『マッドサイエンティストの手帳』521
●マッドサイエンティスト日記(2012年2月前半)
主な事件
・SF評論賞・他(1日)
・河内長野「天野酒」(4日)
・大阪←→播州龍野、いたりきたり
・大阪教育大特音同窓会live(8日)
・フロンティア3000(10日)
・納骨(11日)
2月1日(水) 上京/SF評論賞・他
午前の新幹線で上京、午後に着く。
山野楽器を覗くが収穫なし。
東日本橋の某ホテルにチェックインしてから、地下鉄で押上へ。
スカイツリーを眺めつつ浅草方面へ歩く。
*
源森橋からの眺望。これがほぼ完成形であろう。
浅草まで歩き、観音様にお参り、仲見世を抜け、雷門をくぐる。
藪蕎麦(並木)でこういうのをいただく。
夕刻、銀座線で表参道へ移動する。
ホテル・フロラシオン青山へ。
SF作家クラブの企画。
『田中光二さん300冊記念』と『第7回日本SF評論賞贈賞式』を兼ねたパーティである。
田中さん、穏やかな雰囲気になりはったなあ。「許されるならあと30冊を書く」……拍手。
評論賞は、
優秀賞 渡邊利道『独身者たちの宴』(写真右)
選考委員特別賞 忍澤勉『「惑星ソラリス」理解のために』(左)
忍澤勉さんは創元SF短編賞の「堀晃賞」受賞者でもある。
渡邊さんは「華竜の宮」を、忍澤さんは「ソラリス」を取り上げていて、近いうちにSFマガジンに掲載予定。忍澤さんの短編は4月?に創元SF文庫『原色の想像力2』に収められる予定。
ともかく早く活字になってほしいところだ。
あとはSF関係者で歓談しつつビール、ワイン。
珍しいところでは、筒井康隆さんが来られている。
豊田さんの挨拶もだが、みんな「長生きしようぜ」ということになる。
渋谷に勤務しているボンクラ息子その1と合流するつもりで、二次会は遠慮して出たのだが、「風邪でダウン」というメールが来る。
いたしかたあるまい。
まっすぐホテルに戻る。21時30分に帰館、ふだんなら就眠近い時間になってしまった。
本日は15,269歩。よく歩いたものよ。
2月2日(木) 東京→大阪
定刻4時頃に目覚める。
午前ののぞみで帰阪する。
東京は晴れ、浜松あたりまでは、太平洋側は晴れ、山側は富士山を含めて雪雲に覆われていて、名古屋近くから積雪が目立ち、岐阜羽島を過ぎたあたりから徐行運転となった。
関ヶ原あたり、えげつない積雪である。
40分遅れで新大阪に着く。
歩数調整のため、在来線で大阪まで行き、歩いて穴蔵に戻る。
5,385歩。
穴蔵13℃、外は3℃である。
夜はひとり寂しく鍋焼きうどんで一杯やって就眠するのである。
2月3日(金) 穴蔵/ウロウロ
定刻よりも少し遅く、4時半に目覚めた。
ちょうど国営放送のニュースが始まる時刻である。
大雪であるなあ。
朝5時のベランダ(大阪市北区)は0℃である。氷点下にはならず。
寒いことは寒いので、30分ほどエアコン稼動、あとは防寒服+足温器にて終日穴蔵にて過ごす。
パソコン不調となり、リカバリーを行う。
データは日ごろからバックアップしているから被害はほとんどないが、メールとメアドが消えてしまった。多くは播州龍野のサブ機に残っているが、しばらく不便になるかも。
諸々のソフトの再インストールで、ほとんど1日がかりになった。嗚呼。
夕刻に近い午後に散歩。
梅田ブラブラコース。
*
大阪駅11階から北ヤードを眺める。
カマボコ屋根はこのまま近代遺跡として残してほしいものだ。
あと、デパ地下を覗く。
なんと「のり巻き」の多いことよ。今夜、市民の大半が、巻き寿司の丸かじりをやるのだろうか。
夜はひとり寂しく、ひとり鍋でビール、湯割り。うどんで仕上げ。
明日は某酒蔵見学があり、早寝するのである。
本日は7,888歩。
1月4日から始めた「日課・一日5,000歩以上」は、本日で1ヶ月完遂した。
一応、本日をもって歩行数の記述は一区切りとさせていただきます。
歩かないということではなし。
5千歩の距離感はつかめたから、4,900歩でやめることがあるかも。
ほぼ5千歩を続けることが大切なのである。
一昨日の筒井大人、豊田先輩のお言葉により、とりあえず長生きだけはしようという気分になったのである。
2月4日(土) 河内長野「天野酒」/穴蔵
昼前に出て、難波から河内長野へ向かう。
河内長野に来るのは初めてである。
高野山へ続く「高野街道」の要衝で、旅籠があったらしい。
ここに享保3年創業・昔ながらの酒造りを続ける「天野酒」西條蔵がある。
ODJCのK田さんの紹介で見学させていただく。
播州龍野の醤油蔵に似た雰囲気だ。
FM-COCOLOのクリス、ダンサー、ピアニスト、カメラマン、教師など不思議にして面白い顔ぶれ。
2時間ほど見学の後、駅前ビルの直営店「なまくら」で、16時前から「純米大吟醸」飲みつつ色々いただく。
奥の小部屋はなんと「穴蔵」である。
昼飯抜きで、午後の大吟醸、しかもアホな話を色々しながらだから、これは回るなあ。
クリスもダンサー嬢も夜に仕事というが、大丈夫かいな。
おれは(たぶん)19時頃に出て、南海急行、地下鉄を乗り継いで(たぶん)20時過ぎに無事帰館……奇跡としかいいようがない。
(たぶん)無事就眠……定刻に目覚めてこれを書いているのだから、間違いない。
2月5日(日) 大阪→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
雑事色々。
昼過ぎに「龍野醤油駅そば」屋台を見物に行く。
本竜野駅前にあった醤油駅そばがいつの間にか閉店したのだが、龍野ICの南の方に移転していると情報提供いただいたのである。
「がらくた市」というかフリマというか、あまり利用したいとは思えぬややこしい施設ができていて、その横で営業中であった。客ゼロ。
試す気分にはならなず。麺類の店は(行列はともかく)ある程度流行っていなくては。
(推定)1日数名のそば屋なんてなあ。
太子の「あやがわうどん」へ行って「きつね」を食す。
夜は播州龍野の実家にて、ひとり寂しく、ひとりチゲ、ビール、うどん、「神の河」湯割り。
テレビで『運命の人』を見る。
テレビドラマを見るのは『白い巨塔』(唐沢版)以来、その前は田宮版『白い巨塔』だったかな。
ともかく、おれは(ニュース以外)めったにテレビは見ないのだが、山崎豊子原作となると別格みたい。
山崎豊子ドラマの「構造」によるのだろうが、このことはもう少し考えてみることにする。
本木雅弘もいいが、真木よう子という女優にはほれぼれするなあ。こんな気分は20年ぶりである。
2月6日(月) 播州龍野→大阪
朝だ。雨が降っている。久しぶりに浅田飴だ。
小雨のなか、金融機関へ行ったり(なぜか)墓地へ行ったり仏壇屋へ行ったり、精力的に動く。
午前中で諸事片づけ、昼の電車で帰阪する。
専属料理人が10日ぶりに帰宅していた。
夜は久しぶりに静岡産メニューで一杯。
しらすおろし、桜エビ掻き上げ、マグロのステーキ、わさび漬けなどでビール、「神の河」湯割り。
早寝するのである。
2月7日(火) 穴蔵
朝だ。本格的浅田飴だ。
終日穴蔵。
確定申告の書類を作成する。
今年から、播州龍野関係も一部こちらに関わってくるので、表計算の書式を変更しなければならぬ。
まあ、税額にはほとんど影響しない規模なので、一度書式を決めれば、今後はそう手間はかかるまい。
午後は曇天。
大淀税務署へ足りない用紙を貰いに行き、梅田界隈をひとまわりして帰館。
サンデー毎日を立ち読みするに、ナベツネが『運命の人』に怒っている。
読売記者(ナベツネがモデル)がタカリ型記者として描かれていることが気にくわないらしい。ははは。野暮野暮。
おれが読んだ限り、テレビは山崎豊子の原作を比較的忠実にドラマ化している。(まあ、本木雅弘も真木よう子も、美男美女すぎるけど)
そして、ナベツネも原作に文句をつけているのだが、文句いうなら、原作が発表された時点でいえよ。
テレビで評判になったからというのでは、多少なりとも活字に関わる人間としては情けないでっせ。
2月8日(水) 穴蔵/ガゼボ
終日穴蔵……のつもりであったが、雑事も色々。
近所の医院へ定期検診に行く。
待合室で風邪をうつされてはたまらんので、マスクで防御。
この寒さにもかかわらず、血圧は正常であった。日課・一日5000歩以上との相関は不明だが。
気をよくして梅田一巡。
懐かしき知人に会って、昼は「たちばな」にて、すき焼き定食、ビール一杯。あまりほめられた所業ではないな。
帰路、雪が舞った。
午後は穴蔵にこもる。
夕刻這い出て、靫公園東側のガゼボへ行く。
滝川雅弘さんがリーダー的に編成した「大阪教育大特音卒業生に依る同窓会live」。
4人しか予約がないとか聞いて駆けつけたのだが、満員の盛況であった。
*
熊本尚美(fl) 福留敬(fl) 中島徹(tb、p)村上剛(p) 岡本拡子(vo)金沢恭典(b) 佐藤健(ds)他と多彩。
ジャズが中心だが、クラシック(ピアノ連弾)、ショーロ、「子供の歌」まで、さすがに色々なジャンルで活躍されているのだなあ。
友人の池ちゃん(ドラマー)が来ていた。
「先日の森山威男トリオのライブに来てなかったやないか」
あ、そういえば河内長野の酒蔵見学の日、森山さんのライブが大阪であったのだ。
「おれ、あの店、怖くて、行けんようになって…」
「何が怖いねん」
「おっそろしいネエちゃんがいて、ともかく苦手なんや」
ビクビクしながらジャズは聴けないものなあ。
その点、ガゼボは優しい接客で、安心して楽しめる。
「きっと勝つサンド」でグラスワインをいただきつつ、ラストの「Is't She Lovely」まで。
2月9日(木) 穴蔵
寒いのであった。
午後に中崎町界隈を散歩する以外、穴蔵にこもって過ごす。
仕事らしきことはあまりはかどらず。
長山靖生『戦後SF事件史』(河出ブックス)を読む。
感想は後ほどに。
・大平シロー氏の訃報。
事務所で倒れ緊急搬送……「難治性心室細動」というが。55歳。
よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属して、「最近は俳優や放送作家としても活躍していた」というから、吉本とは和解していたということか。それなら漫才をやってほしかったが。
おれにとっては、2006年に某犯人と見間違えて以来である。
2月10日(金) 穴蔵/フロンティア3000
寒いのであった。
終日穴蔵にて雑事色々。
夕刻に近い午後に這い出て、梅田の某所へ。
「フロンティア3000」というグループの会合である。
↑ミニチュアの模型が持ち込まれたが、こういうのに関する企画の打ち合わせ。
ひとつは、来月から吹田市立博物館で開催される「小松左京写真展 宇宙に翔く夢」……おれは3月20日に行きます。
ここは交通の便が悪いけどね。岸辺から歩けば、往復で1万歩はかたいところ。
岸辺には「きしべむれし」という天才的ショートショート作家(←冗談と思われるかもしれないけど、かんべむさしに対抗心を燃やす“作家”が本当にいたのである)が住んでいるしねえ。
もうひとつは、さらに大がかりな企画で、夏に大阪で行われる一周忌イベントである。
来月には公式的に発表されそう。
決まり次第、ここでも紹介いたします。
来週から、色々と動くことにする。
2月11日(土) 姫路行き
寒いのであった。
久しぶりにネクタイして出かける。
姫路へ。
大手前公園を抜けて姫路城の東側へ。
中学高校時代の通学路である。センチメンタルになるぜ。
改修中の姫路城……たいしたものだ。工事現場の見学はけっこう人気があって、予約しないと難しいらしい。
ま、そのうちのつもりだけど、そのまま5年過ぎてしまうかも。
母校隣接の某施設へ行く。
ここに兄妹集合、某骨堂に父母の骨壺を収納……30分ほどその儀式を執り行う。
亡父の27回忌でもあるので、儀式終了後、身内で、米朝師匠ご贔屓の「文楽」へ行って、法要兼ねた豪華ランチ(といっても、天ぷらと皿そばで熱燗だけどね/皿そば3皿追加して菊正宗2合)をいただく。
米朝師匠の愛好店で一杯やれるというだけで幸せな気分になるなあ。
午後の電車で帰阪。
と、夜のメインメニューはエビフライであった。嗚呼。
むろん専属料理人に罪はない。
昼のメニューとその量をメールしておかなかったおれが悪いのである。
ありがたくいただき、ちょっと飲んで、早寝するのである。
明日こそホリは羽ばたく。
2月12日(日) 穴蔵
日曜日なのであった。
終日穴蔵。
なぜか気力が減退、何もする気分にならず、本を読んで過ごす。
文藝春秋の芥川賞選評、期待したほどの面白さはなし。
受賞作よりも、選評のテンションが低下している印象を受けるなあ。
曇天の午後、天八方面散歩。
シーバス1本買って帰館。
パスタとなんとかサラダで一杯やって、早寝するのである。
2月13日(月) 穴蔵/ウロウロ
定刻4時に起床。
雑用あれこれ。ただし、たいして生産的な仕事はできず。
天気予報によれば、午後は雨になるというので、11時前に出て、金融機関・郵便局・書店などウロウロ。
帰館寸前、11時55分に雨が降り始めた。
なんと正確な。
午後も穴蔵にこもって過ごす。
2月14日(火) 穴蔵/ウロウロ
定刻4時に起床。
雑用あれこれ。ただし、たいして生産的な仕事はできず。
ここんとこ、こればっかりだなあ。
早朝のテレビニュース。
・泉大津の「旧紡績工場」に大麻密造プラントがあったという。
犯人の住所は公開されている(高石市西取石7丁目の無職北原和之・その他)が、旧工場の所在地がわからん。
これはぜひとも現地見学したいものだ。
この業種、事業転換に色々と苦労が多かったのだ。大麻密造とは、着眼点、なかなかよかったのではないか。
終日小雨が降り続く。
雨にも負けず、「昼休み」を挟んで、散歩を兼ねた外出。
中崎町経由、扇町公園。
「うめきた」で建築中の高層ビル群を眺める。
公園には誰もいない。結城昌治。センチメンタルになるぜ。
扇町公園東側の「やまが家食堂」で昼飯。
CDショップ「MusicMan」を覗いて帰館。
あとは穴蔵。
生産性の低い日々が続く。
2月15日(水) 穴蔵/ウロウロ
テレビのニュースによれば、ネット上で企業の「炎上」を防止する「ニューメディアリスク協会」というのが発足するらしいが、なぜ綾小路きみまろが音頭取りなんだ??と、よく見たら、別人28号だった。和服姿で、かなりの目立ちたがりと見たが、からかわれやすいと思うぞ。
終日穴蔵。
夕刻に近い午後に梅田散歩。
寒いのであった。
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