『マッドサイエンティストの手帳』553

●マッドサイエンティスト日記(2013年4月後半)


主な事件
 ・鈴木孝紀ライブ(19日)
 ・山口真文カルテット(21日)
 ・詩集の楽しみ(25日)
 ・グランフロント大阪オープン(26日)
 ・JAZZ AT CHURCH 2013 SPRING CONCERT(28日)


4月16日(火) 穴蔵
 定刻午前4時に目が覚める。
 まじめに机に向かう。
 と、5時のニュースで、ボストンマラソンのゴール付近で「爆発」のニュースが流れる。日本時間で午前3時頃らしい。爆発の映像が流れ、死者も出たらしい。
 引き続き、北朝鮮が(韓国相手だけど)「予告なしの報復行動を起こす」と「最終通告」したとのニュースが流れるから、どうしても北のテロかと想像してしまうわなあ。
 7時過ぎまでニュースを見る。テロであるのは確かなよう。
 現在、フレンチクォーター・フェスティバルで、中村誠一やマホガニーホール・ストンパーズそれに大阪の知人がニューオリンズにいるはず。空港の警備が強化されるだろうが、出国する分には大丈夫かな。
 おれは秋にニューオリンズと思っていたけど、また断念だな。
 911の時もそうだったけど、アメリカへ行こうという気分になるとややこしいことが起きる。
 もう海外に行くことはないかもしれん。
 終日穴蔵。
 断続的にニュースを見る。
 と、夕刻には愛知県稲沢市で窃盗男が女を連れてアパートの屋根に立てこもり?
 ニュースの面白さは同時性にあると実感。
 女は人質ではなく、いっしょに逃げようとするイカレ女らしい。それなら放水で落とせばいいではないか。
 (21時前にふたりとも逮捕らしい)

4月17日(水) 穴蔵
 午前3時前に目が覚める。
 終日穴蔵。
 ボケーーーーーッと過ごす。
 いかんなあ。
 夜は集合住宅の理事会。来期(5月〜)から役員をやらねばならなくなった。
 住宅もこちらの体もガタが来ているから、色々とややこしい問題が多そうな。
 10年ほど前に修繕委員会を作ったが、頼りがいのある人数人が「去って」いかはったことに気づく。
 明日はわが身である。

4月18日(木) 穴蔵/ウロウロ
 午前4時に起きる。
 少しはマジメに雑事を処理するのであった。
 珍しく「Illustrator 8.0」を使って、ちょっとした版下作成。
 が、ちょっとわからないことが生じて、昼過ぎにノートパソコンを持って四ツ橋のシオタデザインオフィスへ行く。
 塩田さん、Illustratorの最新バージョン使って、たちまちのうちに、見違えるようなデザインに仕上げてくれた。
 プロの技おそるべし。
 しばらく雑談の後、失礼する。
 御堂筋に出ると、まだ葉は少ないがイチョウの新緑が鮮やかである。
 
 大丸のアール・デコをしばらく眺める。
 運動不足(2日間出歩いてない)なので、本町か淀屋橋まで歩くか迷うが、パソコンが重い。
 御堂筋線でまっすぐ帰館。
 本日、2,978歩。この3日間、1日平均1,000歩である。いかんなあ。
 夜は専属料理人に5品ほど並べてもらってビール、グラスワイン。
 枕頭に本を積み上げて、早寝するのである。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。

4月19日(金) 穴蔵/鈴木孝紀ライブ
 午前3時30分に起きる。
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 夕刻、専属料理人と歩いて梅田へ。
 書店〜ヨドバシ〜ステーションシティ(オープン1週間前のグランフロントを偵察)〜チケットショップなどを回って、19時過ぎにロイヤルホースへ。
 鈴木孝紀カルテットのライブ。
 久しぶりの自己カルテットである。
  *
 鈴木孝紀(cl)大野こうじ(g)宮野友巴(b)橋本現輝(ds)
 エバンズの「FIVE」から始まってオリジナルなど、モダンな感覚か溢れている。
 バスクラも披露。
 演奏は素晴らしいのだが……中央正面テーブルの4人連れのおっさんの騒がしいこと。
  *
 ↑しゃべりまくりの中心人物はこの男で、どうやら上役らしく、あとの3人が引きつったお追従笑いというパターン。
 大声で、カラオケのナンバーがどうとたらとか、困ったものよ。(ディナーで飲んでるから、店には上客らしいが)
 去年11月に来たときには、ハゲ頭とイカレ女のバカップルに悩まされたが、本日もまた。
 しかも、22時過ぎに出ていって、楽しめたのは最後の3曲……これも同じパターンである。
 半年ぶりにきてこれだから、おれはマナーの悪い客を呼ぶ運勢なのかなあ。
 おれが映画館へ行くのをやめたのも同じ理由による。
 23時前に阪急東通を抜けて帰館。
 金曜の夜で酔客多し。不況どこ吹く風。アベノミクスのせいとは思えないが。

4月20日(土) 穴蔵
 わ、午前6時まで寝てしまった。
 ほぼ終日穴蔵。
 あまり生産的なことはできず、ボケーーーツと過ごす。
 断続的にニュースを見る。
 昼のニュースでは、ボストンマラソンの爆破テロ犯(容疑者)、兄貴が銃撃戦で死亡、弟が「住宅敷地のボートの中に隠れていたところ」を拘束して、一応の決着らしい。
 昼過ぎに1時間ほど散歩。
 すぐ近所の路地から激しいタップ音。「フラメンコスタジオ」があるのに初めて気づいた。
 スタジオ「TO DO」といい「POOR BOY」といい、100メートル以内に音楽関係が色々あるなあ。
 そういえば、わが集合住宅の1階は30年以上前からギター教室(僧籍ギタリストというなかなかの名手)だし。
 ウチの近所も音楽的には結構奥深いのであるなあ。
 ウロウロしてみるものだ。

4月21日(日) 山口真文カルテット
 夜来の雨が朝にはやみ、曇天が、午前10時を過ぎると梅雨明けのように晴れ上がった。
 初夏かと外に出てみると、早春の寒さなのであった。
 昼過ぎに、阪急で夙川、大手前大学・さくら夙川キャンパスへ行く。
 キャンパス内のホール・CELLフォーラムで神戸の「ジャズ愛好会」主催のコンサート。
 まず、大手前大のビッグバンド「Jazz Skyscraper」
 若々しいサウンドを聴く。
 つづいて山口真文カルテット登場。
  *
 山口真文(ts,ss)片倉真由子(p)中林薫平(b)小松伸之(ds)
 第1部がオリジナル中心。
 第2部がスタンダード。
 山口真文さんは70年代後半にジャズフェスで聴いて以来、30数年ぶりである。
 若いメンバーとの演奏は端正でフレッシュである。
 16時過ぎまで。
 構内の掲示で図書館長の講座が開かれていることを知る。
 おや、図書館長は文学部柏木教授ではないか。
 オープンの講座らしいから都合がつけば聴きにくることにしよう。

4月22日(月) 穴蔵
 終日穴蔵。
 天気晴朗なれどドタマ曇天、あまり生産的なことができぬままボケーーーっと過ごす。
 断続的にテレビニュースを見るが……
 中国・四川省の地震で、日本のマスコミがこんなに大量に押しかける必要があるのだろうか。これは阪神大震災の時から(被災者の立場で。わが同僚は屋根を直していて、取材ヘリの風圧で転落しかけた。「あっちへ行け」と手を振ったら、さらに接近してきたという)感じていることだが。食料や支援物資の不足、道路寸断、交通渋滞を各局が「現地」から中継しているが、ジャマになってると思うぞ。スタッフ連中の食料とねぐらは確保してあるのだろうし。
 テレビの連中が暴行を受けて食料強奪されてたら面白いのになあと思うほどである。

4月23日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 天気晴朗なれどドタマ曇天、あまり生産的なことができぬままボケーーーっと過ごす。
 午後、3000歩ほど散歩。
 無為な一日であった。

4月24日(水) 穴蔵
 終日穴蔵。
 終日雨が降りつづく。出歩く気がしない。
 あまり生産的なことができぬままボケーーーっと過ごす。
 いかんなあ。
 年に数回、こんな時期がある。
 本日は0歩。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。

4月25日(木) 詩集の楽しみ/開戦前夜/をゐ!
 初夏を思わせる快晴である。
 穴蔵にくすぶっているのも健康的ではないので、本日はウロウロすることに。
 昼前に出て阪急・夙川へ。
 夙川沿いの新緑が鮮やかである。
 昼過ぎに大手前大学の図書館へ。
 先日のジャズ・コンサートの時に見かけたポスターで、市民にもオープンの講座を知ったのである。
 「柏木隆雄図書館長のトークライブ」で、本日のテーマは「詩集の楽しみ」。
 文学部柏木教授は(学部はちがうが)わが学友である。
 柏木館長、秘蔵の明治・大正の詩集を並べて、その楽しみ方を語る。
  *
 稀覯本多し。白秋訳「まざあぐうす」とか大手拓次「藍色の蟇」、薄田泣菫「白羊宮」、堀口大學訳「アポリネエル」、蒲原有明詩集……
 話は「この詩はロバート・ブラウニングの翻案である」とか「ウマル・ハイヤームをフィッツジェラルドが英訳したものがベースになって(え、スコット・フィッツジェラルドが詩を? と思ったら、エドワード・フィッツジェラルドのことだ、とか)」とか、例によって、書誌的デティルを押さえつつ、あちこち自在に飛ぶ。柏木節の名調子である。
 明治・大正の詩集は「エリートのもの」であり「高踏的」であり、「装丁・挿絵・造本」も含めて鑑賞すべきものらしい。詩集自体が美術品でもある。
 ……これは、活字出版が電子書籍に移行すると、同じパターンになりそうな。スマホやタブレットで読まれる「人気」小説が今の「活字の文体」と同じであるとは思えないからである。
 終了後、柏木教授に挨拶。
 と、時間があったら部屋でちょっとしゃべらないかと、案内されたのがなんと「学長室」である。
  *
 図書館長というのは「学長」が兼務してはる肩書きだったのだ。
 午後には講義もあるとかで、30分ほど雑談。
 改めて一杯やることにする。
 2号線を歩いて、JRさくら夙川から大阪へ移動する。
 うめきた「グランフロント」は明日オープンである。
 「開戦前夜」で緊迫状態かと思ったら、北側の広場はすでに開放してある。
  *
 西側の歩道を歩いて、済生会病院横を抜けて帰館。
 グランフロントの北端が、ウチと大阪駅の中間点となる。
 大阪駅へ歩くコースがちょっと変わるかな。
 夜、SF友の日々是口実(をゐ)さんが来阪、近所の満留満(よく750円の昼飯を食べる、普通の居酒屋)でちょっと一杯。
 「をゐ」さん、姫路をはじめ、関西に住んでいた場所を巡る小旅行らしい。一種のセンチメンタル・ジャーニィであろふか。
 おれもボンサラ時代に勤務した工場跡(高知が代表的だけど)へ行ってみたくなるものなあ。
 あ、飲み食いしゃべりに夢中で、写真は撮り忘れ。
 ミナミへも行ってみるという「をゐ」さんを見送り、21時過ぎに帰館。
 本日は9,859歩。よく歩いた。寝る。

4月26日(金) グランフロント大阪オープン
 穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
 晴れていたのが、午後、突然雷鳴、雨。びっくりするなあ。
 チャド・オリバー『雷鳴と陽のもとに』を思い出す。あの頃はよかったなあ。
 雨があがったので、15時過ぎから「うめきた」散歩。
 本日オープンのグランフロント大阪を見物する。
 テレビが報じているほどの人出はなし。
 明日からの連休に大衆諸君が押しかけるのだろう。
 はっきりいって魅力なし。
 まず、西側の貨物駅跡との境界に塀が張り巡らされていて、景観が楽しめない。
 なぜ金網にしなかったのか。「臭いもの」に蓋か。
  *
 歩いてもまったく面白みのない歩道である。(貨物駅跡の景観が楽しめるのはビル内上階の西側テーブルとかロビーの一角など、限られた場所だけ)
 期待していた「ナレッジキャピタル」は、要するに「ショールーム」であって、オープニング初日というのに、たいして人はいない。入居した企業には気の毒だが、半年後には閑散だろう。南港のATCが梅田に出現したようなものだ。何か試供品でもばらまかないと大阪のアホは寄りつきまへんで。
 ここは「創造の場」にはなり得まい。小松さんのニューオータニにあった「電子書斎」を思い出す。あそこで原稿が書かれたことはないもの。
  *
 ↑いかんのは、入口のこんな表示。うかつに写真撮ったら別件逮捕されるのかねえ。
 「r」が抜けてまっせ。おれは日本語はわからず、英文らしきものを見たのだが、何のことかわからず写真撮影いたしました。
 ま、今後そうウロウロする場所ではないな。

4月27日(土) 穴蔵
 終日穴蔵。
 世間は連休入りということで、おつきあいして、終日ボケーーーーッと過ごす。
 夕刻のテレビ、TBS(こちらでは毎日放送)が報道している「放射性廃棄物の最終処分場誘致にからむ森田俊彦・南大隅町長の収賄疑惑」…面白いのでちょっとググッたら、3月初めからHUNTERが追及しているのだった。
 福岡拠点のジャーナリスト・グループらしいが、なかなかの取材力である。
 「黒幕」らしいオリエンタル商事の原幸一の指宿別荘をGoogleの地図で調べたら、ソテツ自生地の少し東にある広大な敷地で、プールまで確認できる。「船舶のリース」ってこんなに儲かるのか?

4月28日(日) JAZZ AT CHURCH 2013 SPRING CONCERT
 昼過ぎに専属料理人と心斎橋へ。
 島之内教会で「NEW OLREANS JAZZ AT CHURCH 2013 SPRING CONCERT」
 ラスカルズ、ストンパーズ、レッドビーンズ、ヘイスケバンドなど、おなじみのバンドが聴ける春のジャズフェスである。
 専属料理人は受付、おれは下足番みたいな半スタッフ参加。
 今回のゲストは、ジェフ・ブル。それにギタリスト・阿部寛氏が率いる「新宿アコギ会」。
 「新宿アコギ会」は30年代のGibsonを愛用するアコースティックギターのバントで、シロホンとベースが加わる編成である。
  *
 全部でギター7人、シロホン、ベースの 廣田昌世さんのみ大阪からの参加。
 このグループに河合良一さんが参加するセッションもあって、たいへん面白かった。
 18時まで。
 あと、ジャズ友氏ら、計6名で明治軒へ行く。
 串カツ、トマトサラダ、牛肉タタキでビール、オムライスでワイン。
 20時過ぎに帰館。
 うーん、オムライスがもたれる。

4月29日(月) 穴蔵/ウロウロ
 世間は休日だから、おれも仕事はしないことにする(10年前では考えられないことだけど……老化だよなあ)。
 昼のニュースで牧伸二師匠が「多摩川への飛び込み自殺」らしいという。
 うーん。巨匠といっていい人だし、この死に方は似合わない。鬱であろうか。
 昼、1時間半ほど散歩。
 本日は天六回りの東コース。
 ドン・シーゲルの旧作DVDで観たいのがあって、ネットで調べたらツタヤ天六にあることが判明、それを借りに行ったのだが「貸出中」である。嗚呼。
 似た趣味のが同じ区内にいるということか。
 ま、しかたあるまい。
 青空書房に寄る。坂本健一さん、普通にお元気であった。
 
 満員の盛況(4人入ってはるだけだけどね)、何よりである。
 ジュンクドーなど回って帰館。
 夜は専属料理人に小鉢など5品ほど並べてもらって晩酌。
 早寝するのである。

4月30日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ボケーーーーーッと過ごす……つもりであったが、本日から斜め下の部屋がリフォーム工事開始。
 10時頃から騒音が響きはじめた。掲示によれば、5月下旬まで続くような。嗚呼。
 あまりアタマを使わない仕事を少しばかり。
 無為に過ごした4月が終わる。


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