『マッドサイエンティストの手帳』517
●マッドサイエンティスト日記(2011年12月後半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・SF検討会(16日)
・一周忌(18日)
・OverSeas(21日)
・「文楽」にて(25日)
・ロボラボ(29日)
・タイムマシン忘年会(30日)
12月16日(金) 穴蔵/SF検討会
終日穴蔵にて粛々と雑用。
夕刻、かんべむさし氏が焼酎ぶらさげて来穴蔵。
本年最後の定員2名テーマ非公開の忘年会的SF検討会を開催する。
アホな話(ほんまにアホにして危険な話)を色々やってたら、あっという間に5時間近くが経過していた。
これは新記録ではないか。
むさしくん、22時頃に帰る。
寒夜、気をつけて帰館してくれたまえ。おれは早々と就眠。
12月17日(土) 大阪→播州龍野
朝の電車で播州龍野へ移動する。
午前10時の龍野書斎の室温は5℃である。
雑事色々。
クルマの定期点検のため、龍野東端に近いM自動車へ行く。
点検中、近くの里山を散歩する。
*
タケノコの季節が待ち遠しいなあ。
午後、揖保川沿いの美術カフェガレリアに寄る。
以前、長年愛用している三ツ星ベルトのカレンダーが今年は入手できないと書いたら、本ウェブを読まれた近郊の方が、来年の「三ツ星ベルトカレンダー」2本を預けてくださったのである。
ありがたいことである。厚くお礼申し上げます。
さっそく、1本をタイムマシン格納庫にかける。
「三ツ星ベルトカレンダー」は日本のカレンダーの最高峰とおれは評価している。惚れぼれするぜ。
伝導技術の基礎を支える三ツ星ベルトに栄光あれ!
ということで、夜は、ウイントン・ケリー、ステファン・グラッペリなど渋いところを聴きつつ、ひとり寂しく一人鍋で独酌。
本を読みつつ、早寝するのである。
12月18日(日) 一周忌
播州龍野にて寝覚めたのであった。
朝の姫新線で姫路へ行ったのであった。
改修中の姫路城の東側にある某所でミサなる不思議な儀式があるのであった。
昼からは、姫路駅の南にある店で、ちょいとした会席。
一族郎党が……曾孫まで含めて、北は富山、東は東京・横浜などから集結したのであった。
亡母の一周忌である。
たいした料理ではなかったが、昼間から一献。
夕刻に近い午後、おれはひとり播州龍野へ帰るのであった。
明日、雑用があるからね。
ということで、夜はなべ焼きうどんで、またも一献。
早寝するのである。
12月19日(月) 播州龍野→大阪/小金ちゃんあの世行き
播州龍野にて、朝から雑事多し。
金融関係、不動産関係、タイムマシン関係の事務所などをウロウロ。
法務局と市役所に行く用件も発生。
面倒なことである。
昼、行きつけの食堂が休業なので、「味三昧」で弁当を買っていったん帰館。
と、正午、小金ちゃん死亡のニュースが流れる。17日朝に列車内で急死という。
13時頃までニュースを見るが、どうも暗殺ではなさそうな。まだわからんけど。
午後、ニュースも見たいが、仕事もしなければならぬ。
一区切りつけて、夕刻に近い午後、播州龍野から大阪に帰る。
粗食で晩酌のあと、穴蔵にて夜のニュースを見るが、新情報はほとんどなし。
死因は心筋梗塞という。
当面の興味のポイントは、葬儀に正男が帰国するかどうか、帰国したとして再出国できるかどうかだな。
12月20日(火) 穴蔵/NORSO?
終日穴蔵。
断続的に報道番組を見るが、小金ちゃんの死因について、特に新情報はなし。
平壌の「市民」が整然と並んで号泣している映像は不気味だ。
かれらは特権階級だから、明日のオマンマを心配しての号泣……ボス猿が死んだ時のメス猿に近い反応なのかな。
ラスカルズ関係の荷物が届く。
CDなどとともにネックレス。
ノルソ(NORSO)ってブランドあったかしらと専属料理人。
これは「NOR-50」つまりニューオリンズ・ラスカルズ50の略で、10月16日の50周年を記念して作られた限定品だと説明したら、納得、感激しているのであった。
12月21日(水) 穴蔵/OverSeas
終日穴蔵にて雑事。
夕刻這い出て、堺筋本町のライブハウスOverSeasへ。
専属料理人は地域の福祉関係のなんとかで出かけておるので、おれひとり。
*
本日の出演は、寺井尚之(p) 滝川雅弘(cl)宮本在浩(b)のトリオ。
ピアノとクラ、大阪の名手ふたりの共演である。
3ステージを堪能。
ラスト、優雅な「スターダスト」につづき(フレディ・ハバードによる「Giant Steps」の替え歌?)「Dear John」とはたまらんなあ。
堺筋本町の隠れ家的ライブハウス「OverSeas」に栄光あれ。
終演後、本町まで歩く。
ボンクラ・サラリーマン時代の勤務先を通過。
*
斜め向かい、綿業会館の西側に、えげつない串カツ屋ができている。前は喫茶店だったところだ。
ほとんど屋台感覚。
22時近いのに結構繁盛している。
たいしたものだ。
12月22日(木) 穴蔵
終日、穴蔵にて粛々と雑事を処理する。
寒いのであった。
午後、日本橋へ行こうかなと出かけたが、あまりの寒さに、郵便局で所用を済ませて引き返す。
日刊ゲンダイの見出しに「正男暗殺」とあるので買って帰る。
この記事は羊頭狗肉であった(正男が暗殺されるかもしれないという程度の話)。
ただし、正恩(の側近)が「早くも数百人を粛清」したとか。これはありそうな話だな。
その正恩が軍に「指令1号」を発したという。
「恩1号指令」か。「陸軍中野学校」の「雲一号指令」を思い出すねえ。
叩き上げの軍人にすれは「なんでこんなチンピラに」気分だろうな。
ともかくかの国からは目が離せんよ。
粗食にて軽く一杯。早寝するのである。
12月23日(金) 穴蔵/日本橋
定刻4時に目覚めた。
ここ数日、起床時間にぶれがあったが、正常に戻ったようである。
世間はこれから「3連休」というが、のんびりできるのは役人(大阪市「幹部」を除く※)くらいのものであろう。
おれは民間人なので、雑事は色々あるのであった。
昼、日本橋の部品屋へ行く。
おお、ナニワネジは役所じゃないので、ちゃんと営業していた。
休日の日本橋は久しぶりである。アホがウロウロしております。
日本橋筋の西側DVD店が増え(ただしジャズCD置いてるのは「J.J.」のみ)、西側の筋もおたく系の店舗やメイド喫茶が増えて、結構な人出である。
ジャンクショップが減ったのが寂しい。「白モノ家電」なんてどこにもない。
難波から恵美須町まで往復するが、覗いたのはナニワネジを含む5店だけ。
ガレージメーカーには不便な時代になったなあ。
※橋下くんが休日返上で「仕分け」行うのは結構だが、呼び出された「大阪市幹部」が(まさかと思うけど)休日出勤手当をせしめているかどうか、チェックした方がいいぞ。べらぼうなんだから。「大阪市幹部」はともかく腐れきってるのだからね。
12月24日(土) 穴蔵
終日穴蔵にて雑事……のつもりだったが、9時過ぎから、集合住宅北側道路の工事音がひどい。
重低音が絶えず、仕事にならない。
*
見れば、白いクレーン車みたいなの(何という名前の車輌か)がアスファルトを剥離・粉砕・溶融?して前にいるダンプに積み上げつつ前進している。
たいしたものだ。
横の道には「アスファルト・フィニッシャー」(これはわかる)が待機している。
めくって再舗装らしいが、何のための工事やら。
※夕刻聞くに、駐車していた数台にアスファルトが飛び散って黒い斑点ができたらしい。わしゃ理事じゃないから、もめ事の埒外だからね。当事者で橋下を相手取って盛大にやってくれたまえ。
気力集中できず、昼間2時間ほど梅田の書店など散歩する。
人出多し。
センチメンタルになるぜ。「ジングルベルの憂愁」ってやつだ。
家族のもとに帰る。
夜は専属料理人が鶏のグリル(焼いたのか煮たのか蒸したのかよくわからんけどなかなか)を中心に色々並べる。
ビールと発泡性ワイン。淡泊なケーキで仕上げ。なかなかのものである。
早寝(たぶん21時過ぎ)するのである。
12月25日(日) 大阪→姫路→播州龍野
恐ろしく風の冷たい日である。
昼、姫路へ移動する。
米朝師匠ご贔屓「文楽」姫路駅南店へ。
(米朝師匠が立ち寄られるのは、もともとは砥堀店だが、交通の便からこちらの店の方が多くなり、ただし最近はお見えにならないような)
上田早夕里さんご一家(卍さん、利発を絵に描いたような愛息Yくん)、八杉将司さん、ソリトン以来の付き合いの児島康子さん(あ、写真から外れとるぞ)が集まる。
上田さんの日本SF大賞受賞祝賀会……ごくささやかな「播州版」である。
天ぷらでビール、出石そばで八重垣の熱燗。
あと、日航ホテルのラウンジでぐだらぐだらとしゃべって夕刻解散となる。
姫路SFはレベルが高いぞ。
姫新線で播州龍野へ。
寒い。
室温4℃である。
百畳にひとりというのはこたえるなあ。
12月26日(月) 播州龍野→大阪
播州龍野にて午前4時に目覚める。
石油ストーブをつけたままだが、室温は16℃。1階の居間は4℃である。まだ酷寒とまではいかぬか。
雑事色々。
晴れていたが、9時頃、とつぜん雪になった。
キンタマ収縮の季節となりにけり。
午後の電車で帰阪。
本日で龍野は仕事納めのつもりだったが、もう一度来なければならぬような。
ということで、夕刻に近い午後帰館。
大阪も風が冷たい。
専属料理人が並べた粗食(ピーマン肉詰めとか、なんとかサラダとか)で一杯飲んで早寝するのである。
12月27日(火) 穴蔵/ウロウロ
寒いのであった。
穴蔵にて、朝30分ほどエアコンを稼働させる。
今シーズン初めてかな。20℃になれば十分で、あとは厚着+足温器で過ごす。
播州龍野の書斎に較べれば、「湯念仏」を唱えたくなる気分である。
昼をはさんで、散歩を兼ねて外出。
青空書房に寄って坂本さんに年末の挨拶。
あと、天五の「玉一」にて、こういうものをいただく。
扇町公園を抜けて「Music Man」に寄る。フランスの珍しいクラ(Maurice Meunier)を525円で入手。
駅前ビルまで歩き、チケットショップへ。
年末年始、何度が播州龍野への日帰りがあるので、青春18を買おうとしたら、冬季は期限が1月10日までに短縮されている。これだと使い切れそうにないので購入は見合わせる。JRもケチなことやるぜ。
ヨドバシ、紀伊國屋、丸善ジュンクドーを回って帰館。
約7000歩。
来年は毎日これくらいを目標にしよう。
夜は和系粗食にて一杯、ちょっと遅いけど「ブルーノート・クリスマス」を流しつつ。
いい気分で穴蔵に戻り、DVDで笑福亭福笑師匠の『葬儀屋さん』を見る。何度か(ひとりで穴蔵にいるにもかかわらず)声をあげて笑ってしまう。
福笑師匠も今や大御所であるなあ。
さあ、明日は小金ちゃんの告別式。正男は帰らないようだな。
おもろいことが起こればいいが。
ということで、メアリー・ローチ『わたしを宇宙に連れてって』(NHK出版)を読みつつ早寝するのである。
12月28日(水) 大阪←→播州龍野
定刻4時に目覚めたのであった。
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
到着時4℃の室内で雑事色々。
主には実家の掃除(大掃除ではなく、軽く片づけ)である。
おれの居住区(本が散乱)はそのままなり。
午後はタイムマシン格納庫にて、ちょっとややこしい打ち合わせ。
老朽化した建物でやってると、鬱陶しい問題が生じるのである。
まあ、なんとかなりそうな。
夕刻の電車で帰阪。
夜は専属料理人の並べた、ビフカツ、その他野菜色々(ひじき、もやし炒め、蕪のなんとか、他)でビール、「神の河」湯割り。
なんだかトリのエサみたいに野菜料理が増えてきた。健康にいいのはわかるが、城卓矢の歌じゃないけど「殴り飛ばして別れよか」気分になってくるなあ。
夜の報道系テレビで「小金ちゃんの告別式」を確認するが、霊柩車の横を歩くは、右に正恩、左に軍。党と軍の争いは拮抗しているということか。
正男も正哲も帰国せず。
ま、お楽しみはこれからだ。
寝る。
12月29日(木) 穴蔵/ロボラボ
いよいよ年末である。
穴蔵にてボケーーーッと過ごす。
午後に這い出て、梅田、駅前第3ビルにあるロボット・ラボラトリーへ。
ここに来るのは初めてである。
業務は昨日で終了していて、がらんとしたフロアの一角で、浅田稔教授と瀬名秀明さんを中心に秘密(でもないか)会議。
2月にトークイベントがある予定なので、決まればここでも案内の予定。
終了後、地下の沖縄料理店で、浅田稔さん、瀬名秀明さんと3人でビール、泡盛。
「ロボットと人工知能」から始まって、「飛行機操縦術」「ジェンダー論」「SF作法(論文か物語か)」「翻訳論」その他色々……恐ろしく刺激的な雑談で、気がつけば3時間が経過していた。
「OKINAWA」にて。
仕事納めのあとらしき酔客でごったがえす梅田を歩いて帰館。
本日のサプライズ。
*
某氏からいただいたおみやげ。
リーガロイヤルホテルの「レクラ」で売っているチョコレートである。
8個の球体は太陽系の惑星なのである。
もったいなくて食べる気がしない。
12月30日(金) 穴蔵/てっちり
いよいよ年の瀬である。
穴蔵にてボケーーーッと過ごす……気分にはならず、今年最後のゲラ校正をやったり、色々メモをとったり、構想を巡らしたり、昨日の「議論」の影響で、おれも何かやらなきゃ気分なのである。
来年は少し気合いを入れて仕事することにしよう。
ということで、今年はまあのんびりしてもいいか。
夕刻、阪急石橋の海鮮居酒屋へ。
年末恒例、わがタイムマシン業関係の「総会」兼「忘年会」である。
総会は10分間のシャンシャンで終わる。来期もおれが代表取締役を務めさせていただく。大王製紙とはちがうのである。
ただちに宴会モードに入る。
今年は11月に「創立10周年」を迎えたので、その記念も兼ねて、活きフグ一匹捌いてもらって、豪華フグコース。
ぶつ切りのフグがピクピクしておる。
ついでに「ウニ1箱」もおごっちゃった。
盛大に生ビール、ひれ酒。
「時速1時間未来行き専用」タイムマシンを作りつつ、なんとか10年やってきたのだから、感無量である。
12月31日(土) さらば2011
大晦日である。
朝、ボンクラ息子その1と配偶者が夜行バスで帰ってきたらしい。
ま、夜一杯飲むから、挨拶はその時でよろしかろう。
穴蔵の大掃除……というほどのことはせず、本とCDを整理する程度。
昼、散歩を兼ねて、梅田をウロウロ。
休みの店が多く、人出は少ない。
西梅田から北ヤード(「うめきた」が正式名称になるらしいが)を見る。近い将来、ここを舞台に書くつもりである。
高層ビル4棟が迫り上がりつつある。
*
あまりいい雰囲気ではないなあ。
1年前はこんな雰囲気で散歩を楽しめたのだが、もう自由に立ち入れる空間はない。
高層ビル群が廃墟になった世界の方がSFとしては面白いだろうな。
ヨドバシで蛍光灯3本を買って帰る。
穴蔵の不安定な照明を交換して、年度末の作業を終了とする。
ということで、夜は帰省したボンクラ息子その1+1を含む家族揃って、シマアジの刺身、ビーフシチュー、サラダなどでビール、ワイン。
あとは穴蔵に戻って、諸帳簿類の2012年バージョンを準備する。
テレビでは例によって国民的学芸会はじめアホ番組の垂れ流しのようだが、わしゃ本年の追悼として藤家虹二さんのCD流しつつ……。
専属料理人が、0時にカウントダウン、シャンパンを抜くと連絡してきたが……あと2時間……なんとか起きてられるかな。
ともかく2011年が終わる。
今年の回顧。
3.11と7.26に尽きるなあ。小金ちゃん地獄行きはまだ回顧する段階じゃないし。
ともかく皆様よいお年を。
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