『マッドサイエンティストの手帳』607

●マッドサイエンティスト日記(2015年6月後半)


主な事件
 ・さらばぶらり横丁(19日)
 ・創サポ講義(27日)


6月16日(火) 穴蔵
 朝、近所のY医院で定期検診。正常である。
 体調はいいはずだが、アタマは働かず、終日穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
 うーん。数年後が心配になる。
 健康でボケてるのと寝たきりで頭脳明晰とでは、どちらがマシなのか。

6月17日(水) 穴蔵/姫路のアホ市議/新スマホ
 眠り断続的で、未明に起きてまた寝たり、7時過ぎまでぐずぐず。
 朝、珍しく「自宅」で朝食、なんとなくテレビのワイドショーを見たら、姫路市議酒上太造のなんとも不思議な「釈明」会見が全国区で流れている。
 相撲部出身の太造、子供生ませた愛人を突き倒しで負傷させたらしい。
 太造くんいうに自分の「浅はかな優しさ」が、愛人に「愛情」と誤解された結果というのだが、いやはや。
 となりの弁護士が書いたらしい原稿の棒読み。
 記者会見するほどのことか。
 四半世紀ほど前の事件。某社長の「愛人疑惑騒動」で会社幹部が「釈明記者会見」を開いたのを思い出す。これが火に油となって、某社長の浴衣姿が女性週刊誌の表紙を飾る「大事件」に拡大したのである。この事件のファイル6冊はまだ手元に残っているのだが、どうしたものか。
 ライフワークにするには品位に欠ける事件だしなあ。
 昼、専属料理人とヨドバシへ。
 スマホを新型に変更することに。
 テザリング機能が必要で、2年前6月に専属料理人の名義で導入したもの。
 通信費が少し安くなるらしいので新機種に変更することしたのだが……
 基本性能はそう変わらないと思ってたら、メール機能がさっぱりわからない。
 携帯メールに相当する機能が消えてしまったようなのである(どうやらLINEみたいなアプリに変更されたらしいのだが)。
 午後、あれこれ試みるが、うまくいかない。

6月18日(木) 穴蔵/ウロウロ
 曇天、断続的に小雨。
 一件、解約すべき事項が生じ、電話で交渉、手続きを進めることに。
 何事でも契約の解除は鬱陶しいものである。小は定期預金の解約から大はリストラまで。
 いやまったく、離婚を実行できるやつって、その精神力、凄いと思うぜ。おれには到底無理と思う。
 気の重い日である。気分も梅雨空。
 終日、新スマホをいじってすごす。
 やっと携帯メールが使えたが、こんなややこしいアプリは初めて体験する。
 ネットで調べると、同じ問題で困った人はずいぶん多いようである。

6月19日(金) 穴蔵/さらばぶらり横丁
 第153回芥川賞と直木賞の候補作発表。
 うーん、おれはある作品が芥川賞候補に入るものと密かに予想していたが、残念ながら外れた(誰も指摘していないが、おれは『武蔵野夫人』以来の傑作ではないかと思っている)。
 午前、大阪駅で西宮在住の身内と会う。
 播州龍野のことで色々と相談。「別荘」の維持はたいへんである。実際、別荘地には投げ売りに近い物件が多いらしい。
 そういえば半世紀ほど前に売られた「火星の土地」はどうなっているのか。
 あと、地下街をうろうろ。
 松葉の営業終了はニュースで紹介されていたが、ぶらり横丁も撤退。
  * → *
 先週は営業していたが、昨日「片づけ」だったらしく、もう「ぶらり横丁」の看板も外されている。
 時代の流れである。
 駅前ビルの某店で冷麺を食す。
  *
 黒っぽいキタ系で、駅前ビルには韓国料理店がたぶん7、8軒あるが、冷麺はここがいちばんうまい。2001年にソウルの又来屋(ここは世界一と思う)で食べたのを思い出す。
 キュウリ抜きというのを忘れてしまった。
 夕食時。
 NHK「放送開始90年スペシャル 笑って語って90年」という上方演芸の特集番組を見る。
 出演メンバー、そう悪いとは思わないが、安心して見てられるのは阪神巨人だけ。
 上方演芸の歴史を講談・浪曲・落語仕立てで見せるよりも、もっとオリジナルの映像を流してほしいものである。きちんと放映されたのは米朝師匠「焼き塩」だけ。
 深夜かBSで本格的なのをやるのかな。

6月20日(土) 穴蔵/米朝ナイト
 眠り断続的で、午前5時に朝食、また寝て、8時頃に起きる。
 本日は「天候不安定、時に雷雨かも」の予報だが、薄曇りで静かな日である。
 さりとて出歩く気分にもならず。
 終日穴蔵にて雑事色々。たいして生産的な仕事はできず。
 夜は専属料理人に色々並べてもらって晩酌。
  *
 枝豆、ししゃものみりん干し、トマトサラダなどでビール。手羽と大豆煮込んだので、豊崎西公園南側の中本酒店で買った格安バカウマワインを少しばかり。
 さあ、これから少し読書。
 今夜は、23:00〜NHK-Eで「洒落が生命〜桂米朝“上方落語”復活の軌跡〜」……(たぶん)米朝師匠の資料発掘の途中経過報告である。
 日付が変わって、24:50〜NHKで「上方落語の会〜特別編〜」……四天王登場。笑福亭松鶴「三十石」、桂文枝「愛宕山」、桂米朝「鹿政談」「らくだ」、桂春團治「代書屋」。
 後者は、起きてられるかどうか自信がない。無理だろうな。
 しかし、必ずやわが友の誰かが録画しているはずである。たのんまっせ!

6月21日(日) 父の日+1
 わ、目覚めれば午前2時20分である。
 つい眠ってしまい、「洒落が生命 桂米朝“上方落語”復活の軌跡」は見逃してしまった。6月27日深夜に再放送があるらしいが。
 ということで、テレビで「上方落語の会〜特別編〜」を途中から見る。
 桂米朝「鹿政談」「らくだ」桂春團治「代書屋」の3席。
 米朝師匠の「らくだ」は75歳の時ので、しかし、お元気である。おれもこれくらいの体力を維持していたいものだ。師匠を見習って、まずは湯豆腐で一杯、あとは蕎麦か。
 午前4時……強い雨が降った。
 昨夜からくどいほど「全国的に大気不安定、急な激しい雷雨・突風・ひょうに注意」と報道しているが、本日は当たりのようである。
 3時間ほど朝寝。
 あとは穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
 たちまち夕刻。
 夜は枝豆、ヤッコ、山芋おくらのネバネバ小鉢、海鮮サラダなどでビール。
  *
 あと、○○水産の国産鰻でミニ鰻丼。なかなかのもの。
 ウチではなんとか記念日というのはインコ以外やらないのだが、本日は「父の日」に、もうひとつ記念日が重なっているからと、ボンクラ息子その1が鰻を送ってくれたのである。
 ありがたく賞味させていただく。ボンクラ息子なんて呼んではいかんなあ。

6月22日(月) 夜を歩く
 終日穴蔵。
 本を読んだり、ボケーーーツとしたり、少しは仕事もしたりして過ごす。
 午後、友人のご好意で、あくまでも個人的に、一昨日放映の「洒落が生命」を見る機会に恵まれる。
 うーん。サブタイトルが「上方落語復活の軌跡」だし、予告で見た映像から、小澤さんが米朝書斎からあらたな資料を「発掘」した報告かと思っていたのだが、米朝ファンなら常識程度の内容であった。ただし少年時代の写真などは貴重。
 口直しに「米朝十八番」(六日間連続落語会の方)の「蛇含草」を聴く。
 夜、専属料理人が地域のなんとかの会で出かけるので、おれも久しぶりに外出する。
 インタープレイ・ハチへ。
  *
 若い連中がライブを演っていて、ビール飲みつつスタンダードを聴く。
 オーソドックスなピアノトリオで、ピアノはおれの後輩にあたるのだが、平均年齢、おれよりも半世紀ほど若い。
 嗚呼。えらいところまで来てしまったものだ。
 扇町公園を抜けて天六へ。
 マーガレットへ。
 月曜で、客はおれだけ。
 こちらではニューオリンズ・ジャズ。
 ぶらぶら歩いて深夜の帰館。
 9,756歩になった。

6月23日(火) 穴蔵
 わ、目覚めれば午前7時である。3時間の寝坊。
 気分はよろしい。たまには、夜遊びはするものだ。
 終日穴蔵。
 本を読んだり、ボケーーーツとしたり、少しは仕事もしたりして過ごす。
 ただし、歩かねばならぬ。夕刻に近い午後、ヨドバシ経由で西コース、5,732歩。
 こんな日が続いてほしいものである。
 夜は、専属料理人に、枝豆、ヤッコ、温野菜、冷シャブサラダなど並べてもらってビール。
  *
 いちばんうまいのが鰯を昆布・生姜・梅干しで煮たの。
 ビールに合うし、あと、これをオイルサーデン代わりにしてフランスパン1切れ、豊崎西公園南側の中本酒店推奨のバカウマ格安ワインを少しばかり。
 本を読みながら早寝するのである。

6月24日(水) 穴蔵
 早朝のニュース。
 職業野球「セ・リーグの全球団が『貯金なし』という珍事」……交流戦でセが惨敗の結果らしいが、直後に「借金でお困りの方は○○法律事務所へご相談を」というCMが流れた。
 終日穴蔵。
 不調である。
 本は読めるが、生産的な仕事はできぬまま。
 嗚呼。

6月25日(木) 穴蔵
 晴れて、朝から穴蔵は30℃。
 さほど苦痛でもなし。
 昼前に、専属料理人が実家方面へ行くと出ていった。
 愛想づかしされたわけではなく、色々な事情から。
 しばらくは気楽な生活となる。
 昼は近所の信州そばでざる。ここは、なかなかうまい。
 午後は資料読み。
 夜は、やはり面倒になり、コンビニ弁当でビール、焼酎水割り。
 早寝。

6月26日(金) 穴蔵
 早朝から雨。
 朝食はトースト、ハム、トマト、アイスティ、リンゴ。
 午前中は本を色々読む。
 面白い本が色々あり、感想アップすべきだが、先にやるべきことあり、近日中にまとめて。
 昼は360円のコンビニ弁当。ごはんの量だけは多い。
 午後は必要あって自宅のノートPC(XP機)のOSをWindows7に入れ替える。ソフトのインストール含めて4時間近くかった。
 たちまち夕刻。
 近所の食品スーパーへ食材を買いに行く。
  *
 路地の花。ユリの一種。アガパンサスだったかな。
 野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。
 夜は久しぶりに自炊。
 ヤッコ、枝豆、コロッケ、トマトサラダ、ビール、キムチ・タマゴ・ハム・スイカをぶち込んだ冷麺で「神の河」水割り。
 早寝するのである。

6月27日(土) 穴蔵/創サポ講義
 終日穴蔵。
 資料の再読、メモ取り。
 昼前に可児市文化創造センターalaのHPで、9月19日(土)の「森山威男ジャズナイト2015」の予約。本日からチケット販売開始である。まあまあの席がとれた。
 つづけていつもの多治見のホテルを予約しようとしたら、80日先というのに「満室」である。
 慌てて直接電話したら「団体の予約がありまして、シングルなら残っております」という。ともかく予約。中国から「森山ツアー」でも来るのか?
 夕刻に出て、天満橋へ。
 八軒家浜、屋形船で宴会の準備中である。
  *
 いいなあ。「百年目」を思い出す。
 18時からエルおおさかで創作サポートセンターの講義。
 提出作品3篇。
・倦怠期、娘の反抗期にある主婦に芽生える「殺意」。倦怠期の専業主婦の心理が恐ろしいほどよく書けているのだが、作者が男性なのに驚く。その文体は褒める他ない。
・知能遺伝子の研究者は、成果を上げかけたところで研究機関からパージされ、スラム化した地域の小学校教師に転じるが、ある生徒が「知能向上プロジェクト」の実験台にされているらしいことに気づく。これはSFファンならずともわかるだろう、アルジャーノンを別視点から描こうとする着想。急速に「神童」になるが、人格者になるところが、よくもあり、物足りなくもあり。ただ、最近のテレビドラマ・バージョン(おれは見てないが、何人かが見ていて、それらの話から判断するに)よりも面白い趣向がこらされている。
・失業中の男のところにある動物が迷い込んでくるが、青年の「魂」が乗り移っているらしい。しかも彼は殺されたらしい。被害者が動物になって探偵役をつとめるユーモアミステリー。探偵コンビのキャラが面白く、うまくいけばシリーズ化できるのではないか。
 それぞれ面白く、20分ほど時間超過。

6月28日(日) 穴蔵/ウロウロ
 午前中曇っていて涼しく、午後は晴れて夏の空となった。
 東向き穴蔵生活者にとってはありがたい天気である。
 終日穴蔵。
 専属洗濯婦不在のため、洗濯をする。
 あとは、少しは仕事もするのであった。ただ働きだけど。
 夕刻散歩に出る。
 淀川堤、河口から8キロで定点定点撮影。夏至に近い日没を撮る。
  *
 日没地点が北端。冬至には十三大橋の南端(画面左端)あたりになる。地軸の傾きを実感するなあ。
 ちなみに、ここから4キロほど河口側に酉島伝法さんが生息している。歩けない距離ではないので、一度探検に行ってみようと思う。『皆勤の徒』が河口付近の景観と無関係とは思えないからである。
 夜は本日もコンビニメニューでビール。
 飽きてきたなあ。

6月29日(月) 穴蔵/ウロウロ
 快晴である。
 涼しいのだが、東向きの穴蔵は、たちまち室温30℃となる。
 雑事処理のあと、昼前にスカイビル北側の中央郵便局まで歩く。ゆうパック受け取りのため。
 専属料理人不在で、こんな場合は不便であるなあ。
 スカイビル北側の里山を抜けて、南側の「稲妻家」で500円の弁当を購入。コンビニ弁当よりよろしい。
 そのまま南へ歩いて、貨物駅跡を反時計回りに一週する。
  *
 定点観測地点。北側からだんだん「緑地」が拡大している。不思議なものである。
 日射しが強いので、グラフロ内の通路を抜け、日影を選んで帰館。
 7,801歩になった。
 アタマがのぼせたみたいで、ビール1缶飲んで午睡する。

6月30日(火) 穴蔵
 曇天なり。
 午前中、「自宅」のネット関係の工事立ち会い。某ADSLのサービスが停止になるというので切り替えである。
 専属料理人不在、不便なものである。
 昼のニュース。
 東海道新幹線の中で焼身自殺したおっさんがいるらしい。おもろいことやってくれるぜ。
 午後、報道番組をハシゴするが、テロではないらしい。
 おれは、(小泉が呼び込んだ)テロがあるなら、東海道新幹線の1号車デッキで爆発と11年前に予想していた。
 明記してないけど、テロやるなら運転席の真後ろだろう。
 以来、よほど切迫した事情がない限り新幹線は利用していない。会社員時代は月に1、2度乗ったが、この10年、年に1度もないはず。
 てっきり最初は自爆テロと予想していたが、わけのわからん焼身自殺とはなあ……
 うーん、東海道新幹線に生涯乗らないかというと、微妙なところ。
 あっけなく死ねるのはいいが、小田原で爆死だと家族が後の処置に困るだろうしなあ。
 夕刻から本格的な雨。
 無為に過ごした2015年の前半が終わる。
 嗚呼。


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