『マッドサイエンティストの手帳』625

●マッドサイエンティスト日記(2016年3月前半)


主な事件
 ・SF飲み会@ワイルドバンチ(1日)
 ・播州龍野いたりきたり
 ・創サポ公開講座(5日)
 ・JAZZ@XIV琵琶湖(6-7日)
 ・SF検討会(11日)
 ・湾岸区ウロウロ


3月1日(火) 穴蔵/SF飲み会@ワイルドバンチ
 わ、目覚めれば3月であった。
 といっても、気持ちを入れ替えて仕事に精励するわけでもなく、終日穴蔵、ボケーーーーーツとタドコロ状態で過ごす。(前にも書いているが、タドコロ状態とは、3時間で片づく仕事に5日間かける仕事ぶりをいう。普通の人間がこれをやるのは、これはこれでしんどいのである)
 夕刻に這い出て天六へ。
 ワイルドバンチにて、久しぶりに大阪近辺在住のSFもん約10名集まっての飲み会。
 
 ↑写真は、政治的配慮によりメンバーがわかるかわからないかのサイズでアップ。色々たいへんである。別に陰謀を巡らせる集会ではありません。
 『世界の涯ての夏』でデビューしたばかりのつかいまことさんが顔を出された。
 ビール飲みつつアホな話を3時間以上。
 例によって、おれはスタミナ切れ、ちょっと早めに失礼する。

3月2日(水) 大阪←→播州龍野
 朝の通勤ラッシュが終わった頃に出て、播州龍野へ移動する。
 タイムマシン格納庫にて相棒の某くんと打ち合わせあれこれ。
 実家の雑事あれこれ。
 酔鯨亭で、のれそれで一杯やりたい。
  *
 昼、揖保川沿いを歩く。山笑う気配なり。
 2、3日滞在してもいいのだが、色々事情あり、少し先送り。ちょっと長い原稿を書くときに籠もることにしよう。
 夕刻の電車で帰阪する。
 SF系のことが進まんなあ。

3月3日(木) 穴蔵
 晴れて暖。
 終日穴蔵にてボケーーーーーツとタドコロ状態で過ごす。
 運動不足だが、花粉が多そうで、出歩く気分にならず。
 夜、秋田Bスケ師匠の訃報。享年89歳。まだ生きてはったのか……というのが正直な驚き。
 小学時代、漫才学校が大人気だったが、あの頃、Bスケ師匠は30歳くらいだったのか。エテ公芸は間寛平に引き継がれることになるが……ビデオもDVDも残ってないなあ。
 小学校にサルまねのうまい(正確にはBスケのまねのうまい)のがひとりいて人気者だったが、ラジオしかない時代になぜみんなBスケの動作を知っていたのだろう。全員が映画を見たとは思えないし。謎のままだ。……サルのまねだけで笑わせられる時代ではなくなったなあ。

3月4日(金) 穴蔵
 早朝に専属料理人がとつぜん実家へ帰ってしまった。
 愛想尽かしであろうか。嗚呼。
 しばらく独居老人生活を楽しむことにする。
 ということで、終日穴蔵。本を読みCDを聴いて過ごす。タドコロ(←何も考えてないまま時間をつぶす)よりはましである。
 たちまち夕刻。
 ブイヤベースで一杯やりたいが、材料もなく、作り方もわからん。
 冷蔵庫にあった豚肉と野菜を色々を刻んでコンソメで煮込んだら、洋風の鍋になった。
 豊崎西公園南の中本酒店推奨の格安バカ旨ワインが半分ほど残ってたので、これをチビチビ。
 出汁を足して、中華麺をぶち込んで仕上げ。
 なかなか結構な。
 片づけに20分ほど。
 早寝するのである。

3月5日(土) 創サポ公開講座
 晴れて暖。4月中旬の陽気というが、室温は20℃で、おれにはまだ肌寒い。
 終日穴蔵。ボケーーーーーーツと過ごす。
 夕刻這い出て天満橋へ。
 エルおおさかにて創作サポートセンターの公開講座。
 「ミステリと科学捜査」
 芦辺拓さんと元京都府警科捜研主任研究員・平岡義博氏の対談……というよりも、科捜研の実態を(創作への応用の視点から)芦辺さんが色々と聞き出していく流れで、たいへん面白い。
  *
 平岡氏は『法律家のための科学捜査ガイド その現状と限界』の著者である。
 科警研と科捜研、鑑識との役割分担など、色々あるものだなあ。
 質疑の時間もあり、和歌山の毒カレー事件でのスプリング8について訊きたかったのだが、これは先に芦辺さんが聞き出してくれた。
 宇宙人の死体をどう扱うか……これは林譲治さんの「防犯カメラに写った超常現象」についての質問に含まれるな。
 面白く有意義な講座であった。

3月6日(日) JAZZ@XIV琵琶湖
 午後の新快速で米原に向かう。
 送迎バスでエクシブ琵琶湖へ。
 湖畔のリゾートホテルの一室から曇天の琵琶湖を眺めてボケーーーーッと過ごす。
  *
 あと、大浴場へ行って久しぶりに入浴。
 夕刻から宴会場で「第9回 JAZZ AT XIV琵琶湖」が始まる。
  *
 関西のニューオリンズ・ジャズバンドが集まるフェス、もう9回目である。
 おれは初回から6回参加(老母の世話とかSF大賞授賞式と日程が接近したりで皆勤とはならず)。
 今年は東京から東海林幹雄さんをはじめとするニューオリンズ・ジャズ・ハウンズの面々がゲスト参加。
 楽しき一夜である。

3月7日(月) 米原→大阪
 ジャズ友諸氏と豪華朝食のあと、朝の新快速で帰阪することにする。
 XIV併設の教会でラスカルズのチャペル・コンサートがあるのだが、ややこしき事情により、早めに帰阪せねばならぬ。
 昼前に帰館。
 午後、実家から専属料理人が帰ってきた。発熱して、某老嬢に風邪を移してはいかんと、慌てて帰ってきたのである。
 近所の内科へ。インフルらしい。
 ということで、いっしょに食事しない方がいいということになり、時々様子見、あとは穴蔵にて独居老人生活。
 独酌。
 早寝するのである。

3月8日(火) 穴蔵
 春の陽気とかで、確かに暖かく、春霞……PM2.5高く黄砂ひどくスギ花粉ピーク……である。
 洗濯して室内に干す。
 出歩く気分にはならず、終日穴蔵。外出はマスクして食品スーパー往復のみ。
 桜の開花も近いが、先日、公園の桜が2本、バッサリと切られた。
  *
 毎年、いちばん早くブルーシートが敷かれる人気の場所である。
 おれはここで酒は飲まないけど、桜は見るし、花見宴会を迷惑とも思っていない。
 この時期に、ひどいことをするぜ、大阪市。

3月9日(水) 穴蔵
 朝のニュース。読売の高木京介という投手の野球賭博が発覚。週刊文春の取材で観念したらしい。もっとも高木京介という名は聞いたこともない。2004年のナベツネの暴言以来、職業野球に興味を失って久しいからなあ。ま、ゴロツキが集まっての興業集団なんだから、驚きもせず。
 そのナベツネ「球団最高顧問」が辞任表明。結構なことだが、読売は球団を解体すべきではないか。ヤクザと同じ。親分引退より「解散式」をやった方がいい。それにしてもナベツネ、秋田Bスケと同年とは。早く去れよ。
 雨である。
 花粉の飛散は少ないものの、出歩く気分にならず。終日穴蔵。
 たちまち夕刻。
 専属料理人は、熱は下がったものの体調いまひとつ。雑炊作るという。
 おれは、ひとり鍋用の材料を貰い、穴蔵にて独酌。
 DVD『真夏の夜のジャズ』を入手したので、これを30年ぶりに見ながらビール、湯割り。
 最初に見たのが高校1年の時、姫路の映画館で『黒いオルフェ』との2本立で見ている。ボサノバまで含むわがジャズ愛好癖は、すべてここから始まっているのである。
 モンクの眼鏡がいいなあ。半世紀以上あこがれてるが、眼鏡市場にもALOOKにも売ってない。
 早寝。
 本日0歩。

3月10日(木) 穴蔵
 薄曇というか春霞というか、PM2.5は低いものの花粉ピークで出歩く気分にならず。
 終日穴蔵。
 下男(おとこし)仕事いろいろ。
 専属料理人、なんとか調理だけはできるようになった。
 念のため、本日も「隔離」状態で独酌。

3月11日(金) 穴蔵/SF検討会
 今年のインフルは、熱は下がっても体調(食欲)グズグス状態が長く続くらしい。
 その影響もあって、本日も下男(おとこし)仕事あれこれ。
 自転車で天八のスーパーへ買い物にも行く。
 こんな生活を30年ほど続けた今岡清というのは、ある意味でたいしたものだと思うなあ。尊敬はしないけど。
 夕刻、かんべむさし氏来穴蔵。
 新年会をやらなかったから、今年最初の定員2名内容非公開のSF検討会を開催する。
 むさしくん持参の芋焼酎「さつま司酒蔵」の「特別限定蔵出し」がなかなかのものである。湯割りで串カツなど。
 311なのであまりアホな方に脱線はせず、SF、落語関係、国際情勢、すべて議論は「破滅」方向に進んでしまう。
 どうなりますことやら、結論は出ないまま3時間半が過ぎる。
 続きは4月に桜の下で行うことにする。

3月12日(土) 穴蔵/湾岸区
 (書くべきことではないかもしれんが)専属料理人の体調ややこしく、熱は引き腹具合もましだが嘔吐感がひどくなったという。近所の内科医院へ相談に行ったら、嘔吐するのならクスリも嘔吐するから注射の方がよく、歩けるなら連れてきてもらった方がいいという。もっともな理屈である。
 ということで徒歩1分の某医院へ2分ほどかけて連れて行く。点滴もあって40分ほど。まあ、なんとかなるであろう。
 こちらは運動不足である。
 好天なので、出かけることにする。
 昼前、梅田へ行ったら、ガード下にIKEA行きのバスがとまっている。湾岸区に行ってみたくなり、乗る。
 大正区鶴浜のIKEAまで40分。シャトルバスと思ってたら210円とられる。500円のクーポンをくれるから、IKEAで買い物する人にはいいのであろうが。嗚呼。
 IKEAからちょっと歩いてなみはや大橋を渡る。
  *
 最上部からは、尻無川と大正内港、彼方にアベノハルカス。
 ぐるっと見渡すと六甲〜北摂〜生駒〜金剛〜南に葛城山系までくっきりと見える。大阪でも屈指の眺望であろう。
 港区へ渡り、赤煉瓦倉庫(住友倉庫の一角)の商業施設COSO(こんな施設ができるとおれの趣味ではなくなる/廃墟寸前がいいのである)まで35分、2600歩、直線だからたいした距離ではないな。
 地下鉄大阪港から梅田へ。
 専属料理人に頼まれた経口補水液なるものを買い、おれは水ではたまらんのでデパ地下で鰻弁当を購入、帰館。
 専属料理人には「補水液」を飲ませ、おれは遅めのランチ。
  *
 こういうものにだしまきも追加、麦系の水分補給も怠りなし。
 中性脂肪の高騰間違いなしだが、たまにはいいであろう。下男の春である。

3月13日(日) 穴蔵
 曇天なり。
 終日穴蔵といいたいけど、専属料理人の要望でデパ地下へプリンを買いに行ったり、下男仕事もこなす。
 日曜の昼間、梅田(特にデパ地下)は日本人でたいへんな混雑である。中国人いないあるよ。
 いつも(日曜の昼間は)こうなのか、特別な日なのか、判定はできない。休日にデパ地下にくることがないからなあ。ともかく疲れる。
 本日、ボンクラ息子その2が数日間の保存用も含めて色々調理してくれた。
 血筋というか、専属料理人は「料理の腕は私より上」という。
 筑前煮とか、煮浸しとか、キズシとか。中華も洋風もこなす。
 「おふくろの味」がおふくろよりうまいとは、これひとつの不思議。
 ということで、夜は、数皿をもらって(感染予防のため)穴蔵にて晩酌。
  *
 下ごしらえした白身(鯛?)などの皿、これを電子レンジで温めれば純和風アクアパァツァになるという一品。
 他に、レンコンのピリ辛煮、もやしのなんとか、高野豆腐など並べて、ビール、中本酒店推奨の白ワイン少し。
 楽しきかな独酌。
 早寝するのである。

3月14日(月) 穴蔵
 雨ぞ降る。
 終日穴蔵。下男仕事を少しばかり。
 あとはボケーーーーッとタドコロ状態(ちなみに、かんべむさし氏はこれを「ゴンザ状態」というそうである/どの会社にもいるのだなあ)で過ごす……ホントは少しは本も読み、資料を調べたりしているのだが、公開できるレベルではないので。
 たちまち夕刻。
 自宅から総菜類を持ってきて楽しき独酌。
 専属料理人はなんとか家事もできるところまで回復したので、独居老人生活もあと2、3日であろう。

3月15日(火) 湾岸区
 好天。
 思い立って、湾岸区……というより、大正区をウロウロすることにする。
・大阪には渡船場が8ヶ所あり、7つが大正区(他のひつとは天保山〜桜島)。まだ乗ってないのが3つある。
・大正区につながる橋は9本。まだ歩いて渡ったことのないのが3つある。
 前から気になってたので、ちょっと企画していることもあり、調べに行くことにする。
 地下鉄で大正駅へ10時過ぎに着く。
 ここからのバスはほとんどが「鶴町四」行きなので、来たのに乗って鶴町四丁目に着く。
 巨大なバスターミナルかと思ってたら、普通の停留所がひとつ。車庫は別である。
 ここから5、6分歩いて、千歳橋の歩道への階段を上り、側道を北恩加島の方へ歩く。
  *
 千歳橋は他の区とつながる橋ではないが、アーチ橋で、大正内港の眺めがいい。
 突堤の先端あたりを2014年9月に歩いている。
 15分ほどで渡れた。
 千歳橋は千歳渡船場とのペアで、橋の下に渡船場がある。
 11時のが出るところであった。
  *
 ↑渡船から千歳橋を見上げる。
 3分ほどで鶴町に戻った。
 また鶴町四のバス停にもどり、バスで鶴町一まで。
 ここから南へ300メートルほど歩いて、船町渡船場へ。
 15分ほど待って渡船で木津川運河を渡る。
  *
 ここは狭い運河で、片道30秒ほどである。乗客ふたり、帰路はひとり。
 中山製鋼所の横を15分ほど歩いて、木津川渡船場へ。
 ここから渡船で住之江区へ渡る。3分ほど。
  *
 ↑渡船から新木津川大橋を見上げる。
 住之江区の平林は殺伐とした工場地帯。Panasonicの工場が新しいだけに、面白さなし。
 少し南へ歩き、新木津川大橋の歩道への階段を上り、長い歩道を歩いて大正区へ引き返す。
  *
 ここも、木津川渡船場と新木津川大橋がペアなのである。
 橋の頂点からの眺望、中山製鋼所の錆びた設備の色がなかなかいい。
 新木津川大橋は北側が螺旋状の「片めがね構造」で、螺旋3周が長く、30分ほどかかった。自転車とも歩行者とも出会わず。
 中船町に戻ると、ちょうどドーム行きのバスが来たので、これで大正橋まで。
 「いちゃりば」でちょっと遅めのランチ。沖縄そば定食、オリオンの水分補給も怠りなし。
 地下鉄で15時前に帰館。
 これで大阪の渡船はすべて乗った。
 大正区につながる橋は2つ(尻無川橋、木津川橋)残っているが(たぶん)阪神高速の下に作られた歩道で、それほど面白くないはず。しかし、近いうちに渡ることにしよう。
 11,385歩となった。


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