『マッドサイエンティストの手帳』542

●マッドサイエンティスト日記(2012年11月後半)


主な事件
 ・穴蔵の日々
 ・アパッチ宴会(24日)
 ・大阪マラソン(25日)
 ・2clセッション(30日)


11月16日(金) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ずっと机に向かう。案外おれはマジメなのである。
 夕刻に衆議院解散のテレビ中継を見る。
 何度か見ているけど、失職するのにバンザイはやはり珍景であるよなあ。
 民主の「次回落選確実(あえて名前はあげないけど/たとえばが熊本の「割り込み野郎」)」もバンザイしたのかねえ。
 ひとりくらい、バンザイ拒否をやる気骨ある「泡沫」がいてもいいのに。
 いやでもバンザイ突撃を連想してしまう。
 硫黄島の栗林忠道に倣う議員は皆無である。世も末。
 夜は専属料理人が並べた和風で一献。
 
 「とようけ」の湯豆腐に「龍野乃時」がたまらん。
 ともかく早寝。

11月17日(土) 穴蔵
 終日穴蔵。
 雨天だから落ち着く。
 ずっと机に向かう。案外おれはマジメなのである。

11月18日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ずっと机に向かう。案外おれはマジメなのである。
 読みたい本がだいぶたまってきたが、つらいところだ。
 いかん、このところ歩数計0がつづく。
 明日は少し歩くことに。

11月19日(月) 穴蔵/ウロウロ
 午前4時に起床。
 一応マジメに机に向かう。
 天気がいいので、昼前から、久しぶりに歩くことにした。
 小春日和である。
  *
 都心の秋の散歩道。
 気分はセンチメンタルムードである。
 書店〜金融機関〜CDショップなどウロウロ。
 ヨドバシで出たばかりのSONYのDSC-RX1を手にとって見る。
 むむむ。初ロットは売り切れらしく「予約受付中」になっている。
 在庫があれば衝動買いしたかも。20万以上でっせ。危ないところであった。今後用心しなければ。
 昼は新梅田食道街の「新喜楽」で鴨鍋定食。鴨の季節である。
 午後2時過ぎに帰館して、午後は穴蔵にてダラダラ過ごす。
 夜は専属料理人が地域のなんたらで出かけてしまったので、作り置きのつまらんメニューでビール、湯割り。
 しかし、久しぶりに9600歩ほど歩いたので、心地よき疲労感あり。
 早寝。

11月20日(火) 穴蔵
 ぴんから・宮史郎の訃報。69歳……おれのたった1歳上とは。もっと年上のおっさんと思っていた。
 加西市出身で姫路のキャバレーにいたことは知っていたが、1960年頃。おれが姫路に通学していた時である。つまり中学校を出てすぐ働いてはったのだ。その頃、おれはSFマガジン創刊号を読んで、SFが書きたいなあと素朴に思っていた。苦労のレベルが違うわ。
 ……それにしても、「ボーイズ」は(歌謡曲に転向したわけじゃないだろうけど)減ったなあ。大阪では、あひる艦隊(←「紺碧の艦隊」よりも遙かに面白かった)や宮川左近ショウなきあと、今や横山ホットブラザーズだけではないか。
 終日穴蔵。
 あまり効率はあがらず。
 無為の一日なり。嗚呼。

11月21日(水) 穴蔵
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 あまり政治に関する発言はしないつもりなのだが、昨日から今朝にかけて、あまりにもアホなことばかり。
 何から何まで真っ暗闇よ……
・鳩山由紀夫が「引退」表明。やっと「約束」を果たしただけのことではないか。さっさと消えろ。マスゴミも大袈裟に報道することかよ。
・と、安倍がすでに総理気取りか、インフレ誘導などトンデモないことをいい出した。まあ選挙前でよかったというべきか。
・小沢いっちゃんが岩手で「復讐戦」をやるらしいが、金も気力も喪失してるんじゃないか。
・橋下が選挙運動のために市議会をさっさと閉幕。とんでもないやつだな。おれなんぞ、SF大賞受賞後の20年間、出社は誰よりも早かったぞ。「兼業」に向けられる視線は厳しいのである。深夜は市役所に詰めろ。「深夜の市長」と呼ばれて人気が出るぜ。
・その維新が東国原を衆院選比例区に擁立の方針? アホか、ノックの再来になるぞ。
 その他……どいつもこいつも。慎太郎の核兵器発言が新鮮に聞こえるから不思議だ。
 沈鬱な気分になり、夕刻に近い午後、散歩に出る。
 本日は東北コース。豊崎神社〜本庄公園〜淀川堤を歩いて天八まで。
  *
 本庄公園。秋深し。センチメンタルムード。
 夜は専属料理人に竹園のコロッケ、とようけの湯豆腐、その他を並べてもらってビール。
 あと、某方面からいただいたブルゴーニュ・ワインをいただく。
 
 インコのPiPiが周辺で運動会。
 いずれはヤキトリにしたいものだ。
 早寝するのである。

11月22日(木) 穴蔵
 午前3時に起きる。
 穴蔵の室温が20℃を切った。冬である。播州龍野は10℃以下になったはず。
 が、むろん、まだエアコンは稼働させず。
 終日穴蔵。
 原稿でない仕事。けっこうはかどった。
 散歩もしないまま一日が過ぎる。
 夕刻から断続的に豊川信金の立てこもり事件を見る。
 どうやらアタマのいかれた男らしいが「内閣総辞職」を要求するなど、案外マトモなこといっとるのかも。民主はその方が選挙に有利かもしれんしさ。
 などと愚考しつつ早寝。

11月23日(金) 穴蔵
 昨夜来の「豊川信金の立てこもり事件」が気になってでもないが、午前3時に目が覚める。
 こういう事件は「暁の急襲」がパターンだから、午前5時頃にケーサツが突入と予想して、ちょっと早起き。
 と、午前3時過ぎに突入、身柄を確保したらしい。実況中継はなかった。(※)
 また寝るわけにもいかず、机に向かうことにする。
 が、朝になって、本日、世間は3連休の初日、勤労感謝の日であることに気づく。
 祝日に関しては、おれは国家のいうことはきかないのだが、本日は遵守して働かないことにする。
 終日穴蔵。
 雨が断続的に降り、出歩く気分にならない。
 本を読み、CDを聴き、米朝師匠のDVDを見てたらたちまち夕刻。
 北朝鮮がまたもミサイル発射の準備中?
 また爆発させて恥かくつもりか。粛清されるやつは可哀想だけど。
 一杯飲んで早寝。

 ※テレビ中継は犯人が見ているらしいので自粛、ただしニコ動が中継していたらしい。おれがやる時には参考にしなければ。

11月24日(土) 穴蔵/アパッチ宴会
 曇天なり。
 穴蔵にて効率の悪い仕事ダラダラ。
 夕刻に近い午後に出かける。
 JR京橋南口に6人集合。京橋の「南口」に降りるのは久しぶりである。
 「日本アパッチ族」をラジオドラマ化した「鉄になる日」が、芸術祭大賞・ギャラクシー賞大賞・ABU(アジア太平洋放送連合)最優秀賞とラジオドラマ部門の三冠達成、ハルキ文庫で再刊もされたので、砲兵工廠跡に近い京橋で「アパッチ宴会」をやることになったのである。
 ラジオドラマの島プロデューサー(MBS)、石毛直道先生、小松ご子息兄弟、かんべむさしとおれ。
  *
 焼肉屋「富鶴」へ。京橋では知る人ぞ知る名店らしい。
 まずはキムチ、焼肉でビール。
 石毛センセは早くもマッコリだが、これはやばいのでおれは遠慮。
 引き続き「てっちゃん鍋」……ホルモンも食べたいが、本日は上ロース、上バラを惜しげもなくぶち込んだ「特上」。
  * → * → *
 ↑こういうことになる。
 その間、食文化や軍需産業〜焼肉〜赤線の相関など、色々な話題ガヤガヤ。
 こういう雰囲気は久しぶりであるなあ。
  *
 たちまち2時間半。
 ディープ京橋の路地裏を散策して大阪駅へ。
 あと某所で一献という話もあったのだが、このところやや疲れ気味(週明けには某検査もあり)なので、ここで失礼する。
 帰館して「日本アパッチ族」を途中まで再読。
 本日も話題になったが、冒頭の「450円のライスカレー」の表記はむろんそのままである。今の感覚では5000円くらい。「梅新のかど」にあった店らしいのだが、これは不明のままである。

11月25日(日) 大阪マラソン
 本日は大阪で大阪マラソン、神戸で神戸マラソンの日。
 知人が何人か走っている(かもしれない)というので、専属料理人と大阪マラソン見物に行く。
 9時に大阪城スタート……10時過ぎに心斎橋へ行ったら、御堂筋両側すでにランナーでいっぱい。
  *
 快晴。小春日和で、なによりであった(おれは雨天を期待するほどひねくれてはいないのである)。
 こちらもウォーキング気分で、マラソンコースに沿って、難波〜大国町へ歩く。
 知人を探すといっても、ゼッケンも聞いてないし、スタート順もわからない。奇抜な格好はしてないだろうし。
 定点観測ではなく、歩きながらの観察だから、3万人の中からの発見はまず無理だろう。
 と、専属料理人が大国町の歩道で次郎長屋の「若旦那」を発見。昆布の老舗で、専属料理人の実家は60年以上のなじみ、ウチも味噌と鰹節はこの店のに決めているという。
 急いで反対側の歩道へ移動、恵美須町の折り返し点から戻ってきたところで声援を送る。
  *
 ↑「昆布専門店 次郎長屋」のシャツで走ってるのが若旦那。
 静岡からの参加である。まさか大阪で声援を受けるとは思ってなかったような。
 あと30分ほど見物した後、恵比須町から新世界へ。JAZZも扱う下駄屋・澤野工房をちょっと覗いて、通天閣下を通る。
 串カツ屋は(にわか作りの店まで)混み合っているのでパスして、天王寺公園からハルカスを見物。
 
 ルシアスの「かど家」でランチ。ハートランドをちょっと一杯。
 天王寺から地下鉄で帰館、15時。9,489歩……マラソンの1/5程度の距離であった。

11月26日(月) 穴蔵
 朝だ。雨が降っている。久しぶりに浅田飴を舐める。
 昨日が奇跡的マラソン日和だったのだなあ。
 終日穴蔵で過ごしたいが、そうもいかず。
 朝から西梅田の某院へ。2ヶ月ぶりの検査。
 結果については……まあ、書かんとこ。
 雨中を悄然と帰館。
 あとは穴蔵にこもって過ごす。
 生産的な仕事は何もできず。嗚呼。

11月27日(火) 穴蔵/年賀状についてお願い
 終日穴蔵。
 播州龍野へ行く予定であったが、よんどころない事情により来週に延期する。
 少しは仕事もするのであった。
 そろそろ年末で、喪中ハガキが届き始めた。
 年賀状の季節である。
 そこで、12年に1度のことなのだが……
 「年賀状についてお願い」
 今度の正月の年賀状につきましては、「干支の動物」イラスト入りの賀状は、リアルなのはむろんのこと、デフォルメされたものも、お送りいただきませんようお願いいたします。
 苦手なのでございます。
 わたくしめ、ウロボロスも星の王子様の挿絵もダメ、街でアルファロメオを見かけても目を背けるほどなのでございます。
 なにとぞご勘弁のほどを。
 こういうお願いは、たぶん今回が最後と思います。

11月28日(水) 穴蔵/ウロウロ
 本日は晴天なり。
 穴蔵にて少しは仕事もするのであった。
 午後、歩いて西梅田の某院へ出かける。
 ちょっと珍しい「検査」を受けることになって、某装置を装着して24時間の監視体制におかれることになった。
 悪所へは立ち寄れず。
 遠出もできず。
 CDショップ〜ヨドバシ〜書店など回って帰館。
 おとなしく晩酌。
 ややこしい装置装着のまま、早寝を試みるのである。

11月29日(木) 穴蔵/ウロウロ
 眠いのであった。
 ややこしい「装置」をつけたままで、寝返りがうてず、本も読みづらく、眠り断続的なまま朝となる。
 しかたなく机に向かう。
 少しは仕事もするつもりなのであった。できなかったけど。
 昼前に出て、ゆっくり歩いて梅田へ。
 駅前第一ビルの「たかはた」できつね。
 午後1時に西梅田の某院へ行って、某装置の取り外し。
 結果を聞くのは2週間先である。ということは、たいしたことではあるまい。
 ああすっきりした。
 おれはサイボーグには向いてないな。
 ヒルトンプラザの前に来て、大阪駅西側の旧中央郵便局の建物がきれいさっぱり取り壊されているのに気づく。
  *
 ずいぶん早い印象だ(たとえばプラザホテルの解体は1年以上かかったように思うが)。
 立方体の建物が何かは知らんけど。(※)
 保存運動があったようだけど、致し方あるまい。
 おれは丸の内の東京中央郵便局みたいに、一部を記念に残す方式は嫌いである。
 作るなら新しく日本一の名建築を目指すべきである。中途半端な建て増しみたいなのでは、作る方も意気があがるまい。
 まっすぐ帰館。
 午後はマジメに仕事するのであった。

※かんべさんのHPで、この立方体は旧ビルの保存用部分が保存してあることを知った。東京を真似た、つまらんビルができるってことか。「中途半端な保存反対」の運動はないものか。あれば支援しまっせ。自ら旗振りやる元気はないけど。

11月30日(金) 穴蔵/谷口・滝川2clライブ
 定刻午前4時に起床。
 やっと普通の生活パターンに戻った。
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 夜、専属料理人と歩いて梅田、ロイヤルホースへ。
 最終金曜日、この数ヶ月は、北村英治さん(来年からはライブ出演予告があちこちに入り始めている)のトラで谷口英治さんが来演しているが、本日は最強のコンビ、滝川雅弘さんとの2clセッションである。
 早くから予約していたので、最前列のテーブル。
  *
 谷口英治(cl) 滝川雅弘(cl) 竹下清志(p) 三原脩(b) 石川潤二(ds)
 19時〜3ステージ、最高にいい席なのだが……
 2ステから背中合わせの窓側の席に入ってきたバカップルが、しゃべるしゃべるしゃべるしゃべるしゃべるしゃべる、ベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラ……演奏中も休憩時間も関係なし。
 店から一度注意してもらったが効き目なし。
 たまりかねて、途中から(こちらがだよ)奥の方に席を変えてもらったが、2ステで帰った人もあり。
 滝川さんがいうに、演奏者にも耳障りで、「年に一、二度は」こういう客がいるとか。
 チャージは払っているはずだから、いったい何しに来ているのか。
  *
 ↑このハゲアタマを後ろから蹴りたい衝動を抑えるのに必死で……結局、本当に楽しめたのは、ハゲアタマとイカレ女が帰ったあとの、ラスト3曲だけであった。
 店側もこういう客は叩き出すくらいの矜持をもってほしいものである。
 深夜の帰館。
 11月が終わる。嗚呼。


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