個……軽ワゴンに積める限度であろう。
 夕刻、「はつらつの湯」なるスーパー銭湯へ行く。300円。入浴は久しぶりであるなあ。
 帰路、味三昧で豪華弁当、食品スーパーで台湾産の枝豆を買って帰館。
 さあ、楽しき独酌開始である。
 無為に過ごした4月であったが、終わり良ければすべて良し。


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