『マッドサイエンティストの手帳』577
●マッドサイエンティスト日記(2014年4月前半)
主な事件
・毛馬花見(1日)
・石花楽会(5日)
・播州龍野いたりきたり
・阪堺線(11日)
・3cl@845(13日)
4月1日(火) 花見
テレビでSTAP細胞論文に関する理研の調査委員会会見を見るが、すでに多くから指摘されていたことの追認に近い。
午後に理研の会見があるそうだが、天気がいいので、昼前から花見に行くことにする。
晴れて温かく(外20℃、室温22℃)、天気予報によれば、本日が唯一最高の花見日和なのだとか。
専属料理人と、豊崎東公園〜豊崎神社〜本庄公園〜淀川堤を東に歩いて毛馬閘門へ。
* *
わが徒歩圏で最高の花見場所は毛馬である。
明治以来の古い施設周辺の桜は風格があり、あまり人は来ない(桜宮公園で宴会やる連中の方が多いのである)。
当方は純粋の花見であり、花の下での飲食はせず。
毛馬閘門を渡り、大川沿いに南下、桜宮公園〜都島橋に至る。
*
天満橋まではしんどいので、都島橋を北区へ戻り、天六へ。
玉一でちょっと遅めのランチ。焼肉定食で「生」を少しばかり。
プファ〜〜〜ッ。
青空書房(年末に移転した路地店)をちょっと覗き、中崎町商店街を抜けて帰館。
3時間半、12,210歩。
4月2日(水) 穴蔵
終日穴蔵。
ほんの少し仕事、あとは本を読んで過ごす。
ほぼ「明るい寝たきり生活」である。
天気予報は下り坂であったが、終日晴。
夜の豊崎西公園、ボンサラ諸君が盛大に花見をやっておる。
4月3日(木) 穴蔵
終日穴蔵。
ほんの少し仕事、あとは本を読んで過ごす。
ほぼ「明るい寝たきり生活」である。
いかんなあ。そうでもないか。
天気予報は午後から雨であったが、終日晴。
夜の豊崎西公園、本日は花見2シートくらい。
4月4日(金) 穴蔵/ウロウロ
夜半から未明までの雨が朝にはやみ、晴れたり曇ったり、雲の動き急である。
午前、歩いて梅田へ。
泉の広場近くの某デンタルクリニックへ。
定期的に検査してもらっていた某歯科が2005年暮れに「閉院」、その時にM先生から紹介されていたのだが、そのままになっていた。
奥歯ガタガタではないが、ちと不具合が生じ、8年ぶりに検査を受ける。
うーん。歯に関しては不摂生していたつもりはないのだが、しばらく通院の必要あり。
加齢である。入れ歯にするほどではなし。
梅田をうろうろして帰る。
かっぱ横丁・上崎書店のワゴンに昭和30年前後の旧「宝石」が積んである。
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昭和28年8月号に乱歩の「S・Fの鬼」という記事あり。神戸からアメリカのSF大会へ行くという青年が訪ねてきたという、有名なエッセイ。若き日の矢野徹氏である。
1冊1000円。20年前なら20冊くらい、ごそっと衝動買いするところだが……。
日野啓三氏の都市論『都市という新しい自然』が200円だったので、こちらを買って帰る。
80年代の都市論、特に『夢の島』に代表される埋立地(湾岸エリア)に関する考察を再確認してみたい。30年経った今、このエリアにボンクラ息子その1が生活しているのだからなあ。
夕刻の豊崎西公園。
花見の場所取り6シート。一昨日が花見のピークと思ったが、本日が最高潮のような。前から予定していた花見であろう。
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肌寒くなり、風が強い。
神戸みたいに足場が倒壊しないか心配であるなあ……と本音は半ば期待。大きな物音がしたら、野次馬として飛んでいくからね。
……などといいつつ、明日はおれも今シーズン唯一の「飲む花見」である。関東は霙、寒くなりそうな。
4月5日(土) 石花楽会
昼、地下鉄で本町の御霊神社へ行く。
年に一度の花見会。
「石花楽会」……石毛直道先生を中心に花見を楽しむ会である。
もう30回を超えるそうな。
もともとは民族博物館の「食文化研究グループ」メンバーが隣の万博公園で始めた花見会で、関西の「食」の中心的な人たち(奥村彪生さんや程一彦さんら)、民博の学者グループ、米朝一門、小松さんの縁でSF系などと拡大、数年前からは御霊神社での園遊会みたいな雰囲気で行われている。
かんべさんやおれは80年代末から参加している。
今年は石毛先生の南方熊楠賞受賞があって、最初に花束贈呈。
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あとはそれぞれ持ち寄りのお酒と料理で花見宴会。
御霊神社のすぐ隣が美々卯本店ということもあって、ここでの一番人気は「三輪素麺山本と美々卯のコラボ麺」である。
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ともかく石花楽会でしか食べられない逸品。
これで冷酒を一献。たまらんなあ。
花冷えで雨もという予報だったが、午後は快晴、まことに楽しい花見会であった。
4月6日(日) 穴蔵
終日穴蔵。
花見の翌日は寝て過ごすのがいいようである。
寒い。
「明るい寝たきり生活」といきたいところなれど、明日までに処理せねばならぬ案件(非SF)あり、半日は机に向かわねばならぬ。
4月7日(月) 大阪←→播州龍野
朝の通勤ラッシュが終わりかけた頃の電車で播州龍野へ移動する。
雑事色々。
役所関係、金融機関、シルバー関係などうろうろ。
タイムマシン関係……おおっ懐かしい、北陸本線「入善」の某工場から連絡あり、まだ操業してはるのだ。
糸魚川〜泊〜入善あたりでの仕事が集中したのは35年ほど前である。
風の盆で有名になった八尾の近くへ行ったのが45年前!
このあたり、ぶらって行ってみたくなるなあ。
天気がいいので、午後、龍野公園を1時間ほど散歩する。
桜の開花は大阪より少し遅れて、本日が満開である。
* *
龍野城址〜聚遠亭〜さくら路〜人出は少なく、リュック背負ったご老人グループが目立つ……と、まるでおれは老人でないような。
龍野公園の桜は全体に貧相というか、桜も老化している印象である。
いちばん勢いのあるのは、国重文「堀家住宅」前の桜である。
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老母は4年前まではここまで歩いてきたものであった。最後の花見であったか。
くどいようだけど、わが家ではありません。
夕刻の電車で帰阪。
4月8日(火) 穴蔵
快晴、春暖なり。
終日穴蔵。
雑事(非SF系)色々あり。
一応ふたつの会社の「代表取締役」(しかも小使兼任)なものだから、期末期首は慌ただしいのである。
今期もクーデター起こされることもなく続投となった。
来年あたりで退任予定。
4月9日(水) 穴蔵/ウロウロ
天気晴朗にして春暖……というより初夏の雰囲気。
ただし花粉は濃密なようで注意を要する。
朝、近所のY医院へ。20分間。定期検診。血圧を測るのみ。正常なり。
あとは穴蔵にて雑事(非SF系)を片づける。
午後1時〜小久保晴子氏の記者会見中継を見る。
新阪急ホテルである(つうことは、近所の病院に入院してはるのかな)。
この会場は米朝師匠の紫綬褒章受章祝いの会場ではなかったか。徒歩10分ちょっとの場所だが、野次馬として駆けつけても入れるはずないよな。
内容は特段のことなし。(パワーポイントに多用されたという)オリジナルの写真を出せば話は簡単なのではないか。
50分ほど見て、出かけねばならぬ。
午後は梅田の某デンタルクリニック。
しばらくは週1ペースで通うことになりそうな。
4月10日(木) 穴蔵
終日穴蔵。
集合住宅関係の雑事色々。
防犯カメラの運用細則案を作るが、映像のコピー作業、要する時間など、実際に試してみないと運用できるのかどうかわからず、あれこれ作業を行う。
盗難事件でも起きて、一晩10時間ほどの「閲覧申請」など出ると困るなあ。理事が立ち会わねばならんからなあ。
SF系のことは何もできず。嗚呼。
4月11日(金) 泉州/ゲコ亭/阪堺線/天王寺
朝、所用あって南海・泉大津へ出かける。
以前は繊維工場や工業試験所に来ることが多かったが、工場は減ったなあ。
工場跡で大麻を栽培していた事件があったが、これはつき合いのある会社ではなかった。
帰路、堺で降り、川沿いからフェニックス通りを東に歩いて、寺地町へ。
げこ亭(のれんは「げこ亭」看板は「ゲコ亭」)にて早めのランチ。
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6年ぶりかな。
「仙人」が引退、フジオフーズが社員を弟子として送り込むとか聞いていたが、仙人は奥の方にいてはる。
テレビ取材らしいのが入っていて、食べてる客が「寂しくなる」とかしゃべっていたから、引退は既定路線らしい。この夏の「休業期」がシオか。
正直なところ、ここのシャリの柔らかさは、おれの好みではない。まあ、食べ納めということである。
阪堺線で天王寺へ移動。
ハルカスはまた後日とする。
運転免許証提示で天王寺公園〜動物園を抜ける。
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学生時代、天王寺公園(無料時代)の坂道を下る時に見る通天閣が好きであった。
45年経って、また無料で眺められるようになった。天王寺博で市民を閉め出した、ひどい市政でる。
日本橋で中古パソコンを見るが、品薄気味である。
ウチは、穴蔵、自宅、龍野、ハンディとXP機4台を使用している。メインで使っているのはe-machineで、これは7にアップグレードできそうにない。マイクロソフトがやたら不安を煽っているが……困ったものだ。
難波から地下鉄で帰館。
10,847歩となった。
4月12日(土) 穴蔵/むさし事務所
春暖……というより初夏の雰囲気である。
集合住宅関係で規約改定があり、「建物共用部分」のチェックを1時間ほど。
2階人工庭園の桜、新緑がなかなか。
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昨秋、かなり枝を落としたのだが(シルバーの植木屋は枯れるかもしれんといったが、おれは枯れてもかまわんと主張/できれば枯れたほうがいい/近所の公園に桜は多いから、無理して屋上に生やすことはないのである)、たくましく葉を出している。桜のSTAP細胞であろうか。
ただし今年は花は一輪も咲かなかった。
公園の桜は花が残ってるのに、この木だけは新緑。たぶん4、5日で濃緑になるだろう。桜の鑑賞期間は短い。
つまり……桜は余所に咲いてるのを観賞すべきで、自分の庭に植える木ではないということである。
雑事あれこれ。
午後、散歩に出ようかと思っていたところに、かんべむさし氏からメール。
パソコンのソフトがちょっとややこしい状態だとか。
むさし氏のはWindows8。こちらも買い換えを検討せねばならぬので、見せてもらいに行くことにする。
自転車でグラフロ西側〜出入橋〜江戸堀〜京町堀まで、約20分でむさし事務所に到着。グラフロができて便利になった。
PC関係は30分ほどで終わる。買い換えるとしたら7だなあ。
あとは臨時の定員2名内容非公開のSF検討会開催となった。アホな(の)話色々。
たちまち夕刻となる。
帰路、近所の「篁」に寄る。酒の量販店だったのが「ワインとコーヒー」という優雅な店に変わっている。
建物は同じで結構広い。こんな場所でやってけるんかいな。
安い「自転車マーク」のを買って帰る。
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ということで、夜は専属料理人に色々並べて貰って安ワインを少しばかり。
729円+消費税のを250ccほど。結構いけるのである。
4月13日(日) 3cl session @ 845
野暮用処理と運動を兼ねて夕刻に近い午後から市内うろうろ。
梅田徘徊後、地下鉄で心斎橋。あと西長堀(中央図書館)〜なにわ筋〜難波と歩き、19時、ライブハウス「845」へ。
3 Clarinet Sessionである。
*
滝川雅弘、山下拓郎、鈴木孝紀(cl)
笹井真紀子(p)、山本学(b)、高阪照雄(ds)
山下拓郎さんは初めて聴く。25歳の新鋭。音色よく、(アドリブが頭の中の譜面を読むような雰囲気がないでもないが)初々しい演奏で、今後が楽しみである。
バーニーズ・チューンやサヴォイストンプなどお馴染みの曲。ジャイアント・ステップスのハバード版とか。
客として来店のクラ吹きが3人(名古屋から来た音大の学生とか、女性のバスクラも)いて、最後は6clのジャムセッションとなる。
22時前まで。
地下鉄で帰館22時30分。
よく歩いた。あ、しまった、あと1歩歩けばよかった。
4月14日(月) 穴蔵
快晴で初夏の雰囲気。
が、なぜか気分が落ち込み、出歩く気分にならず、机に向かう気力もわかない。
早くも5月病か。
終日穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
いかんなあ。
明日は少し体を動かすことに。
4月15日(火) 穴蔵
早朝に部屋の片づけ。
資源ゴミ回収の日で、昨年から「衣類」も「紙」同様、この日に指定されている。
冬物の古いコート、セーター、シャツ類を半透明の袋に入れて出しておいたら、午前9時過ぎには持ち去られていた。
嫌な気分である。
むろん惜しくはないが、今度の冬に、あのセーター着たやつとどこかですれ違うのだろうか。持ち去った人物ではなかろうが、こちらが戸惑うだろうなあ。
昔の仕事と関係ありそうななさそうなニュースが2件。
・姫路の「大麻工場」でベトナム人6人を逮捕。
11日に泉大津へ行って「大麻事件」を思い出したところであった。
この事件は、2年前、旧紡績工場の建物に「大規模な密造プラント」を設置して大麻を水耕栽培していたもの。
廃工場のはずが電気が使用されていて「御用」となった。
不況による転業か。どちらも天然繊維だからなあ。
……この「紡績工場」は取引のある会社ではなかった。
姫路のは「皮革工場跡など3カ所」で、ベトナム人。こちらの業界も斜陽化しているのか?
・プロ野球の「統一球」問題でミズノが謝罪会見。
球に巻く羊毛糸の水分率が規定より低く、多く固く巻いたために反発係数が高くなったという。
これはよくわかる。
35年ほど前、ワインダーの糸長を管理するシステムの取付工事をずいぶんやった。糸のパッケージ(コーン)の長さを揃える装置である。きちんと揃っているかは(巻き戻して検査するわけにもいかず)重量でチェックする。
この装置、羊毛工場にだけは導入できなかった。重量のバラツキが大きすぎるのである。
原因は水分率の変化が(工場の空調状態によるが)大きすぎて、長さは揃っているのに目方が揃わない(取引は目方だから妙な話なのだが)。
水分率の変動は、羊毛>綿糸>合繊の順で大きく、羊毛は5、6%近く変動することがあった。
野球の硬球に羊毛が巻かれていたとは知らなかった(てっきり綿糸と思っていた)。
ボールの製造工程は知らないが、糸長でなく重量で管理してたのか。
……それにしても、ボールの保管場所の湿度は影響しないのかなあ。そちらの影響の方が大きい気がするが。
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